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東北のロックフィッシュで勝ち抜くために Vol.2/3

みなさんこんにちは。APIA ロックフィッシュ プロスタッフの中嶋康文です。いよいよベールを脱いだBrute’HR TP(トーナメントパフォーマー)シリーズ。前回はコンセプトや初期のテスト模様を綴りました。現在もスタート前からのイメージを持ちながら、軌道修正し進んでおります。今このテキストを書いている時点では、77、92ともに3本目のプロトが手元にあり、修正を盛り込んだ4本目のプロトを発注したところです。2回目となる今回は、それぞれのモデルの今までのテストの流れをさらに詳しく書いてみようと思います。実際のところ、こういったテストの流れを紹介するのは、メーカー的にはマル秘なところも多少あるかと思われますが、紆余曲折をご覧いただくことで、出来上がるまでのストーリーを共有できるし、テストする側とロックフィッシュアングラーの距離も縮まればと…思っています。それでは1本ずつ報告していきます。 

 

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※ベールを脱いだTP 77Mと92H。 カーボンメッシュのエンドグリップにも注目。トーナメントシーンはもちろん、ロックフィッシュゲームの可能性を広げる2本になります。

 

 

TP 77M 漁港フィネス

TP製作が決まったのはGRANDAGE LITEシリーズの全モデルが完成したころでした。“新しいラインナップはいろいろ素材など試してみていいから尖ったロッドを作ってくれ“との指令を受けました。2本のうちの1本、掲げたテーマは細やかなアプローチができる漁港フィネスモデル。とっかかりとして、スタート位置とゴールのイメージをしていた時、タイミングよく出来たてホヤホヤのLITEシリーズを触る機会がありました。その時手にしたオールラウンドモデルの74。その軽さとバランスに、これは!と閃いてTP77の骨子が明確になったのを覚えています。

こだわりとも言える77という長さは、Brute'HR HARBOR VERSATILE 77MX(以下、ハババ)同様に長すぎず、短すぎず、漁船や係留ロープなどをかわせて漁港内で必要とされる近、遠距離の正確なキャストに適した黄金比的長さだと考えています。TP77は素材が軽くなることで、グリップ部を短くしてもバランスが取れるため、キャストやアクションのパフォーマンスが向上。それにより必然とグリップから上は長くなるのですが、メバルロッド同様に長いことで魚とのやり取りを有利にするという点でもプラスに作用します。私がイメージしたライトリグでタイトに攻めて確実に掛けて獲る、細番手のラインでドラグきつめの設定でも勝負できるロッドは、このようにしてLITEの74をヒントに方向性を決めました。LITEシリーズは、高弾性素材を使いつつもしなやかさを表現するという点で、部位ごとの曲がりについてとても参考になりました。

 

 

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※一年で一番水温が低いこの時期のアイナメは夜に活性が上がるため、ナイトゲームでライトリグの操作性をチェック。この日は釣り東北誌の夜のアイナメロケ。夜ナメレクチャーの詳細は釣り東北4月号に掲載予定。

 

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※77Mでは5~10gのライトテキサスやジグヘッドはもちろん、スモールワームをセットしたアーチヘッドのラインナップも扱えます。

 

 

私がテストで担うのは、ロックフィッシュロッドとしての性能をどう詰め込むか?のところです。描いた青写真をAPIAロッドメイキング担当と共有し、間もなく上がってきたファーストサンプル。仕上がりはハババ寄りの思ったよりもパリッとした印象でしたが、グリップ周りは注文通りの長さになり、ロッドの軽さと相まってハババと比較すると取り回しが格段に良くなっていました。しかし強すぎる。今回の77は漁港フィネスモデル、私がツメたかった、ひとつ突き抜けたライトリグの操作性はまだまだ表現できていませんでした。そこで2本目は大きく方向修正。メバルロッドに近い繊細さを大胆に取り入れました。より理想に最短距離で近づけるため、強かったファーストサンプルを削る作業ではなく、1本目を踏まえたうえで、敢えて真逆となる弱めの設定にして、そこを土台に盛っていく作業を選択しました。これが功を奏し、2本目は予想通り軟弱さが目立つモノでしたが、修正を加えた3本目は、ニアピンまでグッと寄せることができました。ライトリグのキャストや操作はイメージに叶うモノでした。ここからはさらに細部を詰める作業に入りますが、手応えは十分。4本目の到着が楽しみです。

