【水曜スペシャル】人生の漂流者

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ふぅ。

仕事から帰り、明日からの2連休をどこでどうエンジョイしようか?と、

一服しながら思案している時に見知らぬ番号から電話が掛かった。

出るとやはり聞きなれぬ声。

電話は海上保安庁の職員からだった。

一瞬、ドキリとした。



先日我慢しきれずに海に向かって行ったタチションは、やけに泡だらけだった。

無暗に泡を漂流させてしまったので、その事を咎められるのかと思ったが、

まさかそんな事はあるまい。



「漂流の件で話があります」



マヂカ!!!

続けて話を聞くとタチションの事では無かったので安堵したが、

その後の話はワタクシをもっと驚かせた。



玄界灘沖にて丸太につかまり漂流していた2名を救助。

2名は「吉田」を連呼し、ワタクシの電話番号を伝えたのだそうだ。

訳のわからない話だが、

誰なんだ!?ワタクシの知っている人間なのか?

「その人を電話に出してもらえますか?」とワタクシは職員に伝えた。

職員は救助した人物に電話を渡した。

懐かしい声が携帯から聞こえた。













「ブレンディー飲むか?」



こ・・・このセリフは!?!?















ツシマンだ!!!



間違いない。

いきなり「ブレンディー飲むか?」なんて、

彼しか言わないセリフだ。

再度職員に代わってもらい、迎えに行く事を告げた。

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解説せねばなるまい。



「ツシマンとは」



それは、

面倒なので↓見てネ♪

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事務所から彼らを引き取り車に乗せた。

やはり男ツシマンと女ツシマンの2人だった。

合流後、彼らはとても不機嫌だった。

「いらぬ事、しくさりおって!」等、恨み節を繰り返していた。

今は余計な詮索をしないほうが賢明だろうと思い、

ワタクシは彼らをそっとしておいた。



ラーメンを食べ、どうやら腹の虫も収まったらしい。

「コレ、うまいな」「コレ、うまいよね」

2人はニコニコしながらラーメンをすすった。


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今なら大丈夫かと思い「あなた達はなぜ漂流などしていたのですか?」と尋ねた。

男ツシマンの表情が一瞬曇ったが、ため息をついてぼそぼそと語りだした。



漂着した丸太をつなぎ、立派な筏を作って海に出たが、

「大いなる人」の機嫌が悪かったのか、

途端に海が大荒れとなって筏がバラバラに。

しょうがなく丸太1本に捕まり泳いでいく事に決めたが途中で巡視艇が現れ、

2人を無理やり船に引っ張り上げた、らしい。



「ワシらはちゃんと泳いで行ってたのだ!漂流などしておらん!

それをあの巡視艇のヤツラときたら!」



・・・・イヤソレ、どっから見ても漂流だから・・・ とは口にしなかった。



「いったい、どこに行こうとしてたんですか?」

すると男ツシマンが大事そうに腹巻の中にしまっていた物を差し出した。



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「オオスミン国サミット入場チケット!!!」


チケットクォリティーは相変わらずだが、

間違いなくオオスミン国サミット入場チケットだった。

しかも2名分。

多分、通販したときに届いた紙袋をそのままチケットにしやがったな・・・。



対馬からオオスミン国まで、この人達は丸太1本を補助にして泳いで行こうとしてたのか!?!?!



ワタクシの表情から感情を読み取ったのか、

「やろうとしてる人に対してやっても無いアナタが無理なんて発言はしないでね。

何にもしてないアナタに、何かが解ってるなんてとても思えないから」と、

女ツシマンは相変わらずの投げナイフトークをブチカマしてくれる。

どれだけ無謀な行いだったのかをわからせようと、

携帯のグーグルマップを見せて説明しようとした。

グーグルマップの表示には食い気味に見入っていたが、

ワタクシの説明対してのレスポンスは「ふーん」で終わった。



ワタクシは、若干凹み気味で国王に電話を掛けた。

国王は電話に出たが「海で待つ」と一言いって直ぐに切られた。



とりあえずワタクシは丁度連休という事もあり、

彼ら2人を連れオオスミン国へ向かう事にした。



オオスミン国の港に着くと、船から船長が下りてきて「吉田殿か?」と聞かれた。

「そうです」と応えると「どうぞお乗りください」と促された。

3人で船に乗り込んだ。

2人を振り返ると、それぞれが対馬で使っていた釣り道具を持って乗り込んでいた。

持ってきていたのか。

いつの間にか彼らは、ワタクシが車に積みっぱなしにしていた道具まで船に乗せていた。



どこへ行くのか少々不安だったが、

見覚えのある崖の上に目が釘付けとなった。



「アレはっ!?!?」



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がっ・・・





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がっ・・・





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崖の上の「オナカ」ポニョポニョ!!!



