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森山

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フィールドからオンエアー

  • ジャンル:日記/一般
  • (雑記)
ここ数年釣り雑誌をめっきり読まなくなった。

理由は自分の釣りスキルがアップして雑誌を読まずとも釣果を得られるようなったことと、掲載されている記事に面白味が無くなったと感じたからだ。
特に一部のSWルアー誌では各メーカーのテスターがいかにも特別なことをして釣果をあげたかのように記事を書き、要約すると"どうです?僕スゴいでしょ!?こんなにスゴい僕がプロデュースしたこのルアーだからつれるんだよ!!みんな僕のプロデュースしたルアーを買ってね!!!"みたいな記事が多く、ルアーを売りたいメーカーの意図が前面にでていてうんざりする。
ルアーなどがたくさん売れて釣具メーカーが潤えば釣具が安くなるので一人一人の釣り人にもメリットはあるにはあるのかもしれないが…。それにしても道具を売ることに主眼を置いた釣り雑誌に意義があるのかどうか疑問に思ってしまい釣りの本に手が伸びなくなっていった。

そんな私だが最近一冊の釣りに関するムック本を購入した。
"フィールドからオンエアー傑作選"
それがこの本の題である。

私の記憶正しければこの”フィールドからオンエアー”は現在もソルティー誌巻末に2Pで掲載されている長期連載のコラムである。
筆者菅原正志氏はナレーターや声優として活躍中であるが、アングラーには大漁企画のボス、または五畳半の狼のMCといった方が馴染みのある釣りキチである。
この本は傑作選と銘打ってある通り、ソルティー誌の前身であるルアーフィッシング情報に1996~2001年ころ掲載された同連載を抜粋、再録したものだ。

このムックに再録されている話がルアーフィッシング情報にリアルタイムに掲載されていた当時私は中学生くらいだった。
この頃私の周りではルアーで魚を釣ったことがあるということが一種のステータスであり、私はなんでもいいからルアーで魚を釣りたくて相模川の河口やちょっと上流の海老名あたりの池でルアーを投げてみたが一回チェイスがあっただけでなにもかからなかった。
しかしチュウボウの私は魚が釣れないくせに釣り雑誌を毎月購読していたので知識だけは一丁前にあった。今になって思い返せばその様は高校生のときクラスに必ず一人はいた"実践したことはないくせにやたらとエッチなことに詳しい奴"に似て滑稽であるが、それほど当時の私は釣りの知識に対して貪欲であったし釣り雑誌を読むのが好きだった。

その時読んでいた雑誌の一つが他ならぬルアーフィッシング情報。当然今回購入した傑作選の中にも目を通したことのあるコラムがいくつもある。
最初はリアルタイムで読んでいたチュウボウ当時の記憶が蘇ってくるようで昔を懐む気持ちで手に取ったのだが、家に帰ってページを読み進めていくうちにあることにはたと気がついた。
"自分の釣りの進路は菅原氏を追従している"と。

傑作選を読み返すとよく分かるが、当時のフィールドからオンエアーは伊豆のヒラスズキと南洋のビッグゲームの話題が数多く登場する。今となってはチュウボウの自分の思考を知ることは出来ないが、ルアーでセイゴすら釣ったことのない子どもにとって荒磯を駆け回るヒラスズキゲームや釣り人の限界に挑戦するかのごとき南洋のビッグゲームの情報はアダルトビデオを見るより興奮と衝撃を覚えたことだろう。

中学生くらいの時に聴いた音楽が人生で最も記憶に残るということを聞いたことがあるが、釣りに関しても同じで中学生くらいの時に関心のあった釣種がその後も頭に残り続けたとしても何ら不思議はない。
釣りと一口にカテゴライズしても小さいものはハゼやたなご釣り、大きいものではクロマグロやカジキなどターゲットは無数にある。そのなかでも私は大人になってからヒラスズキや南洋のGTを求めて釣りをしている。この選択は私自身の自由な意思によって決定したものだと思っていたがどうやら違うようで、昔読んで印象に残った菅原氏の記事(同時期にヒラスズキやGTゲームを誌上で紹介していた村越正海氏等を含む)の記憶が楔のように脳の片隅に打ち込まれ、10年以上経った今この楔が誌面の向こうに想像していた釣りを現実のものにするように誘導していたのだ。

そう考えると釣り雑誌の影響力というのは案外バカに出来ないのかもしれない。
純粋だった頃の私の心を揺さぶり知らず知らずうちに釣りの方向性を決定付けてしまったのだ!
これが良いことなのか悪いことなのかはよくわからないが、文章が人間一人の感情を刺激してある行動を起こす誘因となるということはすごいことだと思う。


インターネットでは自分の興味のあることしか検索しないのでどうしても情報が偏りがちになってしまう。
しかし雑誌では複数のライターが記事をのせているので、購入した時には意図しなかった新しい発見に繋がる。そしてそれは新しい挑戦への契機になるかもしれない。私がGTフィッシングに導かれたように。
最近はネットの普及により書籍の売上が減少していると聞く、でも本を通じた情報収集も考えようによっては上記したように有益だと思う。
釣り人に夢を与えるためにも釣り雑誌の関係者の方にはフィールドからオンエアーのような楽しい記事を生み出し続けてほしい。
そうすれば私のように昔は釣り雑誌を読んでいたが今は読まなくなってしまった層もきっと戻ってくるだろう。


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