アメリカンドリーム。
1度は聞いたことのある言葉。

渡米して努力をし、大成功をおさめ、アメリカは勿論のこと、世界中の人々の役に立つ。
いわば英雄的な存在として地位も名誉も手にし、生きる伝説、また死すれば、本当の伝説として語り継がれる。

そんな夢を叶えた人間もいれば、志半ばで断念し、無念な思いを残した人間もいる。

恐らく、アメリカンドリームを手に入れられる人間は、良い意味で類を見ない極稀な細胞の集合体であるに違いない。

そんな先人に憧れを抱き、多くの方々が死にもの狂いで頑張っている。

この男も人生を賭けて頑張っているひとり。

釣具デザイナー市村直哉。

Hassaku JAPANの代表であり、HUNT88を造り上げた張本人でもある。

アメリカンドリームとは行かずも、北陸ドリームくらいの成功をおさめたい。
その先駆けにHUNT88の発売にちなんで88cmのスズキが釣りたい。

そんな夢や希望を抱きつつ、自身へ挑戦状を叩き付けた、彼のHUNT88発売記念釣行の幕開けであった。

市村が選んだカラーはアメリカゴールド。
アメリカンドリームの名に無理やり被せたカラーだ。

アメリカゴールドは、星条旗をモチーフにカラーリングを再構築。
ボディーは、ゴールドともブロンズとも呼べるメタリカルカラーを採用し、濁りの入った状況下でのデイゲームに対応させている。
パープルヘッドとピンクバックのコンビネーションは朝夕のマヅメやナイトゲームを意識したカラー。
そのオーバーカラーにパールホワイトのウロコ模様を吹き付け、よりナイトゲーム仕様に仕上げている。
一見視すると派手なカラーに見えるかもしれないが、実は実戦的なカラーである。


アメリカゴールドにヒットしたのは88ならぬ86。
僅か2cmのニアミスであった。
実に惜しいが良型であることに違いない。

見よ、北陸ドリームを抱いた勇ましい市村の顔を。
まるで狩ることが当然であるかのような、ジャングルの雄・黒ヒョウではないか。


アメリカゴールドに理想的な食い方をした86スズキ。
HUNT88の門出を祝うかのようだ。


狩りの達人、黒ヒョウは顔色ひとつ変えずに86スズキを静かに持っていた。

と、思っていた矢先！

な、何と！？
















重さが限界に達して苦悶の表情を浮かべたのであった。

この瞬間、全米が涙の渦に包まれた。

ただし、笑い泣きと言う不名誉な渦である。


お粗末様でした。
HUNT88をよろしくお願い致します。