ミニエントとブラストで

  • ジャンル:釣行記
  
ミニエント!!本当に実感できる“本当に釣れるルアー”がまたひとつ増えた。大野さんに感謝。ベイスラッグとどう使い分けようか。
 




ルアーは作ってみると本当に難しい。特にボディーと錘の微妙なバランス。ハンドメイドでは完成後の微調整が効きにくいし、ボディー素材も天然木では一つ一つの素材の性質が異なる。釣れるルアーが生まれる難しさは僕もよくわかっているつもりだ。特に、「こういう目的でこういう動きのルアーがつくりたい」という目標を実現するのは至難の業。
 
 
ミニエントはしゃくりの抵抗が軽いのがまたいい。ブラスト65やスーサンのように軽くてコンパクトで操りやすいルアーが僕は大好きである。
 
 
この日は短時間のイブニングゲーム。
今年はバチパターンの当たり外れが大きすぎるので、開き直って小魚パターン。3Dダートで明暗部を攻める。
 
 
ミニエントを明暗の境に落とし3Dダート。ミニエントはキラッとヒラをうちながらランダムな方向に横っ飛びする。
 
 
縦へのジャーク、ヒラッ(明側)、ヒラッ(暗側)、ヒラッ(ボーダー上)、ヒラッ(暗側)でガガガンッ・・・!!暗側に飛び込んだフォールで食ってくる。場が荒れないように素早く浮かせて抜きあげる。
 




 
 
もう一発!同じ所へポチャッと。3D、フォール、3D、フォール、3D、フォール・・・でゴゴン・・・!やはり暗側。真下への突っ込もうとするのを強引に浮かせるが、ヘッドシェイク一発でフックアウト。
 
 
ついでポイントをずらし、再び3D攻撃。
 
4・5回のしゃくりでバイトが出ないので、暗い側に飛んだミニエントをそのまま送りこんでフォールしてやるとゴンッ!!
 





(出血していたので速やかにリリース。)
 

こんな感じで獲っていく。
 
しかし状況はイマイチという雰囲気。湾奥まで魚は入っているが、まだ数がまとまっていない感がある。1級ポイントにはついているが、2級ポイントにはいない。
 
 
1級ポイント。その一つ明暗部。この日もくっきりした明暗でバイトが出る。



 
しかし一体どんな要素が明暗部を一級ポイントとして成立させるのか。またまた生物屋による生物学的能書きを。
 



 
これに対する説明として汎用される理論は、二つ。
 
 
<明暗理論 その1・・・ベイトのストック>
光に集まるプランクトンを狙ってイワシなどのベイトが集まるため。あるいはバチはもとより、種によってはベイトとなる小魚自体にも正の走光性が認められる。いずれにしろ明部はベイトが集まるスポットであり、それを狙ってシーバスが集まる。
 
 
<明暗理論 その2・・・理想的な狩場>
暗部にいるシーバスからは明部に群れるベイトが見やすく、明部のベイトからは暗部が見えない。ちょうど夜、明かりのついた家の中は外から丸見えだが、家の中から外の様子が見えない理屈と同じである。狩りをするのに都合がいい条件がそろっている。
 
 
つまり「豊富なベイト」が「やすやすと手に入る場所」ということ。どちらもシーバスが「捕食に要するエネルギーを最小化する」うえで都合がよい条件がそろった場所だということである。
 
 
しかしシーバスを獲ることを考えたとき、もう一つ忘れてはならない非常に大事な要素がある。それは暗部にいるシーバスの目は暗順応しているということである。
 
 
つまり目が暗闇に慣れた状態。眼球内に感光物質(光への感受性を高める物質)が合成され、少ない光量でもものが見えるようになっている。


要するに、真夜中にたたき起こされて部屋の明かりをつけられると、ものすごくまぶしいことを経験したことがあると思うが、それが暗順応した眼の状態である。 
 
 
だから明暗部ではどちらかというと暗部に入ったところでバイトが出ることが多い。アングラーの目はベイトと同じ明部の光量に順応している。シーバスは逆。


だから少なくとも水中を想像する上で、明/暗順応のスイッチを入れ変えなければならないのはアングラーの方。新聞がギリギリ読める暗さでシーバスがルアーを捕捉できるのはこういう理由である。
 
 
このことは実に多くのことにつながってくる話だが、またいずれ。
 
 
 
と、能書きはさておいて、
 
 
 
 
5.23はこれまたわずか1時間のデーゲーム。
 
湾奥のストラクチャーを撃って居着きを狙う。潮も緩い中、ハゼの稚魚を意識してチョーサンでめぼしいところを攻める。ジャークでキラッ!キラッ!ヒラを打たせていく。
 
 
ストラクチャーから逃げ、水中に一瞬浮遊したハゼの稚魚。大事なのは浮遊している間。


 
ルアーを浮遊させる時間の公式は

 
食うために必要な間 ≦ 浮遊させる時間 < 見切られてしまう時間
 



 
短いとミスバイトが増え、長すぎると見切られる。
 
・・・がいずれにしてもこの日はまったく反応がない。季節的にまだ少し早いか?
・・・という間に、潮がほとんど止まる。
 
 



止水。こういう時はさらに大胆なる抑揚で。アクションのON/OFFを劇的に切り替えるスイッチアクション。
 
 
最強最終兵器のひとつ、ブラストの若干手を入れたバージョンを投入。ブラストは僕との相性がとてもいい。自分にとっては神憑り的に魚を連れてくるルアー。


 
 
ブラストは本当に恐ろしくよくできているが、ちょっとだけ手を入れ、ピンを打ち抜けなくても口を使わせられるようにしてある。弱点もあるが思った通りに操れるととてもよく釣れる。時には人がさんざん撃った後からでも魚を引きずりだせるほど。
 



これはちょっと手を入れすぎバージョン。(リップに注目)
 
 


 


ストラクチャーを撃ち、スコ~ン、スコ~ンと抜ける



ダートを入れる。チャッ、チャッ、チャッ、とおもりが鳴る音。



 
何投目かで、ストラクチャー脇の水面にギラリと反射する豪快バイトが出る。フッコサイズだがなかなかの勢いで、手元のステラから糸が走り出ていく。
 
 
だが足元の水面に浮かせた瞬間、エラ洗い一閃! フックアウト・・・ああ、せっかく掛けたのに。
 
 
もう一発!!今度は足元でギラリ!!銀褐色の魚体が光ると同時にググンッ!水中でのたうつ魚影が一翻、二翻、でまたまたフックアウト・・・。
 
 
 
「ルアーフィッシングは魚を掛けるまでの過程が楽しい」、とは確かに僕も思うけれど、最後まで魚を上げないと達成感がないのも事実。というかバラした時のこの煮え切らない感。


手中にするか、目の前でバラすか、ラインにしてわずか2・3mのこの違いの大きさは一体何なのだろう? 人生にも同じことが言えることかもしれない。


 
結局この日はこれでタイムオーバー。
 



 
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ルアーと反応

 
ミニエント
ブラスト65
チョーサン
 
 

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