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▼ ロッド選びのイロハ 長いほうが良い?
- ジャンル:釣り具インプレ
前回のつづき
今日からの話しは、ブランク長に対して「キャスト」「ルアー操作」「掛けた後の操作」を進めていきます。
まずは、きっとみんなが一番気にしているであろう、キャストについて。
1 キャストに対して
まず「適切に長い事のメリット」は、ルアーを飛ばしやすい事です。
なぜならば、ロッドを曲げやすくなるからです。
これは小学生の時の物理(理科)で習ったテコの原理です。
テコの原理では、同じ運動(ロッドをテイクバックして、投げる動作)を起こすと、支点(ロッドならリールフット付近)から作用点の距離が遠ければ・・・・なんだっけ?
そうそう、力点で力を多く使うのです。
これがロッドとルアーの場合は、ルアーの重さが高々知れているので、さすがに「重くて動かない~」とはなりませんが、「入力した際に遠くのある物を動かす力」がロッドを曲げてくれます。
遠いいほど=長いほどです。
超簡単に言えば、「作用点(ルアー)が遠くにあるほど、動かすのに力がいるから、その力をロッドのたわみを生み出しやすい」という事です。
ちなみに遠心力ですが、実はルアーのキャストにおいて良く使われるこの言葉、厳密にいうと間違っていますね。
遠心力とは回転する際に外へ行こうとする力なのですが、ロッドを用いたキャストはじつは円運動ではありません。
仮に右投げならば、支点の右手を中心とした、左手の力点で、作用点のルアーを動かし、その反動でブランクが曲がり、その返りの反発(ブランクの硬さ)でルアーをはじき出しています。
前出した、テコの原理の方が正しい表記であり、遠心力と言うよりも「ルアーの反心力(とどまろうとする力)」と「ブランクの曲がりの反発(物理として正しいとは思わないが、釣り人に解りやすいのは弾性率かな?)」によって成り立ちます。
ですから、「遠心力ではなく、簡単にブランクを曲げられるから、長いロッドは飛ぶ」という事があります。
(実はこの遠心力を使うキャストがあるのですが、それはまたの機会に)
ただし、曲げられない場合はどうなるか・・・
我が家の5歳児にスピニングタックルを持たせて良く釣りに行きます。
最初は「子供だから柔らかめのショートロッドが使いやすいか?」と思って、5fのトラウトロッドで3.5カットテールとかを使わせていましたが、どうもキャストが出来ないのです。
そこで7fのグルービーを使わせたら、なんと普通にキャストしだしました。
あぁなるほどなぁ・・・と思って、グリッサンド90を持たせてみたら、振りかぶった時にコケました。
力点への入力が弱い5歳の話しです。
そういう事ですね。
何が言いたいかと言うと、一般的な成人男性が振りきれるロッドの長さと硬さは、どこまでか・・・と言う話です。
ゴリラみたいなパワーがあれば、そりゃぁ普通の人にはキャストできないウェイトのルアーを、しっかりとロッドを曲げてキャストもできるかも知れませんがね。
それともう一つ、ルアーのウェイトとのバランスも大事です。
テコの原理での説明をしましたが、とうぜん重たいルアーにすればロッドは勝手に曲がります。軽くすれば曲がりません。そのバランスは非常に大事です。
各ロッドメーカーはルアーウェイトの表記をしていますが、重たい方は破断に影響するので意味が解りやすいですが、軽い方はなかなか表現が難しいですね。
私はこの「軽い側の何gまでは許容できる」を非常に大切にします。
よく「スピニングなら軽いルアーは何とでもなる」と言われるアングラーもいますが、そりゃぁ単純には投げられますが、「許容できるキャスト=釣りになる距離」とは言い難いと思います。
過去「強いロッド欲しい病」のころ、ライトなGTロッドでシーバスをやりましたが、ストレス以外の何物でもありませんでした。
上の2例で何が言いたいか。
ようはキャストとは「遠心力ではなく、ロッドを曲げた反発で、ルアーを飛ばしますよ」という事です。
