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▼ 一番いい竿はない
- ジャンル:釣り具インプレ
4月5月と、Tulalaとフエルコのロッド展示受注会へお邪魔させて頂き、アングラーさんたちからとても勉強になる話を聞く事が出来ました。
今更勉強?と言われそうですが、まぁいつまでたっても勉強とも。
ご来店いただきました皆様、ありがとうございました。
今回の展示受注会で面白いと思ったのは、実は両方とも「シーバスロッドの展示受注会ではない」という事で、シーバスアングラーとはやはり少しロッドに対する見方、というか立ち位置が異なる点。
特にキャスティングふじみ野点で行われたTulalaは、完全にブラックバスメーカーの合同イベントで、また、フエルコはパックロッド専門メーカーという事もあり、様々な釣りをするお客様が多かったのですが、まず、「基本的に1本のロッドで全部やろうと思っていない」のがよく判りました。
その上で、ピン過ぎない汎用性を求めている人が多かったです。
これは私も最近良く思うのですが、ひとつの対象魚に対し、理想のロッドは1本ではありません。
極端な言い方をすると、「このロッドが1番」なんていう順位付けは、絶対にできないと思っています。
確かに「この釣りに向いている」はかなり絞り込むことはできますが、それでもその中での1番なんてものもありません。
私自身も、もともとルアーフィッシングはブラックバスから入ったので、この考え方はかなり古くから持っています。
例えば、「ブラックバスを釣ろう」と言う目的を持った場合、「何時、何処へ行こう」が最初に出てくると思います。
仮に、「梅雨に霞ヶ浦に行く」と決めた場合、ではルアーやタックルは?となります。
シーバスだったら?と考えても、このアプローチは大して変わりません。
どんな釣りにも、「何時、何処に」が先にあり、「何持っていく?」があります。
この時、ブラックバスの場合は、そこにいる魚を釣る為のパターンを考えます。
霞ヶ浦の梅雨だけどアフターは回復してるかな?→トップの反応出るかな?
回復していないならベイトはエビかな?→ノーシンカーワームやネコリグ?
増水で狭い水路の釣りもあり得るかな?→ライトテキサス?
思いっきり晴れたら、カバー打ち?→ヘビテキ?
という風に、ある程度組み立てますが、次にロッドをどうするか?と言う疑問も発生します。
じつはシーバスとバスの違いは、この先にあります。
上の例のバス釣りでは、この時点で必要なロッドは4本で、それぞれ4種類のリグに対する専用ロッドがあります。
まぁ、1メーカーで揃えるか、多数のメーカーからチョイスするかはそれぞれですが、リグに対する専用ロッドは「その釣りをするならば、絶対的に使いやすい」のが特徴です。
そして、ユーザーはそれは当たり前だという認識を持っています。
もちろん私もその一人で、この釣りばかりやっていた頃は、釣りに行くときには最低でも5セットは準備していました。(スピニング3本、ベイト2本)
ただ、この細分化があまりにも極端になりすぎた時期、「もう少し汎用性を持たせた使いやすさ」のロッドも出てきました。
後にバーサタイルというジャンルになりますが、それでも一本で全てを出来る訳ではなく、5本が3本になる程度で考えてます。
ちなみに、「この釣りしかやらない」と、絞れているならば、ロッドは1本になります。
過剰に細分化されていた時期は、その一つの釣りに3本必用という売り方もされてもいました。
確かにあれば良い(やりやすい)のでしょうが、私はさすがにそこには乗りませんでした。
さて、シーバスの場合はどうなるか・・・というと、多くの人が考える間もなく「バーサタイル」がベースで始まります。
昔は9fのスピニング、今は距離の釣りが増えたので、ちょっと長めの9.4fが好まれるようですね。
これは良い悪いではないのですが、そもそもシーバスは食わせていくパターン云々の前に、魚居るところがコロコロ変わる・・・というか、どこか行っちゃったwなんてことが前提にありますので、そもそも釣りのベースが「魚を探す、魚が居るところに行く、時合で釣る」なのです。
淡水閉鎖水域のバスは、絶対にその水域に居るのですから、どちらかと言えば「食わす工夫」にシフトしていきます。
しかもブラックバスはシーバスと異なり、「止まっているものにも積極的に口を使う」ので、投げて巻くという動作だけはなく、「止めて動かす」という釣り方が非常に有効な時があります。
これがリグの多様性に繋がって、専用ロッドの必要性が生まれてきました。
シーバスの釣りは、投げて巻く中に、レンジ・スピード・アクションの差を求めていきます。
ですから、基本的には「巻き物」の釣りと言えます。
実は釣りの幅的にはものすごく狭いのです。
狭いゆえに、奥深い部分もありますが、確かにこの釣り方だけでは1本で全ての釣りをカバーできそうな気もします。
