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クマと遭遇するより低い確率?

クマと遭遇するより低い確率?

話は少し前に遡る。
その日は偶然にも休暇が取れて、もちろん私は朝から釣りに出掛けていた。


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事前の予報では「一日中雨」という厳しいものだったが、とにかく現地へ赴いて川を見るまでは納得しないというのが私のスタイルだ。

結論から言うと出掛けて正解だった。
予報は外れ、雨はほとんど降っていない。
そして、雨でもそう簡単には濁らない川をセレクトしていたので、水色も釣りが十分に成立する状況だった。


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とは言え、増水していることに変わりはない。
本谷に関しては川通しでの遡行は不可能。
川通しは無理なので、大場所を中心にヒット&アウェイで回ることにした。

最初にエントリーしたポイントに、尺は余裕で越えているであろう大アマゴが悠々と泳いでいた。
見た限りでは、遡上タイプではなく居着きのアマゴのようだ。

しかし…この手のアマゴはまず釣れない。
試しにルアーを投げてみたが、まったく関心を示さず、ついにはどこかへ消えてしまった。

増水でチャンスといえばチャンスだが、本谷は望み薄いか?


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観念した私はボウズ逃れの沢に入った。
とりあえずイージーな魚を1尾だけでも釣っておこうという作戦だ。

目論見通り、最初のポイントでいきなりイワナが飛び出す。
表層スレスレのレンジを自作フローティングで引っ張って来ると下からバンバン食い上げてくる。

しかし、遊びが過ぎたか、ルアー回収寸前に魚がフックに触れてしまう。

さすがに次は無いか?
そう思ったが、次の1投で今までで1番強いバイトが出て、オートマチックフッキングが完了。

針に触れても食ってくる、腹ペコなイワナだった。


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この日、私はクマ鈴を自宅に置き忘れるという痛恨のミスを犯していた。
秋口の山にクマ鈴無しで入るのは、ちょっとリスキー。

沢を登っていくと、すぐに大きな滝にぶち当たったので、そこで引き返した。


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とりあえず1尾釣れて満足したが、帰るにはまだ早すぎる時間だ。
クルマで少し上流へ移動し、駐車スペース付近の沢を覗いてみることにした。


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水温は一時期と比べて随分下がってきている。
体感水温、15℃以下かな?
ウエットウエーディングではそろそろ辛い季節になってきた。

魚の反応は上々で、良い感じにルアーに飛び付いてくる。

しかし、クマ鈴無しで奥へ入りすぎるのは危険なので、真っ黒でナイスなイワナが釣れたところで早めのロッドオフにした。


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クルマに戻り、軽めの昼食。
十分満足できたので帰ることにした。

林道をゆっくりクルマで下っていく。
しばらく行くと、ガサガサと藪の中から何やら大きな生き物が出て来たので思わずブレーキを踏んだ。

「クマ!」
ではなく、その正体はSOさんだった 笑

いや~ビックリした~。
クマと遭遇するよりレアな確率かもしれない。

少し立ち話をし、結局は
「本流行くしかないでしょ」
ということになり、再びSOさんに本流を案内してもらうことになった。

この日、本流タックルは積んで来なかったので、道具は全てSOさんからの借り物だ。
ありがとうございます!

ルアーもSOさんのハンドメイド。
これが実に使いやすかった。
ダウンでも飛び出さないし、私が本流でよくやる、ゆったり目のショートジャークにも小気味良く追従してくれる。

本流の水色は沢とは違い、さすがに濁っていた。
水圧もなかなか。
地形と川の流れが分かっていなければ簡単に流されてしまうだろう。

濁りは白濁気味。
決して良い濁りではない。

「今日は無理かも」
と、SOさん。

沈黙の状態が続くが、それでも丁寧に瀬を打っていく。

しばらくすると、ルアーを回収する寸前でまさかのヒット!

アマゴか?
きっと対岸から追い掛けてきたのだろう。
流れの強さも相まってよく引く。
 
「キタ~!」
そう言った瞬間バレた 笑

しかし、ここの魚はよく教育されているな~。
客引きが実に上手い。

釣り下れるラインまで釣り下り、川から上がった。

SOさんも仕事が控えているということで、この日はここで解散となった。



さて、次はいよいよ今シーズンラスト釣行となる。

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