イギリスの旨いもの

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さて、前回の続きを。月末から研究で滞在するオックスフォード。学問・物語、そして近年はハリーポッターの町でもある。


 最近、癒しの足りてない方、お疲れの方、非日常に現実逃避したい方・・・!(笑)


写真も交えて書いてみるので、イギリスに旅行をした気分にでもなって読んでいただけると幸いである。
 
 
前回はイギリスの食べ物のうち、とにかく不味いものについて、僕自身の悲惨な体験を交えていろいろ書いてみた。今回は逆に、イギリスの美味しいものについて書いてみたい。
 
 
ところでオックスフォードといえば、まずはこの建物から。




ハリーポッターのホグワーツ魔法学校の食堂として使われた、オックスフォード大学のクライストチャーチというコレッジの食堂。
 
 
ハリーポッターが好きな人なら、この階段も見覚えがあるかもしれない。 
 




入学式で使われた階段。もしくは第二話でトム・リドルと出会ったシーンなんかにも使われた。



 
オックスフォードではないが、ロンドンのキングスクロス駅には
93/4番線が設置してある。 

 

 
こういう洒落っ気を公共の施設にも作ってしまう心の余裕は
とてもいいと思うし、大事だと思う。







さて、食べ物の話に戻ろう。(前回の分と合わせて読んでいただくと、より分かりやすいと思う)。
 
 
前回さんざんブーブー言った一般のイギリス料理であるが、このままでは国際問題か、下手をすると戦争にも発展しかねないので、彼らの名誉のために、イギリスにも美味しいものがあることをしっかり書いておきたい。

 (しかし僕の友人のイギリス人たちは、概ねイギリス料理が旨くないと認めている。中にはポテトやパイなんかをさしてI hate them!!と心から吐き捨てるように言った友人もいるのだ)

 
 
典型的な英国料理と言えば、やはり「フィッシュ・アンド・チップス」に「ロースト・ビーフ(正しくはroasted beef)」、そして「English breakfast」ではないだろうか。

 
僕はこの正調English breakfastは嫌いではない。たしかにかなりのボリュームで、カロリーは恐ろしく高いし、プレートの乗ったソーセージは食べ慣れないと不味いと思うかもしれない。

 

 
 
これはまあ一種のワンプレート定食とでもいうべきもので、おおむね共通してのっているのが、ベーコン、焼きトマト、大マッシュルームのソテー、大きなソーセージ2本、ベイクド・ビーンズ、卵、それにトーストである。
 

 

アイルランドではほとんど同じ内容のものをIrish breakfastと呼んでいる。B&Bなどに何日も泊まりながら旅を続けると、毎朝これを食べる羽目になることが少なくない。

 
 
かなりお腹がいっぱいになるし、まあとり立てて特別にうまいかといわれると、一つ一つはご想像の通りの味。だが焼きトマトやイギリスのソーセージなどの独特の味をかみしめていると、イギリスにいるという実感がわいてくる。



 
しかしこれもまた積極的にうまいという話ではなかった。


だが以下のものは積極的に食べたいものだと思ってほしい。


 
 
まずは校舎の近くに老夫婦が営むお気に入りのレストラン。ここのチリコンカルネとサラダ(のドレッシング)はなかなかうまい。





爽やかな酸味と、細かく刻んだ香味野菜の入ったドレッシング。生野菜嫌いの僕もここのサラダは食べてしまう。これはとても楽しみ♪
 

 
そして同じ店のステーキ・アンド・キドニー・パイ。牛肉と腎臓をパイに詰めて焼き、デミグラス(のようなもの)をかけた料理。これは店によって当たり外れがあるが、この店のは当たりである。

 

 


ちょっと腎臓のくせが残っているものの、それがアクセントになっている。あっさりしているが、パイ生地はイギリスらしくしっかりした厚み。いかにも正調の伝統的英国料理といった風貌。The traditional English steak and kidney pieである。

 
 
