イトウ遠征2016.7

  • ジャンル:釣行記
  • (タイ)
7/11~15でイトウ釣り遠征に行ってきた。
北海道道北に住む日本淡水最大魚に出会うべく。
以前観光の際に半日ほど川に釣りに行ったことがあったが、何もつかめず、目の前を悠々と泳いでいるイトウを目の当たりにした経験が未だに脳裏に焼き付いて離れない。

友人からの情報とネットからの情報を頼りに単独釣行を計画した。

7/11 関西国際空港、朝7時の便で新千歳に9時に到着。
レンタカーでまず札幌に向かい釣具屋によった後、一路北を目指した。
午後16時頃に今回のメインフィールドと考えている川に到着した。
有名ポイントらしいが、釣り人は私以外誰もいない。
川の河口から数キロ上流まで川岸の状況を車で見て回った。
7月になると川の周囲には葦や笹が増え、身丈以上になりなかなか藪漕ぎも困難になってくるようだった。

魚のライズはなく、ベイトも明らかなものはわからずエゾ鹿の足跡ばかりが釣り場に目立っていた。
最近はあまり釣り人が入っていないようであった。

河口の橋下の護岸を歩いているとき、突然足下から60cmほどのイトウが飛び出してきた。
いったん引いてのぞいてみると、また元の護岸と橋脚の間にステイしている。
OSP-VARUNAやラパラCD-J9をキャストするも反応無く、かなりの天才くんのようであった。
ここでタイムアップとなったが、1日目にイトウを見れて多少モチベーションは上がった。

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7/12
この時期、北海道は3時半頃に夜が明ける。
朝4時頃、車中泊で硬くなった体に鞭を打って川へ向かった。

足丈が高く葦際に立ちこめる場所を探していると、左岸の橋上がインサイドベンドでシャローになっており、橋下がアウトサイドベンドで深くなってるポイントを見つけた。
橋下左岸からエントリーしミノーを投げながら観察していると、目の前でライズが起きた。
波紋からおそらくイトウのもの。
その後もライズは周囲100mの範囲で数回おこり、橋下のアウトサイドベントに多く見られた。

さらに、前日雨が降っていてインレットに多少流れが出ており、その場所で明らかにイトウとわかる魚体が跳ねたのが分かった。

おそらく、自分の周囲にイトウは無数にいる。
Dog-XJr,Gaiant Dog-X,Pop-Xで探るも反応無し。ミノー、バイブレーション、テンスイJHrig1で探るも反応無し。
アジャストできていない理由が分からないまま、10時頃に次のポイントへ移動した。

一つ北の川に移動し、ネットで知ったポイントであろう場所をランガンしてみたが、水深が浅く川の規模が小さい。イトウの釣果情報もあるようであるが、今回は気配を感じないと判断して見切ることとした。

お昼は道の駅で焼きホタテカレーを食べたが、これが秀逸であった。
こちらの方で勤務されているイトウ釣り士の方と、共通の友人の紹介でお話しすることができ、貴重で興味深い内容を聞かせていただいた。
おかげで、モチベーションを高く保って午後に望むことができた。
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再び最初の川に戻り朝のポイントの対岸の水門ワンドがらみのポイントに入った。
葦際、オーバーハングをDog-Xで通した時に真横でイトウが完全に魚体を見せてボイルした。
あ〜食ってくれーと思ったがその後イトウからの反応は無かった。

夕方に、河口の橋上流の支流との合流地点の広いシャロー見に行った。川岸から1m水深50cmのところに、おそらく80cmあろう魚体が悠々と泳いでいる波紋が立っていた。私の気配に気づいたが逃げずにゆっくりと泳いでいく。
立ち込まずにあらゆる手持ちルアーを投げたが、振り向かせることすら出来なかった。

朝の橋上のインサイドベンドのシャローからブレイクにかけて大きな魚体の泳ぐ波紋があったがこちらも同様反応は無かった。

7/13
前日の晴れ間に比べ、朝から北東の風でやや小雨が降りそうな曇りな天気。
本当に夏なのかと思うほど寒く、用意してきたフリースとGOREのジャケットを着ていても肌寒い。
これなら、ナイロンじゃ無くてネオプレーンでもいいなと思ったが、前日日中はウェーダーをはいてられないくらいの容器であり、寒暖差の激しさを思い知った。

