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ポケットからオキアミ

  • ジャンル:日記/一般

「ラパラ、、カウントダウンですか、、」

釣りを終えていつものように使い終わったルアーの潮抜きをしてると、オーラを消して現れ、''ボソッ''と語る取っつきにくい先輩がいた。
バカ学校だったから、原付のケツが異常に盛り上がったバイクに股がる、ある意味取っ付きにくいパイセンもいて、パイセン感バリンバリンに出してくる雑魚キャラみたいなパイセンもいた。
年下のこっちが恥ずかしくなるようなチャリに乗ってるパイセンもいて、
''何見てんだ?コラ。''
って言われる事は絶対に無いと思った。
その姿が痛すぎて見ていられないからだ。
釣り好きなそのパイセンはそんな空気を後輩には出さず、っと言うか、そのパイセンの周りだけ無風ではないのか?
っと思わせるほど穏やかな人間だった。
学校が学校だったので、普通科の学校より釣り好きが多く
眉毛が西郷隆盛風だろうが
パンパラパンパラパーパァー
って現れようが同じ釣りが好きな者同士、打ち解けるのは時間じゃない。

学校のある実習中の夕刻の事。
舘山沖で錨泊していると釣り好きの仲間と妙な胸騒ぎを覚え許可を取りデッキへ出た。
風ではない盛り上がりが船全体を囲み、錆びたジグを慌てて投げると、落ちていかない。
咄嗟に竿で聞くと、光り物らしきバイブレーションが手元に伝わりドラグがジリジリ出ていく。
正体はサバの大群。
ナブラへ直撃させようが、ナブラから離そうが、明後日の方向へ投げようがジグは着低を待たずして竿が曲がった。
物の数十分で、デッキの上は45センチ前後の立派な鯖が多く転がった。

そのパイセンを除いて。

前回の釣りでは鯵が入れ食いだった。
そのパイセンは1人だけ隣でカワハギを釣って、バケツの中でクルクル泳ぎ回るカワハギを見つめていた。
パイセンには悪いが、あの時は気味が悪かった。笑

皆、鯵を4~5匹ぶら下げて来るのに、次にパイセンが掛けたのは、アナゴ、、
「アナゴ、、ですか?笑」
っと失礼極まりない俺からの一言も
「、、アハハは、、」っと独特の間合いで交わす。

鯖入れ食いの時、
俺はジグをある程度ストックしていたため同級生にもジグを貸して、皆でわんさか騒いでいたのに、そのパイセンの竿は俺たちの10分の1くらいしか曲がっていなかったので、不思議に思いルアーを見た
錆びッ錆びッのフックが付いたバイブレーションをスローで引いてる姿を見て、

''あ~。逆転の逆転の発想で、きっと空回りしてるけど、後輩に言い出せないんだ''
っと直感した。

「パイセン、ジグありますよ?」

「、、、ッいや、俺も~~持ってる、、」

。。。イーーッッ!早よシャベレや!!!!

なんて言いたい気持ちをグゥーーッと堪えていると、言動と行動が一致するかのように、ゆーっくり左手をポケットに入れ、何かをゴソゴソ探し、クチャクチャのレシートが落ち、ウエスの破片が落ちた脇から、オキアミが落ちたのを俺は見逃さなかった。
そして、探していたブツを俺に見せ、にんまり笑い、
「、俺も~~ジグ~持ってるんだよ」

っと、鉛色に剥げ落ちたジグを嬉しそうに見せて来たが最後まで投げなかった。
ジグで入れ食いになって笑いまくってる俺たちとは違う次元で生きているんだと思った。
その証拠に、頭が黒々としたおそらくLサイズのオキアミがポケットから落ちても全く動じないパイセンに俺は興味が湧いた。笑

状況の悪い、今のご時世。
次は、俺が出会って感銘を受けた、車椅子アングラーについて語ろうと思います。

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