没落の清貧

  • ジャンル:日記/一般

貧しい家庭に育った。

物心ついた頃には、町に出てマッチを売らされていたワタクシは、

主食のうまかっちゃんを一人家で貧しさをかみしめながら味わい、

マネーに格別の憧れを抱きつつ大人になった。

しかしながら色々な経験を経て今に至るワタクシは、

世の中マネーが全てじゃない事を学び、

清らかな心で自分なりに楽しい人生を謳歌していた。

それで十分満足だった。



噂はかねがね伺っていた。

西九州社交界において「彼」の名を知らぬ者はモグリだと言われていた。

「彼」のジャケットはいつも束マネーでパンパンに膨れ上がっていて、

「彼」が歩いた後には束マネーが転がっているらしい話や、

夜の女達を2tトラックに満載して持ち帰っている夜のエースストライカーっぷりを

散々聞かされていた。



とある社交場で「彼」と出くわした清貧のワタクシは、

その身なりの煌びやかさが眩しすぎて少ししか会話をする事が出来なかったが、

常に「彼」を視界の隅に捉えていた。



ある者は言う「何もせずとも幸福のほうから彼に歩み寄る」と。



マネーはそれ程までにものを言うのか!?

「彼」はこの社交場に集うステキレデイを物色しているようだ。

負けたくなかった。

清貧を己のプライドとして今まで生きてきたワタクシなのだ。

「彼」よりも素晴らしいステキレデイをワタクシがお持ち帰りするのだ!



今日は、イシガキ狙いのオイチャンもワタクシに同行していた。

イシガキ狙いのオイチャンも何やらただならぬ雰囲気で「彼」を見据えていた。

「この人もやる気だ」ワタクシは心の中でつぶやいた。



・・・まてよ?

軽快に筆を走らせていたワタクシだが、ここで一つ壁にぶつかった。

イシガキ狙いのオイチャンが狙う「イシガキ」だが、

どう比喩表現したものか・・・

そうか、

イシガキ→ぶっこみ→底物の魚 とくれば、比喩はコレしかない。









「底辺レデイ」(・∀・)ノ!





話を戻そう。



オイチャンも「彼」に負けじと今日はお持ち帰る気満々だ。

底辺レデイを。

ワタクシはどんどん持って帰って欲しいと思った。



「彼」は実に用意周到だった。

ランボルギーニ アヴェンタドール LP700-4 と、

メルセデス GLA-Class の2台を駐車場に止めていた。

きっとステキレデイの嗜好に合わせどちらかをチョイスしてお持ち帰りするのだろう。



ワタクシは清らかな心を武器に、社交場中のステキレデイに接触を試みた。

しかしながらこれといって良い感触は得られなかった。

自分の事に夢中になり、ワタクシは「彼」の存在を忘れていた。

あわてて「彼」を目で探した。



「彼」は会場を出る所だった。

そして、ハイウェイを超高速で滑走するランボルギーニではなく、

高い着座位置から気分よく街中をクルージングできるメルセデスの方で

ふらりと会場を後にした。

この会場にはどうやら「彼」が今日の獲物とするようなステキレデイは居ないのか。

さてはまた束マネーで花街を豪遊でもするのかと思ったが、

意外にも「彼」は、賑やかさも華やかさも無い地域へ向け車を進ませていった。



疲れた。

柄にもなく、変な気を張り行動したせいで心身共に疲労困憊であった。

底辺レデイ狙いのオイチャンも苦労したようだった。

なりふり構わず声を掛けまくっていたオイチャンは、

終いには「チョットアレな感じのJKでもこの際」と思ったのか、

JK達のガードを緩める為にルーズソックスまで着用してJKに擬態し、


snpi89839nkf44f9sew2_480_480-4773e613.jpg


距離を詰めようとまでしていたようだった。



そこへあの男が帰ってきた。

そう、「彼」だ。

会場に戻った彼「彼」を見て、我々は愕然とした。

絶世の美女を同伴していた。




「そ・・・それ・・・











マサ子やん!!!」


あのマサ子でさえ、マネーの力には逆らえないというのか!?!?



ワタクシが生涯を賭け、

いつか落としてやる!と、そう決めていた絶世の美女マサ子を、

ふらりと出かけて難無く腕に抱いてお持ち帰る彼の名は、





mc t maru

t2i7j6gupfe32yv9tvxf_480_480-d66a39c7.jpg

通称「隊長」



そしてワタクシは悟った。

ハッキリと。

うまかっちゃんだけじゃ、幸せになんてなれないんだ!!!

やはり世の中マネーだ!

マネーが全てだと!!!

隊長!

今日からワタクシは、







あなたのマネーさせていただきます!!!









帰り道、大好きだった天丼を前にしても、

オオバの天ぷらが乗っていない残念感以上に打ちのめされたワタクシは、

もうドンブリを抱え上げる気力さえ無かった。




r4f5w7o36swrwdzdmyv3_480_480-74e242ce.jpg

コメントを見る