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▼ 開発者として少し振り返る
- ジャンル:style-攻略法
Tulalの11fロッド開発プロセスが終わったので、少しだけ息抜きがてらに後ろを振り返ってみました。
私は競技者時代からの悪い癖で、厳しい状況にあえて挑戦するのが好きでした。
実は純粋に、一番を狙いにいく競技では、この方法は良くはありません。
でも、あえて、そのクラス初参入のメーカーへ移籍したリしてきました。
ミニバイクでは移籍前は東日本ランキング3位だったのに、移籍後は11まで落ちてしまい周りの乗り子の友人たちからは、ずい分と心配と安堵wの言葉を頂いたのを覚えています。
なんでそんなことをするのか?
それは、何もないゼロベースからの開発が楽しいからなのです。
また、成し遂げた時の達成感が高いとも言えます。
でも実は、もう一つ大きな理由が隠されています。
それは、「邪魔をされない」という究極のエゴが隠されているのです。
先行開発者がいれば、とうぜん様々なデータや経験を「私以外」の人たちが持っているので、経験豊富なチームへ移籍した場合は直後からその位置へ上がることができるというメリットがあります。
これを充てにするなら、当然過去の自分の順位よりも上に位置するチームへ移籍すれば、自然と順位が上がる確率は高くなります。
しかし逆を言うと、自分がトライしたい新しい試みを通すのには、時間をかなり要するという無駄も発生します。
開発業務というのは、メーカーから見ると先行投資にあたり、とうぜんですが回収のできない投資は行われる事がありません。
これは企業規模とも比例する、バブル崩壊以降の現実的な話です。
ですから、常識的な枠の外にある、新しい試みというものは、なかなか小規模メーカーにはできることではないのですが、じつはそのチャンスが一回だけ行われる時があります。
それが、新規参入の時。
この時だけは、市場モニタリング以外の余計な蓄積(怒られそうだw)がメーカーにないので、開発業務としてはゼロベースからチャレンジすることができるチャンスなのです。
そこへテスターとして始めることができれば、これほど楽しいことはないというのが私の経験上の答えでした。
まぁ、そのぶん辛いこともあるんだけど(笑)
さてでは、その開発者としての満足感とは、いったいどこで感じることができるのか?と聞かれれば、実はこれもかなりまちまちなことが多いです。
レースは結果(数字)が満足感ですが、釣り具開発は結果の出方がまた違うということもあります。
今回の11fは、完成した直後に満足感が来ました。
なんせ最終プロトまでが苦労(苦悩)の連続だったので、その最終プロトが上がってきたときの一振り、そして効果測定のテストで確認を取った時の気持ちは、本当に言葉に表せませんでした。
また、各地で行ったイベントでのユーザーの声は、それを後押ししてくれた最高の「満足エキス」ともなりましたw
ちなみにユーザーの反応で嬉しいといえば、タピオスはちょっと特殊なパターンです。
作った直後は「嬉しい」とか「満足」とかよりも、不安のほうが大きかったのを今でも覚えています。
ブランディングや販売促進など、じつは「その物」自体よりも「売る」という要素に対しての課題があったので、作り出した満足感が霞んでしまったという辛さもありました。
ところが、発売してから数年たった今頃に、フィールドやイベントで会うユーザーから評価を頂くことが増え、その内容が「自分のやりたかったことが伝わっている」という嬉しさが沸き上がってきました。
ブーム的な一過性の広がりではなく、物の評価で認めてもらえるというのは、本当にうれしいことです。
あと、特殊な例では、製品になる前に嬉しさが出るものもあります。
例えばアングラーズデザインのサポートベルト。
既存製品のライジャケに取り付けができる、腰と肩の負担を減らすためのベルトですが、そもそも磯とウェーディングメインのアングラーからすると、安全性と快適性を兼ね備えるのは絶対的な条件でした。
その為のアイディアを提案させて頂き、すぐに製品化してくれたこと。
そして各テスターやモニターさんが「当たり前」のように評価してくれた時が最高にうれしかったです。
あれから数年たち、他社も同じような製品をリリースしています。
安全に関しては、マネされてどうこうという感情ではなく、いいものはみんなが積極的に取り入れていく環境ができれば良いなと思ってます。
ちなみに、磯での機動性を重視して作ったロックショアベストも、「そのフィールドを知っているアングラー」から評価を頂けた事が本当に嬉しいです。
ある磯で、突然話しかけてくれたヒラスズキアングラーさんがいて、「なぜこういうものを作ったか」を話すまでもなく、その特徴のメリットを気に入ってくれたという話しがありました。
磯というフィールドで自分の命を預けられる道具って、実はそんなに多くありません。
おしゃれも大事ですが、それ以上に大事なものがあって、絶対に犠牲にしてはいけない機能があります。
そこを理解して使って頂けているってことが、とても自分の「開発意欲」に対して励みになります。
私の開発方向は、たぶんこれからもこの方向なんじゃないのかと思うのです。
共通するのは、「目指す方向性が明確」ということです。
なんとなく作ったものは一つもありません。
これからも、そこは崩さないでやっていこうと思ってます。
これからも、機会がれば良いものを作りますので、よろしくお願いいたします。
追記
Tulalaハーモニクス11Fは、11月ごろに発売予定です。
まぁ、例によって予定はあくまでも予定ですが
販売店にも少し並びますので、お手に取っていただければ幸いです♪
私は競技者時代からの悪い癖で、厳しい状況にあえて挑戦するのが好きでした。
実は純粋に、一番を狙いにいく競技では、この方法は良くはありません。
でも、あえて、そのクラス初参入のメーカーへ移籍したリしてきました。
ミニバイクでは移籍前は東日本ランキング3位だったのに、移籍後は11まで落ちてしまい周りの乗り子の友人たちからは、ずい分と心配と安堵wの言葉を頂いたのを覚えています。
なんでそんなことをするのか?
