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▼ トラウト紀行 2
- ジャンル:釣行記
20歳の頃に始めたブラックバスを求めての秘境探索では、主に関東地方のリザーバーを片っ端から回りました。
あ、いや、片っ端からではないね。
「表に出ていないリザーバー」だけを、ひたすら開拓してました。
関東でブラックバスの50UPを狙いたいなら簡単な話で、何らかの理由で鱒がバックウォーターに入る可能性のあるリザーバーに行けばいいだけでした。
実際に埼玉・神奈川・群馬・山梨の山奥には、地図にも載ってないような小さなリザーバー(関西風に言うと水瓶)がポツポツとあります。
あの頃、そういう場所を回って思ったのは、かなりの確率で河川にはマスが居る理由が在ると言うこと。
それらのリザーバーでは上流で大水が出たときなどにマスは落ちてきて、それを知っているバスはある条件を満たした時に一気にバックウォーターを目指します。
総じてマスを食うバスはデカイので、それなりに良い釣りをしてきました。
条件がそろうと読めた日は深夜に車を走らせて、バックウォーターに近い車止めからひたすら歩き、夜明けに魚を釣ってから仕事に行く日々でした。
バックウォーターを遡上する力の在る魚を狙う為に、「え?こんなとこまで登るの?」というような場所まであがってバス釣りをしてきました。
そういう釣りをしていると、必然的にマスが釣れます。
多くは虹鱒ですが、まれに???というようなのも。
そのころはトラウトの知識が無いので、なんか色が違うなぁ程度にしか思ってませんでしたが(笑)
ただあの頃、バックウォーターから見上げるその川の美しさは、心の奥深くに「何時かそこで釣りをしてみたい」という気持ちを刻んでいたと思うのです。
今思うと、当時は装備も知識も無かったのですが、それ以前に「渓流のトラウトはなんだか小難しい」というイメージがありました。
雑誌なんかに目を通しても、ある条件を満たす人しかやっちゃいけないような雰囲気。
小僧は来るな。
大人の特別な遊びだ・・・とでも言うような。
一番ビックリしたのは、釣り具の値段でしたが(笑)
まぁでも、何時かはこの釣りをやる日が来るだろうな・・・と、心の奥底に仕舞いこんで今日まで来ました。
そして今回の旅でひょんな事からその思いが叶ったのです。
シーバスの朝間詰め撮影を終えてから、コンビニで朝食を食べて出発♪
見上げる山へと続く県道は川沿いにグングンと高度を稼ぎ、幾つかの支流を渡りました。
そのたびに「ココは釣れる?」「ココもヤマメ居る?」としつこく聞く私に、最初は丁寧に返事をしてくれたガイドも、そのうち「スレてるけどな」しか言わなくなりましたw
でもそれすらも嬉しく、じゃぁどんなにスレてない魚に逢えるのかと、心躍らせて助手席から窓を空けて空気を楽しみました。
やがて素人の私にも解るぐらい、本流の様子が変わりました。
水量は変わらないけど狭くなり、その分の深さが出てくるような。。。
このぐらいの渓相は埼玉でも幾つか在り、私はエサ釣りでよくハヤやヤマベを狙うような場所です。
やがて支流に掛かる橋の上で車を止め、ガイドは川を見つめてから言いました。
「ココから入りましょう」
横道にある空き地へ車を入れ、さっそく準備に取り掛かりました。
渓流素人なのでタックルはシーバスの流用で微妙ですが、安全に直結するウェアー関係は十分に渓流へ対応できる装備で。
アングラーズデザイン社のハイブリットウェーダー&ウェーディングシューズは正解でした。
棘の多い場所や崖降りのときにはナイロンではすぐに穴が開き、いったいいくら今までにウェーダーにお金を掛けてきたのか・・・考えただけでも悲しくなるのですが、ハイブリットウェーダーはヒザ下のネオプレーン素材によって耐久性が格段と上がります。
そして適度に素材が伸びるので、ひざを曲げても突っ張らずに、非常に機動力が上がるのは言うまでも在りません。
ブーツ接合部や股下の縫い合わせ部からの浸水にも効果がありそう。
もちろん、冷たい川の水ではその保温力が大きくアングラーの負担を減らしてくれます。
シーバスのウェーディング、泳がない磯、そして藪こぎのある渓流のトラウトと、全部を一着でこなせるのは大きなメリットですね。
まぁブーツタイプのウェーダーは手軽というメリットが在りますので、ちょっと入ってパッと抜けるお手軽釣行のときはブーツタイプを使い、今回のように機動力重視のポイントで一日過すには、歩行ストレスの無いハイブリットウェーダーを使うのが良いかも知れません♪
その先、本気で源流行くなら、沢登の経験ではウェットスーツ&ライジャケが一番かと思いますが・・・これいかに(笑)
普段シーバスではライジャケにあれこれ詰め込みますが、今回はとにかく機動力重視の為にウェストバックを装着し、ルアー数個と飲み物とカメラを入れました。
グローブは磯では基本的に5本指がある物を使いますが、釣りに繊細さが欲しいので指が無いタイプの物を。
これでカッコだけは見劣りしない、トラウトマンに変身です♪
中身にはケチつけるなw
入渓ポイントまでガイドが案内してくれました。
そしてポツリ。。。
「まぁ人が入る場所だけど、まずはココで慣れてください」
ちょっとした崖を降りて、岸辺に立つ。
目の前には4mほどの川があり、瀬と淵を繰り返す。
深い木々があるわけではなく、わりと開けた川原。
とりあえず、ファーストキャスト。
ロッドの調子も何もわからないので、対岸に引っかからない程度でかなりアバウトに水へ落として、まずはスローリトリーブをしてみました。
足元へルアーが近づく頃に、後ろに立ってたガイドが「チェイス!チェイス!そこで喰わす!」と押し殺すような声で!