ですが、それでも1本のロッドで全ての釣りは無理だと、私は思っています。
淡水閉鎖水域や河川のみのブラックバスに比べ、フィールド変化の幅がシーバスは広いのです。
川もあれば港湾もあり、干潟も磯も沖堤もあります。
ボートではジギングも穴打ちもオープンウォーターもあります。
食わせる工夫のリグの多様化に対するロッドバリエーションが豊富なバスに対し、フィールドの多様化に対するバリエーションの豊富さが、シーバスロッドとなると考えています。
また、それぞれのフィールドで細分化された釣り方とルアーも豊富にあります。
ですが、シーバスロッドはバーサタイルが基本です。
なぜなら、一本しか持っていけない場所が多く、アングラーもそれを当たり前とした風土が根付いています。
その一本を、「どれにしようかな」と悩むのは、私も同じです。
幸いにもハーモニクス89を作らせて頂いたので、干潟・河川・港湾のオープンではこの一本でやり通しますし、それを想定していたのでそういう風にも使えるロッドとして作りました。
磯だけはさすがに89では無理なので、磯のミノーイングというテーマで11fは別途作りました。
ただしそれは、「私はこういう釣り方をする」が大前提で、実は同じフィールドに立っても異なる釣り方がメインの人にはベストマッチとはならないと思います。
それで良いのです。
そこに順位という概念は、入る余地すらないはずなのです。
ですから、私はほかのロッドを好んで使っている人へ、「そのロッドよりもこっちのほうが良いですよ」とは、絶対に言わないです。
バーサタイルでありながらも細かく性格が異なるこのジャンルにおいては、その人のロッドを否定することは、そのままバックボーンとなる釣りを否定することになりますので。
当然私は、私の釣りをする上では、89が世界一だと本気で思ってますが(笑)
イベントやフィールドでお会いした時に、私から別のメーカーのロッドを勧められた人は少なくないと思います。
その人がやりたい釣りを聴いたうえで「Tulalaにはそのロッドはない」と判断した時に、進める事があります。
ちなみに過去にシーバス関連では、アピアのナイトホーク、Gクラフトの802とダックスフンド、ダイワの大野君が作ったやつ、フィッシュマンの9fぐらいのベイト等を勧めたことあります。
どうしても、Tulalaにはないジャンルでしたので。
もちろん、Tulalaのロッドが好きで、「Tulalaから選びたいのです」と言ってくれた場合は、限りなくその釣りに近づける事が可能なロッドを紹介します。
そりゃぁ当たり前の話として(笑)
でも、「これでもできる」と「これが良い」はえらい違いなので、そこの説明はすごくします。
しかも、フィールドとアングラーによって、「これが良い」はものすごく変わります。
そういう部分を無視した、「そのロッドより、こっちのロッドが良いよ」なんて事は、口が裂けても言えない事なのです。
ちょっとでもメーカーと絡んでいるなら、なおさら人の釣りや好みを否定することは出来ません。
なぜならば、ユーザーの「欲しい」を形にすることが一つの仕事なのに、そのバックボーンを否定しては本末転倒になるのです。
私はメーカーのセールスマンではありません。
ですから、お世話になっているメーカーの製品でも、「良いものは良い」、「悪いものは悪い」はウソをつきたくないのです。
自分がプロデュースした製品でも、メリデリはかなりはっきり言います。
その上で、「このロッド、ほんと良いね」と思って戴けるように、頑張っているだけなのです。
しかし、たまに私が「この釣りには向かないんだよなぁ~」と思う釣りで、「いやいや、実はすごく使えるんですよ」なんて言ってもらうと、まだまだ精進が足りなかったなぁ~と嬉しくもなります。
ですからごめんなさい。
イベント等で他社メーカーの悪口を、私に言いに来ないでください(笑)
出来れば、「工藤さん、あそこのロッド面白いから、触ってきたほうが良いよ!」と言って戴けると助かります。
(↑今回のログで言いたかったのは、実はこの3行だけだったりするww)
おかげさまで、Turara ハーモニクス89fと11fの評価は、そのジャンルにおけるコアなユーザーさんから高い評価を戴けてます。
自分が思う我儘な理想を形にした時、「それが受け入れられない可能性」と言うのは、言いようのない恐怖でもあるのです(笑)
しかし、私個人的に「この人が使ってくれて、評価してくれたのは嬉しいな」なんてアングラーさんが何人もいる事は、本当に心から感謝させて頂いているのが本音です。
改めて、ありがとうございます。
ロッドは高い買い物。
しかもある程度は消耗品でもあります。
世界中に良いロッドはたくさんあります。
合うか合わないかも、あります。
良いロッドと出会えると、釣りはもっと幸せになります。
今更勉強?と言われそうですが、まぁいつまでたっても勉強とも。