同じくシェパーズ・パイ。ひき肉(羊かビーフが多い)を煮込んだものの上にマッシュポテトをかぶせ、オーブンで焼いたもの。ちょっとビーフシチューとマッシュポテトの組み合わせのようで、これもなかなかおいしい。

 

 
 
スーパーで手に入る物の中にも、そこそこ美味しいものはある。野生の味がするリンゴや甘い洋ナシ、ブラックベリーやカラントのようなベリー類など、果物は比較的美味しい。木イチゴは雑草としてどこにでも生えているが。
 
 
 
それからイギリスと言えばパブ。ビールも美味しいけれど、何より楽しみなのはサイダー!!もちろん清涼飲料ではなく、立派なお酒。ビールより強いぐらいの発泡性の酒だ。

 

 

リンゴや洋ナシを発酵させた、甘く爽やかな飲み物。口当たりがいいのでご注意を!

中でもマグナースという銘柄がおいしい。ストロングボウという銘柄は日本のイングリッシュ・パブでも飲めるけれど酸味が強すぎて僕にはちょっと。(マグナースは日本でも飲めるところがあるけれど、イギリスで飲む3~4倍の値段で、バカバカしくて手が出ない)
 
 
 
それからスコン。
 
 
スコーンと言った方が通りがいいかもしれないが、英国ではスコンと発音することが多い。クローテッドクリームという甘くないクリーム(バターとクリームの中間のようなもの)とイチゴのジャムを塗って食べる。
 
 
English afternoon teaではスコンときゅうりのサンドウィッチ、それに小さなタルトのようなお菓子がつく。簡略版のCream teaではスコンとお茶のみ。ちょっと小腹を満たすのにちょうどいい。
 
 
コッツウォルズという美しい英国の田園地帯。夏のコッツウォルズでは色とりどりの花が咲き、草原には羊が放牧され、ライムストーンで作られた家が立ち並ぶ村は、その色合いから「はちみつ色の村」とよばれている。


 
 
コッツウォルズのある村でスコンを買ったことがある。二つに割って、クローテッドクリームとジャムをたっぷりと塗ったそれは、こってりと濃厚に甘く、素朴な小麦の生地の味を引き立てていた。
 

 
 
 
パッと思いつくのはこんなところだろうか。
 
そんなわけでイギリス滞在には楽しみが全くないわけではないのだ。でもこういったものばかり食べているとやはり飽きるし、日本食が恋しくなる。
 
 
City centre(町の中心部、イギリスではcenterではなくcentreと書く)にあるセインズベリーというスーパーには寿司のパックが売っている。
 
 
長粒種のご飯でアボカドやツナマヨなんかを巻いている。試してみたがご飯が硬くて、ボロボロしていて食べられたものではない。少なくとも寿司とは似て非なる物だった。
 
 
醤油は向こうでも手に入るが、やはり日本の味を何か持っていかなければ。何を持っていくべきだろうか。いつも煎餅、カリカリ梅、緑茶のtea bagなんかを持っていくが、何かいいアイデアがあったらぜひ教えてください!
 
 
 
さっき、写真を貼り付けていて思い出した。一人で泊まったゴールウェイのB&BのIrish breakfast。







「これを食べたら元気モリモリだぞ!」と70歳がらみの人のいい、気さくな宿の主人が、両腕でガッツポーズをしながら言っていたのを思いだす。


 
もう二度と行かないかもしれない、いや行かないであろう場所。旅は出会いと別れの連続だ。そういうもう二度と足を運ばないであろう地の果てにも、素晴らしい人が住んでいる。いい思い出でもあり、しかし思いだすと物悲しくもある。
 
 


 
夏のオックスフォードにはヨーロッパ各国から留学生が集まる。アイルランドでは下宿ではなく、大学の寮に滞在していた。共用のキッチンで互いに祖国の料理を作りあうのも楽しいものだ。

 

 


もうあと二週間ほどで渡英。久しぶりに英語だけで生活するちょっとした緊張感もある。
 
 
その前に。明日はちょっと特別な釣り。まずはそれが楽しみである!

 

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