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▼ ニュージーランド遠征 2024-5
- ジャンル:釣行記
- (遠征)
1/2
午前6時の日の出とともに私、T夫妻、KSさんの4名で昨日の夕方に攻めたCリバーの支流合流ポイントへ。ちなみにこの日の私の使用ルアーはシンキングミノー”エデン50H”のみ。
KSさんは支流を単独で上がっていき、私とT夫妻は合流部から下流に下っていく。
これまでほとんど何も釣れていないT妻に大型レインボーを釣ってもらおうと思い、昨日大物が連発した合流を攻めてもらう。
すると、40cmクラスのバラシのあとあっさり50cm台前半のレインボートラウトをキャッチ。ヒットルアーはDコンタクト50

さらにTさんも同ポイントで40cmクラスをキャッチ。この合流、もはや釣堀状態である。
T夫妻が合流を攻めている間、私は近くの瀬を攻めていたのだが、朝なので魚が活発に移動しているためか浅場にはまるで北海道の秋の河川でよくみられる遡上のサケ・カラフトマスのように50cmくらいのレインボートラウトがいたるところで隊列を組んで定位している。多いところでは5m四方くらい範囲に15匹くらいいる。しかもそれは特別魚影の濃いエリア内だけのことではなく、当日のCリバーは私が訪れた範囲でどこもそのような魚影を見ることができた。

T夫妻が合流を攻め終わった後、私も満を持して同ポイントを打つ。
すると、来るは来るは、バラすはバラすはでてんやわんや。
ジャンプでのフックアウト2回。ランディング寸前のリーダーラインブレイク1回という酷い有様。バラシたのは全部50cmくらいのレインボートラウト。
このラインブレイクの反省からここでリーダーは8℔から10℔に結び変えた。
私は早朝の連続3バラシで自信喪失。
「再三にわたりチャンスを逃すなんて俺はどうしようもなくダメなやつなんだ。こんな下手くそはこの川のトラウトを釣り上げることができないんだ。」
などと考え、うなだれながら先を進んでいるT夫妻に合流する。
先のポイントでもTさんは絶好調。深場という深場で40cmオーバーのレインボーを釣り上げる。
まさに絶好調、イケイケである。
そのうち、川を渡らなければならない場所に行き当たったのだが、T妻が川を渡れないので私とT妻は引き返すことに。
イケイケのTさんは先に進みたいというので、撤収時間を午前9時と定めてTさんと道を別れた。
そして例の釣堀もどきの合流へ戻ってきたところで、少し攻め方を変え、淵の最終地点付近の流れの弱くなった深みに倒木が覆う場所にルアーを通すと一発でヒット。
食うと同時にいつものジャンプをかましたのは大型レインボー。おそらく、朝イチにバラシた三匹より大きい。
最初のジャンプでフックアウトしなければ、ファイトはなんとかなりそうだが、朝はちょっと無理をしてランディング間際にテンションをかけすぎてラインブレイクしているので、時間をかけて慎重にファイトする。
ニュージーランドのレインボーは瞬発力が強く、ねばりもある。本当に手強い魚だ。
岸際で魚体が見えてから、魚が嫌がり走るということを5回、6回と繰り返しているが、徐々に魚の脱力から反撃までの間隔が長くなっていく。魚のスタミナが切れてきているのだ。
そのうち魚の抵抗が極めて弱くなったタイミングで一気に魚が泳ぐことのできない浅瀬まで魚をずり上げ勝負あり。ネットはルアーが引っかかって魚が逃げてしまう可能性を考慮してあえて使用しなかった。