ご来店いただきました皆様、ありがとうございました。
今回の展示受注会で面白いと思ったのは、実は両方とも「シーバスロッドの展示受注会ではない」という事で、シーバスアングラーとはやはり少しロッドに対する見方、というか立ち位置が異なる点。
特にキャスティングふじみ野点で行われたTulalaは、完全にブラックバスメーカーの合同イベントで、また、フエルコはパックロッド専門メーカーという事もあり、様々な釣りをするお客様が多かったのですが、まず、「基本的に1本のロッドで全部やろうと思っていない」のがよく判りました。
その上で、ピン過ぎない汎用性を求めている人が多かったです。
これは私も最近良く思うのですが、ひとつの対象魚に対し、理想のロッドは1本ではありません。
極端な言い方をすると、「このロッドが1番」なんていう順位付けは、絶対にできないと思っています。
確かに「この釣りに向いている」はかなり絞り込むことはできますが、それでもその中での1番なんてものもありません。
私自身も、もともとルアーフィッシングはブラックバスから入ったので、この考え方はかなり古くから持っています。
例えば、「ブラックバスを釣ろう」と言う目的を持った場合、「何時、何処へ行こう」が最初に出てくると思います。
仮に、「梅雨に霞ヶ浦に行く」と決めた場合、ではルアーやタックルは?となります。
シーバスだったら?と考えても、このアプローチは大して変わりません。
どんな釣りにも、「何時、何処に」が先にあり、「何持っていく?」があります。
この時、ブラックバスの場合は、そこにいる魚を釣る為のパターンを考えます。
霞ヶ浦の梅雨だけどアフターは回復してるかな?→トップの反応出るかな?
回復していないならベイトはエビかな?→ノーシンカーワームやネコリグ?
増水で狭い水路の釣りもあり得るかな?→ライトテキサス?
思いっきり晴れたら、カバー打ち?→ヘビテキ?
という風に、ある程度組み立てますが、次にロッドをどうするか?と言う疑問も発生します。
じつはシーバスとバスの違いは、この先にあります。
上の例のバス釣りでは、この時点で必要なロッドは4本で、それぞれ4種類のリグに対する専用ロッドがあります。
まぁ、1メーカーで揃えるか、多数のメーカーからチョイスするかはそれぞれですが、リグに対する専用ロッドは「その釣りをするならば、絶対的に使いやすい」のが特徴です。
そして、ユーザーはそれは当たり前だという認識を持っています。
もちろん私もその一人で、この釣りばかりやっていた頃は、釣りに行くときには最低でも5セットは準備していました。(スピニング3本、ベイト2本)
ただ、この細分化があまりにも極端になりすぎた時期、「もう少し汎用性を持たせた使いやすさ」のロッドも出てきました。
後にバーサタイルというジャンルになりますが、それでも一本で全てを出来る訳ではなく、5本が3本になる程度で考えてます。
ちなみに、「この釣りしかやらない」と、絞れているならば、ロッドは1本になります。
過剰に細分化されていた時期は、その一つの釣りに3本必用という売り方もされてもいました。
確かにあれば良い(やりやすい)のでしょうが、私はさすがにそこには乗りませんでした。
さて、シーバスの場合はどうなるか・・・というと、多くの人が考える間もなく「バーサタイル」がベースで始まります。
昔は9fのスピニング、今は距離の釣りが増えたので、ちょっと長めの9.4fが好まれるようですね。
これは良い悪いではないのですが、そもそもシーバスは食わせていくパターン云々の前に、魚居るところがコロコロ変わる・・・というか、どこか行っちゃったwなんてことが前提にありますので、そもそも釣りのベースが「魚を探す、魚が居るところに行く、時合で釣る」なのです。
淡水閉鎖水域のバスは、絶対にその水域に居るのですから、どちらかと言えば「食わす工夫」にシフトしていきます。
しかもブラックバスはシーバスと異なり、「止まっているものにも積極的に口を使う」ので、投げて巻くという動作だけはなく、「止めて動かす」という釣り方が非常に有効な時があります。
これがリグの多様性に繋がって、専用ロッドの必要性が生まれてきました。
シーバスの釣りは、投げて巻く中に、レンジ・スピード・アクションの差を求めていきます。
ですから、基本的には「巻き物」の釣りと言えます。
実は釣りの幅的にはものすごく狭いのです。
狭いゆえに、奥深い部分もありますが、確かにこの釣り方だけでは1本で全ての釣りをカバーできそうな気もします。
ですが、それでも1本のロッドで全ての釣りは無理だと、私は思っています。
淡水閉鎖水域や河川のみのブラックバスに比べ、フィールド変化の幅がシーバスは広いのです。
川もあれば港湾もあり、干潟も磯も沖堤もあります。
ボートではジギングも穴打ちもオープンウォーターもあります。
