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ブラックバスと新型コロナウイルスの話

  • ジャンル:日記/一般
ブラックバス釣りを狙ったサイトフィッシング。
サイトフィッシングとは魚を自分の目で見ながら狙う釣りのことです。
皆さんはブラックバスをサイトフィッシングで狙ったことはあるでしょうか?

狙った事がある方は納得していただけると思いますが、見えているバスを釣るのは案外難しいものです。

釣り人側からブラックバスが見えているということは、ブラックバスからも釣り人が見えているということ。
警戒心がある状態での釣りになるが故に、一筋縄では行かない事が殆どなのです。

見えているブラックバスの目の前に、いきなり速い動きのルアーを落とすと、殆どの場合ブラックバスは逃げてしまいます。
ブラックバスは自分の身に危険が及ぶ距離で、明らかに異質なものであるルアーが飛んでくると恐怖心を覚えてしまうのです。

では見えているブラックバスを釣るにはどうすればいいのか?
大きく分けて方法は3つあります。

1つめは遠くに気づかれないようにルアーを投げてから、ブラックバスの目の死角である斜め後ろより、静かに素早くルアーを通してリアクションバイトを誘う方法です。
コツはスピードとフラッシングを使い、考える隙を与えずに反射的に魚に口を使わせる事。
不意をつかれた魚は思わずリアクション的に明らかに偽物であるルアーを噛んでしまい、釣り上げられてしまうのです。

2つめはゆっくり沈んでいく、ノーシンカーのワームなどを遠くに投げ、徐々に近づけていく方法。
バスが自分に"危険が及ぶ"と感じるテリトリーの外からルアーの存在を気がつかせます。時間をかけてそのルアーをバスに近づけていくと、バスは逃げる事なくルアーに慣れていきます。
徐々に徐々に近づけていくと、ルアーをバスのテリトリー内に侵入させる事が出来ます。
いきなり投げると逃げていくような近い場所にルアーが入ってきても、慣れとは恐ろしいものでバスは逃げません。それどころかルアーという危害を及ぼすものを、元からそこにあったものと認識して警戒心を解いていきます。
気が付いた時にはルアーはバスの鼻先まで移動していて、バスは何かの拍子にそのルアーをパクっと加えて釣り上げられてしまいます。

3つめは守るものがある時。バスでいうとスポーニングのシーズン。卵を守る時です。我が子を守るバスは普段なら絶対に口にしないような明らかに異質なルアーに怒り狂います。ブルブルと振動の強いもの、大きな存在感を出すビッグベイト。
この時は派手に動かせば動かすほど魚はストレスを感じます。
その誘いに乗れば危害が及ぶという事がわかっていても我慢できずにそのルアーを攻撃してしまうのです。

バスというのは弱肉強食の世界。野生の生き物です。生物としての本能は、我々人間よりも露骨に行動に現れます。
先ほどあげた3つの釣り方を簡単に表現すると下記のようになります。

1つめの釣り方。考える時間を与えずに反射的に反応させる。
2つめの釣り方。時間をかけて慣れさせる事で警戒心を解く。
3つめの釣り方。恐怖心や危機を煽りに煽って、正常な判断ができなくなるくらい怒らせる。

さて、2020年を入ってから世界中を大パニックに陥れている新型コロナウイルス。
国内外のニュースや、SNS、ワイドショーなどをずっとチェックしておりました。
日々、色々な形で目にする情報や、議論、怒りなどを観察しておりましたが、人々の反応はバスと変わらないなと感じています。

まずは反射的反応。
日々入ってくる情報には、事実もあれば偽の情報。所謂フェイクニュースも沢山混じっています。
そのフェイクニュースの見出しが衝撃的であったり、強い単語が入っていた時に、たまらず反射的に行動、コメントする人がいます。
自分でその情報の精度を確かめることもせずにデマ情報を拡散させてしまったり、トイレットペーパーを買い占めたりする人たちがそれです。酷い人はフェイクニュース記事の全文を読むことなく釣りタイトルに騙されてパニックに陥る人もいます。
釣り人目線でこのような反応を見ると、とても釣りやすい人だなという印象が湧きます。スピードとインパクトだけで騙されて行動してくれるからです。

次に時間をかけて慣れさせるという方法。
これは非常に厄介です。自分自身、気をつけていてもこの"慣れ"という部分には騙されているなと自覚があるほどです。
時間をかけて慣れさせるという釣り方は、そもそも頭のいいバスを釣るために使う方法です。反射的には口を使わない、怒りに身をまかせることもしない、狡猾な見えバスを釣るにはこの方法しかないと言えるでしょう。
真実とは違う情報、よく考えると理にかなっていない対策なども、長い時間をかけて徐々に生活に入ってくると、それを疑わしく感じなくなります。
コロナでの感染、もとい志望者の増加を食い止めるという目的のために、外出自粛という手段があるのは明確です。ですが今は目的を忘れて、外出自粛という手段を最重要とする動きに皆が慣れはじめています。
長い時間をかけて日本国民全体が今の対策に慣れて来ていますが、情報や対策の目的を考えなくなった時に、危険なものを知らずのうちに飲み込んでしまうかもしれません。

そして最後は恐怖心や危機を煽りに煽って、正常な判断ができなくなるくらい怒らせる。という方法。
これは致し方ない部分もあるかもしれません。生き物には感情があって、怒りや悲しみというのはほとんどの場面で、理論に先行します。
特に、家族や生活など守るものが沢山ある人間というのは怒りを抱いて、その感情のままに行動してしまうのは仕方ない事です。
ですが、その怒りのせいで結果的に釣られてしまい、愛する我が子を危険に晒してしまうのが、怒り狂ったネストのバスです。
守るべきものがある人こそ、気持ちを沈めて冷静に危険なものを判断する必要があるのかもしれません。


コロナウイルスについての情報を毎日収集しながら考えていたことはこんな事でした。
個人的にはコロナショックは大きく受けており、旅行会社としても釣具メーカーとしても甚大な被害を受けています。

その中で何より恐ろしく感じたのは同調圧力。
英語で言えばPressure to conformというところでしょうか。
この同調圧力によって、法律で縛っていない部分でも大きくやれる事が抑圧されています。法治国家にも関わらず。

同調圧力に関してはブラックバスが持っていない。それどころか人間の中でも日本人が特別に強いという感覚です。

もしブラックバスに日本人のような同調圧力が存在したとするのならば、そのブラックバスの集団はとても釣りやすいな…と思います。

 

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