人妻 久仁子と蛍 2-2

  • ジャンル:恋愛・結婚
 【お知らせ】
私が文字数(データ容量)を考えずにアップしたので、一部の携帯ユーザーでは読めない状態でしたので分割しました。
ご面倒ですがコメントは【2-1】の方へお願い致します。 by順平




店員がやって来る「ご注文をお願いします」

 
久仁子「和風ステーキの〇〇風のセットを1つ セットメニューはパンで、ドリンクはコーラで」

順平「・・・俺も同じもので、ライスとアイスコーヒーで」とオーダーを告げる。
 
順平は次の会話に進みやすいよう、あえて久仁子と同じメニューを頼んだ。

しかし、初対面の男と会うのに・・・ガッツリとヘビーメニューのステーキ・・・もしかして肉食系女子か? 俺も食べられちゃうのかな?(笑)
 
【ポイント】
こういった時の会話は、無難な話題で切り出さないと会話に行き詰まってしまいます。
初対面の場合、特に相手は俺がどんな人物なのか強い警戒感を抱いているから、先ずはその警戒感を解くために、自分の素性を明かしていく。 そうかと言って露骨に自己紹介をすると、相手に自己紹介を迫ることに成りかねないので、あくまでも「さりげなく会話の中に情報を織り交ぜる」である。
女性は、自分の素性は明かしたがらないが、相手(俺)のことは興味がある。この相手のニーズをうまく会話に織り交ぜること。 
久仁子の容姿は、いかにもスポーツ選手といった体格で、話題としては振りやすいが、容姿に関する質問はタブー 特に身長の高い女性は身長に対するコンプレックスを持っている傾向にある。
直接、容姿に関係なくとも「何かスポーツやってみえるんですか?」との質問も久仁子にはタブーである。
久仁子にしてみれば、私がいかにもスポーツ選手みたいな体格をしているからそんな質問になるんでしょ?と体格を見て遠まわしに「身長高いね ガッチリしているね」と言われているのに等しい
 
【ポイント】
何も相手だけが不安じゃない。俺も素性のわからない女性は不安。

 
順平は、初対面の誰もが投げ掛けるような質問は敢えてせず、サイト内でやり取りしていた久仁子の情報を思い出し、少しずつ自分の素性、家庭環境や職業を明かしながら、久仁子のベールを少しずつ脱がしていった。
 
 
しばらくするとオーダーしたメニューがテーブルに並んだ
 
 
【ポイント】
食事の時こそ さりげない気配でポイントを稼ぎましょう。

 
ナイフとフォークしかない場合は、箸を用意してもらうなど、気配りを忘れてはならない。
人妻さんの場合、日頃、亭主からぞんざいな扱いを受けているケースが多いので、気配りやもてなしと言った「尽される」ことに強い喜びを感じるケースが多い。

順平は、ステーキに必要な胡椒や岩塩といったテーブルの端に置かれた調味料を並べ進める。
 

【ポイント】
食事中は、あくまでも楽しく明るい雰囲気を心がけ、決して料理に対して「マズイ」とか「美味しくない」と言った否定的な発言は慎むようにしましょう。
 

 
食事を済ませた二人は、ドリンクを飲んでいた。
依然として警戒心のある久仁子に対して、順平はこれからのスケジュールとホタルが見える場所の雰囲気を伝え少しでも不安感を和らげるようにした。
 
順平は頃合を見計らい「そろそろ日暮れになりましたので、そろそろ出掛けましょうか 車はどうされますか? 2台別々で行くと逸れた時に困りますので、ココに久仁子さんの車を止めたままにして、僕の車で行きましょうか」と久仁子に選択をさせる。
 
【ポイント】
一緒に食事をしたくらいでは女性の不安感は拭いきれません。

 
当然、久仁子の心理は初対面男性の車に乗って・・・という警戒心があるので、「心配であれば僕が久仁子さんの車に乗ってもいいですよ」と選択肢を広げてみるが、決めかねているようなので、順平は「今が18:40なので、現地に30分いても21:30頃までには戻って来られますよ」と別の角度から不安感を取り除いてみる。
 
久仁子は「じゃぁ 私の車で行きましょうか」と言いながらバックからじゃらりとキーを取り出した。
 
 
【ポイント】
女性のトイレには、最大限に気配りをする。 安心感と清潔感ある場所でトイレを勧めるようにしましょう。

 
 
順平「では そろそろ行きましょうか。 お手洗いを済ませておいた方が良いですよ」

久仁子「そうね」と言いながら、手洗い場に向かった。
 
 





久仁子がお手洗いに向かう姿を見届けた順平は、テーブル上の支払伝票をサッと抜取ると、レジへ向かい勘定を済ませ久仁子が現われるのを出口で待った。
 
久仁子は手洗い場から出て、テーブルに俺の姿がない事に気付くと辺りを見渡しているので、順平は手を挙げて店外へと促す仕草をする。
 
 
【ポイント】
レジの支払いはスマートに 食事代くらいケチケチするな!

