奥深きルアー製作の世界⑥ペイントレスカラーリング

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カラーリングはルアー製作の華だ。何より製作者の気持ちが最も良く表れる所だし、完成度も含めてそのルアーが「釣れそう!」とか「面白い!」「キレイ!」と思われるかどうかの重要なポイントでもある。だからルアーのカラーリングにはこだわりたいし、ハンドメイドならではの表現をしてみたい。

しかしながら、製作する上で最も製作環境や設備への依存が高いのもこの作業。何より知識やスキルがないとなかなか敷居が高い領域でもある。したがって失敗も多く、完成間際に「あーっ!(泣)」ってなるのもこの工程ならでは。

自分はかつて一軒家の実家でルアー製作をしていた。その頃は周囲に気兼ねなくエアブラシを使っていたが、今はマンション中層階で隣と上下に挟まれながらの生活。音と匂いと振動の全てを備えたエアブラシ作業は家族の理解も得られず休止状態。そもそも自分のスペースは子供の学習机の半分ほどしかなく、あとはベランダのみ。それでも美しいカラーリングを実現したい。悩みに悩んだ末に、塗料を使わないペイントレスカラーリングにたどり着いたのだった。

ペイントレスカラーリング(PLC)とは

勝手につけた呼び名だが、簡単に言えば塗料を使わずにフィルムやテープを使ってのカラーリング表現。特にインクジェット印刷の技術を活用することがキモになる。
下の写真は今回ペイントレスで製作途中のもの。本体と目玉も含めてこれらには塗料は一切使用していない。



細かい製作方法は後述するとして、主に使用する材料。

各種のインクジェットラベル
アルミテープ
ホログラムストレッチシール
ビニールテープ
UVレジン(目玉用)
あとはPCとインクジェットプリンターがあればOK。





こういうのが家電量販店などで売っている(ストレッチホログラムシートは釣具店で)。裏面に粘着剤があるものが前提で、ホログラムや伸びるタイプの透明や白色ものをよく使っている。

製作の一例




下地の木目を生かしながら手描きグラフィック風の細い線と、水彩風に透けるカラーをほんのりと表現してみた。この両方をエアブラシで再現するのは自分には不可能だ。今回はPCでイラストを描き、透明の伸びるインクジェット印刷シートに印刷して貼ってみた。この程度の面であれば貼り作業はさほど難しくはない。ハンドメイドならではの木目と色柄の表現の両立が可能だ。

この手法の大きなメリット
・色流れがないこと
・失敗が少ないこと
・再現性が高いこと
・作業が早く乾燥の待ち時間がないこと
・グラフィック表現の自由度が高いこと

他にもいいことがあるかもしれないが、何より製作環境のせいででルアー製作ができない人やペイント工程が苦手な人には是非オススメしたい。

次回からはPLCの複合的表現についていくつか。
(つづく)



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