プロフィール

ピュアフィッシング

東京都

プロフィール詳細

カレンダー

<< 2024/4 >>

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

検索

:

タグ

アーカイブ

アクセスカウンター

  • 今日のアクセス:73
  • 昨日のアクセス:167
  • 総アクセス数:2313489

QRコード

ロックスイーパー開発ストーリー

  • ジャンル:日記/一般
こんにちは、ピュアの清水です。

2011年に発売されたロックスイーパー。
今回はその製品化されるまでの開発の裏側を紹介したいと思います。

2006年に初代ロックスイーパーが発売されたので、5年振りのフルモデルチェンジになります。
初代の開発者は私ではありませんでしたので、初代を超えられるかとうプレッシャーはありました。

ssdutr9b9ooa3k9pkwr4-c0cc370b.jpg


まずは市場調査。ロックフィッシュ大会時に、ロックフィッシュロッドに求める要素を200人以上の方を対象にアンケートを取りました。
そこで分かってきた事は、一番目に感度が重要視されるということ。
そのあとに軽量・軽さ、続いて強度となりました。
そこで私達が考えたのは、感度重要視したロッドを目指そうというコンセプトで開発をスタートしました。

26b6n5ibyihotf3gzggo_480_480-134bd02b.jpg

これはちょうど3年前の北海道でのテストシーン。
北海道のPFJフィールドテスターである森川氏、今井氏、倉前氏、菊地氏、北島氏、渡邊氏、全員揃っての合同フィールドテスト。
感度も重要ですが、アクションも一つずつテスターにチェックしてもらいます。

revphdh2shcen3srr89g_480_480-a146923d.jpg

それぞれのモデルを全員で確認しながら、改良点を見出していきます。
テスターの熱い思いが伝わってきます。
それゆえ開発者は大変なんですけどね(^_^;)

pr93dfwuwa2wvyyim7nm_480_480-512ea256.jpg

これは彼らのリクエスト内容をまとめたもの。
各機種にメイン担当をつけて、テストしました。
メイン担当者の意見を一番優先する形です。
しかしどの機種も全員でテストしていきました。

n3tgp7552vmbew55xvdw_480_480-5a1e0c9c.jpg

これは氷点下での飛距離テスト。
全員にキャストしてもらいます。

ここで調べたのは、従来のノーマルガイドと新しく採用したマイクロガイドシステムの飛距離の違い。

感度重視のロッドを目指す上では、軽量化できるマイクロガイドシステムの採用がマストでした。

しかし、どうしてもマイクロガイドは径が小さい分、飛距離が出ないのではないかという不安が付きまといますので、それを払拭するための実験です。
使うルアーのウエイトも2種類試し、キャストする人も一つのモデルに対して最低2人に投げてもらいデータを取りました。
N数は10回でそのアベレージで比較します。



658xf6kz2aapf7by3ut7_480_480-7337a83f.jpg

ベイトモデルもスピニングモデルも両方です。
氷点下ながらマイクロガイドでも凍結はしませんでした。


ブランクスのアクションは、すでに初代ロックスイーパーでほぼ完成しているため、ブランクスアクションは初代をほとんど変更していません。
4軸カーボンを補強し、軽量化はしています。同時に強度UPも図りました。


krhj8h88eazzwsiz92gb_480_480-b59aa00f.jpg

日が沈むまで寒い中テストして頂きました。
 
こちらが飛距離テストした結果です。

1/4oz プラグとフロロカーボンを使用し比較した結果。

  従来ガイドセッティング マイクロガイドセッティング
12lb Max 34.4m/Min31.8m Max 34.7m/Min31.7m
  Ave 33.2m(100%) Ave 33.4m(101%)
16lb Max 31.4m/Min27.7m Max 29.2m/Min26.7m
  Ave 29.2m(100%) Ave 33.4m(101%)
 

3.5g ミノーとフロロカーボンを使用し比較した結果。

  従来ガイドセッティング マイクロガイドセッティング
4lb Max 21.3m/Min16.5m Max 20.0m/Min16.0m
  Ave 17.8m(100%) Ave 18.5m(104%)