実測57cm。
自己記録をさらに伸ばした喜びと、三バラシからの良型
キャッチの嬉しさが相まって大はしゃぎである。

居着きの魚なのか、魚体の所どころにカビというか水藻が付着したような模様ある。
それにしてもようやくCリバーのレインボートラウトを釣り上げることができた。朝のバラシのまま終わっていたら仕事を辞めてでも今年中にニュージーランドを再訪していたところだ。まぁこれは半分冗談だし半分本気。
その後、私たちにヒットはなく撤収。
Tさんは先のポイントで50cm前後くらいのレインボーを3キャッチしたそうだ。
上流に向かったKSさんは大苦戦で2ラインブレイクを含む3バラシのノーキャッチ。KSさんいわくニュージーランドのレインボーは北海道のものより強いとのこと。自宅の裏が国内屈指のニジマスポイントであるKSさんがいうのだから間違いないだろう。
ロッジにもどって休憩したあと私とTさんは再びCリバーへ向いKSさん一家とT妻は観光に出かけた。
ニュージーランドでは釣り人は朝ゆっくとでかけるらしく、昼前に川沿いの道路を走っていると朝夕には見られなかった釣り人の姿をちらほらとみかける。魚影の濃い当地では日本の釣り人のように朝夕マズメの極端な時間にがんばって釣りをする感覚がないようだ。
次なるポイントは国道横の橋の下。
ポイント選定理由は“エントリーしやすいのに釣り人がいなかったから“というもの。いわゆる”行き当たりばったり”というやつだ。
ここからは私も釣りたいのでTさんと一匹釣れるごとに先攻を替えていくというシステムで釣りを行っていく。
そして、先攻させてもらうと最初のポイントで早速きた!

実測58cm。速攻で自己記録再更新。
写真では分かりにくいが、この魚は魚体の色合い美しく、肉付きも良い”美魚”であった。
本遠征で一番お気に入りの魚なのだが、魚を持っている写真が上手くとれていなかったようで非常に残念である。
釣り進んで行くと魚が出まくる

50cmは余裕で超える雄。10回くらいジャンプした元気者だった。

居着きらしき雄もヒット。これも余裕の50オーバー。
たぶん当日私がキャッチした魚のアベレージサイズは50㎝台後半。
つい数日前まで”自己記録は50cm”と言っていたのが噓みたいだ。ニュージーランド北島のレインボートラウトの魚影の濃さ、アグレッシブさ、パワフルさとタフネスには驚愕である。
これまでの”トラウトフィッシング観”を一変させられる衝撃体験といっていいだろう。
このような体験をしてしまうと今後国内でニジマスを狙うのが馬鹿らしくなってくるので、ニュージーランドの”レインボートラウト”と日本の”ニジマス”は別物と無理矢理割り切ることにする。
私が先攻している時、なんの変哲もない瀬尻の岸際、木が張り出してシェードになっている下が少し深くなっているようにみえた。
何の気なしにシェード目掛けて歩きながらキャストしてみる、着水とほぼ同時に魚が食った。
魚は食うと同時に縦に横にと跳ねまくる。
先ほどまでの魚より一回り魚体が大きい。
この日が団体で釣りをする区切りだ。有終の美を飾るためにもこの魚は絶対に獲りたい!
しかし、その思いを打ち砕くかのようにレインボーも奮戦。
勢い良く下流の淵へと猛ダッシュ。
淵のある左岸際には倒木が張りだしている。
「そっちへ行かないでくれ~」と願うと、大抵の場合魚はそこへいってしまうものだ。
魚は淵まで到達し、ラインが倒木の下を通過する。
「頼むから引っからないでくれ!」と魚の引きにたえていると、魚は川の中央付近に移動。
ほっと一安心したのもつかの間、レインボーは再び倒木の下へと突っ込んで行くのでもはやこれまでと観念したが、ここでも運よくラインは巻かれず。
そのうち魚は下流に走り、ただ深いだけで流れの緩い安全地帯へと自ら移動。この隙をついてラインを回収しつつ私も下流に移動して魚との距離を詰める。
ライン回収段階になると意外と大人しく、岸に誘導してやると素直に従ってくる。
ウェーディングしているのである程度魚が近くなったらラインを回収するのでなく、自分が岸の方へ移動していって魚を引っ張っていくかたちになるのだが、目前の巨大レインボーが今にもジャンプしそうで心臓バクバクである。
案外あっさりと岸に到達。安堵から魚を写真に納めるのも忘れ、しばらく放心状態。