はぁ?
何にも見えませんが(笑)
惜しかったね~
たぶん今の、ヤマメだよ♪
ここで渓流魚の釣り方を話してくれました。
基本的に流れの中を釣る事と、一投目に良い場所を横切れるコース取りを選ぶこと。
シーバスの数釣りの感覚だと、端から獲っていくイメージがあるのですが、渓流ではスレる速度が速いので「良いヤツだけをテンポ良く」と言う事でした。
そして、同じ場所はあまり投げないという話も。
渓流では追わせられる距離が短いので、とにかく良い場所で早く食わせる事を意識し、そうすると必然的にアクションも決まってくるようです。
そこから横に張り付いてもらい、本流との出合いまで釣り下りました。
本当は登るべきなのでしょうが、とりあえず今は慣れる為に「リトリーブしやすい釣り」をしましょうと。
数分後に本流。
「ココで釣ってね」と言われノーバイト(爆)
ちょっと変わってキャスト位置とトレースラインを見せてもらい、ガイドもノーバイトwww
さぁ、次の川へ向かう事に。
さぁ、次の川へ向かう事に。
どうやらここは県道から入れる為、圧倒的にスレてるそうです。
でも支流側にはヤマメはいました♪
見れただけで嬉しい。
しばらく車で上流へ走りましたが、思ったよりも渇水気味なので別の筋へ行く事に。
整備されてない砂利道を走る事10分。
「そろそろこの車、ホイール取れちゃうんじゃない?」と思う頃に、また小さな空き地に停まりました。
そこは藪が酷く、あまり人が入らない川だとか。
確かにほんの数十mのところに川があるのですが、釣り人が作るあぜ道は見えません(汗)
「こういう所でやれば、簡単に釣れます」
10分ほど藪と格闘してやっと堰に出れました。
とりあえず2段の堰を飛び降りて、良さそうな流れの筋へルアーを通すと。。。
ゴゴッ・・・と何かヒット。
イヤッホ~ィ♪
初の渓流ヤマメが釣れました!
放流魚かもしれないしどう違うかは良く解らんが、ちゃんと川で釣ったということがとても嬉しいです。
綺麗だね~
嬉しくていろんな写真を撮りましたが、「ほら、そろそろリリースしないと死んじゃうよ。この先でナンボでも釣れるし」と言う事でリリース。
とにかくありがとう♪
記者としては人間性を疑うほど酷いけど、釣り人のガイドとしてはあんた最高です!
で、ポツポツとヤマメをヒットさせながら下ったら、普通に人が入れるあぜ道を発見・・・
あの棘の道はなんだったのよ(笑)
でも、そういう場所で釣れたってのは嬉しいね♪
「もう満足したから帰ろうか?」(私)
「ココまで来てバカ言うなし!!」(ガイド)
車で上流へ行くと、深い淵を持つ川に着きました。
「次は岩魚釣りたい」というリクエストに答えてくれて、そういう場所へきたそうです。
幽玄という言葉しか思い浮かびません。
まさに望んだものが在る感覚。
釣れたのは虹鱒。
違う魚種が釣れたので素直に嬉しいですw
その後もポツポツと虹鱒とヤマメがチェイスしてくれましたが、なかなかヒットに結びつかず。
理由は簡単。
キャストがしっくり来ないから、どうしても良い場所の手前にルアーを入れちゃう。
そうすると、追って来るけどヒットまでの距離が足りないんでしょうね。
きっと上手な人とか、すんごい釣っちゃうんだろうなぁ。
軽く流木から滑り落ちてポイント荒らしたので、次の場所へw
軽く流木から滑り落ちてポイント荒らしたので、次の場所へw
つづく
- 2012年7月18日
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