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世界でいちばんアツい夏

  • ジャンル:日記/一般

人には夢がある。

長年かけて追い続けてきた自分の夢。

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それはサイズや数にこだわらずに、自分が納得できる100%のゲームを達成すること。

 たくさんの困難や試練を乗り越えて、ギリギリで手にいれた勝利にこそ真の喜びをもとめるのが自分の価値観。

それがこの夏ようやく叶いました・・・。

今回はそれについてお話してみたいと思います。

・・・とその前に長文なのでBGM どうぞ(笑)




 連日の猛暑でゆで上がる高知県に文字通りの特攻をかけた今夏。
 
過去類をみないアカメラッシュで湧いていた高知がそこにあった。
 
 お盆休みということもあり、日本全国、北は宮城から南は九州まで車一台でたどり着いたアングラー達であふれかえる浦戸湾。
 
 夜間でも30°を超える文字通りの熱帯夜にウェーダ―&フル装備はある種、命の危険を感じることもあるほどだったが、どこかしらで上がる歓声とカメラのフラッシュが連日、アツい夜を演出してくれていた。

 
 かくいう自分も現在開発中のロッド〝パープルヘイズ“を握りしめ、毎晩のようにフルキャストを続ける。一日、何時間なんてヤボなことは考えず、日の入り前から日の出後までキッチリ・たっぷり・こってり・・・自分の釣りに浸る(爆)

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 連日連夜、投げ倒し続けた。
 
 しかし、いくら好調といえど気難しい魚であることには変わらない。
 
 自分のこだわるのはシャローでの回遊待ち狙い。ここぞと決めたポイントでひたすら待ち続けるのが美学。
 
 シンペンのフォールの釣りも嫌いでないが、やはり男はミノー(意味不明)。

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 気に入って、納得できるルアーを一晩中投げ続けるスタイルは昔から変わっていない。
 
 
なので・・・あいかわらず効率は悪い(爆)。
 
 
 そもそもなんでこんなにアカメにこだわるのか?
 
 簡単にいえば「かぎりなく熱くさせてくれるから」
 
何日も・・・
何カ月も・・・
何年も・・・
 
 そこに通いこんでようやく得られるたった一回のコンタクト。
 
 ようやく掛けても簡単には寄ってこないしぶとさ。
 
 ファーストダッシュで軽く100m以上ラインを引き出し、
 
 時にフックを伸ばされ、リングを変形させ、ルアーを砕き、ロッドをへし折る。
 
 
 これが空想の世界でなく、現実の日本の岸からのゲームでおこるのだからアツくならないほうが無理だ。
 
 さまざまな困難を乗り越えて手にした魚はサイズを問わずにドキドキさせてくれる。
 
 その難易度の高さが手にした時の感動を最大限のものにしてくれるのだ。
 
 これが何年たっても横浜の自宅から高知までの長い道のりを通わせてくれる原動力となっている。
 

 初めてアカメを手にしたあの時から14年。
 
 息を忘れるほどの緊張感と心臓のバクバクはいまでも変わらない。
 
 月光に照らされて銀色の輝く巨体が狂ったように、なんどもなんども垂直に飛びあがるさまは今でも脳裏に焼き付いている
 
 
 いつまでたっても強敵であり、あり続けてほしいアカメという存在。
 
 自分にとって、こだわりと限界を試される試練の時なのだ。
 


 あの頃に比べれば、釣りの環境も大幅に変わった。
  
 多くの釣り人が高知を訪れ、それぞれのスタンスで真剣にアカメに挑んでいる。
 
 遠征中、地元・遠征組問わず、見知らぬ人同士がフィールドで挨拶をかわし、情報交換する場面に何度も逢ったし、また自分もそこに加わらせていただいた。
 
 
志をおなじとする者同士の連帯感。
 
そして誰かが釣れば同じ喜びを感じられる空気が非常に心地よかった。
 

 お盆も過ぎ、一人また一人と帰路につくなか、今度は自分の番とばかりにキャストする力もこもる。
 
 しかし、連日好調であるがゆえに多くの情報が入り続けて、振りまわされてしまう。
 
 いわゆる“裏目に出る”という負のスパイラルだ。
 
 さきほどまで居たポイントで誰かがあげ、これから行こうとするポイントでも歓声が上がる。

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 しまいには並んで釣っていた友人までもが魚を獲るなか、なぜか自分にはカスリもしない。
 
レンジは上なのか、下なのか?
 