実測60cm。レインボートラウト特有のレッドバンドが薄く、サイズ感も相まってカラフトマスのような魚だった。

体長、体高申し分なし。ニュージーランドのレインボートラウトフィッシングに悔いなし。
この魚を釣ったことで満足したので、車まで戻り河原で休憩。リーダーを付け替えるなど次の準備をしていたところ、バギーで颯爽と現れた白人のおじさんが話しかけてきた。
おじさんは地元の人らしく、親切にもどこのポイントに魚がいるとか、この季節が良いなど有益な情報を惜しみなく提供してくれる。私は英語などからっきしでその辺の高校生よりよっぽど使えないが、おじさんは聞きやすいように話してくれるし、こっちの言っていることも積極的に理解しようとしてくれるので翻訳アプリを使わずとも6割以上意思疎通ができているように感じた。
会話をしているうちにおじさんの機嫌がよくなり、「うちでウィスキーでも飲んでいかないか?」ときた!
おじさんの上着は肩の上部が日焼けで色あせていて身なりが綺麗とはお世辞にも言い難い。直感的におじさんの家で振る舞われるウィスキーのグラスはちゃんと洗えてない、縁に食べかすがこびりついているような不潔なものが出てくるイメージを連想してしまう。
正直、私は全然行きたくない。まだ釣りもしたいし。
そんな思いなどお構いなしに、Tさんはノリノリで「いいね!行こうよ!!」などとのたまっている。
それどころかTさんはおじさんに「観光にいって分かれている他の人も呼んでくる」と、全員巻き込もうとしている。
その申し出におじさんもニッコニコ。もうおじさん宅への訪問は決定的なので、私も気持ちを切り替えて地元民との交流を最大限に楽しむ方向にシフトした。

河原から家が見えるというのでバギーに乗せてもらい確認に行く。
私は荷台にいたので見えなかったが、Tさんいわくおじさんの家は”物置みたいなボロ小屋”だったらしい。やはりやめておくべきだったか・・・?
家を確認できたので、一旦おじさんと別れロッジに戻って別行動のメンバーと合流することにする。
一瞬「このままバックレようか?」という考えが浮かんだがおじさんが再三にわたり「家の地番は1103」と念を押してきて、こちらの来訪を楽しみにしてくれている様子なので「そんな考えは失礼だな」と思い直した。
他のメンバーと合流しTさんが「一緒におじさんの家に行こう!」と誘うと皆さんアッサリ「行かない」と返答。そりゃそうだわな。
というわけ速攻できた道を引き返しておじさんの家へ。
”1103”の札を掲げた正門を見て早速違和感を感じる。
門構えはやたらと立派だし、正門から自宅へ続く道は延長が異様に長いし、両脇の生垣も綺麗に手入れされている。
生垣のカーブをぬけると綺麗で大きな平屋が見えた。
Tさんが「ボロ小屋みたいな家」などと言っていたので、来る前に想像していた家との落差にビックリ。Tさんが見てたのは邸宅でなくこの家の”物置”だったのだろう。たしかに、河原で出会ったボロを着たおじさんがこんな立派な家に住んでいるとは普通思わない。

広いうえシンプルでオシャレな家。上流感が漂う。
振る舞われたウイスキーはなんか立派な箱に入っているし、「アイス」とか言って、グラスに立方体の石を入れるし、なんだか不思議な空間に迷い込んだ気分だ。
余談だが、後で調べたところ氷替わりの石はアイスキューブというオシャレアイテムだったらしい。酒の作法に疎い私はおもむろにグラスに石をいれようとするおじさんがふざけているのだとおもい、石を入れるのを止めようとしてしまった。
ちなみに私は運転手だったのでウィスキーはTさんにのんでもらいノンアルコール飲料をごちそうになった。
おじさんはすでにリタイア後の悠々自適生活を満喫しているらしく、夏はニュージーランド、冬はオーストラリア居住の二拠点生活をしているとのこと。本物のお金持ちやんけ。
おじさん(名前を教えてもらったが失念!)は現役時代には眼科医として世界中で仕事をしていたそうで、日本にも何度かきたことがあるとのこと。日本は食事がおいしいのでお気に入りといっていた。海外の人に母国をよく言われると素直に嬉しい。
海外での仕事のついでや趣味の遠征で世界各地で釣りをしてきたおじさんの話は大変おもしろく、楽しい時間を過ごすことができた。

