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▼ ルアー開発日記 タピオスF (その3)
- ジャンル:釣り具インプレ
その1はこちら↓
http://www.fimosw.com/u/yasutakak2/pgfhpcv6r7ytmv
現行のタピオスはシンキングです。
7cmのボディーにタングステンウェイトを使って、飛距離とアクションの質を詰めて作りました。
開発スタート段階で基本的に「ここは外せない」と思っていたのは、「7cmでのシャローレンジの攻略」という事と、「シーバスの好きなアクションの質」という部分でした。
裏には「サイズが7cmの段階で食わせは十分」という意味合いもあります。
これ、あえて言いますが、7cmなら大概のフィッシュイーターには「ある程度どんなルアーでも対応できる」と思っています。
実際に私はタピオスの前は、このクラスの様々なルアーをシーバスに使ってきました。
特にトラウト系のルアーは、ほとんどが「良く釣れる」と思える釣果でした。
でも一つだけ残念だったのは、速度域が合わないという問題がありました。
まぁ、昼なのか夜なのかでも違いますが、トラウトルアーをソルトで使うと、浮力が強すぎて少し強くアクションが出るのです。
場合によっては、流れを掴ませると暴れてしまいます。
それを制御するために、ウェイトを張ったりしていました。
ちなみにフックサイズは上げれません。
細身ゆえに、すぐに背中に引っかかってしまうのです。
と、ここまで書けば、タピオスを使っている人は気が付いたかと思います。
タピオスは、当時の7cmミノーの「ソルトで転用すると発生するデメリット」を、最初から潰し込んでソルトで使えるように出したものなのです。
タングステンウェイトは、アクションが暴れないようにする仕事。
また、フックも最低限シーバスに使えるサイズを使えるように、形状(背の高さ)が作られています。
ベリーがあそこまでフラットになっているのは、レンジ・飛行姿勢もありますが、実はフラットベリーはフックが上に回りにくい効果があるのです。
ですから、私が良く言う「そこにルアーが存在できるか」が大事なのであり、その先に「アクション云々」が付いてくる・・・を、かなり忠実に具現化したルアーなのです。
「7cmクラスミノーで最強の飛び」とかは、おまけだったりします(笑)
ただ、「巻けば泳ぐ」という部分からは、少し外れてしまいました。
恐らくシーバスの捕食に対して、動くほど(手元にブルブル来るほど)釣れると思っている初心者には、ちょっと難しい印象を与えてしまったかも知れません。
ある程度やってるアングラーからは、「ミノーとシンペンの中間点を埋める」とか言われたりしますが、あぁこれは表現としてなるほどなぁ・・・と思いました。
さて、そうやって作ったタピオスなので、当然シンキングでセッティングを追い込みました。
だいぶ一生懸命にやったのです。
そんなこともあり、「フローティングを作ろう」とHALから言われた時は、なにげに断った事実があります。
たぶん最初に言われたのが1年ぐらい前だった気も(笑)
シンキングを作った段階で、アクション出しで当然様々なウェイトを試しているのですが、フローティングもその過程でチェックをしています。
また、内部構造も対応できる形状にしてあります。
でも、
でも、
でも・・・
ウェイト違いってことは、形状変更で合わせていく事もできません。
ルアー本体によるアクションを決める要素は、入れるウェイトと部材と形状しかないのです。
ウェイトと部材で何百という組み合わせが発生しますが、その中で核心に迫れるのは数パターンであり、そこからフィールドに通いこんで細かく形状の変更をしてきました。
ですから、「はい、軽くなったからフローティング」と言いうのも、なんか違う様な気も・・・と、いう理由で最初は断ったのです。
「コンセプトがあり、そこに向かったから作れた」
これは作った本人ゆえの、拘りというか我がままの部分です。
その我が儘な私が、なぜに拒否してきたフローティングに着手したかというと、ある人に言われたたった一言が大きく刺さったからです。
タピオスを「もっとゆっくり使えれば良いな」って気持ちはわかるでしょ?
あ、そうね(笑)
タピオスの弱点は、ウェイトが重いゆえに、止める・流すが非常に難しいのです。
ある一定の速度以上(と言っても、これも相当低い速度に設定しましたが)で巻いてくれれば、あの形状とバランスゆえに「浮き上がって掴む状態」になりますが、完全に止めるとテールから沈んで行ってしまいます。
ですから、最初から「線の釣りに食わせの要素」という位置で作りました。
自分で言うのもなんですが、抜群に釣れます。
それを「止めて置ける」というアクションのメリットは、点で使えるようになるという事です。
そして流し込めるという面でも、非常にメリットは出ます。
まぁ、フローティングって事のあたりまえな事実ですから、エバっていう事ではないんですがw
良いのは判る。
釣れるだろう。
う~ん・・・と悩んでいるところで、さらに一押しの言葉。
「こだわってきた気持ちは解かる。でも、欲しいって人が居るなら、その人たちの為に作ることも大事だよ」
これで決めました。
よし、やろう!と。
で、先日の打ち合わせで、フローティングを作ると決定してきたのです。
散々断ってきたくせにねww
その場でサンプルの話しをしました。
考えられるウェイト重量と、ウェイトルーム形状から導き出す、数パターンの「作成可能な配分」の事です。
浮力-重量(フック込)
淡水と海水の比重
ウェイトの大きさと材質
まぁ、最初はこの程度の部分で、「浮く」という程度を狙っていきます。
同時にアクションの質も見ておきます。
そしてそれは、「フィールドで試す」が絶対的な条件になります。
お風呂じゃ「イメージはできる」けど、「実用時の狙いどころ」は見えませんからね。

