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禍福は糾える縄の如し
(かふくはあざなえるなわのごとし)とは、
人生をより合わさった縄にたとえて、幸福と不幸は変転するものだという意味の故事成語です。
不幸を嘆いていると、いつの間にか幸福となり、幸福を喜んでいると、また不幸になる、ちょうどそれは「より合わせた縄のように表裏が交互にやってくる」ということを表しています。
感染病に心を悩まし、外出を控えたりている方が殆どだと思います。 人生不幸ばかりではありません。
希望を持って生きて行きましょう!
▼ 島くらしのススメ【0尾目】其の十 初級者のアドバイスを実践出来ますか?
- ジャンル:style-攻略法
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小さな塊りが自分の中で徐々に大きく膨らんで、思考が欲すると言うより寧ろ心が求めていて、繰り返し繰り返し満たせど全然足りなくて、どうしてもその衝動が抑えられなくて、今日も車を海に走らせる。
上手く説明は出来ないのだけど、そこに通う気持ちは、旧友に会いにゆくといった何処懐かしさを感じたり、入学式やクラス替えでクラスメイトに初めて会う期待とか不安に似ていると思う。
だから殆どの人が諦めてしまう雪が舞う手足か悴む厳寒期、吹き出る汗が塩に変わる真夏の炎天下、野生の猪や鹿が群れで遭遇する安全でない場所、低気圧が通過する暴風雨の中でも続けられる。
心が欲するそのものなので、その行為を側から見て理解しようとしても、真っ当な理性のなかでは、理解出来ない行為だと思う。
試しに島の仲間に嫁さんや家族の同意が得られているか確認したところ、殆どの家庭が何かしらの不満を抱えていた。 やれ離婚の危機だとか、今月は家庭サービス月間だの家庭の事情が垣間見れた。 第三者から見れば当然の成り行きで、夫婦不仲とか最悪家庭崩壊になりかねない。
世の奥方は、どうやら魚と自分を比較してしまうらしい(笑)モットジシンモテヨ
私と仕事どっちが大切なの? といったお付き合いしたてのカップルがするあの馬鹿げた質問と同じだ(爆)
娯楽の無い島の男からすれば、趣味に没頭するのは当たり前の行為なのだか、家庭の理解を得るのに苦労していたようだ。 それ故に妻帯者は、時間を決めて取り組んでいたり、曜日を決め平日夜間は自分の趣味のために費やし、週末は家族と過ごすといった決まり事をして折り合いをつけていた。
単身赴任中の自由気ままな自分には、直接関係のない話なのだが、世の家計主の辛さを知る良い機会となった。 個人的な意見を言えば、酒や女に溺れるより、趣味に集中してくれていた方が全く健全である。
彼と出会ったのは、福田地区の港だった。 丁度、釣りを始めて一年を迎えようとしていた頃で、その日の事は自分の誕生日の一日前の事なので良く覚えていて、2014年6月19日の深夜のことになる。 其の日も喉の渇きを癒す様に海に出ていた時だった。
彼の名を
TNDさんと言う。
自分のブログの読者の方で、話し掛けられてから付き合いが始まった。 当日連絡先を交換し、日程と対象魚が合えば、同行していた。
TNDさんは元々小豆島生まれの小豆島育ちなのだか、大学卒業後公務員になり徳島に転出していた。 ルアーフィッシングを初めたのが、3年半前の鳴門で、有名な堤防にバイクで通いサワラサイズを普通に釣っていたらしい。 冬季は北に面したゴロタ場で、吹き寄せる北風で集まるベイトを捕食する丸スズキを好んで釣っていたようだ。
強風が吹きつける向かい風の中で、飛距離の出る低い弾道のサイドキャスト方法の蘊蓄を熱弁していた。 今の経験と知識で解釈して、キャスト方法を完結にまとめると、要は背面に障害物がある場合のベイトタックルのサイドキャストをスピニングタックルで行うのと同じ方法と解釈している。 前後に行う一連のキャストフォームを横の振り幅で解決するということ。 低弾道という事だから被せ気味だと思われる。キャストのフォローで逆サイドから手前でロッドを曲げて、その曲がりを維持したまま身体横で、ロッドの先が円を描きながら反転運動に入り、ロッドのしなりを然るべきタイミングで開放しルアーを前に飛ばす。