 
 
順平の元に駆け寄る久仁子を待って「さぁ 行きましょうか」とドアを開けて店外へ出る。
順平は久仁子を見上げながら(デカイなぁ 間違いなく175cmはあるな・・・もしかしたら180?)
170cmの順平は自分がみすぼらしく感じてしまった。
 
 
久仁子「あの 食事代の方は・・・」

順平「支払いは済ませておきましたから・・・」

久仁子「お幾らでしたでしょうか」

順平「いいですよ 楽しい話で美味しく食事をさせてもらったから御礼にご馳走させてもらいました。 さぁ久仁子さんの車はどこですか」
 
【ポイント】
「楽しい」「美味しく」「してもらった」など好感であった事と感謝の言葉を交え、一緒に食事ができた喜びを相手に伝える。 そして、お金の話は手短に、話題を直ぐに切り替えましょう。


 
店外に出ると、降っていた雨も止んでいた。

順平は「雨は上がりましたね 足元は濡れているけど 風もないし絶好のホタル狩り日和ですよ」と彼女の横を歩き、車に向かうと、俺の車に横に止まっていたデリカの前で立ち止まった。

久仁子「散らかっていますけど どうぞ乗って下さい」

順平は、自分の車から紙袋を取り出すと、助手席に回り「失礼します。 隣の車 俺のです。 偶然ですね」と助手席に座った。
 

車に乗り込んだ順平は、「道案内しますので行きましょうか」と促すと、久仁子は「ナビが付いていますので入力してもらえますか」とタッチ画面に触れ入力画面へと導いた。

順平が入力を済ませセットすると「この先、国道〇〇号線を通るルートでご案内します」とガイダンスが流れる。 画面を見ると到着予定時刻は、40分後の19:20
 

シートベルトを閉めていざ出発!
 
ワイルドなデリカを乗っているだけあって、テキパキとした運転で安心して助手席に乗っていられる。

順平は素直に久仁子の運転を褒めた。 「職業柄、助手席に乗ることが多いんですが、ウチの社員よりも運転上手ですね。安心して乗っていられます」
 
 
【ポイント】
仰々しく褒めると嫌味になるので、あくまでも さらっと褒めましょう。 褒めると彼女からのリアクションで会話がつながりやすい。
 

 
久仁子「ありがとう そんな風に言われたのは初めてです。 仕事で良く運転するので、否が応でも上手になりますね」
 
順平「お仕事で運転ですか・・・ 営業で外回りとか?」

久仁子「なんだと思います? 絶対にわからないと思いますよ」

順平「車を運転すると言えば・・・タクシーの運転手さんとか、トラックを運転されているとか・・・」

久仁子「ブブーッ!!! ベタ過ぎます」

順平「えーっ! 何かヒントくださいよ」

久仁子「全国各地を巡業します」

順平「全国各地を巡業ですか?  巡業・・・お相撲さん?」

久仁子「えー! ヒドイ!」

順平「あははは・・・冗談ですよ 巡業ねぇ~ サーカスとか?  ボキャブラリーなくてすみません」

久仁子「アハハハハ・・・サーカスね う~ん でもある意味、私達も見世物だから同じかも」

順平「私達の複数形? 運転? 巡業? 見世物?  さっぱりわからんよぉ ミュージシャンとか?・・・」

久仁子「そうねぇ ヒント! 勝負の世界かな」

順平「勝負? やっぱりお相撲さん(笑)」

久仁子「あのね・・・ココで降ろしましょうか?」

順平「うそ!うそです。 もしかしてショーモデルさん 結構、背も高くて綺麗だし・・・」
 
【ポイント】
容姿の褒め言葉は、最初はさらりと流す感じでいきましょう。

 
久仁子「煽てても何も出ませんよ!  順平さんって スポーツ好きですか?」

順平「スポーツ 好きですよ! 見るのも、するのも好きです」

久仁子「Vリーグって知っています?」

順平「ええ バレーボールのJリーグ版ですよね」

久仁子「そうね 実業団バレーボールチームがリーグ戦を行う呼び名なんだけどね・・・」

順平「えっ? ってことは久仁子さん・・・、バレーボール選手?」

久仁子「正解!」

順平「へぇ~ バレーボールの選手なんだ」そう言いながら順平は久仁子の横顔をマジマジと覗き込む

久仁子「やめろっ! 照れるじゃないか」と言いながら手のひらで横顔を隠す

順平「容姿のことを言っては失礼だけれど、最初にひと目見た時に、背が高くてガッチリしてみえたのでスポーツ選手かな?って思ったんですよ」

久仁子「だよね・・・ もう何処に行っても目立っちゃってイヤなんだよね」

順平「そうかな 俺の第一印象は、スラッとしていてカッコイイ女性だなぁと思ったんだけど 顔立ちも美人だし モデルさんかと思っていたよ」
 
【ポイント】
2度目の褒め言葉は、思いっきり褒めてみましょう! 容姿のことを褒められて気分を害する女性はいない。

 
 
