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▼ 科学的ルアーカラー選択術 コントラストを意識したカラーチョイス方法論
- ジャンル:ニュース
- (コラム)
今回は、ルアーカラーに影響する魚の目や、水中における色の話です。
さて、毎月、各メーカーからリリースされる多くのルアー達。
全部を買って試してみたいけど、毎月の予算にも限りがあるのが悩ましいところ。
悩み抜いてようやく、買い求めるルアーを決めても次に立ちはだかるのは「カラー」という壁。
『釣果に(ルアー)カラーは関係がない』
と一説にはあるものの、出来るなら釣れる可能性を高めてくれるようなカラーを選びたいと思うのが、ルアーマンの性というものではないでしょうか?
【実は法則が存在する?】
2000年頃、鱸(シーバス)が好む色を調べる研究論文が発表されました。
正確には「魚の摂餌行動に及ぼす背景色の影響」を確かめる為の実験だったそうです。
その内容を要約すると、シーバスが捕食行動を示すルアーの色は、フィールドの水色、つまり背景になる色が大きく影響されるとのこと。
この実験では背景色とルアーの色に、普遍的なパターンを見出す事は出来なかったと結論しています。
それはつまり、「茶色く濁った水にはこのカラーが最強!」と言うような特定が出来たわけではない、ということになります。
しかしながら、一部の例外を除き背景色に対してコントラストに大きく差が出るようなカラーに対して、鱸が捕食行動を示す傾向がある事をデータと共に論じています。
興味のある方は是非一読をお勧めします。
鹿児島大学水産学部 学術雑誌論文
「異なる背景色におけるスズキのルアー色の選択」
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010631621
【コントラストとは何か?】
"基本的には並置されているものと著しく異なっていることである。 視覚においては、同じ視野内での色、明るさ、輝度、形など(また質感、テクスチャなど)の差違のことである。"
Wikipedia
今回のテーマで例えるなら、背景色に対して著しく異なる色という事になります。
例えば、下の画像はカラーチャートと呼ばれる図ですが、この図に則ると背景色が濃い青の場合、一番コントラストが強調されるのは、その反対に位置する黄色系のカラーだと言う事を示しています。
実際のフィールドに当てはめて考えると、ナイトゲームにおいてはチャートやホワイトパール系のカラーが有効な場合が多く、また初夏のデイゲームの緑がかった濁りの時には、ピンクカラーにバイトが集中するなど納得出来る点も多いかと思います。
【水の中では色の見え方が変わるというが…】
よく水中動画などを見ると、少し青みがかった色調になっている事が判るかと思います。
これは水の中においては自然光の赤色成分が減衰される「青かぶり」という状況で、相対的に青色が強調されるようになります。
光量の少ない深海では最終的に真っ黒に近い色に見えるようになります。
青かぶりした動画のスクリーンショット
現代の一般的な釣り場において、100%光が届かない場所というのはあり得ませんね。街灯や月明かりが少なくとも、光はそれなりに届くものです。
黒という色は光を吸収する性質を持ち、僅かな光量でも逆にその物体の輪郭を伝えやすいという特質を持ちます。
ルアーは、本体にホロを張っていようがいまいが、アクションする度にボディからは光の反射(フラッシング)を利用し、魚に対してアピールをするように作られています。
ですが、それとは逆にブラックカラーは光を吸収し、フラッシングを抑えてしまう事で、光量の少ないシチュエーションでも強い存在感を示すことが出来るカラーです。
実際の身の回りには『本当の意味での黒』は存在しませんが、黒色または、その近似色が持つ性質は基本的には同じと考えてよいでしょう。
特に月明かりのないナイトゲームや、雨後の強い濁りの中で特に威力を発揮します。
梅雨や台風等で水色が極端に悪くなる時期には強い味方になるかも知れません。
デメリットとして、コントラストが強調されることでアピール過大となってスレにつながる場合や、動物的な本能によって『黒い物体』に恐怖を感じて魚から敬遠される場合もあるといわれています。
【動物的な本能から有効だといわれるカラー】
先の大学論文の項で一部の例外と記しましたが、カラーチャート図に載っていないカラーで、鱸が捕食行動を示した意外なカラーがあります。
実験中、特定の背景において透明(クリア)の疑似餌に捕食行動を示した事例があったそうです。
稀に聞く説として、稚魚・幼魚は天敵から身を守るために透明に近い体色でカモフラージュされているという説。
フィッシュイーターからすれば、容易に捕食できる対象なので本能的にクリアカラーに反応するというメカニズムと解説されています。
あるいは、クリアボディのプラスチック素材を光が通過する時に、ボディ内にて乱反射を起こして、稚魚の群れと錯覚させるというもの。
以前の当ログにて紹介したマイクロベイト攻略法も、この説に則っており、ブラック同様に多少の光量があれば背景に関係なく存在を主張します。
空気中で人間の目に映るよりも、水中ではギラギラとアピールするクリアですが、若干の色味やパールを吹くことでアピールを格段に抑えることが出来ます。
個人的な見解ではむしろパールなどを乗せることで、シチュエーションによって、周囲に溶け込むようなよりライブリーなベイトを演出できるような気がします。
いかかだったでしょうか?
