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イカスミ仙人

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真・釣りガール考

  • ジャンル:日記/一般

このログの主題は、
「♂は気持ちよくても、♀が気持ちいいとは限らない」
である。


《有史以前に始まっていた"釣り"》

動物の骨や牙で針を削りだし、植物の繊維で糸を撚り、竹などの柔軟な木材から竿を仕立てる者もあっただろう。

先人達が食糧を得る方法は、他人から強奪することを除けば、狩猟と採集しかなかった。

そのなかでも釣りは、主に網や銛を用いて魚介類を捕獲する、漁労と呼ばれる行為のうちの一つに分類されている。

はじめ人間ギャートルズでは、男はマンモス狩り、女は岩穴の我が家で子育て、がお決まりのシチュエーションだった。はたして事実はどうだったのか。

生活の糧の調達能力をが生命線だった時代、手先が器用な女性達は道具をしつらえ、それほど体力を必要としない上に手軽な釣りを、パート感覚で『楽しんで』いたとしてもおかしくはないと仙人は考えている。



《釣りは、二度おいしい》

一次目標は魚を捕ること。二次目標はもちろんそれを食べること。

ギャートルズでは、主人公ゴンのお父さんがマンモスの肉を持ち帰ると、妻から熱烈な歓待を受ける。

夫は妻に手柄を献上し、その代わりに見せかけの愛を受け取るわけだ。

それに対し、子だくさんのゴンのお母さんはあくまでも、花より団子。ダメオヤジの自慢話などには振り向きもしない。ご褒美のキスは、愛やねぎらいには程遠い、一生尽くさせるための麻薬に他ならないのである。

それでもマンモスうれぴーのは、薬が効きすぎってことかな。てへ。


この麻薬は、狩りを本能へと昇華させ、それ自体は空ろな刺激に成り下がった。こうしてようやく純粋な趣味としての釣りが誕生する。

一方女性はというと、文明が連れてきた美意識の大鉈を振り下ろし、すべての価値観を自分本意に変えてしまったのである。


《そして昨今の釣りブーム》

以前、猫も杓子もバスフィッシングの時代があった。仙人も例に漏れずそれにハマり、友人と富士五湖によく通ったものだ。

しかしこの時点ではまだ、釣り業界が女子を本気で取り込もうとはしなかったように思う。

これまでは男子の割合が高かったレクリエーションの中で、一足先にターゲットを拡げたのが登山業界だ。

ピクニック程度のものからエクストリーム、さらにボルダリングのように特殊なものまで、この趣味の範囲は非常に幅広い。

山ガールが市民権を得た背景には、現代女子の美意識を満足させるだけのファッション性、つまり「可愛らしさ」へのこだわりと大自然の原始的な美への潜在的な憧れがあるように思う。

パタゴニア、ノースフェイス、コロンビアといった機能性も兼ね備えたアイテムを提供するブランド群は、日本において、いまやタウンユースされるほど浸透度が高い。

近くの公園でも、近郊の比較的標高が低い山でも、自然の無垢な美しさを味わうことはできる。アウトドアの衛生面での問題さえクリア出来れば、女子の価値観を損なう要素が少ないのが、さらに裾野を広げている理由だと考えられる。


《てころで、釣りガールはいるのか》

極端に言うと、それなりの格好をして奥多摩駅に降り立てば、それだけで山ガールの完成だ。

しかしながら釣りガールとなるとなかなか難しい。

まず、餌や魚の、見た目と匂いと触感に対しての耐性を持つことが前提となる。いくらクールでスマートに見えるルアーフィッシングでも、相手は生きた魚なのだから。

さらには、そもそも男子に受け継がれる狩猟本能を持たないことには、継続して釣りを研究したり、技術を上達させようとする志向性は生まれないかもしれない。


そこで、いまどき女子の釣りに対する姿勢と傾向を探るべく、釣りガール2名との対談をセッティングした。

その模様をどうぞ。


仙人
「本日は足下の悪い中お集まりいただきありがとうございます。えー、早速ですが、釣りを始めたきっかけと、いま現在、主にどんな場所で、どんな釣りをされてるかをお聞かせ願えますか?」

釣りガールA
「私の初体験は、まだ学生の頃、親戚のクルーザーで葉山の沖に出たときです。その時はシイラとサバがいっぱい釣れて、すごく楽しかったな。叔父の竿を初めて握った感覚も忘れられません。
私はこう見えて、イソメとかミミズが苦手なので、今はほとんどルアーばっかりです。管理釣り場にも行くけど、やっぱりアラスカが好きかな。あとは乗り合い船でジギングしたり、最近はシーバスも始めましたよ。」

