イギリスのパイク釣り 5

  • ジャンル:釣行記
翌朝はあまりにも疲れすぎて、寝坊を決め込む。連日早朝からゲームをしているので、さすがにきょうの朝は小休止。


優雅に朝食を食べて、昼はまた買い物をしたり、スーツを作りに行ったり、行きつけのパブにランチに行ったりして過ごす。


通い詰めたパブの大好きなステーキ&キドニーパイを食べる。分厚い生地の中にたっぷりのシチューが入って、上からグレービーがかかっている。いつ食べても最高。パブをやっているじいちゃんばあちゃんと1年ぶりに話すが、相変わらず元気そう。


そして夕方から釣りに。この日は今まで攻めていなかったエリアを中心にランガンしていく。パーチの可能性も考えてスピニングタックルでトライする。


ちなみにベイトタックルでは、フエルコのXT610-4Cに、アブのビッグシューターコンパクトの組み合わせ。リールにはPE5号を巻いている。これは主に根掛かり対策。川には自転車やら工事用のコーンや柵、その他にもスーパーのカートや流木などいろんなものが沈んでいるし、川岸は木の梢が張り出している。


スピニングタックルでは、ヴァンキッシュ4000XGにPEは2号を巻いている。軽量のルアーが飛ばしやすいバランス。40gぐらいまでのビッグベイトならなんとかなる。だが当たり前だが2号だと根掛かりには弱くなる。


最初のポイント。対岸付近に着水させ、ゆっくりとボトム付近を引いてくると、流心でゴゴッ!とバイトが出る。慎重に寄せて抜き上げる。







大サンマサイズ。しかし幸先がいい。好不調の差がはっきり出る釣りだが、きょうはコンディションがいい日なのかもしれない。


続いてほぼ近いところからバイトが。しっかり引く魚を軽くいなしてこちらも抜き上げ。







少しサイズアップしたのだが、狙っているのはこういうサイズではないんだ。


そのまま上流に向かってランガンを続ける。どこからでも魚が来そうだが、予想に反してしばらく沈黙が続く。


しばらくいくと、「これは!」というピンのポイント。1投目でなかなかのサイズのパイクがチェイスしてきたが、バイトまで至らずついてくるだけ。リトリーブから手前でL字メソッドに切り替えるがピックアップ寸前まで食わず、ルアーが水面に出てしまったところで猛然と襲いかかってきた。



しかし、残念ながらフッキングせず!






美しい景色のなか、ランガンを続けていくが、そこから長い沈黙が続く。いかにも出そうなポイントが続くが、念入りに探っても何もない。パイクは結構単調な釣り。何もないと実際のところ飽きてくるし、面白くない。我慢を強いられた。


そこに通りかかったおっちゃんが声をかけてくる。話しかけられるが、何を言ってか聞き取れない。ヤバい、これ分からないやつだ。。

イギリス人の英語は標準語を話す人ばかりでなく、階級によって発音の差がかなりある。移民も大勢いるので、本当に様々な英語と接することになる。大学で研究者や学生と話をするときは、知らない言葉も結構出てくるけど、比較的はっきりと話してくれる。

一般的な人々の英語はスピードは速いが、それなりに慣れていれば概ね分かりやすい。困るのは労働者階級の崩れた英語。訛りが強くて本当に同じ言語だと思えないくらい分からない。

この人も最初は移民かなと思ったが、よく聞くと英語だった。僕は留学をしていたのでそれなりにイギリス英語には慣れている方で、普通に生活する分にはほとんどの場合困らないしストレスもないけれど、それでも釣りとなると意外と言語の問題がつきまとう。もし言葉ができなかったら心が折れるだろうな。まあこの人の場合はたいした話ではなく、よくある「釣れてるか?」という話だったけれど。



まあこんな感じでしょっちゅう人とすれ違いながら、さらに1キロほど歩いただろうか。森の中の小径を歩いていくが、次第に木やイラ草の茂みが続き、水面へのアプローチが難しくなる。キャストできそうなところを拾っていくようにランガン。しかし、いかにもというポイントからも相変わらず異常なく、沈黙が続く。

それでも粘り強く撃ち続けていると、森の中の開けた流れで、久々に足元からバイト!しかしやっとのサンマサイズ。






これは本当にサンマの塩焼き定食サイズだ。可愛らしい。しかしこのエリアは本当にサイズのいい魚が少ない。僕は釣りとは別の目的があるのでここにいるが、もし釣りだけが目的で、なおかつ大物を狙うならやはりでかい運河、もっと言えば北米や大陸側のヨーロッパだろう。僕のいるエリアは特に小型が多いが、そもそもイギリスのパイクは1mを越えるものはめったにいないのだ。


ここは今ひとつだなと思いながら、なお歩いては投げていくが、それ以上パイクのバイトは出なかった。


最後に導流護岸のキワにできたシェードを攻めてみると、ブルンっ!とあたりがあって、それほど悪くないパーチを上げてこの日の釣りは終了。





魚は出ているが、日に日にパイクのコンディションは悪い周期に入っている。コンディションのいい時期は相当短い。


この日の晩は、かつてよく行ったクラッシックなパブに流れこむ。


シュリンプ&チップスでピムスを飲みながら、イギリスの夕暮れを楽しんだ。


つづく

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