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ある河川への挑戦

  • ジャンル:釣行記
何度も何度も足を運びつつ、全く釣れないある川があります。
シーバスが居ないとかじゃなく、単純に私だけ釣れないという悲劇(笑)
 
しかも微妙に自宅から距離があり、遠征で日程組むには近くて、かといって良さそうだから今夜行くか!とは言えない位置。
 
それでもここ数年で、二桁ぐらいの釣行を繰り返しているのだが、はっきり言って良かったことが一度もない。
毎回付き合ってくれている友人(この川のエキスパート)が居るのだが、回っているエリアではきちんと結果を出しているので、魚が居ないという言い訳は使えない。
ただ、毎度ながら「タイミングが合わないだけですよ」と慰めてくれるには訳がある。
なぜならば、確かに私と一緒だと、その友人も釣れないからだ。
 
普段ガイド付き釣行はやらないのだけど、この友人と一緒に川へ行く時は、ほぼガイド状態になっている。
取材云々ではなく、プライベート釣行でガイド付き(笑)
ぶっちゃけ、一番いいところへのファーストキャストは、全部私にやらせてくれているので、きっと「釣れるはずだった魚」を逃している可能性はあるが、それでも驚異的な低釣果をたたき出している。
 
それでもその川へ足を運ぶには幾つか理由があって、その中でも一番大きな理由は「人に絶対に会わない場所」と言うものだ。
実はこの川、河川名で区切れば、下流付近ではシーバスを釣っているし、水系で言えば毎年80cmを獲っている川ではある。
 
ただ、ある場所を境に上流へ行くと、途端に条件が厳しくなって釣果をもたらす事が出来ていないのだ。
ではその条件とは何なのか。
 
それはやはり、増水による水位である。
多すぎたらポイントへ入れないし、少ないと魚が居ない。
そこの丁度良いが極めて狭いのが、この川の特徴と言える(らしい)。
 
その攻略をしてみたい。
そこから始まって、結局攻略できずに、フルガイドでの釣行に至っているのだ。
まるでドルアーガの塔を買ってしまった、小学生の時の気持ちを思い出す。
 
そんな川へ、先日も行ってきた。
いつもは「突然ですが、今日の夜は空いてますか?」という突然の誘いで困らせているのだが、今回は3日前から「今週末、いつもの川行きます」と連絡を取った。
 
それほど本気だという事で。
というか、増水情報が確実だった。
しかも、最も釣りがしやすい、降雨後の引いていくタイミング。
 
当日、釣りは本気だったが仕事も本気で忙しく、予定から少し遅れての現着。
すでにコンビニで待ちくたびれている友人と合流し、少しばかりの雑談。
その中で、「今日はたぶん釣れますよ!」という言葉を戴き、ヤル気マックスでさっそく最初のポイントへと向かった。
 
そこは増水時のワンチャンスポイントで、かなり実績のあるポイント。
実際に私が一人で開拓を始めたころに、真っ先に目を付けたポイントでもある。
 
川を見るなり友人がひと言。
あら、1時間遅かったですね(汗)
 
どうもこの場所、手前のハードストラクチャーの上に水が被っているのが条件らしく、すでに頭を出しているコンクリートが水の流れをかき分けている。
 
対岸で小さいながらもボイル音は聞こえるが、狙える魚ではないので15分ほどで終了。
 
次に向かったのは、今回の本命ポイント。
減水時にも何度か足を運んでいるが、増水した時に最も威力を発揮すると聞かされている必殺ポイント。
 
大丈夫です。
さっきの場所は出掛けの駄賃みたいな場所です。
よっぽど何かない限り、ココは釣れると思いますよ!と太鼓判付き。
 
準備をして、今期は誰も足を踏み入れていないであろう、深い藪を漕ぎながら水辺へ一歩一歩近づいていく。
 
やがてポカリと水路が表れる。
減水時は湧き水のような流れだったので、増水したらガッツリとした支流になって、立派なポイントへと変貌している。
 
陸からはとてもじゃないが葦に埋もれて釣りにならない。
静か~に水へ入り、気配を消して下流へ釣り下る。
 
流れが当たる対岸へは、タピオスをハーフキャストでピッタリ入れられる距離。
数歩移動してはキャスト。
それを出来るだけ、対岸のボサ下へ滑り込ませるように打つ。
 
30mほど釣り下ったところで、痛烈にバイトがあった。
とっさに合わせるが、すでに下流へすさまじいジャンプをして走って行く。
 
ピョンピョンと、2回跳ねた。
シルエットだけど、50cmほどの魚影。
 
大きくロッドをあおって、やっとラインテンションを感じた1秒後に、あっさりと魚の口からフックが外れた。
 
このファイトは覚えがある。
というか、10年前には良く釣った。
友人はスズキじゃないですか?というが、たぶんデカいスモールかと。
 
そこからさらに釣り下り、本命中の本命である、本流との合流点を目指す。
闇が支配する原風景に近い湿原を、ウェーディングでヒッソリ。
 
川の音、何か生き物の音、闇の中を照らすライトの灯り。
水位は限界で、ウェーダーの指2本分を残すのみ。
止まると水が持ち上がるので、歩みを止めずに下流へ向かう。
 
自分の前にできたカルマン渦を見て、川絵の気配の溶け込み具合を感じた。
 
自然への畏怖からくる不安感と、釣果への期待感のせめぎ合いが、釣りを辞められない原因の一つだと自覚する。
それは間違いなく、一般的な明るいメジャーな釣りとはかけ離れた、一部の人間が知る狂気の部分だと思う。
 