釣りガールB
「アタシはー、元カレがバスやってたんで、チョイチョイつるんで行ってたけどー、すぐ別れたんでー、そのあとっつーか、部屋にイモムシみたいなー、なんか変なの転がっててー、今カレにー、これアレじゃねーとか言われてー、ヤベッとかなってー、全部捨ててー、このまえー、彼氏が近くのドブで、でっけーコイいるってからー、きったねー釣具屋でミミズ買ったらさー、半分くらい腐ってるっつーか溶けててー、クソくっさいし、マジチョーウケるし!彼氏はー、そういうの触れないからー、アタシはそういうの全然平気だからー、付けてやってー、チョーマックスデケーの釣ってー、仁さんにやったって感じ。」

仙人
「なるほど。では、フィールドへ向かうときの服装と、お使いのタックルについてお願いします。」

釣りガールA
「服は大好きなので、天候とか場所に合わせていろいろ用意してます。お気に入りはノースのゴアパーカとモンクレールのダウン。ウェーダーやベストは釣具屋さんで買いました。最近は可愛いデザインが多くて迷っちゃいますね。
最初に揃えたウエダさんの竿とシマノさんのリールは今でも使っています。この前はシーバス用のセットをキャスティングさんに買いに行きました。私はスピニング派ですけど、レバーブレーキつきのリールも面白そう。あと、ベイトタックルにも興味ありますね。」

釣りガールB
「なに言ってんのかよくわかんねーけどー、服はだいたいドンキでしょ。やしーし、パチ屋閉店コースからでも開いてっし。このままドブ行って、そのまま寝れっし。」

仙人
「そのグレーのスエットのままってことですか?」

釣りガールB
「わりぃーかよ!」

仙人
「いえ、すこぶる機能的だと思いますよ。私も部屋着はドンキのスエットですから。黒ですけどね。」

釣りガールB
「だろっ。てか、そっちのねーちゃんスカシてね?ミミズも触れねーのに釣り語ってんじゃねーよ!」

釣りガールA
「絶対触れないなんて言ってないでしょ!ただ気持ち悪いだけよ!あんたはウンコだって平気でしょうけど!」

仙人
「まあまあまあ…何事も十人十色でいいんじゃないでしょうか。さて、Bさんは彼氏さんと一緒に釣りをされる。Aさんはお一人か、女性だけでの釣行はありますか?」

釣りガールA
「ひとりで行くことはありません。だっていざ出掛けるってなったら、荷物もなんやかんやと増えるじゃないですか?私の友人はお嬢ばっかりだから、釣りになんて誘いづらいし、男子に混ざって車で連れてってもらうのが楽ですし。」

仙人
「やはり女性にとって、牛丼屋と釣りは一人じゃ無理ってやつですね。しかしそうすると、趣味としての釣りって、如何せん男性抜きでは成り立たないってことになりませんか?んー、敢えてここでお聞きします。あなたにとって釣りとは?」

釣りガールA
「なんかよく分かんないな。皆でワイワイやるのは楽しいし、釣った魚は美味しいし…。でも、私にとってはショッピングとか海水浴と一緒かもな。」

仙人
「魚を釣ったとき、気持ちいいと思ったことはありますか?」

釣りガールA
「ありますよ。グングン引っ張られるのが面白い!でも正直いうと、釣りってすぐに飽きちゃうんです。そうしたら、コンロでお湯沸かしてコーヒー入れたり、カメラマン係になったりします。男の子達はホントに釣りを楽しんでて、いい写真が撮れるんですよ。」

仙人
「なるほど、Aさんは釣りガールの鑑かもしれませんよ。ではBさん。あなたにとって、ズバリ釣りとは!」

釣りガールB
「ロマンに決まってんじゃん。てゆーか、てめーホントに昼メシおごんだろーなー!」


地球は女性を中心に回っている。

したがって、どんな業界にとっても女性の広告塔としての役割と意義は広く、大きい。たとえそれが女性の参加を促すものではなくてもだ。

生物の進化は不可逆であり、その性質もまた同じである。

古来より、魚を釣る行為自体に喜びを感じるのはおおかた男だけだった。そしてそれはこれからも変わらないだろう。

日がな一日釣糸を垂れ、のどかな景色に溶け込むように浮きを眺め、気長に魚信を待つ。一般に、釣りはこんな風に捉えられている。

ところが現実の釣りはもっと能動的であり、攻撃的である。相手の生活の場を荒らし、さらにはその生をも奪う侵略行為だとも言える。


釣りガールの存在は、男をして狩猟民族であった時代に回帰させ、モチベーションを持続させる効果は期待できる。しかしそれゆえに、女性がマスコットとしての役割から抜け出すことはすなわち、女性のその"らしさ"を失う危険が潜んでいることを感じずにはいられないのである。

岩にしがみついているのも、ヒマラヤで雪焼け顔に満面の笑みも、山ガールではない。

男まさりはしばしば男を萎えさせる。


以前隅田川で、完璧にキメた女性アングラー三人組に出会ったことがある。立ち姿といい、香りといい、適度なエロさが漂っていた。

楽しそうにおしゃぶりしながら、いや、おしゃべりしながら去っていった彼女らは本当にここへ釣りをしに来ているのだろうか。ふと思った。


料理がデキる男はカッコいい。

釣りがデキる女はカワイイか?

答えはNoである。

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