久仁子「あははは・・・それは褒めすぎ」

順平「でもモデルと言われても納得しちゃうよ! Vリーグは詳しくないけれど、どのチームに所属しているの?」

久仁子「それは内緒」

順平「でも 愛知県に住んでいるってことは、地元の企業なんでしょ? 俺が知っているバレーボールの実業団チームは、デンソーとか・・・トヨタ車体とか・・・大同特殊鋼とか・・・」

久仁子「内緒! それ以上は聞かないの ちなみに大同特殊は男子です」

順平「はいはい! チーム名くらい教えてくれたっていいのになぁ 残念  ところで、その実業団バレーボールと車の運転とどんな関係があるの」

久仁子「う~ん 私、Vリーグのチームに所属しているといっても、レギュラーじゃなくてサブなんですよ。 今の時代、母体企業も経営的に苦しいチームだから、経費削減で何でも自前でやらなきゃならないの。サブはレギュラーのマネージャーやアシスタント的な役割もなっているから、時には選手の移動の運転手もやるんだよ。 昨日、遠征先の新潟から帰ってきたところ だから運転も否応なしに上手くなるのよ」 

順平「そうなんだ・・・どこも厳しいんだ  時々、どこそこの実業団が廃部したとかニュースでやっているもんね」

久仁子「そうなのよね 本当にバレーボールだけで食べている人なんて、4、5人しかいないと思うよ 日本代表選手すら兼業選手だからね。 私なんかまだ廃部にならず好きなバレーボールをやれる環境があるだけ、まだ恵まれている方だよ」

順平「全日本選手で4、5人しかいないの? 〇林とか〇田とかくらい?」

久仁子「あの人たちは超特別だよ!全日本代表選出でTVの露出度もあるから名前も顔も売れているからね~ おまけにスポンサー企業のCMにも出ているし・・・」

順平「〇林とか〇田なんかより久仁子さんの方が美人だと思うけどなぁ~ そんな(モデル)道に進もうとは思わなかったの?」

久仁子「順平さんは女性を褒めるのが上手だねぇ~ ま、私が美人かはどうか別として、昔はそんな誘いもあったよ でも私の父が元バレーボール選手で頑として反対されたし、モデルに転進した先輩たちから、その業界の良い噂を聞かなかったから断り続けて・・・三十を過ぎ、結婚してからは、そんな華やかな話しもないしね」

順平「そうなんだ・・・もしモデルの道に進んでいたら・・・なんて考えない?」

久仁子「それはないね! どんなに辛くても苦しくてもバレーボールが好きだからね」

順平「なんか昔、バレーボールのアニメで「苦しくたって 悲しくったって」なんて言うフレーズがあったね」

久仁子「アタックNo1!だよ 古ぅ~ そのアニソンは聞いたことがあるけどアニメは見た事がないね 私の時代はアタッカーYOU!だったからね」

順平「俺 知らないし! 世代の差を感じるねぇ(涙)」
 
 
 
久仁子の順平への警戒心は時間の経過と共に薄れ、日頃の鬱積を晴らすかのように良く喋った。
 
車はナビの指示に従い順調に目的地に進み、市街地を抜けると、景色は一変し里山に囲まれたのどかな田舎の風景になってきた。
 
川沿いの道を走ると、街灯も少なくなり、行き交う車もまばらになってくると、饒舌だった久仁子の口数が少なくなってきた・・・
 
順平「あと10分くらいで到着だよ」

久仁子「真っ暗じゃない 心配になってきた」

順平「あははは、ホタルはそんな明るい街中には生息しないからね」と順平は久仁子の不安感を少しでも打ち消そうと、努めて明るく振舞った。
 
ナビの音声案内「ポーン! あと700mで目的地周辺です」
 
順平「この先しばらく走ると小さな橋を渡るから 渡って直ぐに道路脇に2、3台止められるスペースがあったから」
 
順平がそう道案内をしながら車を進めると、来る道中、人影などほとんど見掛けなかったが、ホタルの名所だけあって、目的地に近付くにつれ、懐中電灯を持った家族連れやカップルが道端を歩いている。
 
 
順平の言った、小さな橋が現れてきたが、駐車スペースは既に満車・・・付近には「駐車禁止」の立て看板が至る所に立っていて、これ以上の路駐は無理。
 
しかたなく、Uターンして、少し歩かねばならないが、麓の県道に車を止める事にした。
 
 
麓の県道には、名古屋、尾張小牧、三河といった県外ナンバーも止まっている。
 
車を止めると順平は予め用意していた紙袋と傘1本を手に、ホタルの生息する清流に向い歩き始めた。
 
 
さて、久仁子は順平が巧妙に仕組んだ罠が待ち受けているとも知らず、ホタルを求め暗がりの小川のあぜ道を入って行きます。 


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