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古賀 亮介‐snif

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マンダーラにて死す。

日曜の夜の釣り場は人は少ないがゴミが多い。

閉園後の遊園地や終点間際の東海道線ヨロシク、
そんな印象がどうしても消えない僕は、
割とこれまで日曜の夜を少し避けていた気がする。

仕事の都合で水曜部を一旦退会し、日月部員となった。

僕の休みは9割以上の割合で釣りのために空けてある。
満足に仕事も出来ないクズなのに、
社会に帰る時、ここだけはどうしても譲れなかったから、

せめてもの罪滅ぼしに、商材に出来る魚を出来るだけ店に入れるのを、
自分の休みのノルマとし、今回の休みも。


釣りの情熱は曲げない。
我々が曲げるのは竿だ。

ガンダーラが見つからないAさんの遺志を継ぎ、
マンダーラに行ってきた。


ふと行きの電車で最近あまり出番のない竿たちに思いを巡らせる。
アレとコレと、あの辺もだな・・・

どうにも、図らずもどんどんフィネスゲーム化している僕の釣りでは、
手持ちのバスロッドで、活躍できるものとそうでないものが二極化する。

自分の釣り方を突き詰めて行けばいくほど、
これまでベストだと思ってシステム化して、
何本も所有し振ってきた愛刀群のひとつひとつの個性が、
少しずつイメージや技術との差が生まれ、
微妙に『惜しい竿』になってくる。
そいつを曲げない時間を過ごすほどに、
それは少しずつ、だけど確実に。

そう思った事と、単純にスピニングタックルのキャロの釣りで、
ある部分が気に入らないからと、
その釣りを避けてしまう要素を払拭したかった事もあり、
ベイトタックルを1本追加で導入することにした。

ウエダpro4EX GN-67EX "gunner"
対バスで使用する際、この子はスモールシャッド、
特に中層のサスペンドシャッドの操作性と感度は抜群で
手持ちpro4の中でも突出したラインテンションコントロール能力がある。

これにフロロの4lbを巻いたPX68を載せ、JH単体のサブとキャロ。
いわゆるベイトフィネスとはちょっと毛色と経路も違うが
こんな釣りがしたくなった。


今回はベイトタックルアジング。


現場について早々、日が暮れる。

先行の方々は島の各ポイント全域に散らばってらっしゃって、
いつものダントツ一級ポイントがスーパーがら空きになっている。
不思議に思いながらも、素直にそこに入り、
単体で色々と探っていくが湾内で釣れるのは、
どうしてかこのサイズばかり。

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長さは23センチ程あるのだが、
どう考えても前回の半月前と比べて、とにかく細い。

かわりに湾内奥方向に進めば、非常にイージーに、
ボッテボテの丸々したカマスがたくさん釣れる。
(夏の後遺症でカマス写真なし)

とにかく違和感を感じ続け、
夕まずめのラッシュが来るべきタイミングは、
ある意味、ハズシてしまった。

メタルジグやBeバイブと単体で数尾は釣ったが、どれも細い。
頭をフル回転させることに必死で写真すらもない
(反省はしているが、後悔はない)

インがダメならアウトサイド。
フルキャストして、島の周回潮流に
風と潮流でドリフトさせて送り込む。

答えは1発で出た。
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長さは少ししか違わないが体高がやっと標準。
少しだけ答えに近づいた気がした。。
 
が、同じラインを流しているはずなのに、
強風と早い潮流で微妙にいいラインを捉えきれないのか、
ここから30分ほどクロムツの入れ掛かりになる。

仕方なくキャロを組んで、より確実にイメージにあるアジの群を撃つ。
より遠くから、深めのレンジに落とし、潮目にシンカーが差し掛かった辺りで、ちょっと浮かせてドリフト。
すると・・・
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尺越え。

ここからこのサイズが連発である。
今日もなんとか答にたどり着いた。

ベイトタックルでのキャロ。
シンカーをイメージの場所に留めて、リーダーから先を沖に送り込む。
この微妙なニュアンスの操作性は、
クラッチオンオフ、サミングのオンオフが容易なベイトタックルならでは産物であると思う。
現場は結構強い風が横から吹いていたが、何の影響もなかった。