 

 

TP 92H 遠投ハイスペック

掲げた理想図に基づいたファーストサンプルは、これから始まるAPIAロックフィッシュブン投げ系ロッドの系譜、初代にふさわしいパワーと相反した軽快さを併せ持ったロッドでした。まだまだ野暮ったさがありますが、一発目としてはかなり良い印象。方向性としてはバッチリでした。野暮ったさの原因は、キャスト時にどうしても力みが出てしまう造りであることと、操作、リーリング時にリグの重さを感じてしまうところ。1.5ozテキサスなどヘビーウエイトのリグを扱うロッドの開発ですので、必ずぶつかる壁と言えます。しかも77同様に長さを感じさせない軽さのため、なおさらな訳です。性能を詰めたうえで、バランスを取ることが大きな課題となります。2本目へ向け、気になる力みを減らして、ロッドが投げてくれている感を出すためにもう少しベリーの曲がりを入れることと、パワーを落とさず、さらに細身化&シャープさ増し増しという要求をしました。担当からは、“コムツカシイ製竿理論は割愛するけど、細身化&シャープ感は10-15%アップして、ティップの入りシロをもうちょっと作ってレギュラー寄りにします”とロッド以上にシャープな返し。

 

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※遠投先でもティップはバイトに敏感に対応、全体的な張りがもたらす障害物回避能力も高水準。高感度ブランクにより潮流で転がるシンカーさえ感じることができます。さらにパワーを落とさずにスリム化とバランス調整を進行中。

 

中嶋 ※遠くの小さなバイトも感じ取り、さらに乗せる。高感度がもたらす恩恵。

 

ニュアンスがさらに近似化できた2本目は、おお!とウナるほどの出来。キャスト、アクション、ファイト、遠投の釣りが楽しくなる、2本目のサンプルにして、そんな気さえしてしまう感触がありました。ただ、投げやすさという点では、万人が…というよりは若干の技術が必要な作りになっていて、そこがひっかかるなぁと。実はこの2本目と同時に比較相手となる3本目のサンプルも製作していたのですが、諸般の事情で私の手に届いたのは2本目から遅れること1ヶ月。ようやく届いた3本目は、投げやすさが向上していて、欲しかった、“力まずともロッドが投げてくれるような感覚”を得られました。 

投げやすい。しかし一長一短、野暮ったさ再発です。すぐさま担当に伝えると、“たしかに3本目は置きに行った感あるよね”と。ここがロッド製作の難しいところです。今回の92では“飛距離を出したうえでの操作性”これが一番のテーマであることはわかっていましたので、平均点を上げるのか、個性を磨くか…の選択はなく、すべての部分で欲張りたい。現時点、この2本を比較対象として投げ込んでみて、良いところと悪いところ、各パートは分かりました。次の道を作るための十分な働きをしてくれましたので、さらに高みを目指すための生みの苦しみを納得いくまで味わいたいと思います。

 

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※ロッド強度のテストの兼ねて今までのラインナップの中で一番投げ込んでいる92H。

 

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※ハイプレッシャーの中であと1匹を手にするために。

 

一筋縄ではいかない開発現場のリアル、進行中であるTPロッドテストの進行状況をお伝えしました。皆様の手にお届けできるのはいつになるのか?テストから続く助走の延長に、皆様の笑顔があることを祈って継続していきます。次回はタイトルの通り、東北のロックフィッシュで勝抜くために、TPだからこそ可能になる釣り方や、メソッド、いわゆる実践編と既存モデルとの守備範囲の違いなどを解説したいと思います。では次回もお楽しみに!

アピア公式ブログより転載

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