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関根崇暁

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BlueBlue.jpg 「背中に背負う蒼色は鳥から見た海の色」 「お腹に抱く蒼色は魚から見た空の色」 「BlueBlue 海を愛する人へ―」 「Where's your Blue?」 ima_banner.gif 株式会社アムズデザイン運営のima公式web site。シーバスルアーkomomo,sasuke等の紹介。ルアーテスターの釣行記、コラム等も掲載。

筑後川清流鱸釣行 答え

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1995年8月、僕のスズキ釣りがスタートした。
そこは海ではなく、河口でもなく、河川中流域、大小幾つかの堰を超えたエリアである、スズキは堰が出来るずっと以前から河川を上る魚である。


多少の障害は超え、夏には清流域まで遡上するもの。


瀬の中でのスズキ釣りで、僕はルアーによるスズキの釣り方を学んだ。

先人達は居ない、自分達で切り開く厳しい道ではあった。
清流域のスズキは、当時はサクラマス並みの希少性であり、そうは簡単に釣れるものではなった。



そして10年後、僕はその大河流れる故郷を離れ、九州の住人となる。


自宅の目の前に流れるは、九州一の大河、筑後川である。鮎も居るような清流域、当然スズキの存在も可能性は十分にあったが、水中堰である坂口堰、可動堰の筑後大堰、そしてテトラ・石組みの久留米堰、と下流には3つの堰がある。それを超えてくるスズキは本当に釣れるのだろうか?というのが正直な気持ちだった。

河川のスズキ遡上は、概ね春の稚鮎に始まり、落ち鮎に終わる。一年中、鮎がメインベイトという訳ではなく、鮎の遡上が始める水温13℃そして秋に落ち鮎の落ちる水温は15℃くらいであり、それがスズキにとって適水温なのではないか?と最近は考えている。

地域の方々に色々と話を伺うと筑後大堰の出来る以前は、スズキが上流域に居るのは珍しい事では無かったという。



僕には清流鱸に対して幾つか想いがある。



その一つが、本来、夏場のスズキの生息域である、清流域に様々な遡上障害を越えて到達するスズキが今も尚居るとしたら、それに逢いたいというもの。

もう一つが故郷の大河とこの筑後川は違う川であるが、瀬で覚えたスズキ釣りをこの地で続けて行きたいという想い。


一番の魅力は意外性である、野山、田畑の広がる平野部の川に泳ぐスズキは、想像できないし、何度見ても見慣れない。燻し銀の鎧を纏った格好の良い魚は、やはり磯か砂浜の似合う魚である事には違いはない。



やがて想いや夢は現実味を帯びてくる。


清流域での鯔の確認である、鯔の遡上限界点とスズキのそれはイコールである事は、この釣りを長くやっているものからすれば周知の事実である。4~5年前、流域での鯔のジャンプを見たとき、僕はスズキの存在を意識し始めた。そしてブラックバス釣りでの外道としての釣果が情報としてちらほら飛び込んで来たのである。

情報の出所はわからないが、又聞きの信憑性といえば話半分以下で聞くものであるとは云え、釣れたというその数の多さもあり、少し信じて良いのかもしれないなと思い始めていた。

此処最近になり、先日のログでも話したが「実際に釣った事がある」という人間に出会った。何年か前から釣っているというのである、云わばパイオニアに出会ったのである、彼はバスがメインであるが、ある時期だけのパターンは確立されている様子である、しかし、現在は釣れないと言っていた、そう季節は夏。



真夏だ。



スズキは夏が旬の魚である。


清流鱸は夏の魚なのだ、夏の夕暮れに本流の浅瀬に居るオイカワの群れに、映画ジョーズの如く背鰭で水面を斬り、バケツの様な口を空けて何度も突っ込むシーンを一度見たら、その凄さがわかるだろう。そして夜はコレでもか?という位の早瀬、荒瀬を上り、上流から流されてくるベイトを待ち伏せている。淡水の肉食魚である、ナマズや雷魚にはその真似は出来ない、サクラマスすら付かないような速い流れに付くのは、野生の虹鱒かスズキの独占場である。

