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▼ タコは多幸
- ジャンル:釣行記
- (回顧録)
先週、3連休 初日の出来事。 今日も俺のタコポイントは多くの家族連れで大賑わいです。
岸壁沿いに並び釣り糸を垂れる家族連れの間隙を縫うように俺はタコエギを落としていると、4人家族がサビキ釣りをしていた。 三十代半ばの夫婦と中学生くらいの女の子に小1くらいの男の子。
一頃、サビキで釣れていた魚たちは抜けてしまい、さっぱり釣れないようで、退屈でしかたのない小1の坊主は、走り回っては親元に戻ってきて「パパ 釣れた?」と問いかけ、空のバケツを覗き込んでは、また堤防を走り回っていた。
俺はそんな微笑ましい光景を見ながらトントンとボトムを叩く。
そんな俺のところにも坊主が退屈しのぎに遊びに来た。
坊主「おじさんは何を釣っているの?」
俺「タコだよ」
坊主「ふ~ん タコがいるんだ」と言い残し、また親元に駈け出して行くと「あの おじさん タコを釣っているんだって」と報告を済ますと、再び俺の元に寄ってきた。
アウトドアが全く似合わない純朴そうなご主人は「邪魔しないようにね」と穏やかに諭す。
人懐っこい 坊主は「今日はね、パパが新鮮な魚を食べようって言って、お魚を釣りに来たんだけど・・全然釣れないんだ おじさんは釣れた?」
俺「始めたばかりだから、まだ釣れていないよ」
坊主「ふ~ん」と言い残し、また親元へ走りだし「パパ 釣れた? あのおじさん まだタコ釣れていないんだって」と報告しに行く。
俺のところだけじゃなく、他の釣り人のとろに行っては同じような事を話し掛けては親元に戻る・・・を繰り返していた。
しばらくすると、坊主がまたやって来きて「おじさん 釣れた?」
俺「まだ釣れないね 今日はタコさん お留守みたいだね」
坊主「そうなんだ・・・パパも全然だめだって言うんだ・・・今日もカップラーメンかなぁ」と少し元気なくつぶやく
俺は「ボウズだとカップラーメンってどんな生活やねん」と心の中でツッコミを入れる。
俺「パパは頑張っているから きっと釣れるよ」と励ましてあげる。
すると坊主は「僕はねカップラーメンでも良いんだ! パパは今 お仕事探しているところだから贅沢はできないんだ」と気丈に振舞ってみせた。
俺は一瞬言葉を失った・・・
お父さんは無職なの!? 食材確保に困って魚釣りに来たというのか? まさか自給自足の生活?
事実としたらあまりにも切ない話だ・・・昭和枯れすすきの平成版か?
夫婦とお姉ちゃん3人が横一直線に並び懸命に竿をしゃくる、その姿。鬼神に迫るものを感じる。
そんな折、俺のロッドがぐにょん!としなり、本日1杯目をGET
その姿を見た坊主が一目散に駆け寄って来た!「わぁ タコだ!おじさん 凄いね!凄いね!」と連呼しながら親元に駆け出して行った。
生きたタコが珍しいようで、家族総出で見に来た。
奥さんと子供らは 奇妙な動きで地面を這うタコの姿に大はしゃぎ
奇声を上げてはしゃぐ家族を見ていたらキーパーネットに入れるタイミングを失ってしまったので「差し上げますから 持って帰ってください 美味しいですよ」とご主人に勧めると「いいんですか ありがとうございます♪」とバケツの中にタコを放り込んだ。
俺はタコングを再開するが、家族連れは「あぁー逃げる!逃げる!」「うわぁ 引っ付いた」とタコに夢中の様である。
ほどなくして2杯目をGET
キーパーサイズなのでネット入れる。
少し離れたところから「あ、 あのおじさん またタコ釣ったよ すごく上手だね~」と親子の会話が聞こえてくる。
うん♪うん♪ そうだろう♪ そうだろう♪ と低い鼻が2mm高くなった(笑)
その姿を見ていたのだろうか、ご主人が話しかけて来た。
端的に話せば、この純朴な感じのご主人は「タコ釣りを教えて欲し」とのこと。
そこには「ボウズのままでは帰れない」 「父親の尊厳を保ちたい」という強い意思を感じた。
どうやらこのご主人、釣りはほぼ素人で年に1、2度 家族と釣りに出掛けるレベル
ご主人が持っているサビキ用の釣竿では難しいことを告げると落胆の表情。
仕方がないので、俺のタックルで釣ってもらう事になった。
手始めにリールの扱い方を教え、オモリがトントンと海底叩く感触を教え、さぁ実釣開始。
家族から「パパ頑張ってー」と熱い声援を受け真剣な眼差しで海底を叩く。
俺はご主人の傍でレクチャーをしながら移動していく。
うまく釣れてくれたら嬉しいが、そう簡単に釣れないだろうな・・・と思いながら20mくらい歩くと・・・「あ、根掛かってしまったようです」と申し訳なさそうな顔をするご主人。
ロッドを渡された俺は根掛りを外そうとロッドあおると、これは根掛りの感触じゃない!
この弾力性のある感触はタコだ!
そう判断した俺はご主人に「タコが掛っています」とロッドを手渡する
慌てふためくご主人に「タコがエギに抱き着いて岩場に潜り込んでいます」と状況を教える。
「こういう時は進行方向と逆方向に引っ張ります。」と誘導し、「引っ張ってもラインは切れませんから、ロッドをラインと一直線にして引っ張ってください」と竿先を寝かせ後ずさりをさせる。
そろそろ抜けるかな?と思った瞬間、ロッドが持ち上がった!
「ご主人 リールを巻いて!巻いて!」と俺が叫ぶと、力任せにガックン!ガックン!とぎこちない巻き方で腕を動かす。
やがて海底からパーッ!と花が咲いたようにタコが脚を広げて浮かび上がってきた。
そこから一気に抜き上げられれば良かったが、俺のアドバイスがワンテンポ遅れたため、竿先の絞りが足りず、1回目は失敗しドボン!と着水
バレたかと思ったが、釣りの神様は見捨てなかった!
2回目に何とかブチ抜き成功! \(^o^)/
ご主人の元に家族が駆け寄り歓喜の声!
ご主人は地面を這うタコを呆然と見つめながらゼイゼイと肩で息をしている。
俺はポン!と肩を叩き「ご主人 おめでとう」と両手を差し出しガッチリ握手をする。
息を整え「ありがとうございました」と頭を下げるご主人の目が少し潤んでいたように見えた。
坊主はパパが釣ったのがよほど嬉しかったのだろう。 大きな声で「パパが釣ったんだよ!パパが釣ったんだよ!」と騒ぎを見に来た人たちに自慢げに声を張り上げていた。
釣りに戻った俺はランガンを続け、やがてこの家族から遠ざかって行った。
やがて日暮れとなり、釣り人がポツポツと帰り始めた頃、駐車場の方から坊主が走ってきた。
「おじさん ありがとう。 おじさんってとってもいい人だね」と言い残すと、親元へと元気に走り帰って行った。
その先には、深々と頭を下げる両親の姿があった。
ご主人の尊厳は保たれ、夕食の食材も確保でき、万事めでたし♪めでたし♪
そして俺も、いつもと同じタコングだったけど、ちょっとしたドラマがあって、少しほっこりとした気持ちになれた初秋の釣行でした。
ほんと タコだけに多幸ですね \(^o^)/

- 2014年10月17日
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