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▼ ルアー開発日記 タピオスF (その2)
- ジャンル:釣り具インプレ
その1はこちら↓
http://www.fimosw.com/u/yasutakak2/pgfhpcv6r7ytmv
5 フィールドテスト
フィールドでテストします。
ルアーとしての機能テストですが、ここらあたりからプロモーションも関係してきます。
1の企画で「売り方」と書きましたが、そのために必要な様々な素材が必要になってきます。
簡単なところから言えば「写真や動画」なんかです。
ただ、この段階で最も大切なのは、「ルアーの性能」です。
性能が絶対です。
ですから、フィールドでのテストは、「釣りが判っている人」が行います。
場合によってはアウトソーシングします。
ここで、プロ(テスター)という人が出てきます。
そのルアーの狙いに対し評価を行います。
と言っても、設計開発時の試作サンプルですでに絡んでいれば、試作品と量産品の誤差の確認だけで済みます。
ですから、それほど問題もありません・・・
と言うのは、嘘です(笑)
ほぼ100%、量産はうまくいきません。
試作(削り)と同等とか、ほとんど聞いたことありません(笑)
色々と要素はありますが、金型特性で「削り修正はできるから、削りに幅を持たせて最初は作る」というのもありますし、そもそも削りの樹脂と射出のブランクでは、製品重量も異なっているはずです。
また、内部構造の変更が、恐ろしく影響を及ぼします。
試作段階では内部構造はそれほど詰めていません。
ましてウッドの場合は、そもそも固定重心ですから、か全く同じになるわけがないのです。
ルアーは物理的に重量の差異や配分による変化に対し、ちゃんとアクションの変化で現れてきます。
ですから、「設計がルアーというものを判っているか」が大事なのですが、それでも「試作と全く一緒」というのは難しいと思います。
ですから、ココから数回の金型修正が入ります。
6 修正
金型修正→成形試作→フィールドテストを繰り返します。
私はフィールドテスターなので、この段階ではひたすらアクションチェックです。
また、タピオスは自分のプロデュースなので、修正指示も私が作ります。
実際に、相当な回数の修正を行いましたが、アウトソーシングされた設計屋さんはだいぶ嫌になったと思います。
なんせ、本職が金型&成形屋な事もあり、「本当は設計がめんどくさいからやりたくないのを、技術的にできないという言い訳」は無視しましたので。
逆に「これ技術的に無理」という事に関しての理解度は高いので、時間は短縮できていたとも思います。
詰めていくとは、このことです。
よく「妥協はしたくない」という言葉を軽々しく使う人が居ますが、その妥協にすら気が付かないのでは意味がないと思ってます。
ただ、相手は仕事ですからね。
限られた予算と時間の中で、良い物を作るのが仕事です。
私は趣味の延長上でルアー作成に携わりました。
ですから、うまくいかないからやだ~!と言って投げてしまう事も、生きていく上では何の問題もありません。
ですが、それをやってしまったら、私にこの開発業務をアウトソーシングしてくれた人へ、どれほど多くの迷惑をかけるかを、きちんと仕事のレベルで考えました。
良い物を作るというのは、言葉では簡単です。
ですが、実現するには本当に大きな壁があることも知りました。
その中でも、折り合いをつけて、物を創るのです。
タピオスは、そういう部分で多くの事を私に教えてくれました。
何よりも、モックから携われたことが大きかったと思ってます。
7 カラーラインナップ
ある程度形も決まってきた頃から、カラーラインナップを考えていきます。
実質この辺りからは、ルアー本来の性能を求める仕事ではなく、プロモーションの仕事になってきます。
「どんな色が欲しいか」と「どんな色が売れるか」のバランスです。
私は、コレといった拘りがなかったので、「ピンクバック」と「鮎」のみを入れてくれれば、あとは「売れる色」ベースでのラインナップでよいと思ってました。
「売れる色=みんなが欲しい色」なのですから、それは長くルアーメーカをやっているハルシオンで決めてくれればいいと、今でも思ってます。
余談ですが、実はタピオスは、プロモーションの部分は私はあまりやりませんでした。
そもそもの話しで、「メーカーがプロモーションを考える」という話しでもあったし、ハルシオンシステムというブランドが持つ方向性もある為、あえて製品開発に没頭していました。
ただ、自分の作るものの情報は、嘘偽りなくやっていきたいので、自分のペースでの情報のリリースは行っていきました。
ですがその後に、タピオスはハルシオンシステムではなく、KETという別ブランドを立ち上げてのリリースと決まり大慌てをしました。
まぁ、今となっては笑い話レベルですが、当時は軽く殺意も覚えました(笑)
7 量産品検品
試作でGOを出した後に、各部材の量産のための発注を行います。
部材の揃うタイミング、リリースするタイミング、組み付け工場の稼働、色々ありますが、数か月後に量産品が出そろいます。
仕上がった製品の検査を行います。
プロトと製品版で、差異はないか?