そのブランクの反発を生む要素は、「ルアーウェイト」「スイング速度(人の能力)」「ブランクの反発性能」という事になり、「長いロッド」のキャストにおけるメリットは「適切なら曲げやすい」という事です。
では次に、短いロッドのキャストにおけるメリット。
というか、何をもって長いとか短いとか言うのかも難しくなってきましたが、やはり塩梅の話しになってしまいますね。それは、長いロッドのデメリットは、短いロッドのメリットになるのだという事です。
これは今後の話しでもすべてそう理解しておいてください。
よく「~~のマテリアルが最強」とかいう馬鹿ちんがいますが、マテリアルも長さも仕様も、全てにおいてバランスの話でしかありません。何かが良ければ、何かを失います。その組み合わせにおいて「マテリアルのみを評価」することに意味は全くありません。
大事なのは、「そのマテリアルの特性を、何と組み合わせるか」なのです。そういう意味で「短いロッド」とは性格を表現するに非常に面白いと思っています。
「長さでごまかせない」のです。
短いロッドのキャスティングにおけるメリットを一言で言うなら、「楽」につきます。
「楽しい」ではなく、「楽ちん」です。
テコの原理でいう所の、力点支点作用点がすべて近くにまとまっています。
当然ですが軽くなりその結果生まれるのが、キャスト精度の向上と言えます。
ですが、そこは上手い下手もありますし、適切なルアーウェイトは必須です。
また、もう一つ、とても大切なメリットがあります。
それは「キャストに使う空間が狭くできる」という事です。
サーフや開けた場所ではあまり気にならないのですが、港湾や河川のおかっぱり、断崖絶壁の磯などでは、ロッドが長いと周りの障害物によって全くキャストが出来ない事が多々あります。
また、ウェーディングでは「水面を叩く」という問題も発生します。
長いブランクは「長くルアーウェイトを乗せてロッドを曲げる」からこそ、遠くへキャストできるのであって、「小さく速いキャスト」をしようとすると全く飛ばす事が出来なくなります。
その点で短いブランクの場合は、狭い動作範囲のなかで適正にブランクを曲げてルアーをはじき出せます。
これがよく判るのが、フレッシュウォーターのアングラーに良くみられる「手首のスナップだけのキャスト」です。
逆に長い竿の経験が無いアングラーが11fとかを初めて触ると、「こんなんじゃ釣り出来ない」と思うはずです。
というか、私も最初に思いました(笑)
20年以上前、バスばっかりやっていて、初めてシーバスロッドを探しにお店へ行ったときに、「こんな長くてべなべなロッドでルアー投げられるのかなぁ?」と。
当時はブラックバス用のスピニングで、CD7とX70ぐらいしか使っていませんでしたからね。
今すでに、シーバスをやっているならば、GTロッドを触ってみれば当時の私と同じ気持ちを知る事が出来ると思います。
何にせよ、そのような長いロッドになると、手首だけではキャストできませんし疲れます。
私は12時間ぐらいのウェーディングをするので、「長さ」と「曲がらない硬さ」はけっこう疲れる事を経験的に知っています。
これは「ブランクが軽いから疲れない」なんて言うのは比べ物になりませんね。
キャストにおける短いロッドのメリットをまとめると、「フィールドによってはキャスト動作の幅の理由で必須」「ルアーウェイトが適正ならば、長いロッドよりもトータルで疲れない」そして「キャスト精度が良い(慣れやすい)」という事になります。
さて次は、キャスト後のブランクの長さによる違いの話し。
つづく
今日からの話しは、ブランク長に対して「キャスト」「ルアー操作」「掛けた後の操作」を進めていきます。
まずは、きっとみんなが一番気にしているであろう、キャストについて。
1 キャストに対して
まず「適切に長い事のメリット」は、ルアーを飛ばしやすい事です。
なぜならば、ロッドを曲げやすくなるからです。
これは小学生の時の物理(理科)で習ったテコの原理です。
テコの原理では、同じ運動(ロッドをテイクバックして、投げる動作)を起こすと、支点(ロッドならリールフット付近)から作用点の距離が遠ければ・・・・なんだっけ?
