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岡林 弘樹(オカバ)
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▼ パプアニューギニア釣行④「結末」
パプアニューギニア釣行④「結末」
今朝も同じ様に、景色を見ながら船の準備を待っていた。
薄い靄が掛かる海は、湖の様に波風が無くて、見るほどに穏やかな気分になる。
足を浸けるとほんのり暖かい。
今日の操船者は、昨日も乗ってくれたおじいさんだった。
そして、その横には知らないおじさん。
本当に知らない。誰なんだ。
屋根の補修に使う木や草を取りたいらしく、一緒に行く事になった。
もしかして色々手伝ってくれるのかな?
知らない人とか突然乗ってきて、途中の森で降りて消えて行く事案が多々あるので、今回もそのケースかもしれない。
今日は船員2名での出船となった。
目の前には始まりの水平線が真っ直ぐに引かれている。
空を彩りながら、少しずつ海に溶け込む青い世界。
また1時間ほど海を渡って、目的の川へ到着。
今日は昨日とは違う川筋を上ってみる事にした。
昨日の川筋とは違い、登れば登る程に緑っぽい生命感のある水色に変わっていった。
期待出来そうだ。
ある程度登った後、船を下流に向けて流す。
こちらの川筋は、S級ポイントになる「流れ+太い立木」こそ少ないが、A級ポイントなる細い立木群やブッシュは豊富だ。
目の前にチープなロケーションが広がることの方が少ないので、モチベーションが保ちやすそうだ。
流す事数分。
すぐに反応があった。
ブッシュの奥からルアーに勢い良く突進してくる影。
そのままガツンとルアーをひったくった!
3kgくらいのパプアンバス。
気持ち良いバイトだった。
朝から景気の良いスタートに自然とテンションが上がる。
その後、同じくらいのパプアンバスが連続ヒット。
他にもマングローブジャックが多く混じった。
開始1時間ほどでパプアンとジャック10枚弱を水揚げして、船の上が魚で埋まっていった。
この川筋はかなり魚影が濃いようだ。
こうなると村人達は露骨に機嫌が良くなる。
魚は食糧になるので、みんな嬉しいらしい。
今日もカンカン照りの中での釣りだ。
あまり夢中になり過ぎるのも危険なので時々休憩を挟む。
正直、かなり暑い。
対岸もモヤモヤと陽炎が揺れる。
肌がジリジリと焼き尽くされる感覚がした。
しかし、こんだけハードファイトを繰り返しているのに気力も体力も尽きないのは魚釣りの不思議だよなぁ。
多分、全部尽きても気付かないんだろうな。
すごい危ない事だよなぁ・・・。
休憩の合間には栄養補給としてパプアニューギニアのスナック菓子を食べた。
パプアでは何処にでも売っているゴールドナゲットというお菓子で、まぁまぁ美味しいからお気に入り。
お腹も膨れるし、塩分が取れるのが良い。
簡単には腐らないので、他の国でもスナック菓子やクラッカーは携帯するようにしています。
友人達も皆やってる事なので、遠征する方などは是非参考にしてみて下さい。
再開してすぐの事だった。
目の前には何気ないブッシュ。
ルアーを投げ、ブッシュ際をリトリーブした瞬間。
黒い塊が猛突進してくるのが見えた!
ガン!!!
リーリングを無理矢理止められる程の衝撃が走る!
食った!!
強烈な突っ込みでブッシュに戻ろうとする魚!
無理矢理引き剥がすためにフルベンドで耐える!
「頼むから外れんでくれよ・・・」
耐えに耐え、ゆっくりと距離が縮まってきた。
ぼんやりと魚の姿が見えてくる。
「もらった・・・」と思った次の瞬間
ガキン!!
!?
リールが取れた!!
なんと、リールシートからリールが脱落。
こんな大事な時に!!笑
一瞬、リールを付けようか迷った。
が
もう手で手繰り寄せたほうが早い!
竿と手を使ってラインを回収!
もうやりとりもヘッタクレもない。
魚との綱引きじゃ!!
