自然再生の必要性

  • ジャンル:日記/一般
1975年以降、世界では「毎年」4万種の野生生物が絶滅している。

地球では過去5度の大量絶滅が発生したが、現在は6度目の大量絶滅時代だという。

そうなった原因はもちろん我々人間だ。

急激な人口増加と人間本位な経済活動の拡大は、世界から多くの自然を消失させた。


何度でも書くが我々人間は本当に罪深い生き物であり、最悪の害獣だ。


「生態系サービス」という言葉をご存知だろうか。

おそらく知らない人が殆どだろう。

我々人間は「太陽光」、「大気」、「水」、「土壌」、「野生の生き物」によって成り立つ自然から多くの恩恵を受けている。

この自然からの恩恵を「生態系サービス」という。

具体的にはきれいな空気や水、適度な温度や湿度、衣食住のもととなる資源、心の安らぎや、創造性等だ。

つまり農林水産業はもちろん、製造、流通、観光、医療、金融等、すべての産業が「生態系サービス」からの恩恵を受けて活動しているのだ。

ここまで書けば誰でも「経済活動は健全な自然がなければ持続できない」ということが理解できると思う。

理解できれば自ずと我々人間は何をしなければいけないか分かるはずだ。


「自然再生」と「環境負荷をなくす努力」


これが出来ないかぎり、地球の未来は真っ暗である。


海外では健全な自然を取り戻す動きが活発化しているそうだ。

国、自治体、市民、NPOやNGO、企業、自然環境の専門家等が連携・協働しながら目標に向かっているのだ。

もちろん日本でも自然再生の動きはある。

ただ、日本はもちろん海外も再生のスピードより破壊のスピードの方が速いのが実情だ。

これはまだ多くの人間が何も考えていないという証拠だ。


破壊に時間はかからない。

だが、再生には多くの時間がかかる。


明治以降の日本も多くの自然が失われてきた。

国土の67%を占める森林もスギ、ヒノキ、カラマツなどの人工林が多く、湿地や湖沼も明治時代に比べ半分以下に減少。

海岸も海岸総延長の約50%は人工化され、砂浜も急激に消失し、干潟も多くが消失。

東京湾では約80%、大阪湾では完全に自然の干潟が消失した。

河川も源流域から河口まで人工物がない河川はほぼないと言ってよい。


このように書いてみると、今の日本はまるでPM2.5や各種ウィルスなどに怯え一年中マスクをし、家には各部屋空気清浄機を置き、何をするにも除菌除菌と異常に気を使っている人々のようで本当に気持ち悪い。

何度も言うが人間は決して自然をコントロール出来ないし、その力は自然の足元にも及ばない。

なのに自然災害をまるでウィルスのように毛嫌いし、過剰で無駄な対策を行う。

こういった過剰な対策が連鎖的に様々な弊害をもたらし、結果自然環境を悪化させる。

例えば、河川改修工事などにより流出土砂が減少し、結果海岸の砂浜が後退、消失している等だ。

今の公共事業は経済重視で、あまり実益はない。

要するに無駄が多いのだ。


河川の氾濫は仕方がないことで、氾濫をなくすことなど出来ない。

氾濫によって財産を失っても、そんな河川の近くに住んでいたのだから仕方ない。

運がなかったのだ。

地震で財産を失っても同じだ。

運がなかった。

それだけだ。

ただ人間の場合はこういった場合、義援金や国や自治体による支援等がある。

そのおかげで全てを失っても、かなり細いかもしれないが未来へ通じる道がひらける。


だが、人間によって失われた自然はどうか。

道はない。

絶滅や消失するしかない。


こんな理不尽はありえない。

人間はこれから長い時間をかけて「自然再生」と「環境負荷をなくす努力」をしなければならい。

それが責任だ。

コメントを見る