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禍福は糾える縄の如し (かふくはあざなえるなわのごとし)とは、 人生をより合わさった縄にたとえて、幸福と不幸は変転するものだという意味の故事成語です。 不幸を嘆いていると、いつの間にか幸福となり、幸福を喜んでいると、また不幸になる、ちょうどそれは「より合わせた縄のように表裏が交互にやってくる」ということを表しています。 感染病に心を悩まし、外出を控えたりている方が殆どだと思います。 人生不幸ばかりではありません。 希望を持って生きて行きましょう!

島くらしのススメ【0尾目】其の六 惰眠はむさぼるなかれ







小豆島に赴任して、そろそろ半年が経とうとしていた。 

島の暮らしに慣れてしまうと、生活拠点の島からの視野が中心になる。

つまりは、遠くに見える本州や四国が逆に島になってしまう。 自分が離島に住んでいる感覚は和らぎ、島外に用事があり、船便で移動するのが面倒に感じるだけなのである。 この行為もバスや電車で移動するのと全く同じで、最初の数回は違和感あるものの慣れてしまえば、手段が違うだけである。 



慣れてしまえば、大したことはない



現在勤めている会社に入社した頃、転勤の度に 「 枕がいつもと違う 」 とか 「 見知らぬ天井 」 では寝付けないと、眠れぬ夜を過ごしたものだが、今となってはどこでも寝れてしまう。

 

慣れとは恐ろしいものだ(笑)



その頃、近くの食品スーパーには、お盆用の菊、鬼灯、梨、桃、葡萄の盛籠、色鮮やかな落雁、線香、蝋燭が催事コーナーに置かれていた

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お盆期間中は、島内は帰省家族と観光客で賑やかになる。 この時に合わせて成人式も催され、島が若者で活気づく。 少子高齢化が進む島内は、帰省客と観光客で一気に賑やかになる。 普段交通渋滞など起きない島にこの時ばかりは渋滞が発生する。

小豆島のご先祖様は、お盆に小舟に乗ってあの世から海を渡り帰って来るらしい。 お盆を終えると近所の浜や波止から小舟を流す精霊流しが行われ、再びあの世へ帰ってゆく

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自分の実家だと、茄子や胡瓜で馬を作り先祖はその馬に跨り天国と現世を行き来する。 

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確か長崎だと灯籠を川に流し供養していた記憶がある。 土地により様々な風習が残っているのは面白い。 守って行きたい伝統文化だ。



お盆の精霊流しも終わり、子供達の夏休みも後半戦に入る。 夏休みも大詰めで、来島されれ観光客も疎らになる。 季節は夏の余韻の中に何処か寂しさを纏っていた。 空も幾分か高くなり、入道雲姿を潜め徐々に秋の雲が広がる。 朝晩微かに乾き始めた風が何処か寂しげに頬を撫でていく。

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夏の陽射しの中で、小さな小さなオリーブの緑色の実が姿を現し、緑色の実は秋の収穫時期にむけ大きく大きく成長する。  9月中頃から11月中旬頃までには、緑色のオリーブの実が収穫され塩漬けにされる。 フェリーターミナルのお土産コーナーには、早積みの塩着けオリーブが並ぶ光景を見た方も多いのではないだろうか。 実が少しでも黒く熟成してしまうと、オイル搾取用に回される。 塩漬け加工にするには、青々としたフレッシュな実でなくてはならない。 だから、島内の現役を引退した老人達もかき集められ、急いで収穫されていた。  塩漬けオリーブの食味は、不思議で一粒食べてもあまり美味しくないのだが、もう一粒、更に一粒と食べ進めると徐々に美味しくなってくる。 飽きないじんわりと優しく伝わる美味しさなのだ。

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夏が終わると二週間程猶予はあるものの、いよいよ各集落で秋祭りの準備が本格的に動きだす。 青年会は地区の子供達を集め祭りの準備に取り掛かる。 近年は若者不足で祭りの運営に人手の貸し借りがある。 隣の集落への応援は当前で、一人あたり2から3回祭りに参加する。 祭り好きなら嬉しいだろうが、そうでも無い人には、気苦労の多い時を過ごすことになる。 少子高齢化した過疎地区で伝統を継承するのは大変な事だ

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釣りを始めて3ヵ月目になる。 その頃、自分は

夏真の日差しに焼かれ、漁師よりもこんがり焼かれていた(笑) 

恐らく人生で一番日焼けした。 毎日、徐々に焼かれていたので、皮が剥けるといった経験は無いのだが、同じくらい日焼けしたのは、学生の頃スキーのためにペンションに一ヶ月泊り込んでた頃以来である。  

夜の波止を微笑みながら知人に近寄ると、

入れ歯が近づいて来るとか、



東南アジア人とらかわれていた(爆)

頭皮まで日焼けするのは、生まれて初めての経験だった。 



後頭部に弱点を抱えている自分には結構辛い(爆)



日焼けって恐ろしいよな(笑)

日焼け対策用に日焼け止めクリームで予防するが、既に時遅し。 肌が易々元の肌色に戻る筈がない。

この頃になると、ポイントで世間話する程度の知人は出来つつあった。 近所の新土庄港では、小物餌釣りの爺様連中に釣れる魚の話しを中心に話をしてもらっていた。 小物餌釣りの爺様だと馬鹿に出来ない。 何故なら、彼らは彼らのネットワークがあり、何処で何が釣れるか良く知っている

行きつけの小豆島らーめん店の店長と中華料理屋の中国人シェフとは、良く話しをした。 特に中華料理屋のシェフとは仕事が終わると、夕飯を済ませ夜な夜な港でハネ釣りをした。

