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ルアー開発日記⑤ 楽しめているか?

  • ジャンル:仕事
今回は、開発アングラーとしての内面的な話しw


今までに、うまく行かない時なんて、腐るほどあった。
つうか、よくよく考えたら、うまく行った事なんてあんまり覚えてない(笑)
 
昔よく、「レースで金が無く、生活がマジ辛い」と、嘆く仲間がいたけど、自分はあんまり辛いと思ってなかった。
 
一人暮らしをし、電気もガスも止められ、大家さんが部屋の前に来ると息を殺して居留守を決め込む。
深夜に帰宅したら「あ、あの女はヤバイ・・・!」というのが○○持って立っていて、予選最終ラップよりも集中して逃げる。
食事は1日一食の蕎麦かパスタで、薬味はその辺に生えている。
ブラックバスは綺麗な水の場所に釣りにいくw
 
そんなのはシャレのうち。
全然辛いという物ではなかった。
 
笑い事だ。
 
むしろあのころ一番辛いと思った事は、「週末レースなのに、雨で水曜の練習ができない」とか、「プロトチャンバーが1周でペチャンコになった」とかだった。
 
何かをやり遂げる為には、あれもコレもと手を広げていては、絶対に1本に集中した相手には勝てない。
思うに、その「一本に集中した人」が多いジャンルほど、熾烈な競争原理が働いてレベルの高い競技になっていく。
それを支えるマーケットが在れば、それでプロ化が進んでいく。
 
そのギリギリに存在するジャンルへ参加していたゆえに、全ての労力を競技へと注いでいた。
だから勝てない仲間が「辛いよね」と言えば、「辛いなら辞めれば?」と。
傍観者が「大変なんだね?」というと、「ハイ、最高に笑えます」と思っていたw
 
好きでその道を選んでいるからね。
人にとやかく言われる事でもない。
 
20代前半の、普通の人たちがやる遊び・・・
飲み会もナンパも、そりゃぁ楽しいのは解っているけど、それ以上にソコへ掛けるエネルギーが勿体無かった。
 
もちろん、金と時間は=で結ばれた有限で、飲み会に行って5000円を使い、レースで「お金がなかったからピストンリングを変えなかった」という理由で望む結果が出なかったら、いったい何の為にレース出るの?ってなる。
 
そういうスタンスで、15年ほどその業界で生きていた。
思えば、いつも熱を発していた。
 
ただ、仕事となって走っていた一時期、「バイクに乗るの、あんまり楽しくない」と思うようになった事がある。
たぶん、2年ぐらい、そんな感じだったかも。
 
レースは好きだし、自分が携わった製品を持ってお客さん(パーツ量販店)を廻り、担当者がレースの結果を知っていてくれたりすると本当に嬉しかった。
店舗のセールでイベントをやりたい。。。なんて相談されれば、レースが無ければ必ず二つ返事でOKしていたし、家に帰れなくても別に嫌じゃなかった。(帰って変な女がいたら、もっと嫌だしw)
 
だけど、「バイクに乗るのが楽しくない」と、思うようになった。
今思うと、あれは逃避だったかもしれない。
 
 
 
ある練習日、ふら~っとツーリングぐらいの気持ちでコースを回った。
とても天気が良くて、ポカポカした4月の午後だった。
 
ただしレースの前日で・・・
皆さん殺気立っておりましたwww
 
路面のシミ、ゼブラゾーンの始まりに生えていた野花、クラッシュパットに刻まれている黒い傷・・・
いろんな物を見て楽しんだ。
 
横を必死の形相で駆け抜けていく人たち。
もちろんタイム出しに必死な人たちの邪魔しちゃいけないから、80cmはレコードを外して走った。
 
まぁ、「慣らし走行」と変わらんね。
ベストラップの1秒落ち程度。
 
たぶん、100Lapはしたと思う。
ちなみにその走行をした事で、ガゾリンはもちろん、タイヤ、ピストンリング・シリンダー・プラグ・クランク・駆動系パーツ等の、全てを消耗する。
 
レース車両とは、新品部品をブチ込めば、何でも良いという物ではない。
消耗部品の美味しいところの組み合わせを探し、タイミングを決勝日に合わせて行く。
 
私の参加クラスは、レース前日にほぼ全てのライダーがその為に細かいピットインを繰り返すし、いつも私もそうしていた。
 
走行を見ていた他チームの関係者が、「工藤が怪しげな事をやっている」とか、「なんか新しい部品を入れたんじゃないのか?」とか「いや、あれは全開で走っているけどバイクが駄目なんじゃ」とか「三味線引き出した」とか、好き勝手を言っていたらしいw
 
いやね、さすがに「ゼブラの始まりに、奇跡的に花咲いてますよ♪」とか、誰にも言えなかった(汗)
 