朝から、昨日ライズが多発したアウトサイドベンドに入るも不発。
その対岸ワンドを攻めるも不発であった。
この日は前日に比べ朝方の冷え込みのせいか、ライズは全くなく水門の流れも止まっていた。
昨日イトウは散ったか、つき場所が変わってしまったといった印象であった。

ダメ元でもう一つの北の川を探ったが風も強く、雰囲気は無かった。

午後は、右岸を河口から上流へ釣り上がった。
河口付近で2人のフライフィッシャーマンの方が上げのタイミングで釣りに来ていた。この方たちが僕の5日間の徴候で出会った唯一の釣り人であった。
途中5cmほどの小魚を数匹見かけたが、ベイトになるには密度が低すぎる。時々かかってくる沼ガレイの稚魚であろうもベイトになっているのかは定かでは無かった。

この日のランガンで、葦際はインサイドベンドなどの立ちこめる程のシャローでは岸から2〜5mほどでブレイクとなって水深2-3mまで落ち込んでいることが分かった。
アウトサイドベンドでは葦際は惚れ込んでドーム状になってストラクチャーとなっている。

この日は一度もイトウの気配を感じずに終わった。

7/14
昨晩、北海道入りして初めてお酒を飲んだ。体調管理のため控えていたが、リズムがあまりにも悪いため気晴らしのために解禁してみた。苦笑
北風吹き荒れる中、Classic Lagerが疲れ切った体に染み渡った。
とそろそろ寝るかという時に、友人からLINEの着信。
ルアー釣りの師匠的存在で今回のイトウ釣り士のかたともつなげていただいた。
そこから2人で小一時間ミーティングし、初めてのポイントに行く選択肢も含め、私には無いさまざまな引き出しを提示していただいた。
特に、前日ライズがあった場所は水位の変化もわずかでイトウが大きく移動する可能性が低いことから、ライズなくとも相当数のストックは必ずいること。ライズが無くともトップにでることがあり、いると信じてやりきることが大事だとアドバイスされた。

4日目の朝、イトウがいること信じインレットとブレイクがらみの左岸アウトサイドベンドに立ち込んだ。

まずは岸際〜ブレイクまわりをDog-X,Dog-XJrで手広くサーチする。が、反応無し。
次に同じポイントをOSP-VARUNA 110SFで巻いて行く。
川のイトウは川の中心〜川岸まででヒットすることが多く、あまり対岸キャストで食わせることは難しいと聞いていたので対岸は完全に棄てて手前のブレークをダウンで30°,45°,60°と切ってサーチしていった。

本命のインレットを超えて釣り下りながらやはり今日も無理かと、ルアーをリトーリーブから回収しようとした瞬間にブレイクの向こうで、ガツッ!という金属的な当たり!反射的にロッドを横に捌いてフッキングするや、巻き取りに入る。
トラウト独特のローリングするような引き、ただし重量感からそれが狙いの魚であることを悟った。イトウだ!
口から心臓半分でそうになりながら、葦際に寄せてハンドランディングした。

やった〜!念願のイトウ・・・北の鬼を手にできた!
鬼ちゃんゲット〜!(村上さんがアカメ釣ったときのシーンから)

震える手で川際で写真を撮って、蘇生して川に戻した。
サイズは53cmほど、まだあどけない個体であるが、この数日間のことが走馬燈のようによみがえった。充実感が全身を包んだ。
すぐさま、友人と釣り仲間に報告し、お礼を言った。

osjdojunzsczjnpsgkyw_480_480-e60ec6f2.jpg7/14 5:45頃 53cm

イトウの着き場所と食ってくるパターンがわかり、同じ要領で下流に進みながらVARUNAを打っていく。
20mほど行った場所で、ダウンで45°に川の中心にキャストしたルアーがブレイクの駆け上がりにさしかかろうとした時に、先ほどより重いガツン!という金属的な当たり!
きた!先ほどより重い。
慎重にファイトしながら再び川岸にランディングした。

連発〜!!

