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最後の鱸釣り

  • ジャンル:釣行記
彼と最初に出会ったのは、仲間の取材の時だった。
 
プロアングラーでもある友人と釣りに行ったときに、雑誌社の記者として紹介され、干潟で一緒に釣りをした。
 
友人は取材。
私たち数人の仲間は、邪魔にならないように離れたところで釣りをした。
 
その業界の仕組みとかは良く解らなかったけど、ただ一緒に釣りをしたのだと思っていたが、たまたま私も良い釣果だったので、ちょこっと掲載されてたりした。
 
七つのネタを持つ男って知ってる?
知ってたらかなりマニアだ(笑)
 
二度目は数年後、fimo立上げの時で「仕組み作り」をやっていた頃。
 
幾つかの企画で彼が絡むことがあり、何かの話をした記憶がある。
あちらはお仕事。
こちらは友人のお手伝い。
それ以上でもなく、それ以下でもないので、釣りとしては何の関係も無い事。
 
fimoが出来て、メールで色々と絡んだのだが、やがて取材依頼が来た。
 
ソルト&ストリームの2色ページの隙間埋める話しで、まぁ旬な釣りを適当に・・・みたいな感じだったのだが、ちょうどその時の旬がウェットスーツじゃないと出来ないウェーディングだった。
 
雑誌でそれは無理でしょ?という話をしたら、「それでも良いよ」と言う事で、自身釣りでは初の雑誌取材となった。
 
当日はそれなりに。
ロッドが折れたり流されたり。
いつもの釣りをしただけ。
 
でも、面白かったらしい。
 
そこから不定期連載と言う形で、ソルト&ストリームの「今月の工藤」が始まった。
 
やがてお互いに立場は変わって行く。
私はメーカーとの付き合いが始まったり、色々とアングラー同士の関係も広がる。
 
それでも、あの時の釣りが原点であり、一切ブレずに「今月の工藤」の取材は続いた。
 
私たちが何よりも大切にしていたのは、たった1つだけのこと。
 
記事で嘘をつかない。
 
たったコレだけの事なんだけど、実はコレはけっこう大変な事らしく、また、コレが大変なのだと言う事が、彼の記者としての嘆きであり正義でもあった。
 
それは雑誌の収益の仕組みによるものも在るし、メディアアングラーの立場と言う問題もある。
 
個人的には、正義とか悪ではなく、業界構造がそうするのだから、どうしようもない部分はあると思う。
 
自分がそれに飲まれなければ良いだけ。
そこが「仕事でそこに居る彼」との違いかもしれない。
 
さてそんな彼。
雑誌のライターと言う名目で、日本の津々浦々で釣りをしてきたから、経験している場数は普通ではない。
 
もちろん、そういう生活をしているから、手から零れ落ちたものは数多くあるかもしれないが、彼はそれでいいのだ。
 
スズキ釣りが好きだから、それを選んでいる。
 
釣りで飯を食うなら、誰よりも釣りを愛すべきだし、それが当たり前だ。
 
でも、意外とコレは難しい。
何事も趣味を仕事とした瞬間に多くの人が失うものだったりする。
 
ただ、少なくとも彼は、私が会ったどんな商業アングラーよりも愚直に釣りを愛していた。
 
当然、彼とは上手く行かない人も多いだろう。
 
ぶっちゃけ、仕事でこういう相手は疲れるかもしれない。
が、私は釣りは趣味なので、どこまでも馬鹿なこの男と、釣りをすることが楽しかったし、彼の仕事のできばえに一切の口を挟むことをしなかった。
 
具体的に言うと、記事校正は一切しなかった。
 
メーカーの意図、商業アングラー像など、上げたらキリが無いほどの「メーカーから一言いいたくなる事」はあったが、取材は常に一発勝負で、そこで起きた事を好きに書いてもらってきた。
 
それが出来たのは、「広告を入れてページを買ってない」と言う事と、「私をスポンサードしてくれたメーカーの懐の深さ」にもよる。
 
※一回もメーカーからクレームが入らなかったことへ、心より感謝しています。
 
余計な意図はなく、好きな釣りだけを選んで、それを伝えていきたかった。
 
 
西へ東へ、南へ北へと、取材という括りでひたすらに彼と釣りをした。
 
2人で魚を探し追い求め、時に笑い、怒り、罵り合いながら多くの事を学んだ。
 
やがてそれも終焉の時を迎える。
彼が雑誌記者をやめる時が来たのだ。
 
まぁいつか来るとは解っていたし、驚くほど早くもなかった。
むしろ、良くココまでもったなと。
 
 
その時に色々と話はあったけど、様々な要素がありすぎるので、そこは割愛させて頂く。
彼の仕事の事なので、口を挟むことではない。
 
一つハッキリさせたのは、「今月の工藤」はもうない。
 
いわゆる一般的な雑誌記事は、依頼があれば喜んでやらせて頂くが、「今月の工藤」は彼が居て始めて出来る事だったし、何よりもそれを他の記者さんで続けるのは筋違いだと思う。
 
こうして、二人でのスズキ釣りは中途半端な状態で幕を閉じ、半年以上が過ぎた。
 
ちょこちょこと連絡を取りつつ。。。
お互いの近況なんかを話しつつ。。。
 
いつも思うのは、どうやってこの男は今後生きていくのか。
 
生きていくだけなら、日本はかなり簡単な国だけど、問題はココまで釣りを愛してきた生き方が、こんな終わり方で良いのかと。
 
彼は鱸釣りを愛し、それを伝えたくてこの道を歩んできて、その終わりがコレなのかなと。
 
でも、私がそれをどうこうできることは無い。
彼の生き方の問題だから。
 
それでも、どことなく私の中では、物書きとしての彼の今後があっても良いんじゃないのかな?と言う気持ちはあった。
 
もちろんそれは、本気の鱸釣りがあっての話し。
 
 
8月の終わりか、9月か。
 
その道が無いことを、彼の口から改めて聞く。
ほぼ行き先を決めたようで、もうそこに鱸釣りの姿は無い。
 
その日はしばらく話し込み、10月頃にでも一緒に遠征へ行くこととした。
 
言いたい事は腐るほどあるけど、釣りで始まったんだから釣りスりゃ良いんだ。
 
場所は関東河川。
お馴染みの、金曜夜から日曜夕マズメまでの強行2泊3日スタイル。
 
たぶん最後の「今月の工藤」になる。
もちろん、雑誌に掲載される事はない。
 
 
つづく
 

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