氷点下という過酷な条件下でも、細いライン、太いライン、軽いルアー、重いルアーでも飛距離は落ちるどころか伸びていることが分かりました。

この結果を踏まえて、マイクロガイドシステムを採用することに決定しました。
ここが初代と大きく違うところだと思います。

xyie7y5upxgajes4ozwa_480_480-18330024.jpg


マイクロガイドシステムは、飛距離だけでなく、感度、ロッドバランス、フッキングパワーなど全てにおいてマイクロガイドシステムは従来のシステムを上回ります。


kjf9uh2ea7m744f4rjh4_480_480-1688de13.jpg

今のデザインになるまでは、実に様々な形で試作しました。
これは初期のイラスト上でのデザイン。
コスメだけでなく、グリップ形状の違いやノーマルガイドバージョンでも試しました。
さらには工場も違う2つの場所で作らせて、良い方を採用する徹底ぶり。実際に工場の責任者も北海道でフィールドテストを一緒にしたくらいです。

99cvi7xxkcj6sykmxerx_480_480-081647a7.jpg

ガサガサ倉庫をあさっていると昔のプロトタイプが出てきました。
グリップマテリアルも形状も様々なものを試して、最終の量産型になるわけです。

suj6ns7jj8vxubmdo48i_480_480-c092aab7.jpg


グリップの素材も、圧縮コルクなど試したのですが、重量が重くNG。
感度重視のコンセプトのため、最終的には手に触れる個所はEVAではなく、コルクを採用しました。

ve7fcstk2w97hrpyvkdy_480_480-cf63fb94.jpg

科学的に調べた結果からも、コルクはEVAより感度が良いため、また軽量化も出来るのでコルクを採用しています。

人間の手には、周波数(振動)を検知する触覚受容器があります。
指先から手の甲までマイスナー小体、パチニ小体、メルケル小体といった様々な受容器があり、それで魚のアタリなど脳に信号として送られるのです。
よって感度の良いコルクを指先や手の甲に触れるところに配置すれば、当然感度は上がります。
ただし人間は高周波では感知不可能ですので、人間が識別できる能力の範囲15~120Hzで試験を実施しました。

受容器の数は人によってバラツキ、個体差があるので、エキスパートのアングラーは、ひょっとして通常より受容器が多く、感度に敏感なのかも知れませんね。


gtyh92w4d5o5mf4ud48g_480_480-bea6bff8.jpg

ブランクスカラーも色々と。

当然テスターがOKしないと量産へは進めません。
1発でOKになるはずもなく、何度もトライ&エラーで2011年に発売することができました。


ロックスイーパーの詳細はHPをチェックしてみて下さい。

http://www.purefishing.jp/products_2013/rod/rock_sweeper_micro_guide_system.html


そんなロックスイーパーですが、今年追加モデルが発売されます。

 iua4tsh64am3pz4cegtw_480_480-88ece9dd.jpg

こちらのモデルは東北の戸澤氏監修のスピニングのロングロッド。
最初は8フィート6インチでずっとテストしてきましたが、最終は9フィート2インチに落ち着きそうです。
まだ引き続きテストしている最中です。

xx9rw5ct4m6bupcz6mvz_480_480-f9935465.jpg

発売時期は戸澤氏の承認次第なので、いつになるかわかりません(汗)
目標は6月。少なくても年内には発売したいと思っております。

もう一機種、アーネストの佐藤キャプテン監修のボートスペシャルも発売します!こちらは既にテスト完了済みで、戸澤氏のモデルと合わせて発売予定です。
こちらも乞うご期待下さい。

あとここだけの話ですが、塩津氏と2015年の発売に向けて何かの開発が動き始めました。企画は去年より前からあったのですが、具体的に進みだした形です。こちらはまだまだ先の話なので、頭の片隅にでも留めて頂ければと思います。

お隣の韓国でもロックフィッシュブームが始まり、ロックスイーパーも輸出しています。東北も震災からかなり回復してきている状況ですので、これからもっとロックの市場を盛り上げていきたいと考えております。

トモ清水でした。
Thank you for reading to end of blog!

コメントを見る