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▼ 最後の鱸釣り
- ジャンル:釣行記
彼と最初に出会ったのは、仲間の取材の時だった。
プロアングラーでもある友人と釣りに行ったときに、雑誌社の記者として紹介され、干潟で一緒に釣りをした。
友人は取材。
私たち数人の仲間は、邪魔にならないように離れたところで釣りをした。
その業界の仕組みとかは良く解らなかったけど、ただ一緒に釣りをしたのだと思っていたが、たまたま私も良い釣果だったので、ちょこっと掲載されてたりした。
七つのネタを持つ男って知ってる?
知ってたらかなりマニアだ(笑)
二度目は数年後、fimo立上げの時で「仕組み作り」をやっていた頃。
幾つかの企画で彼が絡むことがあり、何かの話をした記憶がある。
あちらはお仕事。
こちらは友人のお手伝い。
それ以上でもなく、それ以下でもないので、釣りとしては何の関係も無い事。
fimoが出来て、メールで色々と絡んだのだが、やがて取材依頼が来た。
ソルト&ストリームの2色ページの隙間埋める話しで、まぁ旬な釣りを適当に・・・みたいな感じだったのだが、ちょうどその時の旬がウェットスーツじゃないと出来ないウェーディングだった。
雑誌でそれは無理でしょ?という話をしたら、「それでも良いよ」と言う事で、自身釣りでは初の雑誌取材となった。
当日はそれなりに。
ロッドが折れたり流されたり。
いつもの釣りをしただけ。
でも、面白かったらしい。
そこから不定期連載と言う形で、ソルト&ストリームの「今月の工藤」が始まった。
やがてお互いに立場は変わって行く。
私はメーカーとの付き合いが始まったり、色々とアングラー同士の関係も広がる。
それでも、あの時の釣りが原点であり、一切ブレずに「今月の工藤」の取材は続いた。
私たちが何よりも大切にしていたのは、たった1つだけのこと。
記事で嘘をつかない。
たったコレだけの事なんだけど、実はコレはけっこう大変な事らしく、また、コレが大変なのだと言う事が、彼の記者としての嘆きであり正義でもあった。
それは雑誌の収益の仕組みによるものも在るし、メディアアングラーの立場と言う問題もある。
個人的には、正義とか悪ではなく、業界構造がそうするのだから、どうしようもない部分はあると思う。
自分がそれに飲まれなければ良いだけ。
そこが「仕事でそこに居る彼」との違いかもしれない。
さてそんな彼。
雑誌のライターと言う名目で、日本の津々浦々で釣りをしてきたから、経験している場数は普通ではない。
もちろん、そういう生活をしているから、手から零れ落ちたものは数多くあるかもしれないが、彼はそれでいいのだ。
スズキ釣りが好きだから、それを選んでいる。
釣りで飯を食うなら、誰よりも釣りを愛すべきだし、それが当たり前だ。
でも、意外とコレは難しい。
何事も趣味を仕事とした瞬間に多くの人が失うものだったりする。
ただ、少なくとも彼は、私が会ったどんな商業アングラーよりも愚直に釣りを愛していた。
当然、彼とは上手く行かない人も多いだろう。
ぶっちゃけ、仕事でこういう相手は疲れるかもしれない。
が、私は釣りは趣味なので、どこまでも馬鹿なこの男と、釣りをすることが楽しかったし、彼の仕事のできばえに一切の口を挟むことをしなかった。
具体的に言うと、記事校正は一切しなかった。
メーカーの意図、商業アングラー像など、上げたらキリが無いほどの「メーカーから一言いいたくなる事」はあったが、取材は常に一発勝負で、そこで起きた事を好きに書いてもらってきた。
それが出来たのは、「広告を入れてページを買ってない」と言う事と、「私をスポンサードしてくれたメーカーの懐の深さ」にもよる。
※一回もメーカーからクレームが入らなかったことへ、心より感謝しています。
余計な意図はなく、好きな釣りだけを選んで、それを伝えていきたかった。
西へ東へ、南へ北へと、取材という括りでひたすらに彼と釣りをした。
2人で魚を探し追い求め、時に笑い、怒り、罵り合いながら多くの事を学んだ。
やがてそれも終焉の時を迎える。
彼が雑誌記者をやめる時が来たのだ。
まぁいつか来るとは解っていたし、驚くほど早くもなかった。
むしろ、良くココまでもったなと。
その時に色々と話はあったけど、様々な要素がありすぎるので、そこは割愛させて頂く。
彼の仕事の事なので、口を挟むことではない。
一つハッキリさせたのは、「今月の工藤」はもうない。
いわゆる一般的な雑誌記事は、依頼があれば喜んでやらせて頂くが、「今月の工藤」は彼が居て始めて出来る事だったし、何よりもそれを他の記者さんで続けるのは筋違いだと思う。
こうして、二人でのスズキ釣りは中途半端な状態で幕を閉じ、半年以上が過ぎた。
ちょこちょこと連絡を取りつつ。。。
お互いの近況なんかを話しつつ。。。
いつも思うのは、どうやってこの男は今後生きていくのか。
生きていくだけなら、日本はかなり簡単な国だけど、問題はココまで釣りを愛してきた生き方が、こんな終わり方で良いのかと。
彼は鱸釣りを愛し、それを伝えたくてこの道を歩んできて、その終わりがコレなのかなと。
でも、私がそれをどうこうできることは無い。
彼の生き方の問題だから。
それでも、どことなく私の中では、物書きとしての彼の今後があっても良いんじゃないのかな?と言う気持ちはあった。
もちろんそれは、本気の鱸釣りがあっての話し。
8月の終わりか、9月か。
その道が無いことを、彼の口から改めて聞く。
ほぼ行き先を決めたようで、もうそこに鱸釣りの姿は無い。
その日はしばらく話し込み、10月頃にでも一緒に遠征へ行くこととした。
言いたい事は腐るほどあるけど、釣りで始まったんだから釣りスりゃ良いんだ。
場所は関東河川。
お馴染みの、金曜夜から日曜夕マズメまでの強行2泊3日スタイル。
たぶん最後の「今月の工藤」になる。
もちろん、雑誌に掲載される事はない。
つづく
- 2014年10月16日
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