リーリング速度は遅いのか早いのか?
 
カラーはアピール系なのかナチュラル系なのか?
 

 普通なら皆目手がかりがないだけに焦るのかも知れないが、普段から苦戦には慣れているので(爆)、自分がやるべきことを淡々とやっていく。
 
 
それは自分のスタイルに戻すこと。

 
 情報にまどわされずに一か所にへばりついて、潮の流れ、水圧、ベイトの動きを徹底的に調べあげ、そこから魚の動きを予測する、いつものスタイルに。
 

そしてキャスト開始から9日目。
 
 水面直下をリーリングしていた手がガツっとした衝撃でとまる。
 
 一気にアワセをくれるとスッポ抜けるので、徐々に巻きこんで、完全にノセてからアワセを決めようとした瞬間。
 
 スポンっと軽い感触とともに水のなかからルアーが飛び出し、目の前に着水してきた。
 
「?」
 
 なにが起きたか理解するまでに数秒を要したが、回収したルアーを調べて愕然となる。
 
フックもリングも異常なし。
 
ボディにも傷一つついてない。
 
ただひとつ。
 
 ルアーのノットから20cm上のリーダー部分がザラザラになっていた。
 
 大型の個体が吸い込んだものの、固い口内にフックが刺さらず、瞬時に吐き出された まごうことなき証。
 
 わずか数秒の出来事だけにどうにも対処できなかったが全てが分かってしまっただけに、非常に悔しい。心の底から地団駄を踏んだ。
 
「最初のバイトは最後のバイト」

 とつねに自分に言い聞かせて、いつも釣りをしてきただけに、どうにもならないやるせなさが込み上げてくる。
 

だが、これでやることは決まった。
 

ここで徹底的にやり通すだけだと自分に言い聞かせ腹をくくる。
 
 
そして迎えた最終日。
 
じわじわと潮が満ち・・・
 
上げどまりを迎え・・・
 
そして徐々に潮が動き出すころ、上流からイナッコの絨毯がジワジワと下ってくる。
 

 時折、ザワザワと怯えたベイトの動きに注意をしながら、何度もトレースコースを変えていく。
 
 アカメは中層~ボトムでのヒットが多いイメージだが、これはカニを食べている時に多いパターンと個人的に感じる。
 
表層でサヨリやイナッコなどを捕食している時にはシーバス同様表層系のミノーやトップに分があることが多い。
 
 前日にアストレイアシャロー99Fで引いていたレンジは水面下10~20cmぐらい。
 
 そこをより大きな波動を出せ、なおかつ大型のフックを搭載できるブルーオーシャン115Fのチューニングモデルで攻める。
 
 時折、ズパンッとバケツをひっくり返したようなライズが遠くで出始める。
 
 ちょっと前に釣れていた60~80cmクラスの群れでなく、やはり大型の個体の群れが入っているらしい。
 
 そこはかとなく漂う静けさと緊張感に武者ぶるいしながら、リールを巻く手に力がこもる。
 
 しかし、意に反してバイトは伝わってこない。
 

「・・・月か。」
 
 ふと見上げた空にはあかるく水面を照らす満月がのぼり、あたかも慣れ親しんだ富津岬にいる錯覚に陥る。
 
「ただいま。」おもわず口からこぼれる言葉。

 自分がもっとも得意とするベタ凪・満月・クリアーのシチュエーションがいま目の前にある。
 

ここでカラーを得意のクリアー系に交換。

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 月明かりで明るい水中で、光を透過することでシルエットがぼやけて、見切られない効果を発揮するのだ。
 