魚の目、そしてルアー本体のカラーに寄らず、背景とのコントラストという視点でルアーカラーを考察してみました。
よく通うフィールドで季節の移り変わりを観察することで、その時その時で必要なカラーチョイスが見えてくるかもしれませんよ。
文 ナカヤマ
編 コウノス
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喰わないライズの攻略法はこれ! ~アミパターン漂わせメソッド~
http://www.fimosw.com/u/editor/k3hfe1y35ypnbx
さて、毎月、各メーカーからリリースされる多くのルアー達。
全部を買って試してみたいけど、毎月の予算にも限りがあるのが悩ましいところ。
悩み抜いてようやく、買い求めるルアーを決めても次に立ちはだかるのは「カラー」という壁。
『釣果に(ルアー)カラーは関係がない』
と一説にはあるものの、出来るなら釣れる可能性を高めてくれるようなカラーを選びたいと思うのが、ルアーマンの性というものではないでしょうか?
【実は法則が存在する?】
2000年頃、鱸(シーバス)が好む色を調べる研究論文が発表されました。
正確には「魚の摂餌行動に及ぼす背景色の影響」を確かめる為の実験だったそうです。
その内容を要約すると、シーバスが捕食行動を示すルアーの色は、フィールドの水色、つまり背景になる色が大きく影響されるとのこと。
この実験では背景色とルアーの色に、普遍的なパターンを見出す事は出来なかったと結論しています。
それはつまり、「茶色く濁った水にはこのカラーが最強!」と言うような特定が出来たわけではない、ということになります。
しかしながら、一部の例外を除き背景色に対してコントラストに大きく差が出るようなカラーに対して、鱸が捕食行動を示す傾向がある事をデータと共に論じています。
興味のある方は是非一読をお勧めします。
鹿児島大学水産学部 学術雑誌論文
「異なる背景色におけるスズキのルアー色の選択」
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010631621
【コントラストとは何か?】
"基本的には並置されているものと著しく異なっていることである。 視覚においては、同じ視野内での色、明るさ、輝度、形など(また質感、テクスチャなど)の差違のことである。"
Wikipedia
今回のテーマで例えるなら、背景色に対して著しく異なる色という事になります。
例えば、下の画像はカラーチャートと呼ばれる図ですが、この図に則ると背景色が濃い青の場合、一番コントラストが強調されるのは、その反対に位置する黄色系のカラーだと言う事を示しています。
カラーチャート図
実際のフィールドに当てはめて考えると、ナイトゲームにおいてはチャートやホワイトパール系のカラーが有効な場合が多く、また初夏のデイゲームの緑がかった濁りの時には、ピンクカラーにバイトが集中するなど納得出来る点も多いかと思います。
【水の中では色の見え方が変わるというが…】
よく水中動画などを見ると、少し青みがかった色調になっている事が判るかと思います。
これは水の中においては自然光の赤色成分が減衰される「青かぶり」という状況で、相対的に青色が強調されるようになります。
光量の少ない深海では最終的に真っ黒に近い色に見えるようになります。
青かぶりした動画のスクリーンショット
この現象は水深だけではなく横方向への距離にも同様に作用し、赤に近い色ほど遠くからは色の判断が難しくなります
逆に同程度の水深では黄色や白などは比較的明瞭に判別できます。 背景やボトムの色にもよりますが、反射光の減衰が少なく済んでいる為、比較的遠くからでもよく見えます。
ただ反射光の減衰によって赤色が完全に見えなくなる為には、光量にもよりますが、日中では10m以上の距離が必要です。
