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▼ ルアー選びのイロハ16
- ジャンル:日記/一般
ルアー選びのイロハ16
ちょっと前回は余計な経験話を入れたので、今回はルアーの話に戻して素材の話。
4 材質で何が変わるか
基本的に市販されているルアーは、ABSという樹脂でできているものが多くあります。
このABSという樹脂は非常に優れた樹脂で、耐薬品性や温度、衝撃に幅広い対応力を持っています。
また、金型の転写性に優れ、射出成型にも対応することから、量産性に優れた材料といえます。
と、専門的なことを書かれてもなんだそりゃ?だと思うので、一言で。
ABSは色が塗れるし、透明だし、安価で射出成形もできるから、ルアーマテリアルとしては最高ですよ。
ただ、ちょっと衝撃には弱いけど、まぁ壊れちゃうのは仕方ないよね~といったところ。
いや、ガラスだのカーボンだのを混ぜたナイロンというものもありますし、POMという素材もありといえばあります。
ただ、透明ではなかったり、塗料が乗らない(足付けできない)とかいろいろ問題があるのです。
なおまれに、ソリッド素材(中に空間がない)ではポリカとかもあります。
ただ一般的になれない理由もありまして、やはり塗装の問題が大きいかなと。
ということで、現状ABSがほぼ。
それとは別に、ハンドメイドというジャンルでは、いまだにウッド素材が主流となっています。
これは企業のレベルの話もありますが、ABSで作るには金型と射出成型機が必要になります。
まぁ、ルアーメーカーはそんな設備は持っていないので、当然ですがアウトソーシングをします。
う~ん、110mmのルアーの金型、弊社なら120万円~かな(笑)
成形代は材料費込みで・・・・と書くと、あまり喜ばない人たちが多くいますから、これ以上は書きませんが、要するに個人では持てるレベルではないのです。
ABSは「たくさん売れる」が前提の話なのです。
仮に成形100円、その他部材が100円、塗装その他500円とした場合、よく「ルアーは700円で作れるのにぼったくりだ!」という人がいますが、もしこれが、10個しか売れないルアーの場合はプラス12万円(金型120万円÷10個)プラスαですね。
成形屋として10台作ってくれと言われたら、弊社の場合は「最低でも4000円/台」はいただきます。
段取り費その他を生産Lot数で割り込むと、そのぐらいもらわないと合いませんw
工業の世界は数が正義なのです。
たくさん作ると安くなり、少量生産だと高くなるのです。
そりゃぁトヨタの車は安くてものが良いよなぁ・・・ということなのです。
話を戻して、けっきょく個人でやるならウッドです。
手間暇かけて、苦労をして作ってウッドが一番です。
もう一歩進むと、発泡ウレタンというものがあります。
最近は私はこっちを使っていますが、これもなかなか技術のいるもので、シリコン型への流し込みなのですがかなりコツがいる成型方法となり、ウッドとあんまりめんどくささは変わらないと最近気が付きました(笑)
でも、楽しいからやっています。
そこがベースなのです。
なぜならばハンドメイドだからです。
利益を求めた量産とは、ちょっと違ったアプローチであることが大事なのです。
さてこれらの素材で何が変わるかですが、浮力が変わります。
ABSの比重は水よりちょい重めで、空気をくるむことで浮力を生むのに対し、ウッドや発泡ウレタンは素材自体が比重の軽いものでできています。
ですから、同じ体積にしたところで、実は全く異なるアクションとなります。
ウェイトのところで話をした、「重さの分散によるアクションの違い」ですね。
(ただし、ウッド素材で外側のコーティングが多すぎると、ABSと同じことが起きます)
よく、「著名なウッドルアーを樹脂で量産化したら、同じ形なのにアクションが違う」ということを聞くと思いますが、これはまさに重量配分の違いによって起きています。
余談ですが、ABSルアーは試作をよくヒノキの比重で作るなんてのも言いますね。
もっとも最近はCAD/CAMで試作はすでにABSの削り出しが常識でしょう。