それは、何もないゼロベースからの開発が楽しいからなのです。
また、成し遂げた時の達成感が高いとも言えます。
でも実は、もう一つ大きな理由が隠されています。
それは、「邪魔をされない」という究極のエゴが隠されているのです。
先行開発者がいれば、とうぜん様々なデータや経験を「私以外」の人たちが持っているので、経験豊富なチームへ移籍した場合は直後からその位置へ上がることができるというメリットがあります。
これを充てにするなら、当然過去の自分の順位よりも上に位置するチームへ移籍すれば、自然と順位が上がる確率は高くなります。
しかし逆を言うと、自分がトライしたい新しい試みを通すのには、時間をかなり要するという無駄も発生します。
開発業務というのは、メーカーから見ると先行投資にあたり、とうぜんですが回収のできない投資は行われる事がありません。
これは企業規模とも比例する、バブル崩壊以降の現実的な話です。
ですから、常識的な枠の外にある、新しい試みというものは、なかなか小規模メーカーにはできることではないのですが、じつはそのチャンスが一回だけ行われる時があります。
それが、新規参入の時。
この時だけは、市場モニタリング以外の余計な蓄積(怒られそうだw)がメーカーにないので、開発業務としてはゼロベースからチャレンジすることができるチャンスなのです。
そこへテスターとして始めることができれば、これほど楽しいことはないというのが私の経験上の答えでした。
まぁ、そのぶん辛いこともあるんだけど(笑)
さてでは、その開発者としての満足感とは、いったいどこで感じることができるのか?と聞かれれば、実はこれもかなりまちまちなことが多いです。
レースは結果(数字)が満足感ですが、釣り具開発は結果の出方がまた違うということもあります。
今回の11fは、完成した直後に満足感が来ました。
なんせ最終プロトまでが苦労(苦悩)の連続だったので、その最終プロトが上がってきたときの一振り、そして効果測定のテストで確認を取った時の気持ちは、本当に言葉に表せませんでした。
また、各地で行ったイベントでのユーザーの声は、それを後押ししてくれた最高の「満足エキス」ともなりましたw
ちなみにユーザーの反応で嬉しいといえば、タピオスはちょっと特殊なパターンです。
作った直後は「嬉しい」とか「満足」とかよりも、不安のほうが大きかったのを今でも覚えています。
ブランディングや販売促進など、じつは「その物」自体よりも「売る」という要素に対しての課題があったので、作り出した満足感が霞んでしまったという辛さもありました。
ところが、発売してから数年たった今頃に、フィールドやイベントで会うユーザーから評価を頂くことが増え、その内容が「自分のやりたかったことが伝わっている」という嬉しさが沸き上がってきました。
ブーム的な一過性の広がりではなく、物の評価で認めてもらえるというのは、本当にうれしいことです。
あと、特殊な例では、製品になる前に嬉しさが出るものもあります。
例えばアングラーズデザインのサポートベルト。
既存製品のライジャケに取り付けができる、腰と肩の負担を減らすためのベルトですが、そもそも磯とウェーディングメインのアングラーからすると、安全性と快適性を兼ね備えるのは絶対的な条件でした。
その為のアイディアを提案させて頂き、すぐに製品化してくれたこと。
そして各テスターやモニターさんが「当たり前」のように評価してくれた時が最高にうれしかったです。
あれから数年たち、他社も同じような製品をリリースしています。
安全に関しては、マネされてどうこうという感情ではなく、いいものはみんなが積極的に取り入れていく環境ができれば良いなと思ってます。
ちなみに、磯での機動性を重視して作ったロックショアベストも、「そのフィールドを知っているアングラー」から評価を頂けた事が本当に嬉しいです。
ある磯で、突然話しかけてくれたヒラスズキアングラーさんがいて、「なぜこういうものを作ったか」を話すまでもなく、その特徴のメリットを気に入ってくれたという話しがありました。
磯というフィールドで自分の命を預けられる道具って、実はそんなに多くありません。
おしゃれも大事ですが、それ以上に大事なものがあって、絶対に犠牲にしてはいけない機能があります。
そこを理解して使って頂けているってことが、とても自分の「開発意欲」に対して励みになります。
私の開発方向は、たぶんこれからもこの方向なんじゃないのかと思うのです。
共通するのは、「目指す方向性が明確」ということです。
なんとなく作ったものは一つもありません。
これからも、そこは崩さないでやっていこうと思ってます。
これからも、機会がれば良いものを作りますので、よろしくお願いいたします。
追記
Tulalaハーモニクス11Fは、11月ごろに発売予定です。
販売店にも少し並びますので、お手に取っていただければ幸いです♪
- 2016年9月6日
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一からやって、往々にしてたどり着かないんですが、たまにたどり着くとほんと嬉しい(月並みなワードですが)ですね。その往々にしての往々を支えるもの、工藤さんの文はその最たるものですね。
はらまき
山梨県