普段ジグヘッド単体であんなにも神経をすり減らして行う、
沖方向へのドリフトがこんなにも容易だとは。

感度も申し分なく、中重り仕掛けの妙味でフッキングもほぼ上顎に決まる。

そんな風にして、店用のノルマも達成し、
40近い尺越えサイズから、ノンキーパーまで60尾ほど釣り上げ、
一服していると。

立ち位置眼前に漁師が船を近づけてきて、突然網を入れ始めた。
移動しなきゃダメかなーって思ってると、

漁師『悪いね~。ココとソコ、2か所貼るんだわ』
す『分かりました。今こんな風に(状況説明云々)流してるんだけど、
これは邪魔になりますか?』
漁師『それなら大丈夫だ。
手前足元とソコからソコまで2本貼ってるから注意しとくれ』

そう言い残し、漁師は別の仕事場へと引き上げて行った。

この一級ポイントががら空きだったのはそういう事かと納得し、
そのまま釣り続けた。
いつだって、コミュニケーションは大事だ。
今回もそうして自分の釣りを曲げることなく、
移動の必要もなかった。


そろそろ明け方が近付き、
次の手を何にしようか考えながらキャロを流していたその時、

今までと少し異質な前アタリを手元に感知する。

立ち位置の左手前側に外灯の本体があり、
それを交わした状態でフッキングに持ち込む。

『少し大きそうだな』

スイープでそっと掛けたその魚を、少し手前に寄せた瞬間、
ガンッガンッ・・・ドーンッ!!!

『いやいやいやいや・・・なにそれ、君はダレ、僕はどこ』

先程までの魚と同様に指ドラグで突進に対処したが、
あまりにも急激な変化について行けず、
腕ごともぎ取られそうになり、事もあろうか、
外灯本体の背面に、十分に曲がって仕事をしている竿の
ピークポイントを、殊の外強く打ち付けられてしまった。

『パツッ』

甲高い音と共に、ラインがそこから切れ、
また夜の静寂に戻る。

『マダイか?ネリゴか?・・・テラ級アジか?』


日頃から非常にピーキーな竿を扱っている僕は、
こんな別方向からの強烈な衝撃を竿に与えてしまったミスが
あまりにもショックで、
逃げていった魚の大きさや正体より、竿の方が正直心配であった。

しかし、我々は釣り師である。
逃げた魚にもう一度リベンジ・・・をと考えるのは極自然であり
2分後には、丁寧にリグり直したキャロが同じ海流に乗せてあった。

次の魚はまた泣き尺クラスのアジだった。
容易に抜き上げ、丁寧に絞め、さて次のキャストを・・・

足元に置いたロッドを手にした瞬間、
先程の強打ををモロに受けた場所からポロリと竿先が外れた。

それはもうただただスローモーションで、
言葉にならない小さな金属音と共に、ポロリと外れた。

ウエダpro4EX GN-67EX
バスタックルとして埼玉の職人によって生をうけ、
銃士と名付けられ、縁あって僕の手元に来たこの竿は、
我侭な使い手からの要求を、何でも、どんな対象魚に対しても、
最後まで自分の仕事をただ真っ直ぐに全うして散っていった。

この夜、ほぼ全ての魚を仕留めた早打ちの名手は、
使い手の手前勝手な要求にも、ただ黙って黙々と、
自分の仕事をこなし、そうして散っていった。

『いつかまた、一緒に釣りをしよう。』


そんな風に、最期の小さな金属音が、
僕の耳に張り付いて今も鳴り止まない。


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実家用のお土産分40尾を洗い流す時に遺影を1枚。

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いつかソリッドを継いでまた復活させるから、
それまでどうか安らかに。



タックルデータ
本日のメイン
rod ウエダpro4EX GN-67EX"gunner"
reel ダイワPX68
line 東レフロロ4lb
baits 2g前後の単体
   8gキャロ+JH0.4g(XESTAスローダウンetc)
   7gメタルジグ
   beバイブ

本日のサブ
rod ウエダpro4EX XT68FS-R
reel イージス2004
line バリバスエステル0.3号
baits JH単体
 

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