丘の上にあるおじさんの家のテラスからはCリバーが見渡せる。
あまり長居しても申し訳ないのでおじさんの家には2時間ほどの滞在でお暇した。
なんとも不思議な経験をしたものだ。
海外の釣り場でたまたま出会った人の家に行くなど考えもしなかった。
そもそも、日本国内でさえ釣り場で出会った人の家に行ったことなどない。
このおもしろい経験ができたのは全くもってTさんのおかげだ。
おじさんに話かけられたときに一緒にいたのがTさんがだったからこそ、このお宅訪問が実現したのは間違いない。もし自分ひとりだったら絶対に行ってないし、仮に私が行きたいと思ったとしても、その時一緒にいる人がTさんでなければその人が行くのを嫌がっただろう。
実際に他のメンバーはあっさりお宅訪問を却下している。
自分とは違う考えや感覚を持つ人と時間と事象を共有できるのが団体旅行の良いところである。今回のように他者に事の成り行きを任せることで、自分ひとりでは考えもしていなかった行動、体験をできる可能性が高まる。
若いころは他人との違いにイラ立つこともあったが、今ではこういった場合、他者の行動に身を任せて状況に流されることを楽しめる精神的な余裕を持てるようになった。
思えばTさんとはお互いがお互いの良いところを吸収しているような気がする。
私はTさんから海外に行くことのハードルを下げてもらったし、Tさんは私を通じて釣りに対する様々な知見を得ているだろう。
無償で互いに益しあうというのは人間関係において最良のものだと思う。
そういう関係になれる人との出会いは人生の宝だ。Tさんと出会えた私は運がいい。
おじさんとの出会いは旅の途中に改めてそんなことを考えさせてくれる好機だった。
よき出会いとよき旅のパートナーTさんに感謝である。
午前6時の日の出とともに私、T夫妻、KSさんの4名で昨日の夕方に攻めたCリバーの支流合流ポイントへ。ちなみにこの日の私の使用ルアーはシンキングミノー”エデン50H”のみ。
KSさんは支流を単独で上がっていき、私とT夫妻は合流部から下流に下っていく。
これまでほとんど何も釣れていないT妻に大型レインボーを釣ってもらおうと思い、昨日大物が連発した合流を攻めてもらう。
すると、40cmクラスのバラシのあとあっさり50cm台前半のレインボートラウトをキャッチ。ヒットルアーはDコンタクト50

さらにTさんも同ポイントで40cmクラスをキャッチ。この合流、もはや釣堀状態である。
T夫妻が合流を攻めている間、私は近くの瀬を攻めていたのだが、朝なので魚が活発に移動しているためか浅場にはまるで北海道の秋の河川でよくみられる遡上のサケ・カラフトマスのように50cmくらいのレインボートラウトがいたるところで隊列を組んで定位している。多いところでは5m四方くらい範囲に15匹くらいいる。しかもそれは特別魚影の濃いエリア内だけのことではなく、当日のCリバーは私が訪れた範囲でどこもそのような魚影を見ることができた。

T夫妻が合流を攻め終わった後、私も満を持して同ポイントを打つ。
すると、来るは来るは、バラすはバラすはでてんやわんや。
ジャンプでのフックアウト2回。ランディング寸前のリーダーラインブレイク1回という酷い有様。バラシたのは全部50cmくらいのレインボートラウト。
このラインブレイクの反省からここでリーダーは8℔から10℔に結び変えた。
私は早朝の連続3バラシで自信喪失。
「再三にわたりチャンスを逃すなんて俺はどうしようもなくダメなやつなんだ。こんな下手くそはこの川のトラウトを釣り上げることができないんだ。」
などと考え、うなだれながら先を進んでいるT夫妻に合流する。
先のポイントでもTさんは絶好調。深場という深場で40cmオーバーのレインボーを釣り上げる。