メバルとかアジングで背面に障害物があり、全く後方に振れないキャストなら、身体側の上から下にロッドを勢いよく振り、ベリーから先が下に曲がったら、リール側の手首を返してキャストする方法がある。 コツとしては、肘は下に向けた方が、ティップを足場にぶつけ難い上に、肘を支点に反転運動に入れる。
TNDさんは話し好きな奴で、話しを伺っていると、自分の島内の釣り仲間の知り合いだった。 狭い島内では良くある話しで、何処ぞの高校のクラスメイトとか、先輩の弟とか、小学生まで家が近所で幼馴染とか、
趣味を通じて突然再会するのも微笑ましい光景である。
ポイントで突然始まる
同窓会(笑)
島内のアングラーは、基本近所のポイントで竿を出す機会が多く、自分様にポイントを転々としない。 ある意味テリトリーが決まっている。 そこに自分と同行する様々な人を連れて回るものだから、ちょっとした宴が始まるのだ。
上下関係があると名刺交換は無くとも営業の挨拶がはじまり、ご家族の話しとか、昔話しに花を咲かせる。 島内で育っていない自分には踏み込み難い領域で、温かく見守りながらも、まだ島民には成り切れていない疎外感を感じ、何処か寂しい気持ちだったのを覚えている。
自分も転勤して一年は経過していて、島民の多くの人が名前は知らないが、自分の存在に気付いていた。 ある意味プライベートが無い環境なのだが、逆に捉えれば、知ってくれている安心感がある。 人によっては捉え方が違うと怖いかもしれない。
思い出したが…
宮古島に転勤した後輩曰く、
「 パチンコしててもプライベートが無いんですよ! 挨拶してくれる方の名前すら知らないのに相手は自分の事を良く知っていて名前まで覚えているんです 」
と嘆いていたのを思い出した(笑)
事実
島の暮らしは、プライベートがある様で実は殆どない。
移住を考えている人は、移住する前に良く考えた方が良い。
街中に居た方が余程プライベート保障されている。 是は人口に反比例して、人口が多ければ近所の住民に対し関心が薄まり、逆に人口が少なければ、関心が高まる。 人口の多い都会では人様に関心など持っていられないのかもしれない。
島内の治安が良いのは、島民自体の気質が良いのも事実ではあるが、実はこの辺りの事情も含んでいる。 お互いがお互いを良くも悪くも見ているのである。 自分の行動は誰かに目撃されている。 それゆえに近所付き合いは都会よりも濃密である。 割り切れない人には、移住はお勧めしないし、其処を割り切れて飛び込める人ならば、逆に安心感を得られると思う。
付け加えておくが、島に仕事も無い。 無いと書くと誤解を招くので解説しておく。 選り好みや条件を選んでいては、まず就職できない。 要するに仕事が少ない状況である。 出来れば手に職を付けてから、移住を考えた方が最善だと思う。 逆に自営を考えているならば、競争相手が少ないので起業しやすい。 ただ、客数と客単価も低いので業種は考えた方が良い。 外食産業は殆ど無いからチャンスはチャンスなのだが、外食文化が発展してないので利用者が少ない上に、外食しているところをご近所に目迎されると
お客様でもいらしてたんですか
と後日、話のネタになる時もある(笑)
この話を師匠から聞かされた時は、少し気分が悪くなった。 師匠の話では、窓側の席を遠慮したり、カーテンを閉めさせ外から見えないようにしたりするらしい。 贅沢は良くないという気持もあるようで、外食するのは友人とか客人が来たときが多い。 自分の感覚では、何時の時代ですか? と質問したくなる(笑)
自分が食事の支度が面倒くさくなって外食したり、食品スーパーで値下品の惣菜を購入しているのも確実に見られてる(爆)
あら嫌だオニギリさん!