アイヤ、崖の上の国王だ!





つか、その崖、前回あのアホウの・・・アイヤ、

シェルパのたろう君がよじ登ってたトコだよね(苦笑

危険だからアナタは登らんといてください(汗



磯に降り、それぞれ国王に挨拶を済ませた。

こちらに着いたらまず釣りをして遊ぼう、と国王は伝書バトで2人に伝えていたらしい。

それで2人は竿を持ってきていたのかと納得した。

それから国王は、背中に勿体ぶった感をモウモウと立ち昇らせながら

バッグの中の物を取り出し皆に配った。

「オオスミン国科学アカデミーの叡知を結集して作り上げたヘッドギアだ」

何でもコレを被ると「モッテル」国王の脳波と着用者の脳波を同調させる事が出来、

誰でも簡単に「モッテル釣果」になるらしいのだ。



皆、躊躇なく着用した。

ワタクシは、なんだかとても釣れそうな気になった。

表情を見ればわかるが、皆もきっとそんな気がしているはずだ。














ヤル気充填完了!!!



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時間の許す限り、

ワタクシ達は思い切り釣りを楽しんだ。




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そして納竿。

結果は、




























全員フルボッコ!!!



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ヘッドギア全然ダメぢゃん!!!















そして男ツシマンは岬の先端に立ち、




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天の「大いなる人」に「魚 ドコ?」と問うていた。

ヘッドギアが後ろ前だった事には、皆触れずにいた。












国王は言った。

傷ついた心は、食い物で癒せ。




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時海丼は今日もグレイトだぜ!






しばし時間をつぶし、サミット会場ぐーたへ向かった。




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首相とたろう氏も加わり、いつも通りサミットの名を語った「飲み会」は盛り上がった。





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今日も豪快にパスタを飲む首相。




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チャレンジしたがナシゴレンを飲む事ができず、

泣きそうになっているたろう氏。




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では、ワシが飲む!と言い出して皆に慌てて止められる男ツシマン。



明日の朝、再度、釣りに臨む話しとなり、明日の為に早めの解散となった。

別れ際、明日のご武運を祈って国王がパワーを授けるなどと言い出した。

悪い予感は当たった。

ワタクシ達はまた例のヘッドギアを被らされた。
















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ただ、首相だけは試験段階からヘッドギアの効果が出なかった為、

首相専用ヒップギアだった。

明日はダークグレーな仕事が有る為、国王と首相は釣行に加われないのだが、

首相はどうしてもこの素晴らしいヒップギアを見せたかったらしい。





翌朝は薩摩のターミネーター、チョコ氏もツシマンの噂を聞きつけて合流した。

彼のキャストは凄まじかった。

剛腕から放たれたルアーは、轟音を放ちながら錦江湾を渡り、

遥か彼方にシルエットを浮かびあがらせる開聞岳を直撃していた。




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チョコ氏のルアーが激突して頂上から爆煙を上げる開聞岳の図




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シェルパのたろう氏、今日は崖を登らないらしい。




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ボーズで帰ると食糧が無いため、命がけでルアーを投げるツシマン達。

全精力を傾けて全員で竿を振り続けたが、

今回はめずらしく惨敗に終わった。













めずらしく。











ツシマン達もさぞ打ちのめされた事だろうと思ったが、

その顔は清々しかった。

彼らの巌の心は、これしきで折れるような事はないのだ。

「またどこかに行きたくなった時は、無茶する前に前もってご連絡ください。

予め道のりを示す事もできますし。」

ワタクシが男ツシマンにそう告げると、

彼は一呼吸おいて遠くを見ながら口を開いた。

「小さな額縁に示された通り進むようでは、本当に行きたい場所になど辿りつけはせんよ。」

必要なのは行き先を強くここに描く事だ、と胸を叩き、

「ゴーグルムックなどに頼ってるだけじゃ、行くべき場所を見失うだけじゃろうよ」

そう言って言葉を結んだのだが、

まさかワタクシの人生が漂流している事を言い得ているとはこの時、夢にも思わなかった。

グーグルマップをゴーグルムックと言い間違えてる時点で、

胸に去来するのは感動ではなく失笑だけだったという事は、

彼には内緒にしておこう。



こうして我々3人の珍道中は幕を閉じた。









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オオスミン国の皆様、今回もありがとうございました。

そしてチョコさん、お疲れ様でした♪

ツシマン2人とボタヤマンはまったく懲りておりませんので、

またよろしくお願いしま~す♪

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