人妻 久仁子と蛍 2-1

  • ジャンル:恋愛・結婚


「案内してもらえますか?」と久仁子からメッセージが届いた。
 
 
 
 
 
キターーーーーーッ!!!
 
 
 
 
 
 
 
苦節半年、この言葉をどれほど待っていたことか・・・
時には苛立ち、時には諦めかけ、時には見切りをつけようかと・・・ただ一縷の望みを信じて誠心誠意、久仁子と向き合ってきた努力が結実しようとしている。
ただ、ここで焦ってはダメだ・・・次の一手が明暗を分ける。
こちらの邪心を見透かされないよう、順平は昂る気持ちを押さえ込んだ。
 
 
【ポイント】
相手のメアドは、話の流れの中から、さりげなく聞き出しましょう。

 
 
順平「木曜日の夜ですね わかりました。ご案内しますよ 待ち合わせの時間と場所を連絡しますので、差し支えなければメアドを教えてもらえませんか? 僕のメアドを送ります」とこのタイミングを逸しまいとメッセージを送る。
 
がしかし・・・久仁子からのレスポンス良く帰ってきた返信が突然、途絶えた。 メッセージが来ない・・・やっちまったか?
 
その日は、とうとう久仁子からのメッセージは届かなかった。 功を焦りすぎたか・・・
 
 
【ポイント】
メール返信が返って来なくても、催促をしてはならない。

 
 
翌朝、順平が目覚め、携帯を開けると見知らぬメールが1通 受信時間02:16
 
おもむろに受信トレイを開けると「お返事遅くなりました。携帯メールは夜の9時以降にお願いします」とだけ入っていた。
 
 
9791y.okinuk6106@****


メアドに覚えがないし誰?と思いながらアドレスを凝視する順平・・・
右から逆さ読みをすると0616kuniko.y1979・・・クニコと読める・・・

ははぁ~ん、数字の部分は生年月日だな・・・ 

注:メアドはもちろんダミーです。 試しに・・・なんて間違えても送信したりしないように(笑)
 
とりあえずメアドが届いたことを、サイトを通じて「メアド ありがとうございます」とだけメッセージを送った。
 
 
そして、その晩21時を過ぎたのを確認してメールを送る。

久仁子がどんな生活環境なのか解からないので、万が一家族に見られても不審がられないように、順平とは名乗らず、「待ち合わせ場所と時間を教えて下さい」と用件だけを伝える。
 
結局、その日に返信は届くことなく、日付が変わった深夜に「デニーズ 〇〇店 18時」と短いメールが入った。

順平は布団の中に潜り込みながら、「わかりました おやすみなさい」と返信をする。

すると間髪いれずに「おやすみなさい」との久仁子からメールが届く。
 
この寝付き間際の「おやすみメール」が届くということは、順平の経験から言って、久仁子は俺を相当意識している証拠だと手応えを感じていた。
 
 
【ポイント】
何事も段取りが成否の分かれ道。 様々な場面を想定して、シュミレーションしておきましょう。

 
 
そうして当日、順平は仕事の合間に、デニーズとホタルの場所との走行経路を調べ、タイムスケジュールを立て、万が一の事態に備えホテルの場所も調べ、早々に退社し、久仁子との待ち合わせ場所に向け車を走らせた。
 
天気は生憎の雨・・・天気予報では夕方には上がるとの予報であったが、パラパラと断続的に降り続いていた。
 
 
【ポイント】
待ち合わせ場所の到着は、早すぎてもダメ 10分前到着がベスト 遅刻などもってのほかです。

 
 
待ち合わせ10分前にデニーズの駐車場に到着した順平は、久仁子に「今 デニーズに到着しました。トヨタの白色の○○○○です」とメールを送る。
 
 
【ポイント】
待ち合わせ場所では、相手が何処かから観察しているかも知れません。 常に見られている意識を持って行動しましょう。

 
 
順平は、駐車場内をサラッと見渡しながら久仁子らしき一人で居る女性を探すが、それらしき人影は見当たらない。 
 
 
 
この最初に出会う瞬間が最高にドキドキする。
 
 
 
久仁子からメールが届く。 「先に店内に入っています。 奥の方の席にいます。」
 
 
車から降りた順平は、スラックスのヨレを直して、店内に足を向けた。
 
 
店内へのドアを開け、奥の方に視線を向け久仁子を探す。
 
 
【ポイント】
女性の心理を読みましょう。 
こういった公衆の場所では必ず女性は、人目につきにくい隅の席に座り、尚且つ店内に背を向けて座るのが定石です。

 
 
久仁子もまた例外ではなく店内に背を向けて座っていた。
 
 
店内を見渡すと、右奥に一人で座っている女性が俺の方を向いている。 あの女性か? 一か八か、手を挙げて反応を見てみると軽く会釈をして返す。 間違いない!
 
 
テーブルの横に立ち、「はじめまして順平です 座ってよろしいですか?」と声を掛け、久仁子の頷きを待って着座する。
 
 
 
【ポイント】
第一印象が肝心。 女性の内心は不安でいっぱい。 感謝の言葉を述べて誠実さをアピールしましょう。

 
 
改めて席を座りなおした順平は、久仁子の顔を見ながら挨拶をする。「はじめまして順平です。 今日は時間を作ってくれてありがとう」
 
 
久仁子は、ちょっとしゃがれた声で「はじめまして 久仁子です」と、やや緊張した面持ちで互いに初対面の挨拶を交わす。 もちろんこの時、初めて聞いた久仁子の声色だが、ハスキーな感じが妙に色っぽく感じた。
 
★久仁子の印象★
久仁子の年頃は三十半ばといった頃だろうか、真っ赤なサマーセーターにデニムのジーンズ、白いサンダルといったラフな格好。
ショートボブのヘアスタイル、顔立ちは目鼻立ちくっきりとしてどちらかと言えば、ボーイッシュな美形。
スタイルは・・・座っていても明らかにわかるほど長身で、パッと見 175cmはあるだろうな
体形は、スレンダーと言うより、がっちりした肩で筋肉質・・・雰囲気からしてもしかして、モデル崩れ?いや、体格からして長年スポーツをやっていた事は誰もが想像し得る。

 
 
順平の内心(ド・ストライクじゃん!)
 
 
順平は、時間どおりに到着したものの、ここは紳士的に女性を待たせてしまった事に対する礼儀として「お待たせしてしまって、すみません」とお詫びを入れ、会話の糸口を探しながら、「早く到着されたようですね もう何かオーダーされましたか?」とメニューを見ながら尋ねると・・・

久仁子は「いえ まだオーダーしていません 順平さんが来てからの方が良いと思って」

順平「まだ夕暮れでホタルの時間まではありますから、食事の方をしましょうか 大丈夫です?」

久仁子「ええ じゃぁ お腹も空いてきましたので」と言いながらメニューに目配せを始めた。
 
久仁子がパタンとメニューを閉じたのを見計らい、順平は「決まりましたか?」と久仁子の返事を待ってオーダーボタンを押す。



店員がやって来る「ご注文をお願いします」


【2-2】へ続く・・・・・




 
 
【お知らせ】
私が文字数(データ量)を考えずにアップしたもので、PCからは支障なく見れるのですが、一部の携帯ユーザで不具合が発生しているようですので 『2話』 を分割掲載しました。
以後、少しは考えてアップします。 2012.06.20. 07:21順平

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