まさに絶好調、イケイケである。
そのうち、川を渡らなければならない場所に行き当たったのだが、T妻が川を渡れないので私とT妻は引き返すことに。
イケイケのTさんは先に進みたいというので、撤収時間を午前9時と定めてTさんと道を別れた。
そして例の釣堀もどきの合流へ戻ってきたところで、少し攻め方を変え、淵の最終地点付近の流れの弱くなった深みに倒木が覆う場所にルアーを通すと一発でヒット。
食うと同時にいつものジャンプをかましたのは大型レインボー。おそらく、朝イチにバラシた三匹より大きい。
最初のジャンプでフックアウトしなければ、ファイトはなんとかなりそうだが、朝はちょっと無理をしてランディング間際にテンションをかけすぎてラインブレイクしているので、時間をかけて慎重にファイトする。
ニュージーランドのレインボーは瞬発力が強く、ねばりもある。本当に手強い魚だ。
岸際で魚体が見えてから、魚が嫌がり走るということを5回、6回と繰り返しているが、徐々に魚の脱力から反撃までの間隔が長くなっていく。魚のスタミナが切れてきているのだ。
そのうち魚の抵抗が極めて弱くなったタイミングで一気に魚が泳ぐことのできない浅瀬まで魚をずり上げ勝負あり。ネットはルアーが引っかかって魚が逃げてしまう可能性を考慮してあえて使用しなかった。

実測57cm。
自己記録をさらに伸ばした喜びと、三バラシからの良型
キャッチの嬉しさが相まって大はしゃぎである。

居着きの魚なのか、魚体の所どころにカビというか水藻が付着したような模様ある。
それにしてもようやくCリバーのレインボートラウトを釣り上げることができた。朝のバラシのまま終わっていたら仕事を辞めてでも今年中にニュージーランドを再訪していたところだ。まぁこれは半分冗談だし半分本気。
その後、私たちにヒットはなく撤収。
Tさんは先のポイントで50cm前後くらいのレインボーを3キャッチしたそうだ。
上流に向かったKSさんは大苦戦で2ラインブレイクを含む3バラシのノーキャッチ。KSさんいわくニュージーランドのレインボーは北海道のものより強いとのこと。自宅の裏が国内屈指のニジマスポイントであるKSさんがいうのだから間違いないだろう。
ロッジにもどって休憩したあと私とTさんは再びCリバーへ向いKSさん一家とT妻は観光に出かけた。
ニュージーランドでは釣り人は朝ゆっくとでかけるらしく、昼前に川沿いの道路を走っていると朝夕には見られなかった釣り人の姿をちらほらとみかける。魚影の濃い当地では日本の釣り人のように朝夕マズメの極端な時間にがんばって釣りをする感覚がないようだ。
次なるポイントは国道横の橋の下。
ポイント選定理由は“エントリーしやすいのに釣り人がいなかったから“というもの。いわゆる”行き当たりばったり”というやつだ。
ここからは私も釣りたいのでTさんと一匹釣れるごとに先攻を替えていくというシステムで釣りを行っていく。
そして、先攻させてもらうと最初のポイントで早速きた!

実測58cm。速攻で自己記録再更新。
写真では分かりにくいが、この魚は魚体の色合い美しく、肉付きも良い”美魚”であった。
本遠征で一番お気に入りの魚なのだが、魚を持っている写真が上手くとれていなかったようで非常に残念である。
釣り進んで行くと魚が出まくる