その為、シャローゲームでは完全に認識できなくなることは無いようですが、距離が開くほど赤色は見えにくくなる傾向にはあるようです。
【どんな背景でもコントラストを強調できる最強カラー?】
一部のエキスパートアングラーから、ナイトゲーム最強カラーとも言われているカラーがあります。
もちろんナイトゲームに限らず、デイゲームでも充分以上に有効とされるカラーなのですが、意外とラインナップされていないのが『ブラック』
現代の一般的な釣り場において、100%光が届かない場所というのはあり得ませんね。街灯や月明かりが少なくとも、光はそれなりに届くものです。
黒という色は光を吸収する性質を持ち、僅かな光量でも逆にその物体の輪郭を伝えやすいという特質を持ちます。
ルアーは、本体にホロを張っていようがいまいが、アクションする度にボディからは光の反射(フラッシング)を利用し、魚に対してアピールをするように作られています。
ですが、それとは逆にブラックカラーは光を吸収し、フラッシングを抑えてしまう事で、光量の少ないシチュエーションでも強い存在感を示すことが出来るカラーです。
実際の身の回りには『本当の意味での黒』は存在しませんが、黒色または、その近似色が持つ性質は基本的には同じと考えてよいでしょう。
特に月明かりのないナイトゲームや、雨後の強い濁りの中で特に威力を発揮します。
梅雨や台風等で水色が極端に悪くなる時期には強い味方になるかも知れません。
デメリットとして、コントラストが強調されることでアピール過大となってスレにつながる場合や、動物的な本能によって『黒い物体』に恐怖を感じて魚から敬遠される場合もあるといわれています。
【動物的な本能から有効だといわれるカラー】
先の大学論文の項で一部の例外と記しましたが、カラーチャート図に載っていないカラーで、鱸が捕食行動を示した意外なカラーがあります。
実験中、特定の背景において透明(クリア)の疑似餌に捕食行動を示した事例があったそうです。
稀に聞く説として、稚魚・幼魚は天敵から身を守るために透明に近い体色でカモフラージュされているという説。
フィッシュイーターからすれば、容易に捕食できる対象なので本能的にクリアカラーに反応するというメカニズムと解説されています。
あるいは、クリアボディのプラスチック素材を光が通過する時に、ボディ内にて乱反射を起こして、稚魚の群れと錯覚させるというもの。
以前の当ログにて紹介したマイクロベイト攻略法も、この説に則っており、ブラック同様に多少の光量があれば背景に関係なく存在を主張します。
空気中で人間の目に映るよりも、水中ではギラギラとアピールするクリアですが、若干の色味やパールを吹くことでアピールを格段に抑えることが出来ます。
個人的な見解ではむしろパールなどを乗せることで、シチュエーションによって、周囲に溶け込むようなよりライブリーなベイトを演出できるような気がします。
いかかだったでしょうか?
魚の目、そしてルアー本体のカラーに寄らず、背景とのコントラストという視点でルアーカラーを考察してみました。
よく通うフィールドで季節の移り変わりを観察することで、その時その時で必要なカラーチョイスが見えてくるかもしれませんよ。
文 ナカヤマ
編 コウノス
あわせて読みたい記事
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- 2018年5月1日
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こういう実験を行なっているのは、すごい事ですね。
夜はチャートとかホワイト系が、使う人多いので、納得の部分ですね。
逆に腹は、お魚さんの眼からすると、水面が白で、コントラストつく色はクロ何でしょうか?
また続報お待ちしてます。
ジミー
栃木県