 
ややアップ気味に投げて、クロスから徐々にダウンのトレースコースをイメージして、クイック&スローでリトリーブしてきた瞬間・・・

いきなりガツンと衝撃が伝わり、モノ凄い勢いでドラグが唸りをあげる。

「来たよッ!」

 とファイト開始を周囲に告げると同時になぎ倒されるほどのパワーで持っていかれる。
 
メリメリメリメリッ
 
とラインがスプールに食い込むのを逆転でいなしながら、一気に30mほどラインを持ってかれるが焦りは禁物。


 
 ここでさらにラインテンションを抜き、魚への負荷をなくすことで走りを止める「ゼロメソッド」を発動。
 
 必要以上に走らせずにどうにかコントロールの効く30m圏内にとどめることに成功する。
 

ロッドを伝わってくる首振りのストロークが非常に長い。
 
限界まで曲がったつぎの瞬間にまっすぐになるほど。
 
 これをロッドワークだけに頼らずにドラグとレバー操作で完璧に封じて、一進一退の攻防を繰り広げる。
 
だが・・・。
 
プッ・・・プンっ。
 
時折、へんな感触が張り詰めたラインを通じて伝わってくる。
 
「フックが外れて、移動しているのか?それともエラのトゲにリーダーがひっかかっているのか?」
 
慎重に、慎重に寄せながら相手の出方を伺う。
 
ズバババァアアッ
 
まるで迫撃砲で狙い撃ちしたかのような、轟音とともに巨大な頭が水面で大暴れを繰り返す。
 

「!?・・・ルアーが見えないっ!」
 

 照らし出された光の輪のなかで、激しく首を振る巨大なアカメの口元にあるべきルアーの姿は見えない。
 

「・・・丸飲みか。」
 

リーダーはフロロの40lb。
 
このサイズの歯ズレを防ぐには少し心もとない。
 

 すこしでも無理をすればたちどころにリーダーブレイクのギリギリの状況におもわずクラクラする。新潟のテトラ戦や福井のブッシュ戦が走馬灯のように脳裏をよぎる。
 

 しかし嘆いている暇はない。こんな危機的状況だからこそ、一気にケリをつけねばならないのだ。
 
 まさにこの時のために存在する強力無比なパワーを有する禁忌のロッド“パープルヘイズ”。
 
シーバスロッドなのに“あらゆるモンスターが来ても負けない”そんな気迫が込められたそのパワーで真っ向から勝負をいどむ。
 
 時折、立つ水柱が徐々に弱くなり、その距離が一段と狭まる。
 

「あと・・・少しっ」
 
 
サポートにまわってくれているやんやん氏の前に、ゆらりとその魚体が浮かび上がる。
 

「で・でかいっ!!」
 

 その距離5m・・・。ヘッドライトのあかりに不気味に紅い目の軌跡を残しながら徐々に近づいてくる巨大な影。

「タイミングの良い時にいきましょう。」網をかまえるやんやん氏に
 
「ネットインは完全に横になってから。」と緊迫した声でつたえる。
 

 あと3m・・・その口元から伸びるリーダーが毛糸のようにささくれだっているのを確認。

「うわぁぁ。さわったら・・・切れそうっ」と悲痛な叫びが耳に入る。

 
1m・・・手を伸ばせば届きそうなところにいる怪物。
 
 はじめて掛けたあの瞬間を思い浮かべながら、やんやん氏の差し出すネットにその巨体をずり入れていく。
 
 ファンキー&パンドラボックス謹製の大型ネット“元帥”。

 80~90cmクラスのシーバスなら臆することなく入るその考え抜かれた形状を持ってしてもギリギリの状態。それを無理やり押し込んで“くの字”に折れ曲がってようやくネットイン成功。
 
 2人掛かりでどうにか押さえつけ、がっちり握手をかわす。
 
114cm 20,4kg。

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長年ショアからのスタイルにこだわり続け、なんどもなんども悔し涙を飲んで追い続けてきた夢にようやく出会うことができました。


ルアーは丸飲み・・・

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リーダーはズタボロ・・・。
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本当にギリギリの闘いでした(笑)

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ようやく100cm以上計れる凄腕メジャーの晴れ舞台がやってきました(爆)


いままで応援してくれた地元の友人、ならびにたくさんの方々。
 
本当にありがとう御座いましたっ!!
 
 そしてここまで信じて、最後までひるむことなく戦い抜いたタックルにも最大限の敬意と感謝を表したいと思います。

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【Tackle Data】
●Rod:パープルヘイズ(エクリプス)
●Reel:トーナメントISO Z 2500 LBD Ⅴ・I ・P (Daiwa)
+ハイパースピンノブ(Gクラフト)
●Line:ファイアーライン25lb(ピュアフィッシングジャパン)
●Leader:GRAND MAX 10号(クレハ)
●Winning Lure :K-ten BlueOcean BKF115 ダブルチャートクリアー(タックルハウス×エクリプス)

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