自分が中国語を話せるわけもなく、



当然、相手に合わせてもらう(笑)



日本語でのやりとりである(爆)

シェフは既婚者で、広東省から嫁さんと小さな娘さんを連れ出稼ぎに来日していた。 店のオーナーは別の中国人女性である。



釣りが媒体になり想定外の国際交流である

この中国人シェフとは、近くの港のオープンスペースで、常夜灯の明暗際に着くハネを狙った。 ハネとはセイゴ→フッコ→スズキのフッコクラスになる。 この時期のベイトは、小さいため小型ルアーを使用して、波止際の明暗か、沖目に出来る明暗を狙う。 捕食ベイトがイワシなら巻きを入れ、新子と呼ばれるイカの赤ちゃんなら、キャストして明暗の境の暗に置いておく。

島の中国人経営の中華レストランと言えば、一箇所しか無いので、小豆島島民なら直ぐにシェフが誰だか分かると思う(笑)





既に回遊青物シーズンは始まっている。 ハネなんて釣ってる場合じゃない。 この日を境に1年半以上ハネ狙いを基本絶つ。 何故ならば、半年後に異動命令が出るかもしれない。 自分が島に居る間に、様々な釣りにチャレンジして経験を積んでおきたい。 自分には、兎に角時間が無いのだ



回遊青物用ショアジギングタックルを手に入れるため、給料が振り込まれて直ぐにトミオカ釣具店に走った。 とりあえず無理をしてでも購入し、



毎月のやり繰りは、その後考える(笑)



外食減らせば何とかなるかな?!



単身赴任中仕送りの身入りは同じだから、今後出費を抑えてやり繰りする事で対処することに決めた。 

島内で割り高なのが、牛肉である。
 
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これをまず絶った(笑)

100gあたり平均100から200円は高いと思う。 島民は、文句を言って良いレベルで高い。 特に盆や年末年始には、帰省する親族を持て成すために需要が見込まれることから、かなりの割高になる。 面白い事に魚が安いかと言えば、全くそんな事は無く、ガシラ(カサゴ)すら割高である。

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小型クーラーボックスいっぱいに釣れるのに(爆)

これには流通過程に問題があり、島周辺で捕れた魚は、より高く値のつく高松市場に卸されるからだ。 必然的に島近郊で水揚げされた魚は、高松市場で競られた後、小売チェーンの流通網にのり、再び島に戻ってくる。



ガシラ(カサゴ)は間違いなく旨い魚だ。 刺身、煮付け、唐揚げ、味噌汁どの料理でも旨い。 自分は最初の何匹か捌いて食べたが、食べるためにキープする対象魚からはずした。 アコウ(キジハタ)の味を知ってからは、明らかに下魚になった上に捌く労力に対し身が取れないからである。 気を付けたいのが、稀に釣れる鬼カサゴだ。 一別カサゴにとても似てるんだが、カサゴよりもケバケバしい。 対表面にたんぱく質の毒をもっているので、素手で触るのは禁物である。

鬼カサゴを知らない当時



素手で物持ちしたのは内緒だ(爆)

少し痛痒いくらいで済んだのは幸いだった(笑)



牛肉以外にもレギュラーガソリン価格が香川県高松市に比べて1ℓあたり8円高い。  しかし、交通費は削るわけにはいかない。



仕方なく外食を極力減らして、自炊して対処した。 



目標が有ればこそ成し遂げられる荒療治(爆) 



慣れれば家事の手間はなんて事は無いのだけれど、食材を使い切れずに駄目にしてしまうのが悩みの種だった。 特に毎月の会議で島を離れるので、食材を腐らせないように長期島から離れる際の買い物は、買う品物を選ぶので面倒ではあった。 

自炊するようになって学んだ事なのだが、健康に育てられた野菜は、ドライフルーツのように乾燥する。 逆に化学肥料や農薬、温室で育てられた不健康な野菜は、解けるように身がグズグズに腐敗する。 

他にも睡眠時間を減らした。 通常5時間30分の睡眠時間3時間30分に迄削った。 慣れれば何とかなるギリギリのライン。 最初は加減が分からなくて、削り過ぎて3時間にした時は、立ち眩みで海に落ちそうな時も何度か経験した



一方増やしたのが、釣行時間である

回遊青物釣行には、朝マズメにこの時間を充てた。

全てのスケジュールがより良い釣行をするために組み立てた。 ほぼ分単位のスケジュールである。



回遊青物タックルは、店在庫のショアジギング用ロッドとそれに合わせたリール、ライン、メタルジグを購入した。 確か5万円以上した筈だ。 初心者モデルと言うよりは、初級者から中級者モデルを迷わず選択した。 何故なら、釣りが一番楽しい時期で、生活の一部になっていたからである。 食費を抑えても上位機種を求めた。 



やはり、夢を追うと男の趣味はお金が掛かる

道具も掛かるが、一番掛かるのが、交通費だった。 あの小さな島内を年間2万キロ走らせた。 休みの時は、昼から夕方に掛けて、島内の主要ポイントを周り、ベイトと海の状況を確認し、情報収集に努めた。 この情報収集は、なんのつても無い自分には外せない行為で、知らない釣り人と話す切っ掛けになるのである。 駆け出しの営業マンと同じで手を抜くわけには行かないのだ。

当時、自分で収集した情報は、知り合いとの交流に役立つ。 仲間内で情報を出し渋る奴は居ないけど、鮮度ある情報は極力提供したい。 自分のスタンスが周囲に浸透し出すと徐々に集まる情報と鮮度が増して行き、自分の釣果に繋がり、さらに仲間内へ釣果情報となり、正のループになる。



恐らく、この正のループは、


釣り人として正しい身の置き方だと思う。

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つづく




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