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村岡昌憲
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▼ BlueBlue鉄板バイブの開発経過
- ジャンル:日記/一般
- (elegy-つぶやき-)
今週はひたすらテストテストの週。
その間に取材やニコ生が入ったので、身体的にはきつい週だった。

テストは最終段階を迎えたBlueBlueの鉄板とBlooowin!80S。
Blooowin!はまだまだ時間が掛かりそう。
140Sを作った経験から早いと思っていたけど、今さら8cmの普通のミノーを出したって評価してくれる人はいない。
Blooowin!140Sのように、最後選ばれる性能をしっかりと持ったモノを作っていきたいので、この秋の発売をあきらめ、コツコツと開発を続ける。
鉄板の開発はプラスチックに比べれば、意外と簡単だった。
開発を決めたのはこの春のこと。
だから数ヶ月で最終段階までこぎ着けたことになる。
過去に自分が関わったミノーは1年~2年かかるものがほとんどなので、そういう点では簡単だったと言っていい。
これを読んだ設計担当者は「簡単じゃねー。」と怒り出すだろうが(笑)
最初に世の中に市販されている鉄板のほとんどを手に入れて、徹底的な投げ込みを行った。
それから、鉄板の市場の聞き取り調査。
売れている鉄板、評価されなかった鉄板、ユーザーが何を求めているのか。
そういう視点で開発したのって、あんまり経験がない。
いつもは自分が欲しいものを作るという視点しかないが、鉄板はレッドオーシャン市場だけにそれでは選ばれることはないと思ったのだ。
自分が欲しいもの、そして世に出ている鉄板の中で、他にない無くてはならないもの、もしくはよくあるものだけど、その中で最も釣れるもの。
これを作らないといけないと。
最初の1ヶ月間は、今までにない鉄板バイブを作ろうと決めて、アイディアのままに色々とものを作っていった。
自分の工場があるというスピード感はこういうところで生きてくる。(それでも他メーカーに比べたら、まだまだ遅いが)

写真の下のものがそう。
最初はスタンダードな鉄板からは少し外れたもの。
が、これは結局ボツになった。
かなり面白いものになったが、ApiaのビットVの守備範囲を出られない。
で、あれば必要ないという判断。
もうひとつ、いいアイディアがあったのだけど、それはApiaさんで開発しているものに搭載することにした。
で、次にこんなものを作ったのだけど、これもそんな魅力的な可能性を示すことはなかった。
(但し、すげー釣れたので、個人的に研究対象に戻した。)

で、改めて考えたのは今の自分の脳みそでは、新しい鉄板バイブを生み出す骨格的なアイディアは出ない、ということ。
そこで、それでは、スタンダードな鉄板を作っていこうという方向性に帰ることにした。
となると、再度の投げ込みである。
世に出ているメジャーな鉄板を100キャストずつ。
飛距離のばらつき、糸絡みが起きる率、浮き上がり具合、そして釣果。
それを徹底的にテストしていて、鉄板バイブの一つの方向性に気がついた。
それは、
・絡まないこと。
・軽快に心地よく引けること。
・釣れるアクションを搭載すること。
この3つの指標が優れたものが市場に評価されていた。
指標は決まった。
もちろん、この3つを謳っている製品は多い。
だけど、テスト結果から本当に謳い文句通りの製品って少ないと思ったのだ。
鉄板バイブがなぜルアーフィッシングでここまで支持を得たのかと考える時、飛距離などは当然のこととして、釣れるという性能に尽きる。
その釣れるという性能の最大の要因が、ブレード(鉄板部分)の進行方向に対する平行性であると考えている。
昔のバイブレーションは泳ぐ時、頭下がりのアクションだった。
レンジバイブが出てきた時、進行方向に対する平行性について革命的に改善された。
レンジバイブは最大深度に達すると、その平行性が出る。
だから、釣れた。
しかし、もっと深いところになると、どうしても平行性が維持できない。
そこで鉄板バイブが出てきた。
シコバイブなどは水深10mラインなどで革命的に平行性を発揮した。
そこからは百花繚乱だ。
だけど、最後はその3点の長所を生かした製品がユーザーに支持をされているように思う。
・絡みにくさ
・軽快さ
・釣れる性能(最高の平行性)
この3点で一番の製品を作ろうと。
試行錯誤すること、3ヶ月。
最初にテストにこぎ着けたのは、2つの形。

方向性は良いが、全然ダメ。
で、あーでもない、こーでもないと時間が経ち、こうなる。

まだ穴だらけ。
一つ気付いた事があった。
軽快な引き心地を出すには、重心設計が極めて重要だ。
重心点をアクションの振動中心点に近くすればするほど、細かいバイブレーションが発生する。
しかし、その状態ではアイの穴の位置がムチャクチャにシビアになる。
2つ、3つ開けて、前の方が軽く、後ろが波動を強く、という鉄板が多いけど、この鉄板バイブはたった一つの穴での勝負になる。
穴の位置もほんとうにシビアなテストを繰り返す。
1と2はボディはまったく一緒である。
穴の位置が半分ずつずれている。

そして、できあがった最終版。
1と2の2つのサンプル。(青色の鉄板)

イルカのようなフォルムが特徴的になった。
1と2の違いはほんのわずかだ。
穴の位置はわずか0.3mmの差で、どちらも市場に出したら先に挙げた3つの長所をクリアすることができそうだった。
強いて言うなら、1が河川遠投向き、2が沖堤向き。
と、判断したところで、テスターの活用。
BlueBlueには現在、5名のテスターがいる。
1名辞退したので、4名にテストを託した。
日本は広い。
自分は東京の海で釣れる釣れないはある程度判断できるが、それが九州や北海道、東北の海で通用するかどうかはわからない。
だから、メーカーは全国にテスターを置く。
名ばかりのテスターがいるメーカーも中にはあるけれど、BlueBlueはそういう本質的なところを大事にしていきたいと思っている。
全国に散ったそれぞれのプロトルアーは、それぞれの海を気持ち良く泳いだんだと思う。
磯から港湾、河川、各テスターがそれぞれ得意とするフィールドでの結果が夏休みの間に続々と集まってきた。
結論は割れていた。
最後に決めるのは自分。
その結果を持って、最後のテスト。

朝から夕方まで、1と2と、他メーカーの鉄板を3つ。
コンビニの牛丼を弁当に、ほぼ6時間ぶっ通しで70m級のキャストをし続けた。
リトリーブもリフトアンドフォールで変化を付けていく。
絡み具合のデータは感覚では出せない。
きっちりとデータで出す。
そこで導き出した最終結論。
2は合格。だけど、1.5を作ってもう一度テストをする
ということで、次こそ最終テスト。
その日の夜、全身筋肉痛となって、右肩と右肘が上がらない中でのニコ生。
タイムシフトで見る人はキャストフォームを笑ってやって。
良いルアーには開発者の魂がこもる。
それは、「いい顔」という形になって表れることが多いと思う。
ちょっとだけ、その「いい顔」になってきたんじゃないかと。

- 2013年8月23日
- コメント(26)
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