 
翌日も天気良くて、予選は少し流して4位。
当時の自分の仕上がりから見ればあんまり良い位置ではないけど、フロントグリッドの一番はじっこだから眺めが良くて好きな場所。
 
決勝はスタートの、「よ~い、ドン!」の、「よ~」の辺りまで、遠くの空を眺めていた。
1コーナーの向こうに在る川に掛かる橋の上が、春らしく霞んで淡いブルーになっていて綺麗。
 
スタート直前ってエンジン以外の音がしなくて、エンジン音はすでに生活音だからライダーってのはうるさくは感じないの。
だから、「あぁ、物凄く静かな時間だなぁ・・・」なんて思ってたら・・・スズメがね、スタートを知らせるシグナルの上に一羽いたのが見えた。
 
シグナルレッドが付いて、飛んで行っちゃった。
 
そのレースは2位だった。
まぁ順当な結果だけど、ひとレース捨てて見えたものがあった。
 
なんか憑き物が落ちた気がしていた。
 
 
それから、物凄くバイクに乗ることが楽しく思えた。
結果も出てきたけど、何よりも開発が進んだのが嬉しかった。
 
けっこうね、開発者の気持ちって、製品ににじみ出るもんなんだと知った。
 
当時も各社がチャンバーだのなんだのをリリースしていたけど、売れてるものを適当にコピった製品が8割。
残り2割は一生懸命、時間とお金を掛けながら開発しているけど、1割は使い物になる製品(ようはコピーの対象になる良い物)で、もう一割はコピー品にすら負けるけどコレからが楽しみな製品(新しい試みをしてる事が多い)。
 
そしてユーザーは、本当に良く見ている。
 
4年後に思い残す事無く、チームオーナーにだけ引退を告げて、ひっそりと幕を引いた。
 
 
で、今。
 
去年から、ジャンルは違うけどまた「開発業務」に携わっている。
これが楽しいのなんのって(笑)
 
レース辞めてからかなり経つけど、またあの頃の「本気でやってく」という気持ちが自分に残っていたのが嬉しい♪
じつはね、少しこういう事になるのは躊躇していました。
 
だって、結婚もして仕事も在って、そういう部分を犠牲にしないといけないなら・・・
もっと言うと、開発業務に携わったら、絶対に自分の性格じゃ家庭を犠牲にしちゃうんじゃないかと。。。
 
ところがコレが驚く事に、犠牲をほぼ無し(というと、嫁様に怒られますがw)で「本気でやれてる」のです♪
ただ、独身時代に比べ少ない時間とお金のやりくりをするので、「余計な事に時間を使いたくない」というのはかなり在りますw
 
最近は、釣り以外の遊びはゼロ。
本当はお付き合いや仲間なんかと飲みに行きたいのも在りますが、それも極力少なくして釣行時間や家族との時間を作っています。
 
もちろん、休みの日に取材やテストで家に居ない日もある。
それは家族からしたら残念な事かもしれない。
 
だけど、サラリーマンとして仕事と家庭を行き来して、たまに会社の人と飲んで愚痴を聞きあう・・・
そういう生活にしてしまったら、絶対に自分が持たないときが来るのを知っています(笑)
 
結婚する前に、ちゃんと伝えておきました(爆)
 
仕事は楽しい。
コレほんと。
 
釣りも楽しい。
コレほんと。
 
でも、帰った時に家族が笑顔で迎えてくれないと、釣りや仕事まで楽しくなくなっちゃう。
 
そうすると、開発製品にもにじみ出ちゃう。
妥協の色も、よく見えてしまいます(笑)
 
釣りが好きで、楽しくて楽しくて。
その先で開発業務に携わる事になったアングラーはけっこう居ると思います。
 
釣り、楽しめていますか?
 
 
色々な理由で、上手く行かない事や、悔しい事がたくさん在る。
でも、全部上手く行くような開発だったら、それって誰でもできちゃう事。
そのパターンでは、オンリーワンは作れない。
 
やりたい事が出来ないなら、それは環境を作る努力が足りないだけ。
本気ならポジション作りからやれば良いし、伝えられないのは自分の力の無さ。


私はそうやってます。
 
一回ソコを自分で認めちゃえば、後は登っていくだけだから楽しいです。
楽しいと、たくさんアイディアがでてきます。

アレやったら・・・
コレやったら。
 
今とっても楽しいです。
もちろん、ファン登録してくれる皆さんや一緒に遊んでくれる仲間、サポートメーカーのおかげです♪

いや~、ほんとありがたい話し。



まぁ、ここまで書いておけば、先日の工場との打ち合わせの鬱憤も、なんとか消化できるだろう(爆)

いつも思う。
開発は、「最後は情熱」がものを言う。


 

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