50cmは余裕で超える雄。10回くらいジャンプした元気者だった。

居着きらしき雄もヒット。これも余裕の50オーバー。
たぶん当日私がキャッチした魚のアベレージサイズは50㎝台後半。
つい数日前まで”自己記録は50cm”と言っていたのが噓みたいだ。ニュージーランド北島のレインボートラウトの魚影の濃さ、アグレッシブさ、パワフルさとタフネスには驚愕である。
これまでの”トラウトフィッシング観”を一変させられる衝撃体験といっていいだろう。
このような体験をしてしまうと今後国内でニジマスを狙うのが馬鹿らしくなってくるので、ニュージーランドの”レインボートラウト”と日本の”ニジマス”は別物と無理矢理割り切ることにする。
私が先攻している時、なんの変哲もない瀬尻の岸際、木が張り出してシェードになっている下が少し深くなっているようにみえた。
何の気なしにシェード目掛けて歩きながらキャストしてみる、着水とほぼ同時に魚が食った。
魚は食うと同時に縦に横にと跳ねまくる。
先ほどまでの魚より一回り魚体が大きい。
この日が団体で釣りをする区切りだ。有終の美を飾るためにもこの魚は絶対に獲りたい!
しかし、その思いを打ち砕くかのようにレインボーも奮戦。
勢い良く下流の淵へと猛ダッシュ。
淵のある左岸際には倒木が張りだしている。
「そっちへ行かないでくれ~」と願うと、大抵の場合魚はそこへいってしまうものだ。
魚は淵まで到達し、ラインが倒木の下を通過する。
「頼むから引っからないでくれ!」と魚の引きにたえていると、魚は川の中央付近に移動。
ほっと一安心したのもつかの間、レインボーは再び倒木の下へと突っ込んで行くのでもはやこれまでと観念したが、ここでも運よくラインは巻かれず。
そのうち魚は下流に走り、ただ深いだけで流れの緩い安全地帯へと自ら移動。この隙をついてラインを回収しつつ私も下流に移動して魚との距離を詰める。
ライン回収段階になると意外と大人しく、岸に誘導してやると素直に従ってくる。
ウェーディングしているのである程度魚が近くなったらラインを回収するのでなく、自分が岸の方へ移動していって魚を引っ張っていくかたちになるのだが、目前の巨大レインボーが今にもジャンプしそうで心臓バクバクである。
案外あっさりと岸に到達。安堵から魚を写真に納めるのも忘れ、しばらく放心状態。

実測60cm。レインボートラウト特有のレッドバンドが薄く、サイズ感も相まってカラフトマスのような魚だった。

体長、体高申し分なし。ニュージーランドのレインボートラウトフィッシングに悔いなし。
この魚を釣ったことで満足したので、車まで戻り河原で休憩。リーダーを付け替えるなど次の準備をしていたところ、バギーで颯爽と現れた白人のおじさんが話しかけてきた。
おじさんは地元の人らしく、親切にもどこのポイントに魚がいるとか、この季節が良いなど有益な情報を惜しみなく提供してくれる。私は英語などからっきしでその辺の高校生よりよっぽど使えないが、おじさんは聞きやすいように話してくれるし、こっちの言っていることも積極的に理解しようとしてくれるので翻訳アプリを使わずとも6割以上意思疎通ができているように感じた。
会話をしているうちにおじさんの機嫌がよくなり、「うちでウィスキーでも飲んでいかないか?」ときた!
おじさんの上着は肩の上部が日焼けで色あせていて身なりが綺麗とはお世辞にも言い難い。直感的におじさんの家で振る舞われるウィスキーのグラスはちゃんと洗えてない、縁に食べかすがこびりついているような不潔なものが出てくるイメージを連想してしまう。
正直、私は全然行きたくない。まだ釣りもしたいし。
そんな思いなどお構いなしに、Tさんはノリノリで「いいね!行こうよ!!」などとのたまっている。
それどころかTさんはおじさんに「観光にいって分かれている他の人も呼んでくる」と、全員巻き込もうとしている。
その申し出におじさんもニッコニコ。もうおじさん宅への訪問は決定的なので、私も気持ちを切り替えて地元民との交流を最大限に楽しむ方向にシフトした。