それでできたものに、射出成型用の抜き勾配やランナー位置等を入れ込んで、金型屋さんへGoでしょうか。
まぁ、素材はいろいろあるけれど、それで何が変わるかなんてことはユーザーは気にする必要はないかもしれませんね。
ただ、私個人としてある人が昔雑誌に書いてあったことが、今でも頭に残っているので紹介します。
「根掛かりしてラインブレイクしてしまっても、最終的に腐って自然に帰るのがウッドルアーの良いところ」
もちろん全てではないですけどね、こういう考え方は本当に素敵だなぁと思う。
なお、ルアーロストと近年話題のマイクロプラスチック問題は、その道のプロとして「あまり関係ない」と考えます。
あのマイクロプラスチックが地下水や海に広がっている汚染の原因は、熱可塑性樹脂の完成品ではありません。
ルアーは完成品なので、マイクロではなく漁師さんとかの手に引っかかっちゃう事のほうが怖いですね。
そう考えると、ロスト立位が高いバイブの釣りは樹脂バイブより鉄板の方がまだいいかもなぁ・・・なんて思ってます。
もちろん、ロストがないのが一番です。
話を戻します。
素材で何が変わるかは、終始比重と強度という分野で考えて間違いありません。
ただ、ユーザーの立場で言うなら、そんなのはあまり関係ない事かと思います。
ハンドメイドを自分もやっているから、「そこの拘り」的な部分はもちろんあるのですが、使う側はお金と性能が基本で良いと思っています。
「ABSだから釣れる、ウッドだから釣れる」ではなく、ABSをつかってどういうルアーになったか、ウッドを使ってどんなことができたのか、ウレタン樹脂を使ったから何を出来るのか。
結局は、魚はマテリアルを気にしていません。
ただし、人はそこに何かの動機付けをすることが出来ますし、それを他人がとやかくいう事ではないと思います。
製作者の発信と、その物がどうやってリンクするか。
そっちの方が大切です。
「メーカーが言う理屈と、実際の物があってない」なんてのは、近年のプロモーションが先行する流れでは日常的に起きてますからね。
ユーザーも勉強しないとなかなかこの状況は変わらないかもですけどね。
故に今回の様なブログを書いてますw
ちょっと前回は余計な経験話を入れたので、今回はルアーの話に戻して素材の話。
4 材質で何が変わるか
基本的に市販されているルアーは、ABSという樹脂でできているものが多くあります。
このABSという樹脂は非常に優れた樹脂で、耐薬品性や温度、衝撃に幅広い対応力を持っています。
また、金型の転写性に優れ、射出成型にも対応することから、量産性に優れた材料といえます。
と、専門的なことを書かれてもなんだそりゃ?だと思うので、一言で。
ABSは色が塗れるし、透明だし、安価で射出成形もできるから、ルアーマテリアルとしては最高ですよ。
ただ、ちょっと衝撃には弱いけど、まぁ壊れちゃうのは仕方ないよね~といったところ。
いや、ガラスだのカーボンだのを混ぜたナイロンというものもありますし、POMという素材もありといえばあります。
ただ、透明ではなかったり、塗料が乗らない(足付けできない)とかいろいろ問題があるのです。
なおまれに、ソリッド素材(中に空間がない)ではポリカとかもあります。
ただ一般的になれない理由もありまして、やはり塗装の問題が大きいかなと。
ということで、現状ABSがほぼ。
それとは別に、ハンドメイドというジャンルでは、いまだにウッド素材が主流となっています。
これは企業のレベルの話もありますが、ABSで作るには金型と射出成型機が必要になります。
まぁ、ルアーメーカーはそんな設備は持っていないので、当然ですがアウトソーシングをします。
う~ん、110mmのルアーの金型、弊社なら120万円~かな(笑)
成形代は材料費込みで・・・・と書くと、あまり喜ばない人たちが多くいますから、これ以上は書きませんが、要するに個人では持てるレベルではないのです。
ABSは「たくさん売れる」が前提の話なのです。
仮に成形100円、その他部材が100円、塗装その他500円とした場合、よく「ルアーは700円で作れるのにぼったくりだ!」という人がいますが、もしこれが、10個しか売れないルアーの場合はプラス12万円(金型120万円÷10個)プラスαですね。
