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岡林 弘樹(オカバ)

大阪府

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パプアニューギニア釣行③「陽炎」

パプアニューギニア釣行③「陽炎」
























6月のパプアは夜でも蒸し暑い。
そんな中、汗をかきながら寝床で転がっていると突然のスコールがやって来た。
大粒の雨と雷鳴が鳴り響き、小屋をガタガタ揺らす。
少しずつ雨に侵食される小屋の中。
先日とは打って変わっての睡眠環境だ。








まぁ、屋根があって雨に打たれなければ何の問題も無い。
割と何処でも寝られるのは少し自慢でもある。



















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ぼんやりした視界のまま小屋から降りると、朝の風景が広がった。
霧がかった空気に薄青い空が見える。
小屋を揺らした雨雲は遠くへ行ってくれたようだ。




夜明け直後なので村人達はまだ起きて来ない。
まだまだ起きる気配も無いので、固まった身体を伸ばしつつ、のんびり今日の準備に取り掛かった。













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村には沢山の豚が飼われている。
村の大切な財産だ。
放し飼いにされており普段は近寄れない程に逃げるのだが、朝は何故かあまり逃げない。



しかし仕草がいちいち可愛い。
僕が写真を撮りたくて近づくと、固まった表情で「ブヒッ・・・ブヒッ・・!!」と二回鳴く。必ず。
その後に「ブヒィィ!!」ってビックリした様子でうろたえる。



おっとりしすぎだろ・・・。
ビックリするのが遅すぎてホントに可愛い。
あんまり追い回すのも可哀想なのですぐに辞めたけど。笑


















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ダラダラと準備完了。
村の人たちも起き始めた。
女性のほうが早く起きて朝の炊事をするのが村の習慣だ。












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「これを食べていけ!」と、出る前に朝御飯を頂いた。
多分、タロイモだと思う。
持つのも熱いくらいホクホクだ。
程よい塩味が丁度良かった。










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タロイモを食べながら、村の海辺に出る。
乗る予定の船は給油などの作業を行っているようで、まだ出発の気配は無い。
砂浜で準備が終わるのをボーッと待つ。




朝でも子供達は元気いっぱいだ。
あれやこれやとポーズを決めては写真を撮ってくれと言ってくる。
そのリクエストに答えていると、どんどん村の人が集まってくる。




みんな、起きるの早いなぁ・・・。




そうこうしているうちに船の準備が完了したようで「乗れ!」と言われ、不意を突かれた僕はいそいそ飛び乗った。










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いよいよ出発。
今日はきっと良い日になる。
朝の靄が漂う海の上、船は少しづつ沖へ向かう。








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足が付かないほど沖へ出た後、船のエンジンを掛ける。
一発で掛かったエンジンは好調のようで、動作にまったく不安を感じない。







今回のメインフィールドは、海を1時間ほど越えた先にある川だ。










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川の河口に到着。
潮位が高いようで河口は大きく広がっていた。
逆に潮位が下がれば川に入るのも出るのも難しくなる。




実は、海を渡っている最中はトローリングをさせられていた。
1時間くらい手持ちでトローリングは結構キツイ。
なので写真は撮れなかったし、その上何も釣れなかったという話だ。













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ここからは行けるだけ上流に向かってもらう。
初日なので、極力広いエリアを見たい。
上る途中「この辺でいいか?」と何回か聞かれたが、今回は納得行くまで上ってもらった。









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水の色が黄土色に変わってきた。
淡水が強くなったようだ。
流れも速くなり、そろそろだと思い船を止めてもらった。




川の流れに身を任せるように船先が下流に向いた。




2年想い続けたこの瞬間。
「おねがいします!!」
川とクルーに頭を下げる。
いよいよ、釣りが始まる。




操縦は船のオーナーだ。
ご年配の方だが、元漁師で操船もかなり上手い。



信頼を置いて、川のアウトサイドを徹底的に回ってもらう。
インサイドのシャローは、大きな立ち木でも沈んでない限りポイントになりにくいと思っている。
この考えも、前回の釣行からのフィードバックだ。




アウトサイドに大きな木が沈んで、更に流れが当たっていれば最高。
確実に魚をストックしていると思っていい。
ブッシュやオーバーハング、浮き草の下にも魚が付きやすい。



しかし、上流のそれら一級ポイントを何箇所か外す。
魚自体が付いていないような雰囲気があった。
違和感を解消するような答えが欲しい。
そう思いつつ、20分ほど下流へ流した頃。




ゴチン!!




