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加藤 光一

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湾奥クロダイロッドに求める性能!《その2》

東京湾奥河川でのクロダイゲームに使用するロッドに求める性能について書きました。
(※長文なので分割してアップしています)

《湾奥クロダイロッドに求める性能! その1》



以下は、その1からの続きです。




余談ですが、僕の場合は現在メガバスと契約させてもらっている立場ではあるけども、基本的には良くも悪くも一人のアングラーであることには変わりなくて、契約メーカーのルアーを無理矢理「釣れます!」とか、状況にあってないのに「こういう時はこのルアーが良いです!」といったヤラセ要素の多いプロモーションには強いストレスを感じるタイプでなのやらないし、やれと言われれば契約を辞めます。

そういった面では優秀なルアーの豊富なメーカーに携われている事はとても幸せな事だと思っています。
(むしろ、メガバスからはヤラセ的なプロモーションや違うルアーへの差し替え等をしてまでプロモーションや魚の撮影はしないでくれと言われています)



それはロッドに関しても同様で、向いていない釣りにお薦めすることは僕にはできません。
(もちろんそれもメーカー側も同じ意向ですが)


実は昨年秋頃、メガバスと契約する前に僕はクロダイ専用ロッドをあるカスタムロッド店にオーダーしてました。

一般人の一個人の製作の為、ブランクスを一から製造する程の予算はなく、何本かイメージにあう既存のブランクスから選んで製作して貰う予定でした。

結局、メガバスと契約すること決めた為に、ロッドのオーダーはキャンセルすることに……(申し訳ありませんでした)

その後、メガバスロッドであるアステリオン シリーズを何本か使ってみて、クロダイゲームにかなり向いている性能を体感して現在に至っています。

正直なところ、当初メガバスにはクロダイ用に使うロッドとして合わなければ無理に使う事はしないし(それなりの釣りはできるけど)、改造するかも知れないし、それがダメなら公表はしないけど他メーカーのロッドを使うかも知れないと伝えていました。

しかし、幸いな事にASTELIONは多くのシーバスロッドと比べるとかなり理想に近いロッドの特性だった為、今では気に入ってクロダイゲームのロッドとして使用させてもらっているという裏話があるんです。

結果的に自分が好きで選んだ契約メーカーで、そのメーカーのロッドを、自分のメインの釣りに信頼して使えているという状況なのです。




では、具体的に何がクロダイゲームに向いているのか?
というところですが。


メガバスの『ASTELION AST-96ML』なら、僕は迷わずクロダイゲームに使ってみてくださいと言えるロッドです。

基本スペックは一般的な9.6f前後のシーバスロッドと大差ありません。

ロッドのキャラクター的には、全体に少しハリのあるレギュラーファーストアクションです。

AST-96MLはクロダイだけでなくシーバスも普通に釣っています。

シーバスロッドを流用してクロダイを狙うというよりも、クロダイに適したロッドで普通にシーバスも狙えるというイメージです。
小さな表現の違いですが、個人的にその差は大きいです。


ロングロッドなので狭いポイントで使う場合やバチ抜け等の特殊ロッド性能を要するシチュエーションでなければ特に不満もなく、むしろ夏のクロダイやシーバスゲーム等ではかなり高いコストパフォーマンスを持つロッドだと思っています。

……というだけでは、シーバスロッドなら何でも良いんじゃないか?となってしまうので、本題に入ります。

東京湾奥のクロダイゲームにおいて、最も重要な性能の一つはカタログスペックや、素振りでは分からない『ティップからベリーにかけての特性』なのです!

『ASTELION AST-96ML』はそのティップからベリーに掛けての特性が湾奥クロダイゲームに向いているのです。



湾奥河川でクロダイを狙っているアングラーからよく聞くワードに

「アタリなのかハードボトムにタッチしたのか分からない」

「ヒットしたのか根掛かりしたのか直ぐに分からない」

というのが多くあります。

これは経験値の差も少なからずあるとは思いますが、それよりもロッドの性能による違いが大きいと思います。

「いや、かなり感度の良いロッド使ってますけど!」

という方も多いとは思います。

でも、その高感度を発揮できているのは実際にはロッドのどの部分でしょうか?

例えば、20g~26gのメタルバイブレーションを早巻きしている時にティップは負荷を受けて曲がっていると思います。
機種によってはベリーセクションまで曲がっているモノもあります。

ミノーやシンペンをキャストしてスローに巻く際には繊細に流れやバイトを感じとる事のできるティップセクションであっても、重いメタルバイブレーションを引くと感度の良い部分を過ぎて、シーバスのバイトを弾かず身切れをさせにくい『しなやか』な部分でバイブレーションを引いていることになります。

分かりやすく言うと、
『コン…とかゴンッ!とバイトの出る部分は高感度』
『そこから先はしなやかさが重要になる(モノが多い)』
のです。


つまり、高感度のロッドを使っているにも関わらずアタリや根掛かりなのか分からないというのは、感度よりも『しなやかさ』を優先させた部分でルアーを引いているからなのです。

シーバスロッドのキャラクターにより、ティップは軟らかいけどベリーからしっかりハリがあるというモノもありますが、それだと軽いバイブレーションをスローに引く際に、同じ様に感度の低いセクションで引くことになるのです。


多くのシーバスロッドはティップとベリーに特性の違いを持たせているモノが多く、それが様々なシチュエーションに合わせた性能を求めたロッドの個性となる特性なのだと思います。

