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禍福は糾える縄の如し
(かふくはあざなえるなわのごとし)とは、
人生をより合わさった縄にたとえて、幸福と不幸は変転するものだという意味の故事成語です。
不幸を嘆いていると、いつの間にか幸福となり、幸福を喜んでいると、また不幸になる、ちょうどそれは「より合わせた縄のように表裏が交互にやってくる」ということを表しています。
感染病に心を悩まし、外出を控えたりている方が殆どだと思います。 人生不幸ばかりではありません。
希望を持って生きて行きましょう!
▼ 旅に出ている【120尾目】
- ジャンル:日記/一般
オニギリで御座います。
最近、しばしば旅に出ている。
旅と言っても然程遠方では無いけれど、日帰りでは少し遠い距離だ。 まあ、転勤族の自分の人生は寄り道ばかりで、
常に旅の途中とも言えなくは無いが(笑)
自分にとって、旅で重要なのが文化であり、歴史や伝統、自然、そこに暮らす人の価値観が重要である。
そんな旅先で出会う食も大切な要素で、旅の醍醐味の一つである。
今回は栃木県日光市森友285 に所在する
古民家酒房 菜音 ZION
電話0288-22-8488
を紹介したいと思う。
当初、湯葉料理か大田原牛を食べで帰宅する予定だったのだが、移動距離を考えると夕飯には遅い時間になってしまった。 陽はとっくに落ち、田園が広がる景色には街灯はほぼ無く、辺りは真っ暗で少し怖い位である。 闇磯に慣れていても怖いものは怖い(笑)
困り果てて車まで周囲を散策するが良い面構えの店が無い。
道を変え生活道路を少し進んだ場所に突然その店が現れた。
道路沿いの看板には もつ鍋 とある。
仕方ない
我慢するか。
九州に転勤経験のある自分には、博多でもつ鍋は散々味わって来たので、少し旨い位では、微塵も驚かない。 ここだけの話しだが九州の大衆食文化は、東京よりずっと上だ。安いうえに美味くボリュームがある。
古民家を改修したアートギャラリー風の面構えからして高級店だが、所詮もつ鍋であるので、価格は知れている。少しばかりの勇気を出して、味わいのある玄関をくぐる。
広々とした玄関。 ステンドグラスの引き戸を抜けると、
暖色系の薄灯で落ち着いた雰囲気にSmoothJazzが良く似合。 厚みのある天然木の奥行きのある広々とした居心地の良さ気なカウンター席に心が奪われて、吸い込まれるように腰を降ろした。
メニューに目をやると もつ鍋 は片隅にあるが、海鮮がメインの飲み屋である。 おまけに鹿肉のジビエ料理まである。
ここはいったい何屋だ?
少し戸惑う(笑)
自分は海の近くで暮らし、釣りもして、釣った魚は自ら調理し、美味い魚は散々食べて来た。日光に来てまで何故に海鮮を口にしなければならんのか?
随分と挑発してくれる店だ。
まあ、良い。
自分の価値観でアレコレ分類するってのも野暮な話かもしれない。 ここは大船に乗った積りで、身を任せようじゃないか。 海無し県の鮮魚を扱う料理屋がどんな物を出すのか楽しみだ。
少し変わった店で、御通しが三品出て来る。 要するに本日の食材を一通り小出しにするから、気に入った食材を注文してってこと。 多分そんな趣旨だ。 御通し三品はかなりのボリュームがあるから、少し引っ掛かけたい人には充分な品である。
最初の御通しは、菊と青菜のお浸し。
疲れた体に染みわたる様な優しい味である。
次の御通しは、鰆のタタキ、ムカゴ、クリームチーズとサラミ、椎茸のお浸し、あん肝。 豪勢じゃないか!?
おっ!この炙りガッコを細かくして混ぜ込んだクリームチーズ、ムカゴが慈悲深い味わいだ。 あん肝は未だシーズン前って感じだが、コレは此れで美味い。
その次のお通しは、
その次はローストした豚バラ。 たぶんイベリコなんだろうけど。
一通り吟味しながら頂き
で、
驚いた。
此処は使える!
地物と旬の食材、ありふれた組み合わせでなくひと工夫してくるアイデアと勇気。 地産地消の地元愛。
嫌いじゃない!
確かに目の前が海の料理屋には鮮度は敵わないが、山奥でこの鮮度の皿を格安で食べれるとは思わなかった。 現在住んでいる館山の観光客相手に商売している海鮮屋より遥かに美味しい。 店主に伺うと3.11にボランティアで知り合った漁師から格安で直接に仕入れ、野菜は自ら育てている地物の旬の野菜を使っているとのこと。
色々と有難い。
玄関先の 義理人情 の掛け軸を思いだした。
嗚呼、この店主の人となりがそれとなく滲み出ている料理の数々である。 施すことにより自分が活かされることをちゃんと理解している。
白子とあん肝は完売してしまったので、生牡蠣、鰆のタタキ、揚げ出し豆腐、明太子パスタ、お茶漬けを注文。
一番気に入ったのが実はこのお茶漬け。 コメは古代米を使い、アッサリ炊き上げた山椒の実と塩味の薄い梅干しが良い仕事をしている。 全体的に塩味を抑え香りを楽しむ一杯である。 和食にありがちな平面的な味ではなく、立体的な味わいだ。
聞けば料理人の店主は、海釣りもするそうで、先日新潟に出向き乗合船に乗船したそうだが、アジしか釣れなかったとのこと。 当方も少しばかり種明かしして、今まで釣ったショアからの釣果写真を見せて、魚も自分で捌いて料理するんですよと説明したら、
船釣りと勘違いしていて、
全部ショア釣果と知って驚いていた。
まあ、海の近所に住んでますから
と言い訳をしておいた。 3桁近くのショア釣果見せられたら無理も無い。
お会計時にお土産として、自家製柚子胡椒を購入した。
帰宅後、鶏モモのコンフィに添え少量頂いた。 使用している柚子は完熟の黄色い柚子で、唐辛子は自家栽培の赤唐辛子なので、完成品はオレンジ色である。 緑色で香りが鮮烈な本場九州との違いは、塩味を抑え香りの上品さを前面に出した代物である。 九州のは薬味としての立ち位置だが、こちらは料理のアクセントとして、調理段階で使用できそうな仕上がりである。
また寄らせ頂きますと感謝を述べ店を後にした。
この店主とは住まいが近所なら、釣り仲間になれてた気がする。
おしまい。
追記:
旅行中に食べれなかった白子とあん肝が残念でならなかった。 一度食欲が出てしまうと収まりが悪い。 近所の寿司屋に入ったら白子とあん肝を仕入していて、白子は天婦羅で頂き、あん肝は軍艦で6貫頂いた(爆)
諦めの悪いオレです!
近所の喫茶店に珍しいモンブランを出していたので頂く。 実は自分モンブランが好物だ。 未だ誰にも言ってない。
中年オヤジがモンブラン好きですなんて
気持ち悪くて言えない(爆) きっと冷ややかに下げずんだ視線を向けられるはずw
何が珍しいかと言えば、スポンジではなくアーモンドのマカロンがベースでバニラアイスと生クリームのホイップが土台だ。 アーモンドのマカロンが良い仕事をしていて、実に香ばしく重くなりがちのモンブランを軽やかにしている。 本格的な洋菓子店で出してくるマロングラッセを使ったマロンクリームとは対照的だが、これはこれで面白い。
- 2021年11月24日
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