別の言い方をすればただのアホなのだが、最近は其れで良いのだと思うようになってきた。
理解されない事を恐れる必要は昔から無いし、これを広めていく必要もない。
ただ、好きだからやっている。
 
やがて本流筋に出た。
一回気配を消す為に、岸際で息をひそめる。
 
本流の水量に押され、目の前の支流が反転しているのが判る。
ポイントは、正面にある中州で出来た瀬。
去年秋の減水時に歩いたので、地形はある程度把握できている。
ただ、思ったより水量が多いのと、そのせいでベイトが冠水したブッシュに入り込み、表に出てこないのが気にはなる。
 
まぁでも、勝負どころであることは変わらない。
 
ある程度の大型を期待して、Gozzo15のHiFを付けた。
 
ハイレンジできっちりとアピールできる大きめのミノー、しかもランカーを想定した2フック。
昨今、こんなルアーを出すのもハルシオンシステムぐらいだろうなと。
でも、これにしかできない釣りが確実にあり、自分の通うポイントでは確実に釣果をもたらしてくれる。
 
そろそろのタイミングかと思い、そっと本流へキャスト。
流れを受けて一気にターンし、中州をスライドしながらルアーは横切る。
 
バイトはなく、支流側へ入りテンションが抜けるが、ココで出る可能性もあるのでスローに最後まで気を抜かずに巻く。
 
ピックアップして、フックに付いた藻に舌打ち。
 
今度は少し下流目に入れて、水を受けながらのスライド幅を多くとり、また瀬を横切る軌道でスライドさせる。
 
しかし、反応が無くピックアップ。
フックを見ると、また藻がくっ付いている。
 
ッチ!
 
手前岸際の反転流をアップで通す。
ひょっとして、本流筋の濁りから避けて、岸琵琶のベイトを狙っているんじゃないかと。
 
何事もなくピックアップされたルアーを見て、今度はリップに大量に張り付く藻にいら立つ。
ルアーを水面にたたきつけて藻を外そうと思ったが、寸前で思いとどまって丁寧に手で外す。
 
ルアーを足元で泳がせてアクションチェックし、なんとなくペニーサック99SPにチェンジ。
巻くとゴミが付くなら、巻かないで流速に漂わせようかと。
 
カラーは、この水系で実績の高いコットンキャンディー。
本命場所の2m上流へ入れて、短い距離で勝負に出る作戦。
 
チャポっと着水し、4m流してルアーを回収すると、手元に来たそのルアーに愕然となる。
 
ペニーサックのデカいカップに、ガッツリと藻が絡んで藻ダルマ。
ブチ切れて、思いっきりルアーを水面にたたきつけて藻を外す。
 
これにてこの場所終了。
釣りになりませんね。
友人も入れ代わり立ち代わりで攻めるも、おなじく藻に苦しめられてギブアップ。
 
どうやら、長いこと降水が無く昨日雨が降った為に、岩に発生していた藻(よくノロって言うやつ)が一気に流れ出た様子。
おまけにベイトは表に出ない。
 
5時間後ぐらいが良いかもですね。と。
確かに。
でも、その時間って仕事に行く時間じゃないかね。
 
最後の移動。
友人が「夜は絶対に来ません。なぜならばこの川で一番怖い場所だからです」と言うポイントへ。
それぐらい、私のこの川への執着を理解してくれているのだが、やはり怖いもんは怖い。
しかも対岸では、密漁師が転がしで鮎を獲っている。
 
ホントに怖いのは、深夜にこの時間で一人で密漁する人間だね。
 
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この場所、ベイトは豊富に居た。
ちなみに川の釣り=鮎だと思う人が多いけど、普通にオイカワやフナにボイルしてます。
ただ、先ほどと一緒でノロが多く、釣りは厳しい。
友人がかろうじて、セイゴを一本掛けたのにとどまった。
 
これにて今回の釣り終了。
「いたぁ、よっぽどの事がない限り釣れると思ったんですが、そのよっぽどが起きましたね。工藤さんこの川との相性悪いですね」
 
ついに言ってしまいましたね、その言葉。
なんとなくそんな気もしてましたが、言わないようにしてました。
 
次回のこの川への釣行を約束し、高速に乗って帰路に就いた。
まぶたの重さが、次回の釣果への積み上げ実績。
 

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