成形屋として10台作ってくれと言われたら、弊社の場合は「最低でも4000円/台」はいただきます。
段取り費その他を生産Lot数で割り込むと、そのぐらいもらわないと合いませんw
工業の世界は数が正義なのです。
たくさん作ると安くなり、少量生産だと高くなるのです。
そりゃぁトヨタの車は安くてものが良いよなぁ・・・ということなのです。
話を戻して、けっきょく個人でやるならウッドです。
手間暇かけて、苦労をして作ってウッドが一番です。
もう一歩進むと、発泡ウレタンというものがあります。
最近は私はこっちを使っていますが、これもなかなか技術のいるもので、シリコン型への流し込みなのですがかなりコツがいる成型方法となり、ウッドとあんまりめんどくささは変わらないと最近気が付きました(笑)
でも、楽しいからやっています。
そこがベースなのです。
なぜならばハンドメイドだからです。
利益を求めた量産とは、ちょっと違ったアプローチであることが大事なのです。
さてこれらの素材で何が変わるかですが、浮力が変わります。
ABSの比重は水よりちょい重めで、空気をくるむことで浮力を生むのに対し、ウッドや発泡ウレタンは素材自体が比重の軽いものでできています。
ですから、同じ体積にしたところで、実は全く異なるアクションとなります。
ウェイトのところで話をした、「重さの分散によるアクションの違い」ですね。
(ただし、ウッド素材で外側のコーティングが多すぎると、ABSと同じことが起きます)
よく、「著名なウッドルアーを樹脂で量産化したら、同じ形なのにアクションが違う」ということを聞くと思いますが、これはまさに重量配分の違いによって起きています。
余談ですが、ABSルアーは試作をよくヒノキの比重で作るなんてのも言いますね。
もっとも最近はCAD/CAMで試作はすでにABSの削り出しが常識でしょう。
それでできたものに、射出成型用の抜き勾配やランナー位置等を入れ込んで、金型屋さんへGoでしょうか。
まぁ、素材はいろいろあるけれど、それで何が変わるかなんてことはユーザーは気にする必要はないかもしれませんね。
ただ、私個人としてある人が昔雑誌に書いてあったことが、今でも頭に残っているので紹介します。
「根掛かりしてラインブレイクしてしまっても、最終的に腐って自然に帰るのがウッドルアーの良いところ」
もちろん全てではないですけどね、こういう考え方は本当に素敵だなぁと思う。
なお、ルアーロストと近年話題のマイクロプラスチック問題は、その道のプロとして「あまり関係ない」と考えます。
あのマイクロプラスチックが地下水や海に広がっている汚染の原因は、熱可塑性樹脂の完成品ではありません。
ルアーは完成品なので、マイクロではなく漁師さんとかの手に引っかかっちゃう事のほうが怖いですね。
そう考えると、ロスト立位が高いバイブの釣りは樹脂バイブより鉄板の方がまだいいかもなぁ・・・なんて思ってます。
もちろん、ロストがないのが一番です。
話を戻します。
素材で何が変わるかは、終始比重と強度という分野で考えて間違いありません。
ただ、ユーザーの立場で言うなら、そんなのはあまり関係ない事かと思います。
ハンドメイドを自分もやっているから、「そこの拘り」的な部分はもちろんあるのですが、使う側はお金と性能が基本で良いと思っています。
「ABSだから釣れる、ウッドだから釣れる」ではなく、ABSをつかってどういうルアーになったか、ウッドを使ってどんなことができたのか、ウレタン樹脂を使ったから何を出来るのか。
結局は、魚はマテリアルを気にしていません。
ただし、人はそこに何かの動機付けをすることが出来ますし、それを他人がとやかくいう事ではないと思います。
製作者の発信と、その物がどうやってリンクするか。
そっちの方が大切です。
「メーカーが言う理屈と、実際の物があってない」なんてのは、近年のプロモーションが先行する流れでは日常的に起きてますからね。
ユーザーも勉強しないとなかなかこの状況は変わらないかもですけどね。
故に今回の様なブログを書いてますw
- 2021年12月3日
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