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あのスズキはどこに・・・

  • ジャンル:日記/一般
限界点に行くからこそ見えてくるものがあります。
 
たとえばルアーでのスズキ釣り。
どこまで動かすか、どれだけ動かさないか。
どこまで登るか、どの深さで食ってくるか。
いつまで居るか、いつから居るか。
 
そして、その答えから「常識とは、自らが作るただの壁である」と気がつけるのです。
今までに何度「ココにはシーバスは居ない」と思い込み、そのチャンスを潰してきてしまったのか。
 
そんな思いから、ほんの一瞬に見せる自然からの恵みを掴む為に、シーバスの遡上限界点を探す旅をしています。
数少ないですが、その時の達成感を知っているので止められません♪
 
去年から関東のある大河川を開拓していますが、過去に釣れた話しがある場所はスルーして、そのさらに上流を目指しています。
始まりはちょっとした好奇心だったのですが、今じゃぁ大真面目に私の釣りの軸となっています。
 
さて、そんな話をコレまでに何回かリリースしてきましたが、今回はちょっと別の水系の上流域へ行って来ました。
相模湾へ注ぐある河川の上流域です。
 
この河川は、関東大震災以降に大きく魚の生息域が変わったと言われています。
所々で大規模な地すべりが発生し、閉鎖水域となった為に魚が遡上できなくなったのです。
しかし、それから長い年月が経ち、人間が行った治水事業によって大きく状況が変わった「かも知れません」と。。。
 
そんな事で、調査をしに行きました。
「そこはシーバス居ないよ」と普通に言われそうな場所ですが、それは「そこでシーバスやったことがない」だけかと思います。
ただ、震災以前の古い文献には「巨大な銀色の魚体を、数名の村人が確認した」と載っています。
 
なお、今回はかなり危険な状況が予想されるので、単独釣行ではなく合計4名の部隊が編成されました。
スペースシャトルにおける地球外空間での活動と同じく、この調査隊は各隊員それぞれに別々の任務を持っての参加となります。
私は「シーバスの遡上限界点調査」ですが、ある隊員は「高高度での精神状況の変化とその要因調査」であったり、またある隊員は「ハーネスの製品テスト」であったりと。。。
その隊をまとめるのは、過去に谷川岳で救助履歴あり(された側)のあの人です。
 
6:00に藤沢の中継点を出発。
1時間後に山の麓のサイトで調査隊と合流しました。
このサイトは、調査の為に必要な製品(特に食料品)を24時間サポート可能状態を維持しています※1
ここで点呼を行い、今回の調査工程で必要とされる食料を購入。
車2台でアタックポイントに最も近いサイトまで向かいました。
 
途中、昨晩の大雨によって出来た川を何箇所か渡り、車で稼げるだけ高度を上げていきます。
 
やがて中規模な川原に出来たサイトに到着しました※2

ココには山小屋があり、その周りへ別の隊がすでにテントを張り、なにやら準備をしています。
さっそく私達も車を止め、準備に掛かります。
私を含めてクライミング初心者が隊にいることもあり、ロープワークや合図の仕方、基本的なクライミング技術を隊長からレクチャーされます。
その中でポツリと一言「あの~、ロープワークが沢山ありすぎて覚えられないんですけど・・・」とつぶやいてみました。
なんせ、今までに何回も船に乗ってきたにもかかわらず、未だに接岸の度に「これどうやるんですか?」と言ってる私です。
一片に6つも覚えられません。
 
そして隊長は言いました「覚えられなければ死ぬだけです」と。。。
1時間必死に講習を受けましたが、その言葉が決して大げさではない事に気が付くのに、さほどの時間も掛かりませんでした。
 
この河川は、すでに人間の管理行為が及ばないエリアであり、当然ながら川沿いに進む道なんて物は在りません。
その為に全工程を水の中を進む事になります。
稜線に登山道が在りますが、谷はその位置から最も離れた場所に存在します。
地図で確認しましたが、最終地点まで登りきらないと下山道がないのです。
これは、「諦める事が最も辛い結果になる」という事実を示しています。
逆に言えば、私の目的である「シーバスの遡上限界点調査」には、とても向いているミッションとなります。
水のない場所にシーバスは居ませんからね♪
 
一通りのレクチャーが終了し、装備の最終チェックを行いました。
なんだかんだで20kgほどの重さになったバックパックが肩に食い込んだ時、一つの決断をしました。
『こりゃぁ、釣具は持ってけないな・・・』と※3
ウェットスーツにヘルメットと、何時もの釣りと変わりませんが、クライミングの難易度は100倍ほど高いと思われます。
片手で行けば、生存率も半分になります。
大きな不安と期待を胸に、ミッションが開始されました。
 
隊長がトップで、縦列になって川を上ります。
私はシンガリで隊全体を見渡す位置で、ゆっくりと登ります。
入水ポイントは4mほどの川幅だったのですが、5分も進むといきなり川の様相が変わりました。
渓の落差が激しくなり、我々の行く手を阻みます※4
 
