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私の思い出の魚 (西海橋)

  • ジャンル:日記/一般
本当に心に残っている魚、実は姿を見ていない。
 
あれは10年近く前。
fimo立ち上がってすぐの頃、村岡さんや森さんと一緒に長崎へ遠征に行った。
 
この時は大村湾を中心として、長崎の各所を渡り歩いた。
2泊3日の短期決戦もあり、あそこだのここだのと回るには長崎の海は大きすぎるので、島原方面は行かずに長崎市~佐世保方面がメイン。
 
その途中に立ち寄ったのが、西海橋という激流の海峡だった。
 
長崎県の中心部には大村湾という大きな湾(霞ヶ浦より大きい?)があり、その湾口が二つ。
その一つが針尾瀬戸と言われ、そこに掛かる橋が西海橋という。
この西海橋が掛かる針尾瀬戸は幅が200mほどしかなく、そこへ干満差の激しい長崎の外海へと大村湾の水が行き来するためにものすごい激流となっていて、日本三大急潮のうち一つだ。
またリアス式の湾の奥なので、比較的規則正しい潮の行き来というよりも、ランダムに激しい流れが右左へ寄せては返す、非常に「読めないポイント」というのが最初の印象だった。
 
ウェーダーは履いたけど、とてもじゃないけど入る気になれない。
目の前を轟音を立てながら、湧き上がる水と渦潮が行き来する。
これほど「落ちたら死ぬ」というのが、まったく簡単に想像できる海も珍しいなというぐらい。
 
たしか夕マズメに入ったと思う。
今までに見た事もない激流の海峡の釣りは本当に難しく、正直シーバスが釣れるというイメージは一切湧かなかったけど、これこそ遠征でこそ味わえる最高の楽しみでもある。
 
あれこれ考えながら、各自が散らばって四苦八苦していた。
 
私は最初、激流の崖をへつって反転流を探しに行くが、強い水で削られたであろう壁はなかなか手強く、諦めて今度はど真ん中の岬の先端に入った。
 
目の前を10ノットの流れが作る反転流が、あちらこちらへ水の壁を作る。
岬の先端、足元を見ると、急峻な崖となっていったい何mまで落ち込んでいるのか解からない・・・
最初はミドルレンジのルアーをキャストしていたが、なんせ渦潮があっち行ったりこっち行ったりするので、流れに乗せて食わせの間を・・・とかは全くできる気もせず、こりゃぁどうしたもんかと途方に暮れていた。
 
ルアーケースを開けて悩む。
とにかく自然が広大すぎて、どんなルアーを投げても釣れる気がしないのだ。
 
う~ん、と唸って、よし、とりあえず一番下を攻めてみよう。そう思って付けたのが、当時ヒラスズキで多用していたTDソルトバイブだった。
 
ロッドはアピアのビーストブロウル。
その頃、一部マニアが使う「シーバスにはアホみたいに強い竿」の代名詞で、リールはツインパワー4000SWにPE2号を入れていた。
正直、ヒラスズキ以外では、このタックルではシーバスには強すぎると思っていた。
でも、ストラクチャーに埋もれたポイントでデカいのを狙うには最も信頼性の高いセッティングだった。
 
取り合えず、真正面に投げた。
根がかっても良いから、一回ボトムを取ろうと思い、ラインをフリーにして沈めて行ったつもりだった。
が、しかし、何時まで立ってもラインは沈まない。
というか、あさっての方向へ流されていく。
どうも、沈む渦と、横に払い出す流れがあるみたいで、タイミングを選ばないとボトムへルアーが行ってくれないようだ。
しかもラインを水面につけると、そのテンションが強くて持っていかれてしまう。
 
何回かのトライをして、やっと沈める事が出来た。
しかし今度は、ボトムを感じる事が出来ない。
この流れじゃ当たり前か。
 
何度かラインを捌いては、また送り出して・・・を繰り返し、5分ほどたってやっと30mほど先にラインが立ってボトムを取れた。
 
西海橋は夕闇に包まれている。
直ぐにルアーがスタックした。
感触から海草っぽかったので、ほぐすようにウズウズやるとスッとテンションが抜けてルアーが泳ぎだす。
 
TDバイブの強い振動がロッドに伝わったその瞬間、ドスッ!とティップが引き込まれた。
 
そこから暴力的な引きが、ビーストブロウルをまっすぐにする。
完全に伸された状態で数秒。
ラインが飛ばなかったのは運が良かっただけだ。
 
やっとロッドが立ってファイトするが、それでも時折「どうにもならない引き」が来ては、「折れるか切れるか」を覚悟する。
 
数分なのか数十秒かは解からない。
いくらかファイトが出来てきた時に、不意にテンションが抜けたかと思うと、暗闇に支配されつつある水面を大きな「何かの魚」が割って出た。
 
ズドシャ~ン!
 
安っぽいけど、そう言う表現しかできない。
後に、その音を聞いてワンドの対岸に居た村岡さんは、「やっぱり工藤さんは落ちるのか・・・と思った」と言っていた。
 
奇跡的にルアーは外れていなかった。
 
そこから一気に魚はまたボトムを目指す。
しかし一度浮いた魚。勝負できる体制になった。
ビーストブロウルをめい一杯酷使して、ぐいぐい寄せていく。
 
正直、この時は「良し!獲れる!!」と思っていたし、それが大きな慢心を生んだのだと思う。
 
寄せ切ったか?と思ったときに、今までの中で最大の引きがロッドを絞った。
足元は海草が生い茂る崖。
ラインが海草に触れる感触が伝わる。
恐らくその巨大な魚は、駆け上がりのその壁に頭をこすりつけている。
そしてロッドは再び伸され、絞め込んだはずのドラグがギギギッと悲鳴をあげる。
 
切れる!っと思ったとき、ラインとロッドが一直線になって・・・スッとテンションが抜けた。
 
ロッドと糸は耐えてくれた。
しかし、針が伸びた。
 
瀬戸はすっかりと闇に呑まれ、岬の先端で途方に暮れた。
もうキャストをする気力もなく、座って轟音の流れを眺めていた。
 
この魚が、私の中で一番の、思い出の魚。
 
姿は見ていない。
でも、あの時間を忘れられずにいる。
笑われるかもしれないけど、いまだに夢に見る。
 
あれがスズキだったとしたら、いったい何キロあったのか。
あ、いや、そういう事ではない、のかな。
 
 
だからたぶん、今でも遠征に行くんだと思う。
もう一つの、私の釣りのカタチ。
 

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