今回の物は、フローティングのイメージ付けをする程度の物。
でもうれしいので、仕様確認してそのままの足で、荒川上流支流へアクションを見に行きました。
淡水・クリアウォーター・シャロー・流れ在り。
現行のタピオスも、ここで散々テストしましたので、違いを感じるには便利な場所なのです。
数投目に悲劇。
足元に流れに乗せて、あぁ、浮くなぁ・・・と思いながらゆっくり巻き始めたら、いきなりギラっとシーバスが反転(涙)

まぁ、釣れるのは判っていることなので驚かないです。
ただ、まさかこの時期で、ここに魚がいるとは・・・
ルアー変えて、その数投。

サイズ選べないのも、現行型と変わりなくw
危ないので、この日はもうやめて帰りました。
サンプルのロストとか、マジでないですからね。
今回組み付けサンプル作成を手伝ってくれている、HAL開発スタッフの坂本さんへ電話。
状況と初見を報告し、次のモデルの候補の方向性を伝えました。
今は釣ることが目的ではありません。
フィールドでの、魚釣っての評価はもっと後です。
しばらくは「釣らない釣り」でOKなのです。
釣りたいけどね。
こうやって、釣り欲を抑制しつつストレスをため込みながら、フィールドテストを繰り返していきます。
よくテスターさんたちが「開発中ルアーで!」とかって言いながら、釣果をブログやSNSで出しますが、あの手のはもうほとんどが金型UPも終わって微調整レベルの物です。
じゃないと、恐ろしくて使えません。
(たまに削りサンプルでガチに釣ってる漢もいますがw)
ですから、そこまで行ったルアーを隠す為に、わざわざモザイクとかかけても意味ないんじゃないか・・・とか思うのですが、実はあれは非常に重要な意味もあるのです。
それはまた次回
http://www.fimosw.com/u/yasutakak2/pgfhpcv6r7ytmv
現行のタピオスはシンキングです。
7cmのボディーにタングステンウェイトを使って、飛距離とアクションの質を詰めて作りました。
開発スタート段階で基本的に「ここは外せない」と思っていたのは、「7cmでのシャローレンジの攻略」という事と、「シーバスの好きなアクションの質」という部分でした。
裏には「サイズが7cmの段階で食わせは十分」という意味合いもあります。
これ、あえて言いますが、7cmなら大概のフィッシュイーターには「ある程度どんなルアーでも対応できる」と思っています。
実際に私はタピオスの前は、このクラスの様々なルアーをシーバスに使ってきました。
特にトラウト系のルアーは、ほとんどが「良く釣れる」と思える釣果でした。
でも一つだけ残念だったのは、速度域が合わないという問題がありました。
まぁ、昼なのか夜なのかでも違いますが、トラウトルアーをソルトで使うと、浮力が強すぎて少し強くアクションが出るのです。
場合によっては、流れを掴ませると暴れてしまいます。
それを制御するために、ウェイトを張ったりしていました。
ちなみにフックサイズは上げれません。
細身ゆえに、すぐに背中に引っかかってしまうのです。
と、ここまで書けば、タピオスを使っている人は気が付いたかと思います。
タピオスは、当時の7cmミノーの「ソルトで転用すると発生するデメリット」を、最初から潰し込んでソルトで使えるように出したものなのです。
タングステンウェイトは、アクションが暴れないようにする仕事。
また、フックも最低限シーバスに使えるサイズを使えるように、形状(背の高さ)が作られています。
ベリーがあそこまでフラットになっているのは、レンジ・飛行姿勢もありますが、実はフラットベリーはフックが上に回りにくい効果があるのです。
ですから、私が良く言う「そこにルアーが存在できるか」が大事なのであり、その先に「アクション云々」が付いてくる・・・を、かなり忠実に具現化したルアーなのです。
「7cmクラスミノーで最強の飛び」とかは、おまけだったりします(笑)
ただ、「巻けば泳ぐ」という部分からは、少し外れてしまいました。
恐らくシーバスの捕食に対して、動くほど(手元にブルブル来るほど)釣れると思っている初心者には、ちょっと難しい印象を与えてしまったかも知れません。
ある程度やってるアングラーからは、「ミノーとシンペンの中間点を埋める」とか言われたりしますが、あぁこれは表現としてなるほどなぁ・・・と思いました。
さて、そうやって作ったタピオスなので、当然シンキングでセッティングを追い込みました。
だいぶ一生懸命にやったのです。
そんなこともあり、「フローティングを作ろう」とHALから言われた時は、なにげに断った事実があります。
たぶん最初に言われたのが1年ぐらい前だった気も(笑)
シンキングを作った段階で、アクション出しで当然様々なウェイトを試しているのですが、フローティングもその過程でチェックをしています。
また、内部構造も対応できる形状にしてあります。
でも、
でも、
でも・・・
ウェイト違いってことは、形状変更で合わせていく事もできません。
ルアー本体によるアクションを決める要素は、入れるウェイトと部材と形状しかないのです。
ウェイトと部材で何百という組み合わせが発生しますが、その中で核心に迫れるのは数パターンであり、そこからフィールドに通いこんで細かく形状の変更をしてきました。
ですから、「はい、軽くなったからフローティング」と言いうのも、なんか違う様な気も・・・と、いう理由で最初は断ったのです。
「コンセプトがあり、そこに向かったから作れた」
これは作った本人ゆえの、拘りというか我がままの部分です。
その我が儘な私が、なぜに拒否してきたフローティングに着手したかというと、ある人に言われたたった一言が大きく刺さったからです。
タピオスを「もっとゆっくり使えれば良いな」って気持ちはわかるでしょ?
あ、そうね(笑)
タピオスの弱点は、ウェイトが重いゆえに、止める・流すが非常に難しいのです。
ある一定の速度以上(と言っても、これも相当低い速度に設定しましたが)で巻いてくれれば、あの形状とバランスゆえに「浮き上がって掴む状態」になりますが、完全に止めるとテールから沈んで行ってしまいます。
ですから、最初から「線の釣りに食わせの要素」という位置で作りました。
自分で言うのもなんですが、抜群に釣れます。
それを「止めて置ける」というアクションのメリットは、点で使えるようになるという事です。
そして流し込めるという面でも、非常にメリットは出ます。
まぁ、フローティングって事のあたりまえな事実ですから、エバっていう事ではないんですがw
良いのは判る。
釣れるだろう。
う~ん・・・と悩んでいるところで、さらに一押しの言葉。
「こだわってきた気持ちは解かる。でも、欲しいって人が居るなら、その人たちの為に作ることも大事だよ」
これで決めました。
よし、やろう!と。
で、先日の打ち合わせで、フローティングを作ると決定してきたのです。
散々断ってきたくせにねww
その場でサンプルの話しをしました。
考えられるウェイト重量と、ウェイトルーム形状から導き出す、数パターンの「作成可能な配分」の事です。
浮力-重量(フック込)
淡水と海水の比重
ウェイトの大きさと材質
まぁ、最初はこの程度の部分で、「浮く」という程度を狙っていきます。
同時にアクションの質も見ておきます。
そしてそれは、「フィールドで試す」が絶対的な条件になります。
お風呂じゃ「イメージはできる」けど、「実用時の狙いどころ」は見えませんからね。