流れに一番強い者が、頂点に立つという事である。

その流れに、ルアーを直撃させる事が、夜釣で清流鱸を釣る上での一つの答え。


今年、終にその持論を試す時が来た。

以前から目星を付けておいたあるポイント、水深は50cm、流速は秒速で40~50cmという感じ、底石は大きく拳大、所により流失テトラの存在がある。清流鱸が定位するならソコであると踏んだ。

初日は竿を振らずに、目視で20分、捕食音数回を確認、しかしスズキという確信は無いのと、瀬のせせらぎにかき消されて、正確なピンポイントはわからず、終了したが、捕食者と餌となる小魚が存在するという事は、日替わりで何かしら入ってくるという事だ、それがブラックバスなのかハスなのかナマズなのかそれはその日のコンディションで変わるもの、アングラーが何か操作できる部分ではないから、あとはXデー、そうスズキの入るタイミングに僕が入ればいい。

2日目、竿を少し出してみるが住人はナマズだった。
http://www.fimosw.com/u/toyosikigijielab/efemqbdxnp6bf6



3日目、これが今回の釣行である。
普段なら0時には釣りに出掛けるが、今日は自宅から5分、遠くても15分のエリアで釣るつもりだから、深夜2時を周ってからゆっくりと支度をする。

満月の明るい夜だった、十五夜の時、故郷の大河で良い釣りをしたのを思い出し、今日はイケルかもしれないなと思った。
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画像は鮎の瀬、満月の月は真夜中の太陽である。

先日の捕食音のあった付近のピンポイントを色々と想像してみる。
捕食音の主は、スズキでは無いかもしれないが、その場所を特定する事は、清流域での河川攻略では大変重要なファクターとなるのである。

大潮だとは云え、この淡水域では潮汐は皆無である、つまり潮汐の変動で、魚が回遊してくる事は無い。居る場所には居るが居ない場所には居ない、当たり前だがそれが基本となる。

居る場所を特定すれば、それで釣りの半分は成立する。清流鱸はそもそも遭遇率の低い魚であるが、数を重ねて遭遇回数を増やせば良いだけである。

ピンは見えない、けれど早瀬にあるピン付近の筋目にシンペンを送り込む事、数投。

バシュ!という捕食音、水飛沫と共に、ロッドにウエイトが圧し掛かる。
瀬を一気に下るが、強引に止めて頭を上流に向け、ロッドを水平に寝かせる、魚は苦しくなり、激しく鰓荒い、その後テールウォークをした、この時点でバスかスズキであることは確定である。

バスなら60cmを越えるウェイトだ、魚の動きの早さからスズキの可能性は濃厚である。

寝かせた竿を一気に起して、瀬側へ寝かせると無事浅瀬に誘導できた。しかし浅瀬から少しズレたら手前にはテトラ地獄。

次の瞬間、足元の藻の塊に突っ込ませて動きを止め、ハンドランディング、河川ならではランディング方法である。
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玉砂利の河原に横たわる、有明鱸(有明海産スズキ)そう清流有明鱸である。この魚にやっと会うことが出来た。

今回も良い夢だった。
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時間を掛けて蘇生をする、瀬の流れは溶存酸素が多く、思いのほか回復は早い。
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なぜスズキは海を旅立ち川を上るのだろう?

なぜ僕は海では無く川で海の魚を待ち続けるのだろう?


筑後川清流鱸釣行


その答えは此処にある。



僕は、色々迷ったけど、この土地に永住する事に決めた。

それは釣師としても正しかったと思えてきた。

目の前を流れる瀬にスズキが泳ぎ支流の小川にはオヤニラミが棲む。

僕は、それがどれだけ素敵な事か?知っているから。


筑後川と共に、家族と共に。

この土地で生きてゆく。

何時でも心に故郷の大河を思いながら。


ありがとう、ありがとう、ありがとう。



最後に、夢を追い求める孤独な釣師へ。

諦めない者には、素敵なドラマが用意されている事。

それを信じて良いと思います。




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