そうそう、力点で力を多く使うのです。
これがロッドとルアーの場合は、ルアーの重さが高々知れているので、さすがに「重くて動かない~」とはなりませんが、「入力した際に遠くのある物を動かす力」がロッドを曲げてくれます。
遠いいほど=長いほどです。
超簡単に言えば、「作用点(ルアー)が遠くにあるほど、動かすのに力がいるから、その力をロッドのたわみを生み出しやすい」という事です。
ちなみに遠心力ですが、実はルアーのキャストにおいて良く使われるこの言葉、厳密にいうと間違っていますね。
遠心力とは回転する際に外へ行こうとする力なのですが、ロッドを用いたキャストはじつは円運動ではありません。
仮に右投げならば、支点の右手を中心とした、左手の力点で、作用点のルアーを動かし、その反動でブランクが曲がり、その返りの反発(ブランクの硬さ)でルアーをはじき出しています。
前出した、テコの原理の方が正しい表記であり、遠心力と言うよりも「ルアーの反心力(とどまろうとする力)」と「ブランクの曲がりの反発(物理として正しいとは思わないが、釣り人に解りやすいのは弾性率かな?)」によって成り立ちます。
ですから、「遠心力ではなく、簡単にブランクを曲げられるから、長いロッドは飛ぶ」という事があります。
(実はこの遠心力を使うキャストがあるのですが、それはまたの機会に)
ただし、曲げられない場合はどうなるか・・・
我が家の5歳児にスピニングタックルを持たせて良く釣りに行きます。
最初は「子供だから柔らかめのショートロッドが使いやすいか?」と思って、5fのトラウトロッドで3.5カットテールとかを使わせていましたが、どうもキャストが出来ないのです。
そこで7fのグルービーを使わせたら、なんと普通にキャストしだしました。
あぁなるほどなぁ・・・と思って、グリッサンド90を持たせてみたら、振りかぶった時にコケました。
力点への入力が弱い5歳の話しです。
そういう事ですね。
何が言いたいかと言うと、一般的な成人男性が振りきれるロッドの長さと硬さは、どこまでか・・・と言う話です。
ゴリラみたいなパワーがあれば、そりゃぁ普通の人にはキャストできないウェイトのルアーを、しっかりとロッドを曲げてキャストもできるかも知れませんがね。
それともう一つ、ルアーのウェイトとのバランスも大事です。
テコの原理での説明をしましたが、とうぜん重たいルアーにすればロッドは勝手に曲がります。軽くすれば曲がりません。そのバランスは非常に大事です。
各ロッドメーカーはルアーウェイトの表記をしていますが、重たい方は破断に影響するので意味が解りやすいですが、軽い方はなかなか表現が難しいですね。
私はこの「軽い側の何gまでは許容できる」を非常に大切にします。
よく「スピニングなら軽いルアーは何とでもなる」と言われるアングラーもいますが、そりゃぁ単純には投げられますが、「許容できるキャスト=釣りになる距離」とは言い難いと思います。
過去「強いロッド欲しい病」のころ、ライトなGTロッドでシーバスをやりましたが、ストレス以外の何物でもありませんでした。
上の2例で何が言いたいか。
ようはキャストとは「遠心力ではなく、ロッドを曲げた反発で、ルアーを飛ばしますよ」という事です。
そのブランクの反発を生む要素は、「ルアーウェイト」「スイング速度(人の能力)」「ブランクの反発性能」という事になり、「長いロッド」のキャストにおけるメリットは「適切なら曲げやすい」という事です。
では次に、短いロッドのキャストにおけるメリット。
というか、何をもって長いとか短いとか言うのかも難しくなってきましたが、やはり塩梅の話しになってしまいますね。それは、長いロッドのデメリットは、短いロッドのメリットになるのだという事です。