今回の物は、フローティングのイメージ付けをする程度の物。
でもうれしいので、仕様確認してそのままの足で、荒川上流支流へアクションを見に行きました。
淡水・クリアウォーター・シャロー・流れ在り。
現行のタピオスも、ここで散々テストしましたので、違いを感じるには便利な場所なのです。
数投目に悲劇。
足元に流れに乗せて、あぁ、浮くなぁ・・・と思いながらゆっくり巻き始めたら、いきなりギラっとシーバスが反転(涙)

まぁ、釣れるのは判っていることなので驚かないです。
ただ、まさかこの時期で、ここに魚がいるとは・・・
ルアー変えて、その数投。

サイズ選べないのも、現行型と変わりなくw
危ないので、この日はもうやめて帰りました。
サンプルのロストとか、マジでないですからね。
今回組み付けサンプル作成を手伝ってくれている、HAL開発スタッフの坂本さんへ電話。
状況と初見を報告し、次のモデルの候補の方向性を伝えました。
今は釣ることが目的ではありません。
フィールドでの、魚釣っての評価はもっと後です。
しばらくは「釣らない釣り」でOKなのです。
釣りたいけどね。
こうやって、釣り欲を抑制しつつストレスをため込みながら、フィールドテストを繰り返していきます。
よくテスターさんたちが「開発中ルアーで!」とかって言いながら、釣果をブログやSNSで出しますが、あの手のはもうほとんどが金型UPも終わって微調整レベルの物です。
じゃないと、恐ろしくて使えません。
(たまに削りサンプルでガチに釣ってる漢もいますがw)
ですから、そこまで行ったルアーを隠す為に、わざわざモザイクとかかけても意味ないんじゃないか・・・とか思うのですが、実はあれは非常に重要な意味もあるのです。
それはまた次回
- 2016年10月21日
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