管理釣り場と釣り堀とキャンド・ハンティング

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南アフリカで行われている「キャンド・ハンティング」をご存知だろうか。

幸い日本では馴染みがないが、欧米では古くから盛んに行われている「トロフィー・ハンティング」の中でも最も卑劣で残酷なハンティング方法だ。

「トロフィー・ハンティング」とは「趣味」で野生動物を殺し、その剥製や角等を誇らしげに持ち帰るという、ちょっと考えられない行為である。

で、「キャンド・ハンティング」。

当然「キャンド・ハンティング」も「趣味で殺すことだけ」が目的だ。

そしてその方法が卑劣極まりない。

「キャンド」とは「缶詰」という意味であり、その名の通り金網等で囲まれた狭い敷地内で簡単に殺して(ハンティング)してしまうというものだ。

しかも殺す動物はブリダーによって繁殖・飼育されている。

要するに殺すためだけの動物を育てているのだ。

さらに場合によっては、より簡単にハンティングするために薬で弱らせた動物を敷地内に放つこともあるという。

詳しく書くととてつもなく長い文章になってしまうので、簡単にまとめてしまうが、是非ネット等で調べ詳細を知ってもらいたい。


さて、「管理釣り場」と「釣り堀」である。

哺乳類や鳥類が魚類に置き換わっただけで、基本的に「管理釣り場」と「釣り堀」も「キャンド・ハンティング」と変わらない。

もちろん「管理釣り場」も「釣り堀」も獲物を「食べる」という要素があるが、それに大した意味はない。

そして「リリース」も同様である。


ただし、一つだけ違いがある。

それは「キャンド・ハンティング」は南アフリカでは法的に禁止されているということだ。

一方「管理釣り場」と「釣り堀」も私が調べた範囲では法的に何の決まりもない。

つまり無法状態だ。

個人的には動物愛護法で規制、あるいは禁止してほしいものだ。

ちなに「トロフィー・ハンティング」は合法だそうだ。

まったく理解できないが。


「不自然」な範囲の中で、釣られる、あるいは捕まえられるだけのために生きている、主に人によって養殖された魚たち。

同じく「不自然」な敷地の中で、殺されるためだけに生きている、人の手によって繁殖・飼育された動物たち。

やはり根本的に同じである。

そして一部の人間はその卑劣で残酷な行為にお金を払い、喜々として楽しんでいる。

本当に残念なことだが、「需要」と「供給」が成立してしまっている。

悲しいかな「命あるものを弄ぶゲーム」が産業として成り立っているのだ。

どう考えてもこれはおかしい。

一刻も早くこういった産業が地球上からなくなることを心から願う。


そうだ、うっかり忘れそうになったが「魚のつかみ取り大会」も同じである。

あれのどこが、子供の教育になるというのだろう。

掴み取りさせるなら、食べる事を前提に、ちゃんとした自然環境の中で行うべきだ。


最後に、こういう話をすると「養殖業」はどうなんだと的はずれなこと言う人が出てきそうだ。

常識的に考えれば、馬鹿なことを言っていると分かるはずだ。

だが、決して「養殖業」も全てが肯定されるものではない。

以前にも書いたが、「屠殺場」の見学を是非していただきたい。

他の生き物の「命」をもらって生きているということを痛烈に実感できるはずだ。


とにかく我々人間は様々な場面であまりにも簡単に、そして無駄に他の生物の生命を奪いすぎている。

それをもっと自覚してほしいものだ。

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