明確なバイト!
よっしゃ!
フッキングから一気にゴリ巻く。





魚はそれほど大きくなさそうだ。













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浮いてきたのは1kgにも満たない子パプアン。
小さいけど、ファーストキャッチの嬉しさは変わらない。
2年ぶりの再会。
しばしロッドを置いて魚を眺めていた。









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試しにカメラの撮り方をクルーに教えて、持ち写真を撮ってもらった。
意外と上手い。笑










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その勢いのまま、すぐにマングローブジャックを追加。
派手にアタックしてくれて楽しい魚だった。



















下流に行くにつれて魚影が濃くなっている気がする。
魚信があれば、必然的に集中力も増してくる。














ジャックから数分後の事。
立ち木をトレースするルアーにまた何かがアタック!
間髪入れずにアワセを叩き込み魚を浮かせる。



コイツもそれほど大きくはなさそうだ。
余裕をかましつつ一気に浮かせる。



が・・・。



浮いた魚を見て一瞬焦った。
いや一瞬じゃなく船に揚げるまではおろか、揚げてもずっとパニクってしまった。


















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黒い斑点・・・。





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初魚種であるスポットテール!
この流域には数がかなり少ない感触があったので、まさかの出会いに感動してしまった。
綺麗な魚体にパプアンバスより優しい顔立ち。
何気に目標としている魚種だったので凄く嬉しかった。
















ここらで一旦休憩となった。
気が付けば日も高くなり、太陽が容赦無く照り付け、陽炎で岸際を揺らしている。











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食べられる植物を探すチャールズと、操船者のお爺さん。




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クルーはチャールズ、お爺さん、そして初対面の着シャツ兄ちゃん。







日陰を見つけて船を止めた。







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そのタイミングで昼飯を食べた。
椰子の木の葉っぱで包んだモノが渡される。
開くと、ココナッツミルクご飯がたんまり入っていた。




























少し休憩した後、再び下流に流していく。




少し流した頃。
川の流れが当たるアウトサイドに太い立ち木が斜めに沈んでいる。
明らかに一級の付き場。
そこへぶつかるように船が近づいていた。




流れがきつく、瞬く間に流される船。
操作が困難なようだ。
このままだと船が立ち木にぶつかってしまう。
その前にルアーだけは通しておきたい。




船から立ち木を狙うにはダウン気味になるが、どんどん近づいてくるポイントを見て少し焦ってしまい、考え無しにキャストをしてしまった。
ルアーは、立ち木の上流側ほんの少し奥へ着水。




立ち木をルアーがかわした瞬間だった。






ズドン。





殴られたような衝撃がロッドに伝わり、掌が一瞬で冷たくなったような気がした。
フッキングをする瞬間には、既に竿がのされていたと思う。




ギャリギャリギャリギャリ!




デカイ!



フルで締めたはずの改造ドラグは嫌な音を立てて引きずり出され、アヴェントゥーラは「つの字」の様にバットまで捻じ曲げられる。








なんだこれ!!!
ほんとに魚か!?
混乱するほどに暴力的なファイトだ。





焦る間もなく当然のように魚は下流へ走る。
立ち木へ突っ込んでいく。




ドラグを指で押さえ、竿を折る覚悟で魚を引き剥がしにかかった。
アヴェントゥーラには死んでもらおう。
ここで突進を許せば、間違いなく終わりだと思った。



長い時間が経った様な気がした。




想いが通じてか、魚は立ち木の前で止まる。
イケる。
獲れる!



