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▼ あなたは、「何の情報」を大切にし、釣りに行きますか?
私が子供の頃の話。
週に1、2回放送される釣り番組が大好きだった。
その番組では、その道のプロがある時は砂浜、ある時は川、ある時は湖で様々な釣りをしていた。
当時海沿いの田舎町に住んでいた私は、少ない小遣いを貯めに貯めたものを握り締め、NFTのバスロッド、オリムピックのリールを街にある釣具屋で買い、家の近くの港で見よう見真似で釣っていた。
学年が上がり、貰える小遣いも増えると、今度は釣り雑誌を毎月買うようになった。
今思えば、月の小遣いの殆どを大人が読むような釣り雑誌に投じていた小学生など、書店の店主からすれば滑稽だっただろう。(余談ではあるが、その店主とは書店をたたむまで交流があった。
テレビや雑誌の中で、プロが狙い通りにターゲットを釣る様は、正に憧れだった。
またテレビや雑誌で観る海はとても美しく、何より人を寄せ付けず、荒々しく白波が立つ「磯」は、そんな中でも一際特別な存在だった。
成長し、車の免許を取った。
その頃の私は、学生でありながらアルバイトで稼いだお金のほとんどを「磯釣り」に費やした。
その時情報源となったのが、子供の頃から買い続けていた釣り雑誌だった。
当時からTVゲームなどをせず、勉強の傍穴が開く程読んでいたため、知識だけは抜群にあった。
雑誌には情報そのものは2ヶ月前の物、中には10数年前のものだとしても、有名なポイント、シーズナブルパターン、潮の見方、裏技要素などが凝縮されており、ひとつの磯でも様々な攻め方が出来ると理解し、翌年に実践することが出来た。
私は今、あの頃夢みた場所に、誰の力も借りず、自分自身の気持ちひとつで行く事ができる。
また、風向きや水温、波高や天候を配慮してポイントを選び、ターゲットを捉えることができる。
子供の頃からの憧れと知識の蓄積が活かされているのだろう。
そんな事から私が思うに、釣りとは一種の技術であり、「スキル」であると思う。
実際、15ftのヒラスズキロッドは振り抜けるが、8ftのベイトロッドになると20mすら飛ばせない。(苦笑
また、私はブラックバスを釣る事が出来ない。
正確には、釣るための技術と道具、攻めるための知識、つまり「スキル」が無いのだ。
今は道具も進化し、安物のシーバスロッド、リールでもルアーを100m近く飛ばし、ブリを釣る事だってすら出来る。(らしい
また、情報はインターネットに溢れ、SNSには釣具店やメーカーの釣果情報、釣れた魚の写真が大量に掲載されている。
文章には「爆釣!」「入れ喰い!」「祭り!」などの文字が踊り、アングラーの射幸心をくすぐっているのだろう。
しかし、これらの情報はどういう理由で発信されたかを考えて欲しい。
発信元の釣具店に行ってみると、入って直ぐのところに発信していた「爆釣ルアー」が1つのコーナーに所狭しと並べられていた。
予めご理解頂きたいのは、私はメーカーや釣具店を卑下、攻撃したい訳ではないということだ。
発信された多くの情報は、何かしらの〝意図〟を持って発信されたものであることを理解して欲しいのだ。
回遊性の強い魚をシーズン毎に追うだけの釣りなら、そういった情報を利用するのも一理ある。
しかし、シーバスにおいてはそうではない。
しかも、年々確実に数が減っている。
釣果情報を頼りに釣りをしてきた人達は、今釣れているのだろうか?
釣りはたしかに「釣った者が勝者」なのかもしれない。
しかし勝利に胡座をかき、進歩を道具任せにしてしまえば、その人は釣れようが釣れまいが、釣るためには情報を発信し続けるタックル、ルアーを買い続けなければならなくなってしまう。
情報を蓄積し、「スキル」として自分の持ち物にするか。
情報に流され、「爆釣タックル」流行りに身を任せるか。
それは、貴方自身が決める事だ。
- 2019年11月23日
- コメント(3)
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