プロフィール

関根崇暁

福岡県

プロフィール詳細

カレンダー

<< 2024/4 >>

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

検索

:

アクセスカウンター

  • 今日のアクセス:649
  • 昨日のアクセス:2448
  • 総アクセス数:1092501

QRコード

BlueBlue.jpg 「背中に背負う蒼色は鳥から見た海の色」 「お腹に抱く蒼色は魚から見た空の色」 「BlueBlue 海を愛する人へ―」 「Where's your Blue?」 ima_banner.gif 株式会社アムズデザイン運営のima公式web site。シーバスルアーkomomo,sasuke等の紹介。ルアーテスターの釣行記、コラム等も掲載。

シーライド淡水での可能性。(オヤニラミ)

季節は晩秋、朝の気温は6℃ もう初冬の足音が近くで聞こえそうな季節。

ある魚を探しに出かけた。

この魚との出会いは三年前、オイカワを釣りに出かけた時の事だった。ふと、流れに目をやると、見慣れない縞々模様のメバルの様な小さな魚が岩陰に付いていたのである。

その魚は、日本固有種、スズキ目唯一の淡水魚、オヤニラミである。

その時、フライをドライフライからニンフに結び換えて、魚の前に落としたが、スーッと岩陰に隠れて、二度と姿を見せてはくれなかった。

ヨーロッパにはオヤニラミと同じく淡水に棲むスズキの仲間、パーチがいる。ゲームフィッシュとしはポピュラーで人気がある。
ラパラのパーチカラーのパーチはこの魚である。

そして、日本海を挟んでお隣の国には、オヤニラミに最も近い魚、コウライケツギョというのが棲んでいて、ルアーフライ対象魚として広く知られている。

日本の魚、オヤニラミはどうだろうか?
環境庁のレッドデータブックに掲載されている希少種なのに、多摩川などにゲリラ放流されて問題になっていたりもする。

釣りとしては、昭和50年代に、当時のダイワ精工から出版された、ルアーフライの入門書に、スピナーで釣れたオヤニラミが記載されていた後は、話題になることすら無いまま30年以上ベールを脱ぐ事は無く、未だ未知のターゲットである。

それからの僕は、オヤニラミに、大変興味が湧き、幼少時代からこの地に住む人たちに聞き込みを続けた。

餌で釣れたけど20年前の話。
ルアーじゃ釣れないと思う。
セイベイ(地方名)なんて釣りたいって人初めて聞いた。
昔は沢山いたけど・・・今は見かけない。

そんな答えが返ってきた。

それから、僕はオヤニラミを探す旅を始めた。
旅と言っても、近所の小川に棲んでいる、時間さえあれば何時でも逢いに行ける。

しかし、ルアー釣りでとなると、その道程は、遥か遠く長い旅である。

嘗て、日本の何処にでも田園風景と小川のせせらぎは存在していた。

都市部では開発で、姿を変え、水は汚れ、多くの命は消されてしまった。

全てが失われる前に、逢わなければならない魚がいる。
そしてそれを伝える人が居なければ、失われた事にすら誰も気付かない。

オヤニラミは物陰に棲む、だから、この春考えたマラブージグ。

新たな可能性を秘めた、シーライドミニ3g。http://bluebluefishing.com/
オヤニラミの学名 Coreoperca kawamebari
つまり、カワメバル。このルアーがメバルに良いなら、良いはず。


そして実釣開始。

この小川は水量は平水だが、水は澄み切っている。
鯉やギンブナ、ナマズ、タナゴ、オイカワ、カワムツと淡水の水族館の様に全ての魚が良く見える。

流れのあたる柳の木の下、複雑に根が張られた、まるでマングローブジャングルの様な岸、完全なシェードにジグを落とし込む。

一瞬、10cmほどの黒い魚影がチェイスした。

オヤニラミだ!

次の瞬間、バックして影に消えた。

え?後ろに下がるの・・・・

カーッと熱いものが、こみ上げてきた。

感激、喜び、悔しさ、虚しさ、焦り、驚き、絶望、達成感。
複雑な感情が僕を支配した。

その後、二度とその姿を見せる事は無かった。

結果は、惨敗。


でも、それで良い。釣りたいけど、簡単に釣れて欲しくない。


 「Where's your Blue?」

僕の蒼色が何か、まだその答えはまだわからない。

この近くて遠い旅は始まったばかり、何時か逢えると信じて。

※オヤニラミは希少種です、地域によっては、条令、漁業規則などで、釣る事が出来ない場合もあります。各漁協、管理者に確認の上、釣行されてください。釣れた場合も、速やかにリリースをお願いします。

参考タックルデータ
ロッド:スミス フィールドリーム FLD-60 
リール:ABU カーディナル33 
ライン:フロロ 3lb
ルアー:シーライドミニ 3g 自作マラブージグ他

 

コメントを見る

関根崇暁 さんのあわせて読みたい関連釣りログ