そう考えると、シーバスロッドはシーバスを狙う上では非常に優れたロッドが数多く各メーカーからリリースされているんですね。

しかし、逆の見方をすると
シーバスに必要なしなやかさの部分は
『クロダイを狙う為に必要な特性ではなく逆にマイナスになる』
のです。


もっと分かりやすくいうと、
ロッドスペックで、例えばキャストウエイトのMAXが28gとなっているとします。

しかし、その28gとは
『問題なくキャストできる許容範囲が28g』
であり、26g前後のメタルバイブレーションを早巻きする際に
『感度の良いロッドセクションを使える』
というものではないのです。多くの場合。

もちろん、シーバスを狙う際に26gのメタルバイブレーションを早巻きして使う事も想定されてはいるだろうし、皆さんも特に問題なくシーバスを釣っていると思います。

しかし、ハードボトムギリギリを引く際に、ボトムタッチした瞬間にロッドが入り過ぎず跳ね上げる為のハリ感や、魚のバイトなのかボトムタッチなのかを判断できる感度性能は想定されていないはずです。

AST-96MLがその部分を想定して作られたモノであるかは分かりませんが、少なくともその特性を備えているロッドではあるのです。

ASTELIONシリーズは、シーバスにも問題なく使える『ショアキャスティングロッド』なので、多くのシーバスロッドと比べると『クロダイに必要な性能』を備えたロッドなんだと思います。

《※メガバスには生粋のシーバスロッド『SHADOW XX』シリーズがあるのでそれは後日Megabass official blogでインプレします》



話は少しそれますが、例えばアジングロッドとメバリングロッドは、対象魚のサイズやルアーサイズも近いので、ロッドスペックも近いモノが多いと思います。

そして、同様のスペックを備えたロッドなら専用ロッドでなくてもそれなりの釣りは十分成立します。

しかし、地域の違いやポイントの違う状況、サイズによりそれぞれの魚を真剣に狙うのであればロッドの特性はかなり重要になってくるのは皆さんもお分かりになると思います。

アクション(曲がり方)や硬さの違いやティップからベリーの特性も魚種の違いにより変わりますよね。

そう考えると、クロダイとシーバスでは
『本気で狙うならロッドに求める性能は違う』
のです。

そして、同じクロダイ(チヌ)であっても地域やポイント形状や規模の違い、釣り方や想定サイズによりクロダイロッドも求める性能が違うのです。

アングラー側からみた場合のアプローチの仕方や、魚側からのバイトの仕方や口の形状や質感も全く異なります。



湾奥のクロダイゲームに求める性能をシンプルにまとめると、

・ルアーの引き重り(重量)に左右されないティップからベリーに掛けてのハリと感度の範囲

・でも硬いだけの棒ではダメ

・ナイトゲームでのデッドスローやボトムドリフトではアタリが小さく、ルアーを吐き出される事も多いので向こうアワセは期待できないため、瞬時にロッドのパワーをフックに伝えられるベリーからバッドに掛けての強さと特性

・クロダイをハードボトムから出来るだけ早く引き離したい為、ドラグは硬め設定なのでバッドは強いけどしっかり曲がる

・ハードボトムの凸から浮かせる為に、出来るだけ高い支点でやりとりができるレギュラーファーストアクションとロングレングス

という感じです。



現在の僕は『ASTELION AST-96ML』よりも更に強い『ASTELION AST-101M』がメインになってます。
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理由は

『AST-96MLよりも全体にハリ感とパワーがある』

からです。

これは、狙っているクロダイの想定サイズが60cm超であるということで比較的大型クロダイの多い夏の湾奥河川においてもあまり一般的ではありませんが。
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AST-101Mは、AST-96MLと比べると長さもあるしバッドも一回り太いのでナイトゲームで10g前後のルアーを使うのには少々テクニックが必要だし、ロッド全体に強さが増すため手首の力も含めた腕力も要する場合もあり、ロッドの強さをドラグを弛めることで緩和するのであれば、敢えて強くて重たいAST-101Mを使う意味がないのであまりお薦めはしません。

また長時間キャストを続ける際にもAST-96MLの方が疲労感は少ないし、なによりレギュラーサイズである40cm~50cmのクロダイの引きが楽しめます。

そう考えると僕の必要とする専用ロッドはニッチの中のニッチなロッドという事になるのかな……(^_^;)

だから自腹で作ろうと思ったんですけどね。

まあ、僕の個人的に求める性能の専用ロッドとまではいかなくても、今後東京湾奥河川でクロダイを狙ってみたいというアングラーや、クロダイ用のロッドを検討しているというアングラーは、カタログスペックだけでは測れないロッドの特性にも目を向けて頂けるとロッド選びの方向性が少しでも見えてくるのではないかと思います。


対象魚や釣り方に適したロッドを使うことで釣果や狙い方が変わってくると思いますよ。

また、リトリーブ中にナニが起きているのか把握できるという事は、ヒットに持ち込める魚が増えるということであり、根掛かりを減らす事にも繋がります。
根掛かりが減るということは、リーダーを結び直す時間やストレスも軽減できますしね。
(1シーズンのロストルアーの総額と獲れる魚の数を考えるとロッドを買う事のメリットも大きいはずです)


そういった事も踏まえてfimo TVを観て貰えると、僕が動画内で前後トレブルフックを装着したままで終始『釣りが出来ている』事や、リトリーブ中のロッドワークやリーリングに変化を入れている事、魚のバイトに対して間髪入れず迷わずアワセを入れている事、根掛かりの瞬間にロッドを大きくあおらず(アワセを入れず)リトリーブを止めている事の『動作に理由と意味が有る』ことがお分かり頂けると思います。



かなり長文になってしまったので、今回の動画だけでは伝えきれない細かいテクニックやメソッド、ラインシステムや、ナイトゲームでフィネスなランカーパターン等についてはまた別の機会にでも書きたいと思います。

お付き合いありがとう御座いました(^-^)

《湾奥クロダイロッドに求める性能! その1》






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