これまでの苦労が報われて、なんとも言えない気分となった。
先ほどよりは太っていて少し長いないす魚体。
水の中で撮影し、蘇生後上流に向かっていくイトウを見送った。
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7/14 7:20頃 55cm
その後、同じストレッチを下流に向けて行くが徐々に立ちこめ無くなり、いったん岸に上がって休憩した。

10:00頃 釣り再開。
先ほどのアウトサイドベンドは下流に行くと水深が深くなり立ちこめ無いので、岸から同じパターンを狙ってVARUNAを通していった。
途中でSlowFloatingの金黒をロストしたため、Floatingのチャートに変更した。その数投目、なんとなくこれまでダウンクロスで切っていったのをアップの45°にしてキャスト。
川幅の1/4程のところをルアーが通った瞬間だった。

ドンッ!という、力強い当たり!無意識に合わせを入れてロッドが弓なりにしなった直後、一気に上流走り始めた!
ドラグが出て行くのを無理矢理巻いて徐々に寄せてくる。

見えた魚体は私が長い間思い描いていたイトウの姿そのものであった。
丸太のように太い!他のトラウトとは違う異質な感じの魚体が水面を割った!
これは、先ほどのよりでかい!

しかも、岸際が葦で足場が高い。。
クラッチを切って魚体を制御しながら、ランディングネットを魚の方へ伸ばしていく。
いつも基本ハンドランディングだから慣れないため焦る。
魚体が暴れうまくネットに入ってくれず何回もばれそうになる。
私はネットランディングを諦め、葦際に横になって片手を伸ばしフィッシュグリップでイトウの下顎をつかんで引っ張り上げた!

でっかっ!!
それが、初めての印象であった。
イトウ釣りをされている方からしたら、アベレージなのかもしれないが。。。
初めての場所で数日間、孤独に釣りをしていた私には、とてつもなく大きく見えた!
若干現実と夢の間をさまよいながらも、急いで写真を撮り、ネット内で魚体を休ませ蘇生して泳いでいく姿を見守った。

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7/14 10:50 75cm

長さに比べ、そのまるまるとした体はコンディションの良さを感じた。
こんなに太っているのに、ベイトは何なんだろうという謎は最後まで分からなかった。

友人に報告し、お礼を伝えた。
道の駅の方にも、挨拶をしにいったところ、すでに友人伝いに私の釣果をご存じで、笑顔で迎えてくれた。
勤務中であったが、イトウ釣りについて2日前にもまして濃いお話を聞かせていただいた。
その夜、ロックフィッシュを一緒に釣りに行く約束したのだが。。。あいにく急なお仕事の都合で、それが叶わなかったことは心残りである。

北風が吹き荒れる中、北海道最後の夜はクロソイが遊んでくれた。

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7/15 
朝だけ、例の場所で釣りをすると決めていた。
しかし、イトウからの反応は無かった。

朝9時半には道北を出発し、千歳へと車を走らせた。
その日の日付が変わる頃、関西に心地よい疲労感とともに帰宅した。

本当に釣れるとは思っていなかったイトウ。
最後の最後で釣れてくれて本当によかった。
友人と地元の釣り士のかたには感謝しかない。

また機会があれば是非訪れたいと思う。

【TackleData1】
ROD: TULALA Glissando 90
REEL:DAIWA CERTATE 3012
LINE:DUEL X8 1.2号
LEADER:FLUOROCARBON 25LB
HIT LURE:OSP VARUNA 110SF金黒

【TackleData2】
ROD: FISHMAN BRIST VENDAVAL 8.9
REEL:ZILLION TW HLC 1514 SHL
LINE:DUEL X8 2.0号
LEADER:FLUOROCARBON 25LB
HIT LURE:OSP VARUNA 110SF金黒, 110F チャート

【TackleData3】ロックフィッシュ
ROD: TULALA Glissando 77
REEL:EXSENSE LB C3000 HG
LINE:DUEL X8 1.2号
LEADER:FLUOROCARBON 10LB
HIT LURE:シンゾー4インチ(ホワイトグロー)3.5gシンゾーヘッド(F)

 

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