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2019春の銀山湖4

  • ジャンル:釣行記
 つづき


本日は16時までに、桟橋へ帰着しなくてはならない。
 
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晴天と白銀のフィールドの夕マズメはさぞ美しかろうと思っていたが、残念ながら2時間も前の撤収となると、湖上からオレンジに染まる残雪の山を眺める事は出来ない。
 
釣りの方はというと、それ以降もさっぱりだった。
多くの時間をキャスティングに費やし、大きな移動の際にはトローリングをやってみたけど、一度もチェイスやバイトは無かった。

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まぁ、そういう時もあるかと。
 
最後の移動でバックウォーター方面(桟橋はこの川筋の最上流にある)へ向かうも、やはり水位が低いために狙っていた地形は10mほど上にあった。
リザーバーらしい難しさと言えば聞こえがいいが、このフィールドへ通いこんだアングラーならばこういう経験からのバックアッププランも持つのだろう。
 
ひとつ思ったのが雪代による濁りが、出船時に比べてかなり落ち着いたかもしれない。
本湖に出る前の川筋はガッチリ濁っていたのに、上に来たら濁りが無い。
という事は、回復傾向の初日にあたったのだろうか。
もう2日ほどすると、水もこなれて急激な変化を嫌がっていた魚も口を使いだすのかもしれないなと。
 
もちろん今日帰るけど(笑)
 
最後のキャストを回収し、桟橋へ向けてエンジンを回した。
今年の銀山湖、釣果かなり厳しい結果となったけど、また来年来ればいいだけの事だ。
 
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撤収して崖を登り、急いで最後の釣りへ。
 
そう、最後の釣りが在るのだ。
バックウォーターを登ったところの放流レインボーをミノーで狙う。
これも毎年恒例で、何気に凄く楽しみにしている釣り。
 
ココ銀山湖は、オカッパリ解禁は1週間ほど前に在るのだが、そもそも雪が深いし高度が高いから、狙える場所はこの川筋ぐらいなものなのだ。
そのオカッパリ解禁に合わせて放流されたレインボーは、ほとんどが流されていき下流のバックウォーターにたまるが、流されなかった魚が上流の橋の近くで狙う事ができるのだ。
それなりに良いサイズが居るのだが、なんせ毎日のように入れ代わり立ち代わりでアングラーに狙われている激スレのレインボー。
 
目新しいものを入れて一発目に食わせるか、ひたすら粘って「なんだか良く判らないタイミング」で口を使わせるかのどちらか。
 
ポイントに到着し、昨日は吹雪で降りれなかった河原へ降りた。

帰り支度をしていた先行者に話を聞くと、まったく口を使わない・・・と言ってあきれ返って去って行った。
 
今回は、この釣りの為にハルシオンシステムの月虫55(沈)を用意しておいた。
北海道や長野のレインボーを狙っている人達が良くやる、「月虫でボトムを転がして」という釣りがあり、ひょっとしたら銀山でも通用するのではないかと思い、BOXに何個も入れて来ていたのだ。
 
中州を超えた分流の水が本流に出会い、深い淵と太い流れを持つポイントへ立った。
高い位置から確認し、デカいのが2匹。
小さいのは何匹か。
 
基本的にはダウンクロスのドリフトをイメージしているけど、リップがスタックしないようにティップ位置を色々と操作する。
その時に水受けの変化に合わせてアクションの強さが変わっていく。
追尾型のフィッシュイーターは、この「途中で変化するアクション」でバイトすることが多いので、それをドリフトのどこかで織り交ぜながら様子を探ってみる。
 
ピックアップ前の、クランクの様にボトムを小突いている月虫に、20cmほどの魚がジャレついてきて逃げて行った。
 
それを相手にしていると、ますますスレてしまうので無視して、間を切りながら数分おきに一回、ルアーを流し込んでいく。
 
20分ほどたっただろうか。
 
扇状に流される月虫の、ロッドから伝わるボトムを小突いていた感覚が、グッと押さえつけられるように消えた。
 
確信的に即合わせを入れると、派手にドラグを鳴らしながら、突き刺さったラインが下流へ走る。
 
それに合わせて河原を下り、とにかく上流側へ引っ張らないようにする。
 
ラインはPE0.6号に、リーダーがナイロンの6lb。
これがセッティング的に使いやすいのだけど、放流物とは言えそれなりのサイズが掛かるとさすがに不安ではある。
ロッドはTulalaハーモニクスの82なので、強さとしてはまったく問題ないのだが、逆にラインとのバランスを考えるとリーダーという名の先糸に負荷が大きくかかる。
 
無理せずに、流れを下らせながら距離を詰めていく。
あと20m下ると荒瀬に入ってしまうのだが、その手前に砂州が在るのでそこへ乗せるようにテンションを掛けて行く。
 
浅瀬に入って嫌がり一回流れに出るも、もうそれほどの体力は残ってなく、ひと回ししてネットに収まった。
 
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この魚が正式に何というのかを知らない。
渓流のイワナやヤマメとは違う、これはこれで嬉しい魚なのだ。
 
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恐らく、一年を通して最も「良い景色の中の釣り」を楽しむのが、この釣りかもしれない。
 
釣果も大事だし、道具の開発も大事。
それ以上に大事なのは、「釣れて嬉しい」という気持ち。
残念なことに、こ難しい事や商売じみた事が増えると、そんな簡単な事をいつの間にか忘れてしまうときが在るのも事実。
 
でも、何かを取り戻させてくれる、そんな釣りがきっと誰にでもあると思う。
私にとっての銀山は、そういう位置付けにあるのだと思う。
 
何のために釣ったのか。
それを問われた時に、ここの釣りが自分の中の一つの答え。
 
谷に闇が迫る。
日没からの数十分は、川原に腰かけて山並みを眺めてた。
 
山が静かになったので、ロッドをたたんだ。
 
 
おしまい。
 
 
 

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