「こんな所にスズキが果して居るのだろうか?」と疑問が浮かびましたが、例の文献にあった「巨大な銀色の魚体を見た」という文字に望みを掛けて、激しく顔に打ち付ける水を掻き分けていきます。
持病のヒザの痛みはまだ発生していませんでしたが、それ以上に「ただ進むだけ」という行為が体力を奪っていくのが解りました。
しかし、素晴らしい渓相が私を癒してくれていたのも事実です。
 
10分か1時間ほど経ったのか、判断できなくなった頃に隊長が足を止めました。
そこには落差5mほどの滝が姿を現したのです。
狭い谷間に滝から飛び散る粒子状の水分が充満し、明らかに「この先は選ばれた人間しか行くことを許さない空気」が漂っています。
 
「工藤さん、ロープを下さい」と言われ、背負っていた30mのロープを隊長に渡しました。
「さぁ始まりですよ」と不敵な笑みを浮かべた隊長のあの顔を、私は一生忘れる事はないでしょう。
 
隊長の指示に従って私の体を太い木に固定し、そのロープの端を持って単独で隊長が滝を登ります。
私達隊員が命を預ける「確保点」を、隊長がリスクを背負って造りにいくのです。
 
しかし、固唾をのんで見守る私達の不安をよそに、あっという間にトップまで上り詰め、その姿は見えなくなってしまいました。
ただ、手に持つロープ越しに、生命反応は確実に伝わってきます。
 
数分後、見上げる大岩からヒョコッと顔を出した隊長が「確保OK!登ってきて~♪」とジェスチャーで合図を出しました。
 
さて、顔を見合わせる三人・・・
「いや~、登れって言われても、何を使って登るの?」と。。。
そう、三人とも「ロープワークに全く自信がない」のです。
試練です。
肉体的試練はこの後にいくらでも体験しますが、精神的な不安に対する試練はコレが一番でした。
三人でああでもないこうでもないと話し、「うん、たぶん」を連呼しながら10分ほどの時間が経過。
上から隊長が指示を出していますが、滝の音で何にも聞こえません・・・
「何言ってるか聞こえませ~ン」の合図を5回ほどした頃に、「きっとコレで正解ですよね?ね???」と言う事にして一人の隊員がアタックをしました。
 
ロープに頼らず、身体能力の高さでクリアー!
そして2人目の隊員がアタック!
一度落ちたけどロープワークが正解だったようで、無事にクリアー!
 
残された私は、ここで疑問が発生しました。
確かシンガリは違うロープワークだったような・・・
 
物凄く不安です。
取り付く岩はコケでヌルヌル。
小さな岩の出っ張りにとりあえず手を掛け、トラクション掛けたらポロリと・・・
 
隊長はさっき言ってました。
「システムがしっかり出来ていれば、落ちても死ぬ事は在りません」と。
でも、そのシステムが妙に不安なのです。
 
しかし滝の上では3人が笑いながら私を見ています。
コレを行かないと、シーバス遡上点の調査もで来ません。
 
色々と考えて、『ほどけなくても良いから、ほどけない結び』(結びは、後からほどく事が前提のシステムです。ココで言う「ほどけなくても良い結び」とは、後がめんどくさいけど命が優先という事です。)にして、滝に取り付きました。
 
激しい水の抵抗を受け流し、一歩一歩確実に三点確保を守りながら登ります。
やがて最後の岩をクリアした時に、隊長が笑いながら「ご苦労さん。後ろ見てください」といいました。
見ません(キッパリ)。
なぜなら高所恐怖症だからです(爆)
 
そしてまた遡行が始まりました。
30分登っては同じように滝が現れます。
一つとして同じ滝はなく、簡単に見えても難しかったり、逆に「コレは登れないのでは・・・」と思っても、意外とルートが在って登れたり。
 
でも相変わらずシステムの覚えが悪い私達は、隊長の足を引っ張ります。
たぶん、このシステムをきちんと理解していれば、あと3時間は時間を短縮できたのではないかと思います。
 
ひたすら滝をクリアーする快感におぼれて時間の経過を忘れた頃に、明らかに今までとは意味が違う滝が現れました。
30m級の滝です。
滝つぼには獣の骨が散乱し、左右には回避ルートが見当たりません。
 
マップではこの滝を越えて、後一つ小さな滝を越えれば山頂の下山ルートとなっていました。
私が追い求めている「巨大な銀色の魚体」を村人が見たとされているのは、この滝の上の場所であり、今回のクライマックスです。
 