これが一番気になる部分です。
ただ、全部の製品を見る事は出来ませんので、抜き取りのチェックになります。
8 発売と販売促進
やっとリリースです。
そして、製品を売るために、様々なイベントや広告などを行っていきます。
以上、かなりざっくりの、ルアーを一本作り、売るまでの流れでした。
今回はタピオスというブランクの、仕様変更品を作ります。
タピオスはもともと、ウェイト変更品が作れる内部構造にしてあります。
これは試作の段階で、様々なウェイトパターンをやりたいと思っていたので、必要がなくても最初から作っておきました。
ただ、それらがすべてうまく機能したかというと、実は失敗してる部分もありました。
まぁ、それはまた今度。

今のところ予定では、来年の春ごろの発売を目指しての開発スタートです。
簡単なように見えて簡単ではないのが「ウェイト違い」のルアー作り。
次回はそのあたりを書いてみます。
続く
http://www.fimosw.com/u/yasutakak2/pgfhpcv6r7ytmv
5 フィールドテスト
フィールドでテストします。
ルアーとしての機能テストですが、ここらあたりからプロモーションも関係してきます。
1の企画で「売り方」と書きましたが、そのために必要な様々な素材が必要になってきます。
簡単なところから言えば「写真や動画」なんかです。
ただ、この段階で最も大切なのは、「ルアーの性能」です。
性能が絶対です。
ですから、フィールドでのテストは、「釣りが判っている人」が行います。
場合によってはアウトソーシングします。
ここで、プロ(テスター)という人が出てきます。
そのルアーの狙いに対し評価を行います。
と言っても、設計開発時の試作サンプルですでに絡んでいれば、試作品と量産品の誤差の確認だけで済みます。
ですから、それほど問題もありません・・・
と言うのは、嘘です(笑)
ほぼ100%、量産はうまくいきません。
試作(削り)と同等とか、ほとんど聞いたことありません(笑)
色々と要素はありますが、金型特性で「削り修正はできるから、削りに幅を持たせて最初は作る」というのもありますし、そもそも削りの樹脂と射出のブランクでは、製品重量も異なっているはずです。
また、内部構造の変更が、恐ろしく影響を及ぼします。
試作段階では内部構造はそれほど詰めていません。
ましてウッドの場合は、そもそも固定重心ですから、か全く同じになるわけがないのです。
ルアーは物理的に重量の差異や配分による変化に対し、ちゃんとアクションの変化で現れてきます。
ですから、「設計がルアーというものを判っているか」が大事なのですが、それでも「試作と全く一緒」というのは難しいと思います。
ですから、ココから数回の金型修正が入ります。
6 修正
金型修正→成形試作→フィールドテストを繰り返します。
私はフィールドテスターなので、この段階ではひたすらアクションチェックです。
また、タピオスは自分のプロデュースなので、修正指示も私が作ります。
実際に、相当な回数の修正を行いましたが、アウトソーシングされた設計屋さんはだいぶ嫌になったと思います。
なんせ、本職が金型&成形屋な事もあり、「本当は設計がめんどくさいからやりたくないのを、技術的にできないという言い訳」は無視しましたので。
逆に「これ技術的に無理」という事に関しての理解度は高いので、時間は短縮できていたとも思います。
詰めていくとは、このことです。
よく「妥協はしたくない」という言葉を軽々しく使う人が居ますが、その妥協にすら気が付かないのでは意味がないと思ってます。
ただ、相手は仕事ですからね。
限られた予算と時間の中で、良い物を作るのが仕事です。
私は趣味の延長上でルアー作成に携わりました。
ですから、うまくいかないからやだ~!と言って投げてしまう事も、生きていく上では何の問題もありません。
ですが、それをやってしまったら、私にこの開発業務をアウトソーシングしてくれた人へ、どれほど多くの迷惑をかけるかを、きちんと仕事のレベルで考えました。
良い物を作るというのは、言葉では簡単です。
ですが、実現するには本当に大きな壁があることも知りました。
その中でも、折り合いをつけて、物を創るのです。
タピオスは、そういう部分で多くの事を私に教えてくれました。
何よりも、モックから携われたことが大きかったと思ってます。
7 カラーラインナップ
ある程度形も決まってきた頃から、カラーラインナップを考えていきます。
実質この辺りからは、ルアー本来の性能を求める仕事ではなく、プロモーションの仕事になってきます。
「どんな色が欲しいか」と「どんな色が売れるか」のバランスです。
私は、コレといった拘りがなかったので、「ピンクバック」と「鮎」のみを入れてくれれば、あとは「売れる色」ベースでのラインナップでよいと思ってました。
「売れる色=みんなが欲しい色」なのですから、それは長くルアーメーカをやっているハルシオンで決めてくれればいいと、今でも思ってます。
余談ですが、実はタピオスは、プロモーションの部分は私はあまりやりませんでした。
そもそもの話しで、「メーカーがプロモーションを考える」という話しでもあったし、ハルシオンシステムというブランドが持つ方向性もある為、あえて製品開発に没頭していました。
ただ、自分の作るものの情報は、嘘偽りなくやっていきたいので、自分のペースでの情報のリリースは行っていきました。
ですがその後に、タピオスはハルシオンシステムではなく、KETという別ブランドを立ち上げてのリリースと決まり大慌てをしました。
まぁ、今となっては笑い話レベルですが、当時は軽く殺意も覚えました(笑)
7 量産品検品
試作でGOを出した後に、各部材の量産のための発注を行います。
部材の揃うタイミング、リリースするタイミング、組み付け工場の稼働、色々ありますが、数か月後に量産品が出そろいます。
仕上がった製品の検査を行います。
プロトと製品版で、差異はないか?
これが一番気になる部分です。
ただ、全部の製品を見る事は出来ませんので、抜き取りのチェックになります。
8 発売と販売促進
やっとリリースです。
そして、製品を売るために、様々なイベントや広告などを行っていきます。
以上、かなりざっくりの、ルアーを一本作り、売るまでの流れでした。
今回はタピオスというブランクの、仕様変更品を作ります。
タピオスはもともと、ウェイト変更品が作れる内部構造にしてあります。
これは試作の段階で、様々なウェイトパターンをやりたいと思っていたので、必要がなくても最初から作っておきました。
ただ、それらがすべてうまく機能したかというと、実は失敗してる部分もありました。
まぁ、それはまた今度。

今のところ予定では、来年の春ごろの発売を目指しての開発スタートです。
簡単なように見えて簡単ではないのが「ウェイト違い」のルアー作り。
次回はそのあたりを書いてみます。
続く
- 2016年10月18日
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