食わせる工夫のリグの多様化に対するロッドバリエーションが豊富なバスに対し、フィールドの多様化に対するバリエーションの豊富さが、シーバスロッドとなると考えています。
また、それぞれのフィールドで細分化された釣り方とルアーも豊富にあります。
ですが、シーバスロッドはバーサタイルが基本です。
なぜなら、一本しか持っていけない場所が多く、アングラーもそれを当たり前とした風土が根付いています。
その一本を、「どれにしようかな」と悩むのは、私も同じです。
幸いにもハーモニクス89を作らせて頂いたので、干潟・河川・港湾のオープンではこの一本でやり通しますし、それを想定していたのでそういう風にも使えるロッドとして作りました。
磯だけはさすがに89では無理なので、磯のミノーイングというテーマで11fは別途作りました。
ただしそれは、「私はこういう釣り方をする」が大前提で、実は同じフィールドに立っても異なる釣り方がメインの人にはベストマッチとはならないと思います。
それで良いのです。
そこに順位という概念は、入る余地すらないはずなのです。
ですから、私はほかのロッドを好んで使っている人へ、「そのロッドよりもこっちのほうが良いですよ」とは、絶対に言わないです。
バーサタイルでありながらも細かく性格が異なるこのジャンルにおいては、その人のロッドを否定することは、そのままバックボーンとなる釣りを否定することになりますので。
当然私は、私の釣りをする上では、89が世界一だと本気で思ってますが(笑)
イベントやフィールドでお会いした時に、私から別のメーカーのロッドを勧められた人は少なくないと思います。
その人がやりたい釣りを聴いたうえで「Tulalaにはそのロッドはない」と判断した時に、進める事があります。
ちなみに過去にシーバス関連では、アピアのナイトホーク、Gクラフトの802とダックスフンド、ダイワの大野君が作ったやつ、フィッシュマンの9fぐらいのベイト等を勧めたことあります。
どうしても、Tulalaにはないジャンルでしたので。
もちろん、Tulalaのロッドが好きで、「Tulalaから選びたいのです」と言ってくれた場合は、限りなくその釣りに近づける事が可能なロッドを紹介します。
そりゃぁ当たり前の話として(笑)
でも、「これでもできる」と「これが良い」はえらい違いなので、そこの説明はすごくします。
しかも、フィールドとアングラーによって、「これが良い」はものすごく変わります。
そういう部分を無視した、「そのロッドより、こっちのロッドが良いよ」なんて事は、口が裂けても言えない事なのです。
ちょっとでもメーカーと絡んでいるなら、なおさら人の釣りや好みを否定することは出来ません。
なぜならば、ユーザーの「欲しい」を形にすることが一つの仕事なのに、そのバックボーンを否定しては本末転倒になるのです。
私はメーカーのセールスマンではありません。
ですから、お世話になっているメーカーの製品でも、「良いものは良い」、「悪いものは悪い」はウソをつきたくないのです。
自分がプロデュースした製品でも、メリデリはかなりはっきり言います。
その上で、「このロッド、ほんと良いね」と思って戴けるように、頑張っているだけなのです。
しかし、たまに私が「この釣りには向かないんだよなぁ~」と思う釣りで、「いやいや、実はすごく使えるんですよ」なんて言ってもらうと、まだまだ精進が足りなかったなぁ~と嬉しくもなります。
ですからごめんなさい。
イベント等で他社メーカーの悪口を、私に言いに来ないでください(笑)
出来れば、「工藤さん、あそこのロッド面白いから、触ってきたほうが良いよ!」と言って戴けると助かります。
(↑今回のログで言いたかったのは、実はこの3行だけだったりするww)
おかげさまで、Turara ハーモニクス89fと11fの評価は、そのジャンルにおけるコアなユーザーさんから高い評価を戴けてます。
自分が思う我儘な理想を形にした時、「それが受け入れられない可能性」と言うのは、言いようのない恐怖でもあるのです(笑)
しかし、私個人的に「この人が使ってくれて、評価してくれたのは嬉しいな」なんてアングラーさんが何人もいる事は、本当に心から感謝させて頂いているのが本音です。
改めて、ありがとうございます。
ロッドは高い買い物。
しかもある程度は消耗品でもあります。
世界中に良いロッドはたくさんあります。
合うか合わないかも、あります。
良いロッドと出会えると、釣りはもっと幸せになります。
- 2018年5月25日
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駆け出しの自分にはまだまだ本質が見えてきませんが磯、サーフでよき相棒で記憶に残る魚を釣った時にいつもharmonixが華を添えてくれます。写真を見るとニヤニヤが止まりません笑好きな道具は釣りをますます豊かにしてくれると感じました!
ほんずなし