この時点で17:00。
なんとしてもこの滝を登りたいのです。
 
しばしの休憩後、意を決して隊長がアタックしました。
最初の取っ掛かりが無く、かなり難しい状況です。
数分格闘しましたが、肩車で何とか取り付きました。
 
しかし、そこから数m登ったところから、次ぎの一手が見つからないのです。
ルートを頭に叩き込む私達。
増水の為に「たぶん普通はこっちから・・・」のルートがふさがれて居ます。
 
限界までアタックした隊長でしたが、迂回を決めたようでした。
まぁ、仕方なし。
 とり合えず、滝から少し離れた場所で高巻きできそうな場所を見つけました。
しかし、滝を登るのと同じぐらい難しいです。
隊長は何とか最初のテラスまで登ったのですが、続く隊員がかなり厳しい様子※5
 
たった一つの崖。
ココまで何とか頑張ってきましたが、最後に大きな試練となってしまいました。
18:30に日没までの時間と全体のスキルを考え、隊長が撤収を決断しました。
越えられなかった滝の前での記念写真
私(左端)が手に持ってるのはイノシシ?の骨
 
さて、撤収。
決まったなら早いとこやら無いと、ちょっとヤバイ空気が流れてます。
リザーバーで散々ブラックバスやって来たから解っているのです。
あと1時間で闇が来ます。
 
沢のルートが使えないので、下山で使うはずだった登山道を狙って一気に斜面を登ります。
また、斜度30度以上のガレ場は、ほんとうに危険なのです。
ワンミスで数百メーターの滑落になり、それは死を意味しています。
 
焦りは事故を招くので、「まぁ暗くなったら一泊ですね」と話しながら、ほんとうに慎重に斜面を登って行きます。
稜線は見えているので、「あそこまで行けば登山道がある」という気持ちが、隊員の最後の気力を搾り出していました。
 
今までクリアしてきたどの滝よりも、シビアで危険な状況が続きます。
やがて闇の気配が出だした頃、シンガリの私に隊長が「工藤さん、ライトの準備してください」といいました。
「出来ません!」と、キッパリ。
だってココ、手を離した瞬間に50mは滑落します。。。。
確保無しではとてもじゃないけど、リュックを前に持ってくるなんて出来ないのです。
かと言って、足場が良いルートは落石がバンバン落ちてきます。
 
100m登った確保地点にやっと4人がそろいました。
稜線に近いのでギリギリの明るさを確保していますが、さっきまで居た沢の付近は完全に闇に囲まれていました。
足元から闇が迫って来るのです。
 ライトを点灯し、ここからリスタートしました。
稜線まであと数百m。
 
やがてトップが稜線に到達し「登山道がありました~!」と声が聞こえた頃、後ろを振り返りました。
山の頂き付近から見下ろす街の灯りは、一つ一つが命の灯火に見えます。
 
登山道に出たところで一息。
同時に襲ってくる不安があります。
それは「家族が遭難届けを出す恐怖」です。
 
何故か隊長含めてみんな電池切れ(爆)
あわてて自分の携帯をチェック。
やばいです。
電池が残りわずか。
非情にもデジタルな横棒が1本しか在りません。
 
速攻でクミちゃんにメール。
校正一切無しで「ただいま下山中。安心してください。」のみを電波に乗せて放出。
その携帯を隊員に渡すと速攻で電話を掛ける。
「あ、オレオレ、もう下山してるから心配しないで!」と3秒で言ってガチャ!!※6
隊長が「早く早く!早く貸して!」と言うので渡すと、必死にメールアドレスを打ち嫁さんにメール※7
 
一番落ち着いていたのは、唯一の女性隊員でした。
「彼氏に連絡しなくて平気?」と聞けば、「私は大丈夫です♪」と笑顔※8
 
それから1時間半掛けて下山しました。
登山道って凄いです。
遠回りでも確実に歩いて下りられるんですね。
駐車場では、あちらこちらのテントに灯がともり、ワールドカップの観戦をしているようでした。
私はウェットスーツの汗を流す為、冷たくなった川に入りました。
 
私達が諦めたポイントを流れてきた水で、オーバーヒートした体を冷やします。
 
今回、残念ながらシーバスの遡上限界点は見れませんでした。
あの滝の上に居るかもしれないし、居ないかもしれません。
ひょっとしたら、それは遡上したシーバスではなく、ヤマトスズキなのかもしれません。
ただ、その噂だけがいつまでも。。。
 
いつか、また、あの滝を越える為に、ここへ来る事と思います※9
皆様お疲れ様でした&ありがとうございました。
 
※1-世間ではコンビニと呼ばれてます
※2-ただのキャンプ場という話し
※3-最初から持っていく気も在りません
※4-源流域とも言います
※5-あ、そういえば隊長、一回落ちてきましたね・・・
※6-つうか、知らない電話番号から掛かってきたら、ただのオレオレ詐欺ではないかと
※7-隊長、これで繋がらなかったら2度目の遭難認定ですか?
※8-3時間後にこっぴどく怒られたようです
※9-お気付きかと思いますが、今回はただの沢登りです。

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