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曾祖父の話 前編

  • ジャンル:日記/一般
私の曾祖父は明治期、田舎の漁村に生まれた
家は貧しく学校にもろくに通えず、日々漁の手伝いをする、当時のごくごく普通の家庭で育つ

成長してからは仲間達と当時日本統治下の朝鮮半島に渡り、漁をしながら色々な経験を積む

魚肉ソーセージで有名な某企業の創業者に自転車の乗り方教えてもらう

沖に浮かぶ妙な物体を港内に曳航してきたら騒ぎとなり、駆けつけた憲兵に「貴様!これは機雷だぞ!」と怒鳴られる
それでもピンとこずにいると、機関銃の射撃で爆破処理した際のドデカい水柱に腰を抜かす
この時の機関銃は1分間に120発も撃てるとんでもない代物だと知り感心する

そうこうしていると戦争も終わり、地元に戻ってからは一張羅の薄汚れたシャツを着て漁を始める
すると獲れる、獲れる
戦時中みんな漁に出れずにいたので、魚がうようよいる
ただ獲りすぎないように心がける

とある漁師さんは言う
海には金が泳いでいる、獲らない道理があるものかと

ある日近くで漁をしていた漁船は、山のように魚をとってもなお漁を続け、網を巻き上げていると突然船体が傾き転覆、助けに行ったものの何人かは亡くなってしまい、漁と欲の恐ろしさを知る

勝負勘の良さ、リーダーシップをかわれ
漁労長となり日本のみならず、世界中の色々な場所に行く

大時化の中、操船していると乗組員から
「船に潜り込んでいたネズミが海に飛び込むのを見た、この船は沈む」と言われるも無視する
皆が死ぬかと思う時化を乗り切ると、ヤバイことがあっても案外どうにかなるということ、あと動物の勘はあまり大したことはないと知る

南アフリカのケープタウンに立ち寄り、港を散策していると突然後ろから地元の方言で呼び止められる
戦時中に行方不明となっていた仲間が、どういうわけかアフリカ大陸南端の露店でバナナを売っている
一緒に帰ろうと言うも、よく分からない理由で断られ人生色々ということを学ぶ

沢山の魚を獲り、周囲からは日本一の漁師と誉めそやされる
しかし、どんなに遠くで起こったナブラでも、
自分が一番に見つけられていたのに若手に先を越される、ちょっとした段差に足をぶつけ転びそうになる等衰えが出はじめたことで自身の引き際を悟る

漁労長辞めたら、地元で小舟でも浮かべて漁をしようかと思い立つ

曾祖父の話  後編  に続く

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