内側から作るハンドメイド 重心移動3.0

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デザインと構造を交互に模索しているようなハンドメイドの日々。今回は引き続き重心移動改良の話。

太さの異なる段差ストローでの重心移動は、手軽ではあるがボディがどうしても大きくなる傾向があり、そこからよりスリムさとスムーズさを目指して改良をしているところ。いったん単一の太さのストローに戻し、それを角度をつけながら接合するやり方を再度模索している。

そんな中、3フックの130mmミッドダイバーを新たに計画。これまでのやり方では3フックと重心移動は構造がお互い干渉してしまうため実現できなかったが、そこで新たな構造にトライ。重心移動の部品をワイヤーで全周ぐるりと囲むようにし、要所を熱収縮チューブで固定していく作戦をとった。ワイヤーが重心移動システム自体を守るようになればという期待を込めて。
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製作開始。しかし苦難の連続。
ストロー自体はほとんど伸びないから自力で綺麗に曲げるのは困難。そこでカットしたもの同士をつないでいく作戦だが、とにかく思い通りにいかず何十本ものストローがゴミ箱に。最終的には角度をつけてカットしたストローの端面を内側から金属棒で押し広げて別のストローを差し込み、その上から両方をテープで固定するところまでどうにかたどり着いた。
ストロー同士の接着は非常に難しくていろいろ試したものの、現時点では普通のセロテープが一番付きがいいと感じている。

ステンレスワイヤーの取り回し作業はこれも一筋縄ではいかない難易度であったが、そこは時間をかけて丁寧に曲げていき、どうにか狙いの形に近づいた。前後を熱収縮チューブで固定するとユニット完成。
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ふう。一段落。
ウェイトボールの動きはとても滑らか。
これだけでもルアーになりそうだが、この内部構造に合わせてボディを製作する。今までボディから削るのが当たり前だったのに、内部構造からスタートしているところが新鮮でもある。

ボディ削りは特に新しいところはないので無難に。
ただ内部構造をボディ本体から独立させたことで本体側に強度を依存させる必要が幾分低減されるのではないかと。
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左右から貼り合わせてリップを装着したら一応ルアーの形に。
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リップは本体に馴染ませるためスリムにしたいのだが、ルアーの中で一番破損しやすい部位でもある。今回はリップ強度向上のため、2mmアクリルのリップの裏から中心に同じアクリルの支持材を専用接着剤で固定。断面がT字型になることでの強度向上だけでなく、ルアー本体側もT字に切り込みを入れることで装着時にきちんとセンター合わせがしやすく、ガッチリ固定できるというメリットがある。触ってみたがかなり頑丈になった印象だ。
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レジンで2回コート後にスイムテストをし、
シート貼り工程へ。

前回ご紹介した「2.5次元ルアー製作」で描いたデザイン画。毎度ではあるがPCにてパーツごとにデザインしインクジェットシートに印刷していく。今回はウロコ模様をただのクロス線ではなく、一枚ずつ描くやり方に変えてみた。そしてボディ本体の立体感を生かすようウロコのサイズを調整しながら検討。この時間は大変だけどとても面白くてのめり込んでしまった。
あとはエラがチラリと見える感じにリファイン。
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シート貼り付け後、カッターや鉄筆で要所にアクセントをつけてレジンで2回コートしたら完成。
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うーん。
できたときは「よしよし」と感じるのに、翌日にはまた違う課題を感じる日々。ひとつの形、ひとつの色柄だけでも、何回もやらないとなかなか思うレベルに到達しない。

さあ、また明日も新たな課題克服に向けて製作製作。




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