しかし。
船は急流に押され、魚との距離が自然と近くなっていた。
魚を止める為にも必死でリールを巻くのだが、距離が勝手に詰まるのでいまいち魚にテンションをかけられない。




しかも操船困難の状態だ。
ついには船が立ち木とぶつかり停止してしまった。



ヤバい。
今、魚が寄れば立ち木に巻かれる。
すぐにクルーにお願いして船を下流へ流してもらう。




ギリギリギリギリ。




再び魚が動き始める。
立ち木を上流に構える形となった船の上。
再びアヴェントゥーラは捻じ曲げられた。




ゆっくりと、確実に立ち木に近づいた魚。
止まらない。


とうとう魚はラインを立ち木に擦る事に成功したようで、ギギッギッギッと嫌な感触が手に伝わる。



頼むから切れないでくれ・・・。



ロッドを見る。
限界だった。
ここまで曲げられた愛竿の姿は初めてだ。












バットを持って思い切り持ち上げても、もはや無駄だった。





バンッ!




ロッドが負荷から開放される。
その瞬間、目の前が真っ白になった。



ブレイク。
圧倒的な敗北感と悲しみが圧し掛かった。
そして、生で一番魚に恐怖した瞬間だった。




切られたラインは無常にもヒラヒラと宙を舞い、船は急流の中を流されていく・・・。
















とんでもないヤツと出会ってしまった・・・。
























少し重くなった心と身体。
たかが一発のラインブレイクなのに、想像以上のショックだった。



なかなか気は取り直せないが、ルアーを投げることは出来る。
ここまで来たからには、腕が折れようが投げ続ける覚悟だ。





下流へ進む船。


先ほどと似たようなロケーションが目の前に現れた。


決まったキャスト。
立ち木の前をルアーが通る。



ゴン!


手首までひったくられる爽快な感触。
さっきのリプレイを体感しているようで、一瞬心がざわついた。


一気に魚は立ち木へ走る!
それを必死に食い止める。
流れもあるので簡単には寄ってはこないが、もう負けるわけにはいかない。



慎重に、十分に時間を掛けてやり取りを行い、遂に魚体が浮いてきた。
そのままボガをはめこみ、船まで引きずり揚げる。








やった・・・・。








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最高のコンディション。
最高のファイター。
見惚れる程に綺麗な魚体が横たわった。
5kgのパプアンバス。
かっこよすぎる。
本当に本当に嬉しかった。






ロストの傷を癒すには十分すぎる魚だった。























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船がゴール直前の下流域へ流れ着いた頃。
終了前のラスト1投でコッドが釣れた。
この川で外道として良く釣れてくるハタ系の魚である。
ほんと愛想も良いし、可愛くて大好きな魚だ。















コッドを最後に本日の釣りは終了。
少し風が出て荒れてきた海を渡り、村まで帰る。


















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ルアーの整理をしながら今日の反省会。
しかし、最後に釣れた中型のバスですら、申し訳ないがブレイクされた魚には到底及ばない程に軽いファイトだった。
となると、アイツは一体どれだけ大きかったんだろうか。
明日は・・・ああしよう、こうしよう、どうしよう。
色々考えているうち、晩飯の時間になった。









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今日釣ったパプアンバスをココナッツミルクで煮た料理。
それと米、焼きバナナだ。
パプアンバスは身が締まっていて美味しい魚である。
機会があれば、煮物意外に焼き物でも食べてみたい魚だ。


焼きバナナは尋常じゃないほど喉に詰まるので、正直言えば焼かずに出して欲しかった・・・笑



晩御飯を出して貰えるだけで有難い。
量がかなり多いが、残さず食べるように頑張った。



















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寝るまでは常に子供達が近くに居た。
写真に写っている小さい子の名前をチャールスという。
このチャールスにめちゃくちゃ懐かれた。
寝るまでずっと俺の部屋に居るし、小便行くときもついてくる。笑
可愛いヤツだ。笑

今晩も虫と捕ったり、写真を撮ったりして夜が過ぎていく。















何はともあれ、今日も良い一日だった。
楽しい時間はあっという間だ。
釣りして飯食って遊んで。
なんて贅沢な日々を過ごしているんだろう。


僕が「非日常」だと思い続けた風景は、一歩踏み出せば「日常」へと変化して、今ここに在るという事。
実感せずには居られなかった。
目の前に広がっている景色、関わる人達、聞こえる言葉、起こる物事、全てを無駄にせず大切に受け入れようと思った。





















パプアニューギニア釣行③「陽炎」~終~

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