河原から家が見えるというのでバギーに乗せてもらい確認に行く。
私は荷台にいたので見えなかったが、Tさんいわくおじさんの家は”物置みたいなボロ小屋”だったらしい。やはりやめておくべきだったか・・・?
家を確認できたので、一旦おじさんと別れロッジに戻って別行動のメンバーと合流することにする。
一瞬「このままバックレようか?」という考えが浮かんだがおじさんが再三にわたり「家の地番は1103」と念を押してきて、こちらの来訪を楽しみにしてくれている様子なので「そんな考えは失礼だな」と思い直した。
他のメンバーと合流しTさんが「一緒におじさんの家に行こう!」と誘うと皆さんアッサリ「行かない」と返答。そりゃそうだわな。
というわけ速攻できた道を引き返しておじさんの家へ。
”1103”の札を掲げた正門を見て早速違和感を感じる。
門構えはやたらと立派だし、正門から自宅へ続く道は延長が異様に長いし、両脇の生垣も綺麗に手入れされている。
生垣のカーブをぬけると綺麗で大きな平屋が見えた。
Tさんが「ボロ小屋みたいな家」などと言っていたので、来る前に想像していた家との落差にビックリ。Tさんが見てたのは邸宅でなくこの家の”物置”だったのだろう。たしかに、河原で出会ったボロを着たおじさんがこんな立派な家に住んでいるとは普通思わない。

広いうえシンプルでオシャレな家。上流感が漂う。
振る舞われたウイスキーはなんか立派な箱に入っているし、「アイス」とか言って、グラスに立方体の石を入れるし、なんだか不思議な空間に迷い込んだ気分だ。
余談だが、後で調べたところ氷替わりの石はアイスキューブというオシャレアイテムだったらしい。酒の作法に疎い私はおもむろにグラスに石をいれようとするおじさんがふざけているのだとおもい、石を入れるのを止めようとしてしまった。
ちなみに私は運転手だったのでウィスキーはTさんにのんでもらいノンアルコール飲料をごちそうになった。
おじさんはすでにリタイア後の悠々自適生活を満喫しているらしく、夏はニュージーランド、冬はオーストラリア居住の二拠点生活をしているとのこと。本物のお金持ちやんけ。
おじさん(名前を教えてもらったが失念!)は現役時代には眼科医として世界中で仕事をしていたそうで、日本にも何度かきたことがあるとのこと。日本は食事がおいしいのでお気に入りといっていた。海外の人に母国をよく言われると素直に嬉しい。
海外での仕事のついでや趣味の遠征で世界各地で釣りをしてきたおじさんの話は大変おもしろく、楽しい時間を過ごすことができた。

丘の上にあるおじさんの家のテラスからはCリバーが見渡せる。
あまり長居しても申し訳ないのでおじさんの家には2時間ほどの滞在でお暇した。
なんとも不思議な経験をしたものだ。
海外の釣り場でたまたま出会った人の家に行くなど考えもしなかった。
そもそも、日本国内でさえ釣り場で出会った人の家に行ったことなどない。
このおもしろい経験ができたのは全くもってTさんのおかげだ。
おじさんに話かけられたときに一緒にいたのがTさんがだったからこそ、このお宅訪問が実現したのは間違いない。もし自分ひとりだったら絶対に行ってないし、仮に私が行きたいと思ったとしても、その時一緒にいる人がTさんでなければその人が行くのを嫌がっただろう。
実際に他のメンバーはあっさりお宅訪問を却下している。
自分とは違う考えや感覚を持つ人と時間と事象を共有できるのが団体旅行の良いところである。今回のように他者に事の成り行きを任せることで、自分ひとりでは考えもしていなかった行動、体験をできる可能性が高まる。
若いころは他人との違いにイラ立つこともあったが、今ではこういった場合、他者の行動に身を任せて状況に流されることを楽しめる精神的な余裕を持てるようになった。
思えばTさんとはお互いがお互いの良いところを吸収しているような気がする。
私はTさんから海外に行くことのハードルを下げてもらったし、Tさんは私を通じて釣りに対する様々な知見を得ているだろう。
無償で互いに益しあうというのは人間関係において最良のものだと思う。
そういう関係になれる人との出会いは人生の宝だ。Tさんと出会えた私は運がいい。
おじさんとの出会いは旅の途中に改めてそんなことを考えさせてくれる好機だった。
よき出会いとよき旅のパートナーTさんに感謝である。
- 1月18日 20:56
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