魚が走る度、手にPEが食い込んで凄く痛い!
まけるかああああああ!!!
うおらああああ!!!
ボテボテのパプアンバス捕獲!!!
〔タックルデータ〕
ロッド:TULALA Aventura59
リール:アブ ビッグシューター(ドラグ強化Ver)
ライン:PE6号+リーダー100lb
ボガ測定だが、19ポンド強。
長さは80cmくらいだろうか。
今回の旅の最大魚が飛び出た!
ぶっ飛んだリールシート。
よく見ると、リールがハマる部分が少しえぐれている。
ちゃんとハマッていなかったのかもしれない。
とにかく、無事に良い魚と出会うことができて一安心。
ホッとして気が抜けたのも良かったのか、その後もパプアンバスは続々とアタックしてきた。
ボガ打ちとフック外しを手伝ってくれるオジサン。
ありがたい。
屋根の補修材はまだ取りに行ってないけど大丈夫なのかな?
数にして15匹くらい。
ほとんどが2~5kgまでの小型だが、絶え間なく反応があるのでかなり楽しい。
しかし、そんな楽しい時間にピリオドを打つトラブルが発生。
「船が壊れた。」
突然、おじいさんが呟く。
何のことか分からなかったが、足元を見ると、水が浸水していた。
底に穴が空いた様だ。
しかも小さい穴ではないようで、ボコボコと吹き出るように浸水している。
さて困った。
木陰で休憩しつつ作戦会議。
といっても、正直ドン引くほどに浸水しているので、さすがに帰るほか選択肢は無さそうだ。
それに、背後にはドス黒い雲が迫っている。
ゴロゴロと不機嫌そうな声をあげながら・・・。
船底を木で埋めて応急処置をし、身を屈める様に船を走らせる。
後ろから雷鳴と豪雨が追いかけてきた。
逃げては追いつかれ、追いつかれてはズブ濡れに。
スリリングな光景だった。
さすがに浸水と大雨は船にとっても堪えるらしく、船の底はくるぶしくらいまで水が溜まっていた。
ここで沈んだら、この地が僕の結末になってしまうのか・・・。
儚いなぁ。
無事に村へ到着。
エンジンは生きていたので、思ったよりも順調に帰ってこれた。
沈没まではいかなかったが、やはり穴が大きく船は修復不可能らしい。
というか、なんで穴空いたんだろ。笑
予備の船を探すとの事だが、明日の予定が怪しくなってしまった。
明日暇になったらどうしようかなぁ、とぼんやりと引きこもって考える。
まだまだ雨は酷い。
隙間から細かい雨粒が舞い込んできて道具達を濡らしていた。
今日も頑張ってくれた愛すべき道具達。
沈まなくて本当に良かったね。
雨が止んだ頃、晩御飯が出来た。
今日も昨日とほぼ同じメニューだが、野草のお浸しが追加されていた。
これ、塩味が効いてて結構美味しい。
何の草かは分からないが、川に浮かんで生えているのだけは知っている。
やっぱり米を食うとカラダが元気になる。
朝からあまり食べてなかったので、一気に気分が良くなった。
食後には、土産にと日本から持ってきたインスタントコーヒーを村人達に配ってみた
パプアニューギニアはコーヒー豆の名産地で、皆好んでコーヒーを飲んでいる。
しかし甘いものは少なく、殆どのコーヒーがめちゃくちゃ苦い。
なので、僕が持ってきた少し甘い日本のコーヒーはかなり気に入ったようで、子供から大人まで美味しく飲んでくれたようだ。
スコールの過ぎた夜空には綺麗に星が広がって、時々流星が流れていた。
木々には蛍が飛び回っている。
電気なんて無いこの村で見た灯は、僕にとっては明るく彩って見えた。
着々と終わっていく旅を噛み締めながら、明日はどんな日になるかと期待しながら。
今日もまた一日が終わっていった。
パプアニューギニア釣行④「結末」〜終〜
- 2017年10月30日
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