これは今後の話しでもすべてそう理解しておいてください。
よく「~~のマテリアルが最強」とかいう馬鹿ちんがいますが、マテリアルも長さも仕様も、全てにおいてバランスの話でしかありません。何かが良ければ、何かを失います。その組み合わせにおいて「マテリアルのみを評価」することに意味は全くありません。
大事なのは、「そのマテリアルの特性を、何と組み合わせるか」なのです。そういう意味で「短いロッド」とは性格を表現するに非常に面白いと思っています。
「長さでごまかせない」のです。
短いロッドのキャスティングにおけるメリットを一言で言うなら、「楽」につきます。
「楽しい」ではなく、「楽ちん」です。
テコの原理でいう所の、力点支点作用点がすべて近くにまとまっています。
当然ですが軽くなりその結果生まれるのが、キャスト精度の向上と言えます。
ですが、そこは上手い下手もありますし、適切なルアーウェイトは必須です。
また、もう一つ、とても大切なメリットがあります。
それは「キャストに使う空間が狭くできる」という事です。
サーフや開けた場所ではあまり気にならないのですが、港湾や河川のおかっぱり、断崖絶壁の磯などでは、ロッドが長いと周りの障害物によって全くキャストが出来ない事が多々あります。
また、ウェーディングでは「水面を叩く」という問題も発生します。
長いブランクは「長くルアーウェイトを乗せてロッドを曲げる」からこそ、遠くへキャストできるのであって、「小さく速いキャスト」をしようとすると全く飛ばす事が出来なくなります。
その点で短いブランクの場合は、狭い動作範囲のなかで適正にブランクを曲げてルアーをはじき出せます。
これがよく判るのが、フレッシュウォーターのアングラーに良くみられる「手首のスナップだけのキャスト」です。
逆に長い竿の経験が無いアングラーが11fとかを初めて触ると、「こんなんじゃ釣り出来ない」と思うはずです。
というか、私も最初に思いました(笑)
20年以上前、バスばっかりやっていて、初めてシーバスロッドを探しにお店へ行ったときに、「こんな長くてべなべなロッドでルアー投げられるのかなぁ?」と。
当時はブラックバス用のスピニングで、CD7とX70ぐらいしか使っていませんでしたからね。
今すでに、シーバスをやっているならば、GTロッドを触ってみれば当時の私と同じ気持ちを知る事が出来ると思います。
何にせよ、そのような長いロッドになると、手首だけではキャストできませんし疲れます。
私は12時間ぐらいのウェーディングをするので、「長さ」と「曲がらない硬さ」はけっこう疲れる事を経験的に知っています。
これは「ブランクが軽いから疲れない」なんて言うのは比べ物になりませんね。
キャストにおける短いロッドのメリットをまとめると、「フィールドによってはキャスト動作の幅の理由で必須」「ルアーウェイトが適正ならば、長いロッドよりもトータルで疲れない」そして「キャスト精度が良い(慣れやすい)」という事になります。
さて次は、キャスト後のブランクの長さによる違いの話し。
つづく
- 2020年7月17日
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てこの原理でロッドが曲がるのはロッド自身のしなり度合いもありますが、ルアーにロッドを振り抜く方向とは逆方向の慣性が働いているから、という事の方が大きいと思います。
その慣性はテイクバック時のルアーの円運動などで得られますから、遠心力は違う、てこの原理が正しいんだ、と言うのでは無く全てが複合的に働いていると見るべきです。
てこの原理のみで数十メートル飛ばせるなら、テイクバックは必要ありません。
ryu
新潟県