また、値下品買ってるとか言われていたに違いない(笑)アナガアッタラハイリタイ
住居はオンボロでも僅かな土地で家庭菜園と釣りをやれば、出費は少なくて済む。 購入する食材は、米、肉、調味料くらいのもので事足りる。 釣った魚を近所の婆様連中に配れば、お晩菜が回ってくる。 出費は家賃と交通費、光熱費、通信費、僅かばかりの食費になる。
家庭菜園を行っているお宅の割合は高いので、
近所のお裾分けが季節野菜で重なるのはご愛嬌だ(笑)
折角、丹精込めて育てやっとお嫁に出したナスやキュウリが、
お礼として、巡り巡って
ナスやキュウリが戻ってくるのはよくある話だ(爆)ジブンガソダテタヤツ
これこそ出戻りと言うやつですね(笑)ワカリマス
素麺の節麺も悩みの種になる。
島の素麺は手延べ式で素麺を手延べの棒で細く引き伸ばすのだが、棒に掛かる部分が太く折れ曲がり商品にならない。 これを節麺という。 製造過程でどうしても大量に生み出されてしまう。 廃棄するにも費用が掛かる上に、全く食品として食する事が出来るので心理的に捨て難いので、ご近所にお配りするわけだ。 味噌汁の具材として、各家庭で親しまれているものなんだが、素麺製造のハイシーズンになると、
節麺の引き取り手探しに必死になる(爆)
近所の悩みは全員で解決する。 これも島のご近所のお付き合いである。
総合病院はあるものの、重症化した病の治療は島外の病院を紹介されるので、持病のある方や長期入院する際のこと考慮すると移住には不向きかもしれない。
話が逸れてしまったので元に戻そう。
TNDさんは、自分と比べて一年遅れで2014年の春に小豆島勤務になり、再び故郷に戻って来た。 一児の既婚者で嫁さんの同意を得ながら、自分の趣味の時間をやり繰りし過ごすしていたアングラーである。
嫁さんから禁止令が出され三ヶ月間不遇の時を過ごす事を余儀なくされる事は、まだこの時、そんな将来が待ち受けているなんてお互い知る由も無い(笑)
TNDさんと釣りをしていて感じた彼の長所や凄いと感じたところは、素直な性格故に誰にでも話しかけられ、貴重な情報を収集出来るところであり、その素直な性格からアドバイスを受けたら実際に実践出来るところであり、それを実現出来る基礎力をしっかりと幅広く備えている事である。
多くの人が出来ないと思いますが、
キャリア一年目の初級者がもたらした情報やアドバイスを実践できるのか?
恐らく大多数の人が経験が邪魔をして実践できないはず。
自分が同じ立場でキャリアが上なら、自分の経験を正として、自分のやり方を優先させてしまいます。
ところが、
TNDさんは違う。
当時の自分のキャリアは1年、TNDさんのキャリアは3年半。 実に2年半の開きがあります。 その開きもやり込んでいる2年半である。 しかしながら、
キャリア一年の自分の情報も信じてくれるし、アドバイスも直ぐに取り入れる。
実は凄い事なんじゃないかなと思う。
恐らく仕事でも、家庭でもきっと同じなんだろう。 彼が自分の情報やアドバイスを元に良型ヒラメや大型マダイを釣っているので、過去ブログを是非読んで頂きたい。 まあ、TNDさんの釣りと自分の釣りが似てる部分があるから、相性が良いといえばそれまでなんだけど。
温厚で意思疎通の取りやすいTNDさんだが、丁度、秋の回遊青物の走りの頃、
彼が酷く腹を立てていた時があった。
理由を聞いたところ、釣行中にポイントに割り込んできた島の若衆連中がいたらしく、
安全な距離感が保てないと注意した。
自分も同じ行動に出るだろうと思う。 どうやら草壁、池田、土庄地区辺りに住む若衆で、何人かは自分も面識はあった。 確かに礼儀としてはなっていない連中だが、聞く耳を持っていない訳ではない。
いきなり反論しては諭せるものも諭せない。
双方言い分や言い訳があるわけで、釣り場は皆のものではあるが、安全性を最優先に考えた場合、TNDさんの主張は納得の行くものである。
