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イカスミ仙人

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キープする難しさ

  • ジャンル:釣行記
旨いのになぜ、アジはめちゃくちゃ安いのか。これこそ、優秀ではなくとも稀少なモノというだけで価格が吊り上がる市場経済の不思議。


大荒れの週末、往復4時間の外房釣行。もしこれが密会だったら、それだけの時間と金をかけて行くからには、相当いい女で、且つ特上のサービスを提供してくれなければ採算が合わない。よね。



外海には魚がごっそりいる。

魚が漁港周辺に入るのを待つしかないのが、仙人のようなオールタイム陸っぱりアングラーの辛いところだ。

しかし、芸の道は経験の積み重ねで開けてくるものである。

この日の港内は濁り強。10m/s以上の風がしばらく吹き荒れたのだから仕方ない。シーバスはこういう条件下で明暗を強く意識する。アジはどうなのか。

常夜灯が背後から照らすポイントで、遠目ほどアタるレンジが深い、となったらその理由はたった一つしかない。岸壁やテトラや障害物のシェイドと、光が直接届く水塊の境界は広大な連続した面になる。

面の釣りは効率がいい。ジグヘッドをその斜面に沿ってきっちりスイムさせられればベストだが、着水からのフォールを浅めにとることにより、1キャストで少なくとも一回はそこを通過させることが出来る。橋の明暗でのリフト&フォールと理屈は同じだ。

強風が予想されたため、1.6gのジグヘッドを準備した。水中の挙動を確認すると、PEが毛羽だってきているためか思ったほど沈下が速くなかった。

フルキャストしてからのカウントを基準にして巻き始める。その時の深度は全く分からないし、分かったところでそのデータの有無が釣果を左右することはない。

カーブフォールの速度の鉛直成分は等速ではないから、水深をカウント数とフリーフォール速度の積で求めることはできない。しかも水深が十分にあるポイントでボトムをとるためにテンションフォールをした場合、ジグヘッドはアングラーを中心とした円運動を描くため、着底するのがキャスト位置の足元になることだってありうる。一方、キャスト距離に対して水深が十分に浅ければ、近似的に水深を求めることは可能である。

ここで、繰り返し同じレンジから攻め始めるなら、カウントこそがすべての基準になるため、時間の単位はしっかり決めておくべきである。適当にカウントしていると、1カウントが0.5秒であったり2秒になったりするからだ。なお、釣りにおいてはCGS単位系が最も適しているし、よく使われている。小学生の時、初めて買ってもらったデジタルウォッチのストップウォッチ機能でブラインド10秒ジャストの練習をバカみたいに繰り返していたのを思い出す。全くもって子供は純粋で、愚かだ。それが今になって役に立ったとは、もちろん思えないし。


さて、テンションをかけたま約25秒フォールさせたときにまず反応があった。10投中数回バイトがあったのでそのレンジに決め打つ。

次はその距離の半分位の地点にキャストして、10数秒後にバイトが集中するか確かめる。

ところが一向にバイトしない。結局20秒以上落とさないとダメなようだ。つまりレンジはほぼ一定だということ。読みは外れた。

しばらくはいつものアクションで順調に釣れ続けたが突然、縦の動きに反応がなくなった。横にサビく時にだけバイトが出る。そのタイミングでカマスが食ってきた。多分小魚が入ってきたのだろう。それからは明暗の面にバイトが集中するようになる。しめしめ。

上げが効いてくるとカマス祭りが始まった。サイズも20~30㎝とかなりいい。ただ、アワセが少しでも遅れるとリーダーがボロボロに。超即アワセでなんとか対応する。これは真夏の鴨川で学んだ知識だ。カマスやムツのバイトはモソッとしている。アジのように弾くような感触があるのは稀だ。まず餌に追従していき、鋭い歯で捕らえた後もくわえ直したりして、半転せずに飲み込む、こんなイメージを持っている。

その後もポツポツ20㎝弱のアジをキープしていく。15㎝以下はすべてリリース。


水汲みバケツがアジで窮屈になってくると、いつも考え悩むことがある。それは帰宅後の為の仙人ルールがあるからだ。

まず、持ち帰るのは10匹以下。
遠征から帰還直後の極限状態の中で、仙人のアジを捌く能力がこの程度だということ。
体長が20㎝以上。
これも捌く腕の問題だ。仙人はアジを主に刺身で頂くため、身をなるべく多く残し、骨は完璧に取り除く必要がある。中骨除去作業は修行というより、拷問だ。ちいさな骨一本で、我が伴侶は激怒する。その回避策として、血合ごと包丁で取り除くのである。半身をさらに上下に分割するので、チビちゃんだと食べる部分がすっごくほっそくなるのである。

釣りに、食べるという要素が加わると誠に面倒なことが増える。でも食べたいから頑張るしかない。

いろんな意味で持ち帰る魚の本数に制限がかかっているため、また元気なままでリリースしてあげたいがため、頭は堂々巡りを続けるのです。

このあとデカアジが回ってきたらどうしようだとか、絞めてバケツが真っ赤になったらまだ血抜きしてない奴が見えなくなるな、だとか。

要は活かしバッカンとバケツを携帯すればすべて解決!なのは判っている。しかしながら、ランガンスタイルは貫きたい。道具の取捨選択には無駄金を使うだけでなく気も遣う。

結局、最近調子が悪い朝マズメには一切期待しない方向で小アジ10匹だけはクーラーにお入りいただいた。



マズメポイントに到着したのは夜明け一時間前。仮眠が本眠になり、起きたらガッツリ明るい。いつものパターンだ…。

急いで堤防へ。寝ぼけていたせいで二回も車に戻ることに。一回目はサングラス。二回目は全部入りのウエストバッグ。

餌師の仕掛けが飛び交う中、その隙間と隙を狙ってビシビシキャストする。コマセに狂ったアジとサバ。フグにやられてご飯粒程になったワームにだってバイトしてくる。多分ジグヘッドだけでも何本かは捕れただろう。

MAX27㎝のキアジ。ほとんどが20㎝以上だ。はー。

ただこの魚、一つだけ気に入らない点がある。活性が高過ぎなのか、警戒心を失っていたのか、とにかくすべてジグヘッド丸飲みなのである。おそらく、吐き出す準備もせずに吸い込みまくっていたのだろう。バイトのほとんどが、竿ごと引っ張っていくような大味なもの。

アジングの楽しさのひとつはバイトの鋭さにある。吐き出される前にビシッとアワセを決めた瞬間がたまらないのだ。右手人差し指に集中して、微かなアタリをとる。極言すれば、アジングの醍醐味は豆アジにアリ、である。でも食べるなら大きいほうがいい。出来ればコマセに酔った魚は狙いたくない。

アジングはつくづく矛盾が多い。

矛盾が多いから、それを解決していく楽しみもある。


仙人が仙人になる前、車で一時間以上掛けて通った女性がいた。同意を得た上で特殊な宿泊施設の部屋に入ったにもかかわらず、想いを遂げることが出来なかった。

あの時、彼女がシャワーを浴びているまさにその時、脱衣かごに脱ぎ捨てられた真っ赤な下着がどれほど俺を欲情させたか。

そのあとの展開は綺麗に記憶から抜け落ちている。自己防衛のために無意識のうちにデリートされたかのかもしれない。

人生には思い違いや勘違いはつきものだ。人は自分の考えを外界との触れあいを通して、少しずつ訂正しながら生きている。

自分を押し通すのもよし。周りに流されるもまた、よし。

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