今後もポイントで鉢合せする確立は島内だから非常に高いし、TNDさんにもこれ以上不愉快な思いさせたくは無いんだよなと当時考えていた。 先々解決しておかないと、言い争いだけでは済まなくなるかもしれないと心配していた。
どうしたものかと悩んでいたら、自分が釣行中にその若衆の面倒を見ている先輩が近づいてきた。 どうやら自分を探していたらしく、ロッドも持参していない。
若衆の先輩 「 この前知り合いの若い衆がオニギリさんのお仲間とトラブルを起したらしい 」
どうやら若衆連中が先輩に先日のトラブルを相談していたようだ。 最初、相手方が正当性を主張するのかと身構えたが、事の成り行きは、自分が心配している方向には向かわなかった。
先 「 オニギリさんのお仲間に迷惑掛けたみたいで申し訳ない 」 と謝罪してきた。
若衆の話をきいてやったら、礼節に掛けていたので、礼儀が足りないと叱ってくれたそうだ。
安堵したと同時に、この先輩は後輩の面倒をしっかりみる良い奴だなと思った。 実はこの若衆の先輩に当る人物とは、自分と何回かポイントで偶然会っていて、世間話しながら釣りを楽しむ程度には交友があった。
オニギリ 「 自分もその話は、TNDさんから伺っています。 今回の件は、TNDさんに上手く話しておきますから、心配しないで下さい 」 と伝えた。
後日、確か其の日の夕方だったと思うが、TNDさんと翌日の釣行予定を立てていた時に、電話口で事の一部始終を伝えた。
先方が謝ってきた事
礼儀不足を叱ってくれた事
それでもTNDさんには、納得するには少し不足みたいだったけど、 今回は自分の顔立ててよ と話したら、それ以後は二度とその話は出てこなかった。
自分には実に島らしい経験が出来たと思った。 何が島らしいかと言えば、そもそも海は誰の物でもないので、誰にでも平等に釣りする権利はある。 先行者は誰であれ、後から入った人と仲良く釣りをしても良いわけなのだが、そこには先行者への礼儀とか安全性を含めた配慮が生じるのも当然である。
若衆たちの思考は、ある意味島内で生まれ育った自由さがあり、TNDさんには大人としてのモラルがあり、マナー不足の後輩を叱れる先輩がいる。
秩序ある人の結びつきは素敵だなと思う
と同時に、この問題の解決に一枚自分が噛んでいた事に気付いた。 もしかしたら、一年あれば、自分のような余所者のでも島民の一員になれるのかもしれない。
2014年青物シーズン終盤の頃だと思うが、TNDさんが高松市にマイホームを購入するか迷っていたじきがあった。 其の話を聞かされた時は、仲間を失う寂しさを感じた。 しかし、彼の年齢と家族構成、収入、将来起こりうる転勤、子供の進学を考慮に居れ判断すると、住宅ローンを組むチャンスでもある。 ここは応援するしかない。
まず、自分が心配したのがTNDさんが高松市に移住して、
釣りを捨ててしまわないか心配したことだ(笑)
オニギリ 「 ローン地獄で釣りに行けないかもな 」 (爆)
自分がTNDさんに伝えた餞の言葉である(笑)
其の頃の自分の思考が釣りが基準というのが痛々しい上に、どんだけツンデレとは思う(笑)
TNDさん 「 大丈夫です。 実家が小豆島ですから、お盆とか草刈とかの時に釣りしに戻りますから 」 と笑いながら話していた。
オニギリ 「 それなら、また釣り(一緒に)出来るな!」
結局は、2015年の春、お互いの家族の生活を守るため、同時に小豆島を離れることになった。 あの時した約束は、未だに果たしていないままでいる。
おしまい。
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- 2020年3月16日
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